119 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/11/28(土) 23:11:37 ID:scioAHJ5

201X年 初夏 全国高校生麻雀大会N県予選会場

「―――――ということで、気合を入れて頑張りましょう」

「「「「はいっ!」」」」

「あのー部長」

「何ですか?」

「副部長がいつの間にかいなくなってるんスけど、どこ行ったか知りませんかね?」

「さあ…ってさっきまでここにいましたよね」

「ああ、副部長なら須賀先輩の買出し手伝うって出て行きましたよ。一人で」

「…いいんスか?行かせちゃって」

「いいワケがないでしょう…」

「ぜったい迷子になってますよね。ていうか優希先輩も消えちゃってますねー」

「優希もですか…仕方ない人たちですね、全くもう」



「うう…売店ってどこぉ…?ていうかここはどこ?」
「やっぱり誰かについてきてもらえばよかったかなあ」
「ほんとドジだな私って…なんか泣きたくなってきた…グスッ」

「迷子の迷子の子猫ちゃん♪あなたのおうちはどこですか♪

 …お前何度目だよ?この会場来るの」

「…探しに来てくれたの?」

「さっき和から携帯に連絡があってな、探しておいてくれってさ」

「そっか、部長に…原村さんにまた心配かけちゃったんだ」

「もう慣れちゃってんじゃねーの?咲のドジっぷりなんて今に始まったことじゃないし」

「京ちゃんのこと探しに行ったはずなのに自分が迷子になっちゃったよ」
「私もう3年生で、しかも副部長なのにね…情けないよね…グスン」

「そう思うんなら迷子になったくらいで泣くなよ」

「うん…ごめんね」

「それにな」

「え?」

「お前は全然情けなくなんてねーよ。むしろ俺、めちゃくちゃカッコイイって思うぞ」
「咲には、とてつもない強さが宿ってるんだ。その事は俺だけじゃなく皆知ってる」

「京ちゃん…」

「だから自分のこと情けないなんて言うな。…部内最弱候補である俺の立場がなくなる」

「そんなことないよ、1年生の時はストレート負けだったけど去年は結構粘ったじゃない」

「結局午前中で脱落したけどな…今年は午後まで残りたいけど、どうなるかなあ」

「今年は男子部員の頭数が揃って団体戦にもエントリーしてるんだから」
「そう簡単に負けたらみんなに怒られちゃうよ?」

「…いきなりプレッシャーかけてくるなんて酷すぎませんか咲さんよ」

「ごめんごめん、あははっ」

「やっと笑ったな」

「うん、ありがと…犬のおまわりさん」

「あれ、俺何かしたっけ?ワンワン」

「とぼけちゃって…でもね」

「ん?」

「そんな…ゃさしい京ちゃんが………す、す、す……すk

「バーーーーーカーーーーーいーーーーーぬーーーーー!!」

「ぐあああああアッー!」

「ゆ、優希ちゃん!?」

「京太郎貴様遅すぎるじょ!一体どこで油を売っていた!」

「いきなり背中に蹴り入れるとか容赦ねえなタコス!
 ていうか今の威力からして相当助走つけただろタコス!」

「うっさいじょ!駄犬の躾はスパルタ式で丁度いいんだじぇ!」

「スパルタってレヴェルじゃねーぞ!」

「ま、まあまあ二人とも落ち着いて」

「しょーがない、咲ちゃんの顔に免じて今回は勘弁してやろう。さっさと戻るじぇ!」

「卒業までこんな扱いなのかなあ俺…なんか泣きなくなってきた…」

「ふぁ、ファイト!京ちゃんファイト!」

「おぉ…ふぁいとぉ~…あ、そうだ咲」

「なに?」

「さっき何言おうとしたんだ?随分言いづらそうにしてたけど」

「…そのうち言うよ。きっと、必ず、ぜったい」

「ふ~ん、そうか」

「二人とも!ボーッとしてると置いてくじょー!」

「分かってるよ!ほら、行こうぜ咲」

「うん。あ、荷物持つの手伝うよ」

「サンキュ。…それとさ」
「高校最後の大会、お互い頑張ろうな」

「…うんっ!」

END

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