久「さて……私達の出番はまだ先だけど、気を抜かずに行くわよ」

まこ「そうじゃな。で、今日はどうする?」

久「基本自由よ。練習してもいいし、観光してもいい。本番で全力が出せるようにしておきなさい」

優希「分かったじぇ!よし京太郎タコスだ!!」

京太郎「ねえよ。というかなんでだよ」

優希「私の全力=タコスだろ?」

京太郎「まだ先だっつってんだろ。お前、ただ食いたいだけか?」

優希「な、なじぇそれが!?」

和「ゆーきですからね」

京太郎「ったく仕方ねえ。散歩がてら行って来てやるよ」

優希「3分だけ待ってやるじぇ!」

京太郎「無理だ!」

咲「あはは。麻雀しながら待ってるね」



煌「……これはすばらくないですね」

姫子「……花田」

煌「いやいや、諦めたらいけませんよ?姫子、まず歩きを止めないことが…」

姫子「お前が道間違えたけんやろが!!」

姫子「はぁ……花田の『こっちにいいお店があるんです』っちゅう言葉ば信じたんが間違いやった」

煌「い、いやぁ~。いいお店なんですよ?朝からやっててこれが…」

姫子「やからって勘で進むのは無いわ」

煌「ははは……面目ないです」

姫子「朝のちょっとした散歩んつもりやったから携帯もなか。どーすると?」

煌「じゃ、私が右行くんで姫子は左…」

姫子「左はさっき来た道やからね」

煌「じゃー……そこの通りすがりの人に聞きましょう。あ、すいません」

京太郎「……はい?俺ですか?」

煌「ええ。少し道を聞きたいんですけど」

姫子「……あ!Kちゃん!?」

京太郎「……へ?」

煌「……はい?」

姫子「あ……気にせんといて下さい」

京太郎「はあ……」

煌「ちょ、いきなり何言い出すんですか!」小声

姫子「だって……Kちゃんご本人がおったけん」小声

煌「だからっていきなりKちゃん!は無いでしょう!」小声

姫子「だってインハイの景品っちゅう噂まであるんよ!いきなりKちゃん!もあるやろ!」小声

京太郎「あー、道なら俺はあんまり詳しくないですね」

煌「あ、そうですか……」

京太郎「でも、これからタコス屋に行くんで、そこで道を聞きませんか?」

煌「タコス屋?そこです!すばらです!」

煌「遅くなりましたが、私は福岡の新道寺女子高校の2年生の花田煌といいます」

姫子「同じく新道寺女子高校の2年の鶴田姫子。よろしく」

京太郎「俺は長野の清澄高校1年の須賀京太郎です」

京太郎「それにしても目的地が同じタコス屋だったなんて」

煌「すばらですね」

姫子「案内ありがとうね。K、須賀くん」

京太郎「タコスなんて珍しいもん好んで食うのはウチのぐらいかと思ってましたよ」

煌「長野でタコスですか。ひょっとして片岡優希ですか?」

京太郎「え、知ってるんですか?」

煌「私は中学まで長野にいまして、優希や和と同じ中学でした」

煌「一緒に麻雀を打ったりとても楽しかったです」

煌「優希はその時からタコス好きでして。そのせいか私もたまに食べたくなるんですよ」

京太郎「なるほど……タコスおそるべし」

姫子「タコス……そがんおいしかと?」

煌「少なくともおススメできるくらいはおいしいですよ?」

京太郎「それにしても……九州の新道寺っていう強豪校の人に会えるなんて思ってませんでしたよ」

姫子「そこまで言わんでもよかとに」

京太郎「ははは。いや、俺、初心者なんで麻雀が強い人とか憧れるんですよ」

煌「清澄にも強い人はいるじゃないですか。和とか分かりやすい例でしょう」

京太郎「それもそうですけど……あいつらみたいになれる気はしないんですよね」

姫子「全中チャンプか……牌譜ば一度見たけど、あそこまでのデジタル打ちは簡単やなかやろね」

京太郎「あ、着きましたよ」

煌「すばらです。じゃ、頼みましょう」

姫子「そやね。そん後聞こうか」

煌「タコス小をひとつ」

姫子「うちも同じやつば」

京太郎「タコスの中と大を1つずつお願いします」



姫子「おっきか……男の子やね」

京太郎「いや、俺は中で大は優希の分です」

煌「相変わらずですね」

姫子「道も聞けたし、ここで一緒に食べていかん?」

京太郎「じゃ、そこに座りましょうか」

煌「では、いただきます……うん、おいしいです」

姫子「これは……なかなかいけるね」

