京太郎「…今日から個人戦かあ。咲も和も頑張ってくれよな」
咲「うん」
和「無論です」
京太郎「それにしても、まさか俺の分まで滞在費出してもらえるとは思ってなかったよ」
咲「龍門渕さんが『どうせなら全員で個人戦を直に観戦なさい』って、お金出してくれたんだよね」
和「あの人の目的がいまいち分かりませんが…兎に角感謝はしないといけませんね」
京太郎「…あ、しまった」
咲「どうしたの京ちゃん?」
京太郎「優希に頼まれたタコス、まだ買ってきてなかった」
和「タコスなら…須賀君が作ればよいのでは?」
京太郎「あいにく、頼まれたのは雑誌で特集組まれてたやつでさ…それじゃあ行ってくる!」
京太郎「あと和、咲が迷子にならないよう見ていてくれよな!」
和「分かりました。それじゃあ、いってらっしゃい」
咲「いってらっしゃい…って、私は迷子になんてならないよっ!」
和「…それはないですね」
咲「和ちゃんまで…ひどいよ二人とも!」
京太郎「…はあ…はあ…間に合ったかな。すみませーん!」
店主「はい、何でございましょうか?」
京太郎「この前雑誌で特集組まれてたタコスって、まだ売ってますか?」
店主「申し訳ございません、今日の分は丁度今売り切れてしまったんですよ」
京太郎「あー…そうですか、どうも失礼しました」
店主「宜しければ、また明日にでもご来店下さい」
京太郎(…どうしよう。これじゃあ優希の奴に折檻されちまうぞ)
?「…あのー」
京太郎「はい?」
?「もし良ければ、こちらのタコスをお譲りしますけれども」
京太郎「これは…さっき売り切れたタコスじゃないですか!恐縮ですが、お代はいくらですか?」
?「お代なら結構ですよ」
京太郎「え、良いんですか?」
?「構いませんよ。これもきっと神の思し召しですし、そもそも私が望んでこうしているのですから」スッ
京太郎「…ありがとうございます。宜しければ、お名前を聞いても…あ、俺は清澄の須賀京太郎っていいます」
誓子「有珠山高校3年の桧森誓子と申します…成程、貴方が清澄唯一の男性部員でしたか」
京太郎「どうもすみませんでした。こんな所で出くわすだなんて思ってなくて、つい名前を聞いてしまって」
誓子「別に構いませんよ。それでは、私はここで失礼いたします」
京太郎「あっ……行ってしまったか(直に見ると、すっごい美人さんだったなー。まるで聖母みたいな佇まいだった)」
京太郎(そういや咲が言ってたな…今日は聖母マリアの記念日だって。妙な巡り合わせもあるもんだ)
京太郎(…明日もあの店に行けば、また桧森さんに会えるんだろうか…会いたいなあ)
カン!
最終更新:2013年09月01日 18:09