咲「どうしたの京ちゃん。見つめられたら照れちゃうよ」
京太郎「いや、咲も大概だめな人だなって思っただけだよ」
咲「何それ。失礼しちゃうな、全く」
京太郎「よく言うよ。昼過ぎなのに寝巻きでゴロゴロしやがって」
咲「自分ちなんだからいいじゃん。京ちゃんお客さんのくせに偉そう」
京太郎「お父さんに言われてるんだよ。咲の面倒を見てやってくれってな」
咲「ほうほう、父親公認のお付き合いですな」
京太郎「変な言い方すんな。お前がうさちゃんで、俺は飼育係」
咲「ええ?」
京太郎「ピッタリじゃないか、ストレスに弱そうなところとか」
咲「私うさちゃんじゃないよ。耳だってこんなに短いぴょん」
京太郎「うさちゃん、夕飯はオムライスでいいか」
咲「うさうさ」
京太郎「そしたらちょっと買い物に行ってくるよ。タマネギがなかったから」
咲「あ、私も行く」
京太郎「寝巻きのままでか?」
咲「違うもん、今から着替えるつもりだったもん。ガミガミ京ちゃん」
京太郎「はいはい」
咲「ん」
京太郎「なんで脱ぎたてを手渡すの。というかここで着替えるなよ」
咲「入れてきて。洗濯機」
京太郎「お前、それはすごいよ」
咲「えっへん」
京太郎「褒めてないし、これには飼育係のお兄さんもビックリだよ」
咲「うさうさ」
京太郎「生暖かい」
咲「えっちな京ちゃんのために十五分のインターバルを設けます」
京太郎「いらないよ! さっさとお着替えしなさい!」
咲「あはは」
京太郎「パンツもちゃんと穿きなさい!」
京太郎「咲ほどパーカーにジーンズが似合う子はいないぜ。断言できるよ」
咲「よく分かんないけど、絶対に褒めてないよね。それ」
京太郎「何言ってんだお前。そんだけイモいんだもん、もちろんディスってるよ」
咲「ばか! 京ちゃんばか! カン!」
京太郎「痛い! お前、恥ずかしいから店の中で暴れんなよ」
咲「知らない! もう京ちゃんとは手だって繋いであげないんだから!」
京太郎「ええ? 俺はそれでもいいけど」
咲「…………」
京太郎「…………」
咲「ゆ、許します。特別に」
京太郎「ほら、ちゃんと繋いでなさい。すぐ迷子になるんだから、お前は」
咲「えへへ」
和「え」
京太郎「え?」
咲「和ちゃん」
和「てててて、手を繋いでお買い物! 恋人同士! 新婚カップル! 安産祈願!」
京太郎「全部違うよ! 咲も『バレちゃったなら仕方ない』みたいな顔すんな!」
咲「うさうさ」
和「えっと、つまりお付き合いしているわけではないと。そういうことですか」
京太郎「もちろんそうだよ。頼むから変な誤解よしてくれ」
咲「和ちゃん、私ゆうべ彼と寝たの」
和「えっ」
京太郎「寝付くまで添い寝してやっただけだよ! いたずらに修羅場っぽくすんな!」
和「それはそれでかなり仲良しさんな気がしますけど、どうでしょう」
京太郎「ほらこうやって勘違いされる。全部咲のせいだぞ」
咲「何それ! なんでも人のせいにするのは男らしくないよ! 京ちゃんのくせに」
和「…………」
和(恋人繋ぎで言い争われても困るというか、正直さっさと帰りたいんですけど)
最終更新:2013年10月12日 21:11