京太郎「でも毎日何回も食うのは……」

煌「ほんっと変わってないですねー」

姫子「どんな子なんそん子は」

京太郎「あ、鶴田さん顔に付きましたよ?」

姫子「え?どこ?」

京太郎「じっとしてて下さい」

ティッシュで顔ふきふき

煌「!」

姫子「!?ちょ、ま、待って」

京太郎「動くと余計とりにくいですから」

姫子「~っ」顔真っ赤

京太郎「はい、綺麗になりましたよ?」

姫子「……酷か」

京太郎「え!ひょっとして化粧かなんかしてました?」

姫子「しとらん!けどね、君は…」

京太郎「ああ、化粧落ちた訳じゃないんですね。もっとも化粧の必要ないですけど」

姫子「は!?どがん意味!?」

京太郎「え?元から可愛いから化粧いらないって意味なんですけど」

姫子「ひゃっ!?」

煌「すばら……」

姫子「え、や。か、可愛かって……」

京太郎「アレ?変なこと言いました?」

姫子「……よか」プイッ

煌「京太郎くん……すばらですね」

京太郎「はい?」

姫子「えへへ……」

京太郎「あ、そろそろ行かないとどやされるんで、俺は行きますね」

姫子「あ、携帯持っとる!?」

煌「姫子が持ってないでしょう」

姫子「あ……」

京太郎「じゃ、連絡先を紙に書きましょうか?」

姫子「よかと!?」

京太郎「ええ。こんな可愛い人に聞かれて断る理由はないですよ」

姫子「か、かわいー……」顔真っ赤

煌「姫子ー。帰ってきてー」

京太郎「はい。連絡待ってますね?」

姫子「う、うん!ちゃんと返してね?」

煌「あー、私もしますからね?優希と和によろしく言っておいて下さい」

京太郎「はい。それじゃ、また」

煌「戻りましたー」

哩「お、帰ってきたか」

美子「やけに長かったけど、どがんかしたと?」

煌「いやー、道に迷ったのと……」

姫子「可愛い……えへへ……」

煌「ああなりまして」

仁美「一体なんがあったと」

哩「姫子?姫子ー?帰ってきー?」

姫子「はっ!あ、部長!!」

哩「お、おお。どがんした?」

姫子「優勝しましょうね!!」

哩「あ、ああ。当然優勝したかけど…」

姫子「優勝して……Kちゃんを!!」

美子「ほんと何があったとー?」

煌「ご本人に遭遇、口説かれる?、連絡先ゲット、の3本です」

哩「れ、連絡先!?姫子!教えて!!」

姫子「いや!その前に練習です!!優勝するためにも、もっと縛りましょう!!」

哩「姫子ーー!!ご本人に会ったって縛っ……」

仁美「……なんもかんもKちゃんが悪い」





京太郎「さて、買い出し買い出しっと」

京太郎「俺は大会に出れないし、せめて皆が実力を出しきれるよう雑用でもやるか」

京太郎「えっと……これか」

桃子「あったっす!」

京太郎「アレ?消えた!?」

桃子「あ、すいませんっす」

京太郎「え?幽霊!?」

桃子「よく言われるっす……でも生きてるっすよ」

京太郎「この不透明だが大きなおもちは……東横さん!」

桃子「……そんな見つけ方されたのは初めてっすよ」



京太郎「これとこれと……」

桃子「これっすか?」

京太郎「それそれ。これで買い出し終了だ」

桃子「結構な量を……1人で?」

京太郎「1年で試合も出てないし、当然だろ」

桃子「私はあんまり買い出ししないっすから」

京太郎「え?1年だろ?麻雀が強いからとか?」

桃子「私が行くと店員が気付いてくれなくて買えないっす……」

京太郎「……苦労してんだな」

桃子「だから先輩が見つけてくれた時は嬉しかったっすよ!」

京太郎「ああ、大将の。あの人すげーよな。あのメンツ相手にあそこまで立ち回るんだから」

桃子「そうっす!それに先輩は他にもすごいんすよ!」

京太郎「例えば?」

桃子「実は脱いだら結構…」

ゆみ「何を言っているんだ!」ベシッ

桃子「……痛いっす。そして先輩も来てたの忘れてたっす」

ゆみ「余計なことを言おうとするからだ」

京太郎「くっ……続きが気になる……」

ゆみ「君も叩くべきか?」

桃子「すいませんっす……つい嬉しくて」

ゆみ「全く……褒められて悪い気はしないがな」

桃子「先輩……!!」

京太郎「苦労してるんですね」

ゆみ「このくらいどうってことないさ」

ゆみ「苦労といえば、君の方じゃないのか?」

