照「京ちゃんさん、咲やお父さんはいつ頃帰ってくるの」
京太郎「お父さんは分かりませんけど、咲は八時には帰りますよ」
照「八時」
京太郎「どうかしましたか、お姉さん」
照「なんでもない。京ちゃんさんはお客さまだから気にしなくてもいい」
京太郎「…………」
照「…………」
京太郎「そのガム、おうちに帰って来たときからずっと噛んでますよね」
照「ガムが大好きなの。子ども時分の夢は町で一等立派なガム屋さん」
京太郎「しますか。キシリトールの味」
照「私くらいになると噛み始めたときの味わいをいつでも思い出せる。問題ない」
京太郎「…………」
照「…………」
京太郎「もしかして、お腹空いてたりしますか。なんて」
照「…………」
京太郎「冷蔵庫の物であり合わせになっちゃいますけど、それでもよかったら」
照「お願いします」
京太郎「早いな!?」
照「ぺっ」
京太郎「ガムが!」
咲「ただいま」
京太郎「おかえり。今夕飯温めるからちょっと待っててくれ」
咲「お姉ちゃん帰ってきてるんだっけ。留守にしてたのに玄関が靴でいっぱいだったよ」
照「久しぶり、マイリトルシスター。もぐもぐ」
咲「あ、お菓子食べてる! お姉ちゃんばっかりずるい!」
照「これは京太郎に買ってもらったの。二人で手を繋いでお買い物もしたよ」
咲「ちょっと京ちゃん! どういうことなの!」
京太郎「だってこの人作った側から全部食べるし。咲といっしょですぐ迷子になるし」
照「恥ずかしがらなくてもいいのに、京太郎は照れ屋さん。うい奴」
京太郎「ちょっと照さん、当たってないけど当たってますから」
咲「いつの間にか名前で呼び合ってるし! とんだ裏切りものだよ!」
照「そういうわけだから咲の京ちゃんはもういないの。彼は私のお婿さん」
咲「ぐぬぬぬぬ! 黒い表紙のノートがあったら!」
京太郎「闘争心剥き出しなところ悪いけど、どこにもないからな。そんな事実」
照「えっ」
咲「それ見たことか! それ見たことか!」
京太郎「こんなに嬉しそうな咲を見たのは初めてだよ。長い付き合いなのに」
照「おかしい、こんなことは許されない。私との蜜月は遊びだったの」
京太郎「そういうところ、ホント姉妹でそっくりですよね。人聞きが悪いんでやめてください」
咲「サイテーだよ京ちゃん! 女心をもてあそんで」
京太郎「お前はどっちの味方なんだよ!」
咲「うさうさ」
宮永父「…………」
宮永父(出て行きづらい)
最終更新:2013年10月12日 21:16