優希「トリックオアタコス!」

    京太郎「……」

    優希「んー?反応がないな。じゃあもう一度、トリックオアタコ……」

    京太郎「……お前何してんだ」

    優希「見てわからないのか?ハロウィンだじぇ、ハロウィン!」

    京太郎「ハロウィンねぇ……その珍妙な格好は仮装ってわけか?」

    優希「ふふん、まあな!どうだ?この優希ちゃんの仮装にメロメロになっただろう!」

    京太郎「……」

    京太郎(仮装って言っても制服に犬の耳と尻尾着けてるだけじゃねえか……えっ、まさかこれ狼のつもりじゃないだろうな?)

    優希「さあ、早く悪戯されるかタコスを渡すか選ぶがいい!悪戯を選べばたっぷり可愛がってやるじぇー……」

    京太郎「ほらよ、タコス」

    優希「えっ」

    京太郎「なんだよ、お前が悪戯されるかタコスを渡すか選べって言ったんだろ。だから俺はタコスを渡す方を選んだだけだ」

    優希「……」

    優希(いや、確かにそう言ったけど……普通女の子からこういう事言われたらすぐに悪戯を選ぶんじゃないのか?)

    優希「むぐぐ……ちょっと待て!」

    京太郎「待てって何をだ……」

    優希(ええい、こんな事態は想定してないじぇ!えっと、確かここに……
      あったあった【影薄めの金髪男子を落とす100の方法・ハロウィン編】!ハロウィンで
      相手が悪戯を選ばなかった時の対処法は……)

    京太郎「……」

    優希「待たせたな京太郎!」

    京太郎「いや、いいけど……タコスいらないのか?」

    優希「それはありがたくもらっておくじぇ」

    京太郎「ああ、じゃあこれな」

    優希「……」

    京太郎「……」

    優希「……あれ?」

    京太郎「どうした?」

    優希「いや、京太郎はしないのか?」

    京太郎「何を?」

    優希「トリックオアトリートって……」

    京太郎「だってお前がお菓子くれるわけないし、悪戯したら倍返し確定だろ。
        なんでわざわざこっちから痛い目見なきゃいけないんだ」

    優希「……ちょっと待って」

    京太郎「またかよ」

    優希(えっ、あれ、どうしよう!?悪戯を選ばなかった場合は自分が悪戯を
      したいって意味じゃなかったのか!?この本には確かにそう書いてあるのに!)

    京太郎「お前さっきから何読んでんだ?」

    優希「あっ!」

    京太郎「【影薄めの金髪男子を落とす100の方法・ハロウィン編】……?」

    京太郎(著者小鍛治健夜か……)

    優希「ううっ……」

    京太郎「……ちょっと待ってろ」

    優希(終わりだ、何もかも……)

    京太郎(えっと、こういう時どうすればいいのかこの【タコス好き女子を落とす
       100の方法・ハロウィン編……著者瑞原はやり】に書いてあったか……?)

    カン!