京太郎「俺?俺は別に雑用は好きでやってることですから…」

ゆみ「そっちじゃない。ぬいぐるみの方だ」

桃子「あー、Kちゃんぬいぐるみっすね」

京太郎「……へ?」

ゆみ「今さらだが、アレ結構人気なんだぞ?主に女子高生の雀士に」

桃子「つまりこのインハイの場にはKちゃん持ってる子がいっぱいいるってことっすよ」

京太郎「そうですか?」

ゆみ「そうですかって……そんなとこにぬいぐるみそっくりどころかぬいぐるみのモデルがいるんだ。結構な騒ぎになると思うぞ?」

京太郎「今のとこそんなことないですけどね」

桃子(なんっすかね……すっごく突っ込まないといけない気がするっす)

ゆみ「ま、気をつけておくに越したこと無いだろう」

京太郎「分かりました。一応気をつけておきます」

桃子「なんかあったら消えるといいっすよ」

ゆみ「それができるのはモモだけだ」

京太郎「あはは。女子高生の雀士に人気ってことはもしかして加治木さんと東横さんも持ってるんですか?」

ゆみ「え……」

桃子「あー……」

京太郎「アレ?どうかしました?」

ゆみ(本人にあなたのぬいぐるみ持ってますって言うのはどうなんだろうか)

桃子(なーんか地味に好意持ってますって言うみたいっすね)

ゆみ(うーむ……合宿では結構雑用をしてくれたりで悪い印象はないからな)

桃子(見つけ方はアレっすけど私を見つけてくれるひとりでもあるっすからね)

ゆみ「まあ……流行っているからな」

桃子「そうっすね。こう、話題にもなればって思って」

京太郎「そうなんですか。こんな身近な人も持ってるって思うと少し照れますね」

ゆみ(身近どころか全国レベルだ)

桃子(何人の女子高生雀士がKちゃん抱いてると思ってるんすか)

京太郎「まあ、おふたりみたいな綺麗な人が持ってるって思うと嬉しいですね」

ゆみ「な……」

桃子「綺麗……っすか」

京太郎「あ、それじゃ俺はこっちなんで」

ゆみ「あ、ああ。分かった」

桃子「……須賀くん。あんまり女の子にそういうこと言うのは止めた方がいいっすよ」

京太郎「そういうこと?」

桃子「その……綺麗、とかっす。お世辞言いすぎはよくないっす」

京太郎「いや、事実だから言ってるだけだぞ?」

桃子「……~っ」

京太郎「それじゃ。こっちにもいつでも来てくださいね」




ゆみ「……アレ、素なのか?」

桃子「だったら、とんだ天然タラシっす」顔真っ赤

ゆみ「……Kちゃん買って良かったな」

桃子「……はいっす」





京太郎「夜の都会って聞くとなんかアレだが実際はそんなことなかったな」

京太郎「ま、適当にブラブラするのもここまでにして帰るかな」

京太郎「ふう。夏だけど夜は少しはすごしやすいな。昼間ほど熱くないし」

宥「……寒い」

京太郎「……なんだあの厚着は。そして厚着の上からでも分かるすばらなおもちは!」

玄「おもち!?どこ!?」

京太郎「あの厚着の人だ。あれは目立たないが、なかなかのものだろう」

玄「ほほう、おねーちゃんのおもちを見切るとは……あなたもおもちマイスター?」

京太郎「イエス。ナイスおもち!」ガシッ

玄「ナイスおもち!」ガシッ

熱い握手

京太郎「……で、誰ですか?」

玄「……あなたこそ誰?」

宥「あ、玄ちゃん」



玄「私は奈良の阿知賀女子学院2年生の松実玄です」

宥「その姉で3年生の松実宥です」

京太郎「俺は長野の清澄高校の須賀京太郎です。よろしくお願いします」

玄「こちらこそ。あ、私は玄でいいからね?松実だとおねーちゃんか分らなくなるし」

宥「わ、私も宥でいいよ~」

京太郎「じゃ、俺も京太郎でお願いします」

玄「よろしくね京太郎くん。で、すばらなおもちでしょ?」

京太郎「ええ。すばらです」

京太郎「セーターに巨乳は偽乳などという意見もありましたがこれはすばらですね」

玄「ふっふっふ。それがすごいのだ」

宥「玄ちゃん?それくらいにしとこうね?」

玄「む、おねーちゃんが言うなら仕方ないです。京太郎くん、続きはまた後日」

京太郎「ええ。あ、連絡先交換しませんか?」

玄「もちろん!同じおもち好きなら」

宥「わ、私もいい?」

玄「え?」

京太郎「ええ。あなたの連絡先を断る理由なんてありませんからね」

京太郎(すばらなおもちでかわいい年上ですからね)

