清澄高校麻雀部のために備品の買い込みに走る京太郎。
彼の心臓は、彼自身も知らない病魔にいつの間にか蝕まれ、ある日いきなり倒れてしまった。

「京ちゃんの余命が……そんな、一ヶ月だなんて……っ!!」
「京太郎……こんなことならタコス買わせに走らせなきゃ良かったじょ……」

ある者は他の部員の目もはばからず泣き、ある者は絶望に打ちひしがれた。
しかしそのまま黙っている訳にも行かない。 とりあえず何が欲しいのか。やはり金じゃないのか。そう考えたとき、行き着く場所は一つ。

「……事情は解りましたわ」

時刻はすでに夜。 龍門渕家の本館のドアの前に、清澄高麻雀部の5人が揃う。
その前には、龍門渕透華が一人で正対していた。

「しかし……さすがにそこまであなた達にする義理はありませんの……申し訳ないとは思うのですが」
「いや、私たちのお願いが勝手だったのよ。ごめんなさいね」
「すまんのう、夜分遅く押しかけてしもうて」

久とまこが頭を下げると、5人は透華が姿を消すのを見送ってから踵を返した。
確かに、赤の他人同然の京太郎の治療費を透華に何とかしてもらおうなどとは甘い考えだった。
しかしそれくらいしなければ京太郎の治療費は集まらない。しかも時間が刻一刻と迫っているのだ。

目を涙で赤く腫らした咲と、冷めたタコスに口をつけようともしない優希。
和は、親友たちのそんな姿を見てどうしようもない気持ちに押しつぶされそうだった。

「―――――ハラムラノノカ?」

「え?」
「ノノカどころか、清澄が勢揃いではないか。龍門渕の屋敷に何の用だ?」

「……そうか」
「しかし私も居候の身。龍門渕の金をむやみに持ち出すことも出来ない」
「だが……お前等には雀力がある。だからそれに賭けようではないか」
「待て待て、ちまちまフリー雀荘で打ってもしゃあないし、N野には高レートの賭場があるなんて噂は無いで」
「案ずるなワカメ」

「んなっ!?」
「今宵は満月。これならこの力も発揮できよう」

「うわああっ!?」
「きゃあああっっ!!」
「じぇえぇええっ!?」

「一晩で稼げる賭場へ導いてやろう!!」

『……女流戦決勝、優勝賞金500万円。今その幕が開こうとしています』


「……ん? ここは……どこだじぇ…」

『東家、馬杉寧香プロ』
『南家、出島美結プロ』

「ん? どこかで聞いたことのあるような……」

『西家、丘葉未唯子プロ』
『北家、片岡優希アマでお送りします!』

「……じぇええええええっ!?」


―――片岡優希、vs丘葉未唯子他2名(打姫オバカミーコ)―――


(目が覚めたら雀卓……成り行きで局を進めてはおるけど、状況がさっぱりつかめんわ)
(……それにしても、何やあの対面)
(なんちゅう冷たい牌を打つんや……)

「メガネのお姉さん、どうしたの」
「ん?」
「震えてるよ」

(ああ……なるほど、そういう事かいな)


―――染谷まこ、vs氷のK(凍牌)―――


「何だてめぇ、セーラー服はともかく、その短い腰のスカートは」
「え、あ、それは」
「大体その風船みたいな乳はどうにかならないもんなのか?」
「せ、セクハラですっ!!」

「まぁカッコなどどうでもよいではないか隼」
「え、まぁ……ワシズ様がそうおっしゃるなら」
「この卓に入ったということは……お前もこの金塊を狙っているのだろう? 女よ」


―――原村和、vs鷲巣巌&隼(後の鈴木)(ワシズ -閻魔の闘牌-)―――


(どうやらバブルの頃の日本のマンション麻雀ってとこかしら)
(時空移動……? 天江衣のオカルトもさすがにここまでとは思わなかったわ)

「お嬢さん、卓は空いてますか?」
「あ、ええ。どうぞ」
「レートは?」
「10万ビンですが……あの、あなたお名前は?」
「……傀、と呼ばれています」


―――竹井久、vs傀(むこうぶち)―――


「何じゃこのアマぁっ!! さっきからカンカン鳴きまくって場を荒らしやがって!!」
「ひ、ひぃぃっ!?」
「おまけに3連荘で嶺上開花!? 絶対仕込んどるやろ!!」
「い、イカサマじゃないです……」

「―――――早く打ちなよ」
「何やと!?」
「時の刻みはあンただけのものじゃない」


―――宮永咲、vs哭きの竜(哭きの竜)―――




どうなる、清澄高校麻雀部!
京太郎の命を使い果たす前に金を稼げるのか!? そもそも稼いだところで元の世界に戻れるのか!?