801 名前:不機嫌なタコス[sage] 投稿日:2010/04/11(日) 09:37:52 ID:8Xw0bNR7O
「わぁ、すごく美味しそうなケーキですね。どうしたんですか、これ?」
「いや、かーちゃんのお土産。何か知り合いが店出したみたいで……たくさんあるから皆で食ってよ」
「ありがとう、京ちゃん。すごく嬉しい」
「うんうん、須賀くんもたまには気が利くじゃない。女の子の気持ちを考えるなんて」
「はは…喜んでもらえて何よりっす。やっぱり皆甘いの好きなんですね」
「ほうじゃ。甘いもんは別腹じゃ。苦手なオナゴはそうはおらんじゃろ」
「……」

和気あいあいとケーキを食べる部員たちの中、一人物静かにうつ向くタコス。

「…ごちそうさまだじょ」
「ん?どうした?まだ残ってるぞ?いらないのか?」
「京太郎にやるじぇ…」
「なんだよ、タコス。タコスじゃないからいじけてんのか?相変わらずお前は…」
「う、うるさいじぇ!バカ犬!」
「いってぇ!?」

タコスは京太郎のスネを蹴飛ばして部室から出ていった。

「須賀くん…」
「京ちゃん…」
「え?今の俺が悪いの??」
「前言撤回。やっぱり須賀くんは須賀くんだわ」
「相変わらずツメが甘いのぅ」
「えー?」

部員たちの冷たい視線に訳がわからずタコスを追う羽目になる京太郎……

802 名前:不機嫌なタコス[sage] 投稿日:2010/04/11(日) 09:43:52 ID:8Xw0bNR7O
「ったく…何で俺が…あ、いた。おい、タコス娘!」
「きょ、京太郎…な、何しに来たんだじぇ?」
「何って…お前がいきなり出ていくからだろ」
「…」
「悪かったな、何か怒らせちまったみたいで…」
「別に怒ってないじょ」
「嘘つけ。思いっきり怒ってんじゃねーか」
「怒ってないじょ。…京太郎が理由もわからず謝るのが腹立たしいだけだじぇ」
「それが怒ってるって言うん…」
「うるさい。口答えするな、バカ犬!」
「おい、待てよ。だから悪かったって」
「あっち行け!!犬はのどちゃんたちに尻尾振ってればいいんだじぇ!!!」

謝れば謝る程、怒るタコスに途方に暮れる京太郎。


「だからさっきから謝ってんだろ?そこまでお前が甘いもんが嫌いだとは…」
「………ょ」
「タコス?」
「わ、悪かったって言ったんだじぇ!甘いものが苦手で悪かったって―」
「別に悪いなんて言ってないだろ」
「じょ?…」
「俺だって甘いもんは苦手だしな」
「き、京太郎は男だからいいんだじぇ……私は…ダメなんだじぇ」
「なんで?」
「…普通…女の子は…甘いもので喜ばないといけないんだじょ…」

タコスは気まずそうに目を逸らした。

803 名前:不機嫌なタコス[sage] 投稿日:2010/04/11(日) 09:47:22 ID:8Xw0bNR7O
「何だよ、お前まさかワカメ先輩の言った事気にしてんの?」
「だから謝っ」
「いいじゃねーか。優希らしくて」
「…えっ…」

突然、タコスの動きが止まる。

「ど、どうした?」
「京太郎…今…名前で呼んだじょ。…優希って」
「?いつも呼んでるだろ?」
「呼ばないじょっ。いつもはタコスとかお前とかばっかりだじぇ!」
「あ、あれ?そうだっけか?」
「そうだじぇ!だからもう一回ちゃんと言え!京太郎!」
「うわっ!?な、何なんだよ、お前は。急に元気になって…」
「お前じゃない!優希だじぇ!!」

よくわからないうちに機嫌を直し、いつもみたいに瞳を輝かせて笑うタコス。

全く、忙しい奴だな。俺たちさっきまでケンカしてなかったか?

京太郎は思わず苦笑してしまう。

ま、それがこいつの…ウザいけどスゲー所か。

「んじゃ、まぁタコスでも帰りに食ってくか?……優希」
「うんっ!」

へへっと照れて明るく笑う優希の頭を京太郎が「くしゃっ」と撫でた。


おしまい

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