宥「あ、ありがとう……」

玄「おねーちゃん、男の人に自分から連絡先を聞くってどしたの?」小声

宥「玄ちゃん、この人Kちゃんの人だよ?」小声

玄「なんですと!」

京太郎「どうかしました?」

玄「あ、ううん。大丈夫ですのだ」

玄「ほ、ほんとに?」小声

宥「うん。それに、あったかそうな人だしね?」小声

玄「……京太郎くん」

京太郎「はい?」

玄「あ……えっと……よろしくお願いします!」ペコッ

京太郎「?こちらこそ」ペコッ

玄「あ、あはは。何やってるんだろね」

灼「……玄に宥さん?こんなとこでどしたの?」

宥「灼ちゃん」

灼「その人は……Kちゃん!?」

京太郎「あ、そのモデルです」

灼「え!?じゃ、本物!?」

宥「お、落ちついて」

玄「こちらは鷺森灼ちゃん!我が阿知賀女子麻雀部の部長さんです!」

京太郎「あ、どうも。清澄の1年生の須賀京太郎です」

灼「さ、鷺森灼。2年生ね」

京太郎「え?2年生で部長?」

宥「灼ちゃんしっかりしてるから」

灼「別に……ハルちゃんに言われただけだし」

京太郎「確か……監督の赤土晴絵さんでしたっけ?10年前に小鍛冶プロに大きいのかました」

灼「知ってるの!?」

京太郎「いや、色々調べている内に知りまして」

灼「ハルちゃんすごいよね!」

京太郎「ええ。10年前とはいえ、あの小鍛冶プロ相手にっていうのがすごいですよね」

灼「でしょ!」

京太郎「その赤土さんに指名されるんですから、鷺森さんは本当にしっかりしているんですね」ニコッ

灼「え……そ、そんなこと……」顔真っ赤

玄「……灼ちゃん陥落?」小声

宥「アレはね……」小声

京太郎「あ、そろそろ俺行きますね」

玄「うん。メールしてね~」

宥「わ、私も待ってる」

京太郎「玄さん、宥さん……ええ、必ず」

灼「ま、待って!」

京太郎「鷺森さん?」

灼「私も連絡先!」

京太郎「あ、はい」

灼「……灼でいいから」

京太郎「へ?」

灼「灼って呼んでいいって言ったの!!またね、京太郎!」タッタッタ

宥「あ、待ってよ灼ちゃん」

玄「じゃ、またね」

京太郎「あ、はい」

京太郎「……今日は良い日だ」



玄「良い人だったね、京太郎くん」

宥「うん。私、もっと話したいな」

灼「……私も」




京太郎「東京の交通機関ってマジ便利……そして超複雑」

京太郎「さて……このハギヨシさんに教わったタコスレシピの材料はっと」

エイスリン「♪」

エイスリン「!」ズルッバターン!!

京太郎「うっわ、あの子思いっきり転んだな」

京太郎「あの、大丈夫ですか?」

エイスリン「?」涙目

京太郎(外国人!?それもめっちゃ美少女!!)

京太郎「あー、怪我ないですか?」

エイスリン「……ダイジョブ」

京太郎(あ、日本語大丈夫か。良かった)

京太郎「立てます?」手出す

エイスリン「アリガト」手つかみながら立ち上がる

エイスリン「……ココドコ?」

京太郎「……え?迷子、ですか?」

エイスリン「…………」カキカキ

京太郎(なんか持ってるスケッチブックに書きだした)

