京咲で一つ

京太郎「すっかり遅くなっちまったな……」

咲「ご、ごめんね京ちゃん、私が本を教室に忘れちゃったせいで……」

京太郎「はは、咲のドジは今に始まった事じゃないし気にしてねえよ」

咲「それはそれで酷いよ……私だって日々進歩してるんだからね!」

京太郎「へぇ、例えば?」

咲「えっと……」

京太郎「ん?」

咲「きょ、京ちゃんの意地悪……」

京太郎「おいおい、自分から言っといて思いつかなかったら俺のせいかよー」プニプニ

咲「やあ、ほっぺたつつかないでよー!」

京太郎「やだね、咲のほっぺたは柔らかくて気持ちいいからな」プニプニ

咲「京ちゃんのバカー!」

京太郎「なんとでも言えばいいさ。 ほら、そろそろシャレにならなくなりそうだから早く帰ろうぜ」

咲「うん。それにしても、陽もずいぶんのびたよねー」

京太郎「そうだな」

咲「部活のかけ声しか聞こえない学校、夕陽に照らされる教室、そんな中で佇む2人の影……」


京太郎「いきなりどうした文学少女」

咲「こういう時にやる事って1つしかないと思うんだけどな」

京太郎「意味が分からん」

咲「本当に?」

京太郎「……」

咲「京ちゃん、顔真っ赤だよ」

京太郎「夕陽のせいだろ」

咲「じゃあ確かめていい?」

京太郎「どうやって……」

咲「んっ……」

京太郎「……!」

咲「……やっぱり夕陽だけじゃないね、これだけ近ければわかるよ?」

京太郎「……じゃあお前の顔が真っ赤なのは?」

咲「夕陽のせいだよ」

京太郎「おい」

咲「本当にそうか確かめて、みる?」

京太郎「……このキス魔め」

咲「京ちゃん限定だからいいじゃん。それに京ちゃんも好きでしょ?」

京太郎「……咲との、ならな」

咲「えへへ、嬉しい……」

京太郎「……なあ、咲」

咲「京ちゃん?」

京太郎「俺さ、どうもお前に首ったけみたいだわ」

咲「なにそれ」

京太郎「そのまんまの意味だよ」

咲「そうじゃなくて……今さらだよそんなの」

京太郎「は?」

咲「――だって私は、ずっと前から京ちゃんに首ったけだもん」

カン!