エイスリン「ハイ!」人混みの絵

京太郎「……つまり人混みの中ではぐれたと」

エイスリン「ソノトオリ」

京太郎「……俺、迷子に縁があるかな」

塞「……エイスリンどこ行っちゃったんだろ」

塞「携帯も通じないし、大丈夫かな」

塞「ん?……あれは」



京太郎「制服着てるってことは高校生ですよね?」

エイスリン「ウン、ミヤモリノセイト」

京太郎「宮守?……どっかで見たんだよな」

エイスリン「ガンバレ!」

塞「エイスリン?ここにいたの?」

エイスリン「サエ!」

京太郎「保護者の方ですか?」

塞「同い年ね。君が一緒に居てくれたの?ありがとう、探してたんだ」

エイスリン「アエテヨカッタ!」

京太郎「いえいえ」

塞「自己紹介しとくね。私は岩手の宮守女子高校の臼沢塞。3年生で一応麻雀部の部長ね」

塞「こっちはエイスリン・ウッシュアート。同じく3年生で麻雀部」

エイスリン「ヨロシク!!」

京太郎「俺は長野の清澄高校1年生の須賀京太郎です」

京太郎「それにしても麻雀部だったんですか」

塞「そ。インハイに出てるんだよ?」

京太郎「おお、すげー」

エイスリン「デショ!」

塞「……それにしても、君、どっかで会ったことある?」

京太郎「え?」

エイスリン「ギャクナン?」

塞「違うから!……変な意味じゃなくてね、なーんか既視感っぽいのを感じるんだよね」

京太郎「うーん。勘違いじゃないですか?俺は岩手に行ったことはありませんし」

エイスリン「ワカッタ!!」

塞「ほんとに!?」

エイスリン「Kちゃん!」Kちゃんの絵

京太郎「あ、俺」

塞「……あー、そっちかー。ひょっとして君が」

京太郎「ええ。俺がモデルですよ」

エイスリン「ホント!スゴイ!!」

塞「ある意味会ってた訳か」

京太郎「アレ本当に売れているんですね」

塞「ま、ウチじゃあんまり手に入らないから1人しか持ってないけどね」

エイスリン「デモ、イイ!!」

京太郎「あはは。こんな綺麗な人にもそう言ってもらえると嬉しいですよ」

エイスリン「!!」カキカキ

塞「なんでまたハートの絵描いてるの?」

京太郎「絵描くの早い上に上手いですね」

エイスリン「ア、アリガト……」ハートを射る矢の絵

京太郎「おお、すごく良く描けてますね」

塞「……君もすごいね」

京太郎「それじゃ、俺はこれで」

エイスリン「!!」カキカキ

塞「……携帯の絵?ああ、連絡先が知りたいのか」

京太郎「いいですよ。むしろ光栄ですよ」

エイスリン「ワ、ワタシモ」顔真っ赤

塞「じゃ、私もついでに」

京太郎「ついで、なんかじゃないですよ」

塞「はは、ありがと」

京太郎「それじゃ、また」

エイスリン「ン!!」手を振っている絵

塞「普通に手振った方が早いよ?」



塞「良い人だったね」

エイスリン「ウン」

塞「……また会いたい?」

エイスリン「ウン!!」ハートを射る矢の絵

塞「それ、気に入ったのね」





京太郎「東京は人が多い」

京太郎「咲じゃないが、買い出しだけで迷子になりそうで怖いな」ドンッ

泉「わっ!」

京太郎「あ、すいません!ぶつかってしまって、怪我とか無いですか!?」

泉「いや、こっちもよそ見してましたし、大丈夫で、す……」

京太郎「どうしました?」

泉「け、Kちゃんですか!?」

京太郎「ああ、そうですよ?一応俺がモデルです」

泉「あ、あの、私も持ってて」

京太郎「とりあえず落ち着いて立ちませんか?」手出す

泉「あ……はい」手取る



泉「改めまして大阪の千里山女子高校1年生の二条泉です」

京太郎「長野の清澄高校1年生の須賀京太郎です」

泉「同じ1年ですか。やったら、敬語やめません?」

京太郎「分かった。二条、でいいか?」

泉「泉でええよ。私も京太郎くんて呼ぶから」

京太郎「分かった、泉。あ、怪我ない?」

泉「大丈夫、大丈夫」

泉「で、京太郎くんがKちゃんなん?」

京太郎「逆な。あっちが俺」

泉「ほー。なるほどね」

京太郎「大阪でも売れてるのか?」

泉「自分が全国レベルって分かっとった方がええよ?」

京太郎「実感がねーよ。特にモテる訳でもないのにぬいぐるみは人気、なんて信じられねーって」

泉(京太郎くんが気付かないだけちゃうんかな)

京太郎「泉は…」

セーラ「泉!ここにおったんか!!」

泉「わ、先輩!」

セーラ「どこ行ってたんや!みんなでファミレス行くゆうたのにどっか行って!」

泉「すいません。人が多すぎて」

セーラ「心配したんやで?次は気ぃつけや」

泉「はい」

セーラ「っと、一方的に喋ってすいません。泉と話してたみたいやのに」

京太郎「いえ、大丈夫ですよ?」

セーラ「どう、も……」

京太郎「?」

セーラ「泉、ちょお来い」ガシッ

泉「先輩?ちょ、行きますから離して下さい!あ、京太郎くん待っとってや!」

京太郎「あ、ああ」

セーラ「おいなんでKちゃんおるんや!そしてなんで親しげなんや!」小声

泉「いやー、なりゆきで?」小声

セーラ「お前……帰ったら覚悟しときや?」小声

泉「何する気ですか!?」小声

セーラ「あー……なんか泉が世話になったみたいで……」

京太郎「え?いやいや、こっちがぶつかったんですから」

セーラ「あ、俺は千里山の3年で江口セーラです」

京太郎「あ、長野の清澄高校1年生の須賀京太郎です」

泉「1年の二条泉です」

京太郎「さっき言っただろうが」

泉「いやぁ、つい」

セーラ「ところで、さっき泉に聞いたんやけど須賀くんKちゃんなん?」

京太郎「そうですよ。後、京太郎でいいですし敬語もいいです」

セーラ「なら俺もセーラでええから」

セーラ「しっかし、本人に会えるなんて思ってなかったわ」

京太郎「あ、持ってるんですか?」

セーラ「あー、少しおかしいかもしれんけどな」

京太郎「え?どこがですか?女の子がぬいぐるみ持ってておかしいことなんか無いですよ?」

セーラ「え?や、俺こんなんやし」

京太郎「関係無いでしょう。セーラさんは女の子なんですから」

セーラ「……ありがとな」

泉「京太郎くん狙ってへん?」

京太郎「何を?」

泉「や、女の子、とか?」

京太郎「俺は事実しか言ってねえよ。お世辞も言わない」

泉「……じゃあ、私はどう?」

京太郎「魅力的な女の子だろ?」

泉「……具体的にどこが魅力的なん?」

京太郎「うーん。健康的な感じとか?」

泉「う……」

京太郎「話しやすいとことかもだな。会って間もないのに話せてるし。後は結構…」

泉「も、もうええから!それ以上は、やめて……」顔真っ赤

京太郎「そうか?さて、そろそろ行くわ」

セーラ「そうか。やったら連絡先交換せえへん?」

泉「わ、私も!」

京太郎「分かった……じゃ、また連絡しますねー」



セーラ「これは、本人もなかなかやな……」

泉「真正面から褒められるって、結構きますね……」



モブ3A「明日はあの清澄か……」

モブ3B「まずこいつらに勝たないと」

モブ3C「普通にやれば?」

モブ3D「普通に強いだろ」

モブ3E「……いい考えがある」



実況「さあ、インターハイも3日目!ちらほら強豪も現れます!」

解説「今日は荒れそうですね。姫松などのおしくもシード落ちした高校などそろそろ出てきます」

実況「どうなるか期待ですね」

放送「先鋒の選手は、速やかに…」

優希「よし!京太郎手作りのタコスも食べたじぇ!気合充分!!」

まこ「おう、思いっきりいってこい」

久「ええ。派手にやっちゃっていいわよ」

優希「うおおおお!燃えてきたじぇ!!」

和「全くゆーきったら」

咲「でもすごいね。緊張とかしないのかな」

優希「タコス食ったからな!」

京太郎「全くだ。手作りまでしたんだから、しっかりやれよ」

優希「おう!優希様の活躍をしかと見るんだじぇ!!」



実況「さあ、続々と選手が集まってまいりました」

解説「今はモブ校1、モブ校2、清澄だけか」

実況「いや、モブ校3が入ってきました。ん?アレはなんだ?」

解説「アレは……」



優希「な……」

モブ1A「おいおい……そりゃありかよ」

モブ2A「……心理作戦?」

モブ3A「何よ。いいに決まってるわ」

モブ3A「Kちゃんぬいぐるみ持って打っちゃいけないって規則はないもの」



実況「なんとモブ校3、ぬいぐるみを持って来たー!!」

解説「ほう……これはアリだな」

実況「アリなんですか!?」

解説「普段に近い状況を作り普段通りの力を出す、という作戦で私物を持ち込む選手はいる」

解説「何より、ぬいぐるみの持ち込みはすでに清澄が県大会でやっているんだよ」

久「これはまた……予想外の作戦ね」

和「まさか私と同じような人がいるとは」

咲「で、でも優希ちゃんは普段和ちゃんと打ってるんだし…」

まこ「いや、分からんぞ?なんたってKちゃんじゃからな」

京太郎「?俺見たってどうってことないでしょう」

まこ「ほんっとこいつは……」

久「とにかく優希を信じましょう」



モブ3A「ふっふっふ。清澄、あなたは文句言わないわよね?あの原村和がやっているんですもの」

優希「くっ……」

モブ1A「その手があったか……後半は持ってこよう」

モブ2A「……同意」

優希「も、持ってきているのか!?」

モブ3A「どう?今はぬいぐるみだけど、優勝して本人をいただくのはうちよ?」

優希「は?何言って…」

モブ3A「さあ、始めましょう?」ギュッ

前半戦

実況「前半戦終了ー!!」

解説「さすがインターハイ、というレベルの試合でした。注目すべきは清澄とモブ校3ですね」

解説「清澄は東場は圧倒的、そしてモブ校3は要所要所で上手く上がっています」

実況「ぬいぐるみ効果でしょうか?」

解説「どうでしょうね。他の選手が動揺したようではありましたし、無意味とは言い切れません」



モブ3B「よっし作戦通り!」

モブ3C「Kちゃん持ってって動揺誘うって……最初はどうかと思ったけど」

モブ3D「なかなか上手くいったな」

モブ3E「このままいけばいい」

優希「京太郎ー!!いるか!!」

京太郎「いるっての。なんだ、タコスはあるぞ?」

優希「それももらうが、そこに立っているんだじぇ」

京太郎「?」

優希「……あむ……タコス旨い」

和「ゆーき?」

京太郎「?俺見ながらタコス食ったって増えねぇぞ?」

優希「違うじぇ……あいつが持ってたのはぬいぐるみ」

まこ「そうじゃな」

優希「京太郎はここにいる」

京太郎「当たり前だろう?俺は清澄の生徒だぜ?」

優希「……よっし!それでいいじぇ!!」

咲「優希ちゃん?」

久「自分が持ってないのに他校の生徒がKちゃん持ってたのが悔しかったってとこかしら?」

優希「部長。少し違うじぇ」

京太郎「じゃあなんだよ」

優希「……秘密」

咲「優希ちゃん……」

和「……ゆーき、時間ですよ?」

久「……そーね。須賀くんも見てるんだし、しっかりやってきなさい」

まこ「うむ。まかせたぞ先鋒」

優希「片岡優希!行ってくるじぇ!!」



優希(正直、あいつがぬいぐるみ持ってきたの見て驚いた)

優希(他が持ってるの聞いて、悔しかった)

優希(でも、本物は、京太郎は1人だけだ)

優希(あいつらは持ってない、清澄高校の須賀京太郎は1人しかいない)

優希(そして京太郎は私を見ている)

優希(だったら、ぬいぐるみ持って満足している連中に負けるわけにはいかない)

優希(私は、京太郎が)

モブ3A「あら?あなたはKちゃん無いんだ」通常Kちゃん

モブ1A「ま、急遽持ってきたわけだがな」忍者Kちゃん

モブ2A「……負けない」ハンターKちゃん

優希「…………」

モブ3A「ま、あなたが持ってなくても私はKちゃん抱いて打つけどね?」

優希「……ふっ」

モブ3A「……何笑ってるの?」

優希「別に、Kちゃんが無くてもいいじぇ」

モブ1A「ほう、どうしてだ?」

優希「本物が、京太郎がウチの部にはいるからな」

モブ2A「……それは当然」

優希「さっきは手料理食ってきた、と言ってもか?」

3人「!?」

優希「だから言ってやる。ぬいぐるみで満足してる連中に、負けないじぇ!」

実況「先鋒戦終了!!清澄が2位と大きなリード付けて1位です!!」

解説「前半戦では南場での失速も目立ったが、後半はそれが気にならない程東場で暴れたな」

実況「他校がぬいぐるみを持ち込む中、むしろ落ち着いた様子でしたね」

解説「だが、まだ始まったばかり。ここからひっくり返ることも充分にありえる」



優希「悪いが、京太郎が持ってるんで」

モブ1A「……こりゃかなわん」

モブ2A「……見事」

モブ3A「……こんな、ことになるなんて」



まこ「おう、お疲れさん」

優希「染谷先輩!」

まこ「よーやった。こっから引き離してくるわ」

優希「なんかぬいぐるみ持って来てたじょ」

まこ「そんなもん、本物がついとるわしらに関係ないじゃろ?」

優希「そのとおりだじぇ!」

まこ「県大会決勝は情けないとこ見せてもーたし、いっちょやってくるわ」



モブ1B「来たか清澄」通常Kちゃん

モブ2B「この差、詰めさせてもらうよ」眼鏡Kちゃん

モブ3B「ところであなたもKちゃん無し?」侍Kちゃん

まこ「……なんじゃ、みーんな持っとるんかい」

モブ3B「先鋒といい、清澄は持ってないの?こんないいものを?」

まこ「わしにそんな手は通じんぞ」

モブ3B「無いものの僻み?」

まこ「そりゃお前さんらじゃろうが」

モブ3B「は!?」

まこ「ま、ええわ。さっさとやってしまおうかの」

実況「次鋒戦終了!!清澄が差をさらに広げました!!」

解説「こりゃ下手したらモブ校3のトビ終了もありえるぞ」

実況「それにしてもあっという間に終わりましたね」

解説「気のせいだろ」



まこ「ふう。汚名返上、かの」

久「あら、まだ気にしてたの?」

まこ「そりゃな。あんな負け方して平気でいられるほど図々しくないわ」

久「でも文字通り汚名返上したからいいじゃない」

まこ「そうじゃな。まかせたぞ部長」

久「ええ。終わらせてしまっても、構わないんでしょう?」



久「あらお揃いで」

モブ1C「いい加減こっちも早く点棒が欲しくてね」ブラックKちゃん

モブ2C「そうだねー。部長だっけ?泣いてもらうよー?」犬耳Kちゃん

モブ3C「後が無くて私が泣きそうだよ。ひっくり返す予定だけど」祓魔師Kちゃん

久「私も部長として、3年生として負けられないから」

久「泣かせちゃったら、ごめんなさいね?」



他の会場

実況「決まったー!姫松高校愛宕洋榎、役満だー!!」

いちご「そんなん考慮しとらんよ……」

洋榎(インハイで初めて役満和了ったわー)



洋榎「ってなんで誰も迎えに来んのや!」

絹恵「お姉ちゃんおかえりー」

恭子「主将を信用してるからですよ」

洋榎「そーか。ってなんや?まだやってるとこあるんか?」

漫「清澄ってのがえらい連荘してまして」

由子「バカヅキおさげなのよー」

実況『決まったー!!清澄高校中堅竹井久、6連荘でモブ校3のトビ終了だー!!』

洋榎「これは……ってなんで清澄以外Kちゃん持ってんねん!!」

恭子「そっち!?」

由子「なんかモブ校3が持ち込んでから清澄以外も持ち込んだのよー」

漫「色々な種類ありますね」

洋榎「こうなったら2回戦はうちらも持ち込むで!」

絹恵「いやお姉ちゃんはうちに忘れてきてたよね?」

洋榎「せやったわ!こうなったら同じ持ってきてない同士の清澄!負けへんで!!」

恭子「清澄が持ってないとは限りませんけど……聞いてないかな」

由子「まー勝てばいいのよー」

久「ごめんなさいねー」

モブ1C「やれやれ。ここまで、か」

モブ2C「……ぐすっ」

モブ3C「ひっくり返すどころか叩き返された……」

実況「清澄高校、副将に回すことなく終了!!」

解説「すごいな……これが初出場のチームか?」

実況「一部で有名な清澄でしたが、ここまでだと誰が想像したでしょうか」

解説「だが、次はそうもいかないだろうな」

実況「と、言いますと?」

解説「何せ、あの姫松高校が次だと聞いた。さらにシードの永水だ。今回みたいなことは起きないさ」



久「ただいまー!」

優希「部長、おかえりだじぇ!」

咲「和ちゃんと私の番が来る前に終わらせるなんて、さすが部長ですね!」

和「ちょっとオカルト染みた打ち筋でしたけどね」

まこ「なにより勝ったんじゃ。次を考えるぞ」

久「次はシードの永水に強豪の姫松。後は」

京太郎「あ、今宮守ってとこに決まりましたよ」

久「私達と同じく初出場の宮守か」

和「相手がどこでも変わりません」

優希「そりゃのどちゃんだからだじぇ」

咲「うう、怖い人だったらどうしよう……」

まこ「少なくとも今日みたいにぬいぐるみ持ち込むようなことはしてこんじゃろ」

小蒔「前半戦だけ!全部駄目なら前半戦だけでいいですから!!」

霞「小蒔ちゃん?さすがに、ね」

初美「本家の人も見てるですよー?」

春「……だから代わりに私が」

巴「そもそも持ち込むのが駄目だって」



白望「……どうする?」

エイスリン「リレーホウシキ!」ぬいぐるみを渡し合う絵

豊音「それちょーいいよー」

塞「いや、シロしか持ってないからってそれはちょっと」

胡桃「そもそも麻雀するとこに持ち込むの駄目だから!」



洋榎「……絹!やっぱうち取り帰って」

絹恵「お姉ちゃんそれ駄目やって」

漫「主将……」

恭子「でも清澄の原村和は持ち込んでますし…」

由子「でも洋榎の相手は持ち込んで無かったのよー」



久「どんな相手にせよ、普段通りの麻雀やって勝つわよー!!」

咲・和・優希・まこ「おーっ!!」

京太郎「……しっかしなんで持ち込んだんだ?何も変わらないのに……和の真似?」

咲「……京ちゃん、わざとやってない?」


清澄高校、1回戦突破!!





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