京太郎「明日は4月1日……って朝練がある日ね。とりあえず寝るか」


『翌日(4/1)』
久「さーて、そろそろみんな集まってきたし朝練始めますか!」

まこ「なんじゃあ妙に気合を入れよって……」

久「べつに♪ さあさあ、卓についてー。 最初は咲、和、優希とまこの4人でやって頂戴」

咲「はい、分かりました」

優希「了解だじぇー……にしても犬のやつ、遅刻する気か!?」

和「須賀くんは用があるから遅くなるかもって昨日言ってたじゃないですか、優希」

咲「用事なら仕方ないよ」

まこ「そうじゃな。 さて、練習しよるか」


京太郎「すいません遅れましたー!」ハァハァ


久「あら、危なかったわね。 あと一分で遅刻よ」

京太郎「いやあちょっと色々考えてたら遅くなって、アハハ……」

咲「色々って……あれ、用事は?」

京太郎「へ? あぁ、それならもう終わったよ。それより朝練は?」

まこ「最初はわしと一年組じゃけえ」

京太郎「なるほど……じゃあ俺と部長はちょっと暇ですね」

久「え? ええ、そうね……?」

京太郎「部長、いや久先輩。 お話があるんです」

咲・優希「……久先輩?」

久「な、なんですって? ちょっと須賀くんどうしたの?」

京太郎「久先輩、ずっと好きでした! よかったら付き合ってください!」

全員『……は?』


久「……えっ」

咲「ええええええっ!?」

優希「ちょっ、どどどどういうことだ京太郎!?」

和「須賀くんが部長を……」

まこ「こりゃなんと驚きの展開じゃあ……!」

京太郎「あの、お返事は?」

久「うぇいと、ちょっと落ち着かせて……えっと、須賀くんがまず部室へ来て。 私は暇で。 そしたら好き……好き!?」

まこ「落ち着きんさい……本気か?」

京太郎「ええ、もちr」

優希「ああ、なるほど! そういうことか!」

咲「うわあびっくりした! どうしたの優希ちゃん」

優希「ふっふっふ、京太郎……さてはこれ、嘘だな?」

和「嘘って……もしかして今日は」

咲「んん? ……あ、エイプリルフール!」

まこ「エイプリルフールというと、嘘をついても良い日じゃったのう。 もしかしてそれに便乗したということか、京太郎?」

京太郎「まあ近いんですけどその」

優希「なーんだ、嘘だったのか。 まったく、なんかびっくりしてお腹空いたんだじぇ……おい京太郎、タコス買って来い!」

京太郎「は、はあ!? いやちょっと待」

優希「お金はちゃんと返すからはやく!」

京太郎「うぐ……わかったわかった。 部長、また後で」バタン


久「うそ? ……べ、別に分かってたわ。 うん、べつに須賀くんは好きだけど後輩だし……ね」

まこ「部長……」

優希「それにしても京太郎も酷いじぇ。 いくら嘘ついてもいい日だからって」

和「たしかにそうですね。 嘘の告白をするなんて……」

咲「京ちゃん……」

まこ「……にしても京太郎のやつ、どうもまだなにか言いたそうな顔だったのが」

久「……エイプリルフールだし騙されたほうが馬鹿ってね」フッ

和「大丈夫ですか、その」

久「べっつにー。 よし、あらためて朝練しましょ!」

和「ならいいんですが。 分かりました」


『同日・午後』
久「はい、今日はこのへんで終わりにするわよー」

咲「あっ、本読んでてあまり練習してなかったよ」

和「また明日も朝練がありますし、きちんとやりましょう」

咲「あはは、そうだね……」

優希「これがタコスの報酬だじぇ」

京太郎「あ、ああ」

優希「おう? 京太郎がボケてきてる!?」

京太郎「それはねえよ」

まこ「終わっても騒がしいのう……ほらさっさと帰りんさい」

京太郎「あ、すいません。 俺ちょっと用事があるんでまだいます」

久「え?」

まこ「ほう? ……そうか。 部長もまだ残ってるらしいし、鍵はお二人に任せるわ」

京太郎「どうもっす。 じゃあなみんな」

咲「ばいばい京ちゃん。 ……ちゃんと謝るんだよ?」

優希「またな犬!」

和「だから犬呼ばわりは……」フェードアウト


久「それで、須賀くん」

京太郎「はい、久先輩にまた話があります」

久「っ……だから久先輩って、あれはエイプリルフールでしょ。 もう騙されないわよ」

京太郎「ええ、それはそうですが、あれは嘘になりましたけど本当です」

久「……? 意味が分からないんだけど、とりあえずもう良いかしら」

京太郎「部長はエイプリルフールをどんなものか知ってますか?」

久「嘘をついてもいいっていわれてる日、でしょ。 だから?」

京太郎「午前だけです」

久「えっ?」

京太郎「エイプリルフールは午前中のみ嘘をついていい日なんすよ。だから午後の今、嘘をついていい日は終わってるんです」

久「そうなの? でもだからなん……ちょっと待って。 その、話って」

京太郎「これは嘘じゃありません。 久先輩、あなたが好きです」

久「ふぇ……嘘じゃなくて、私が好き?」

京太郎「はい。次は先輩の番です。 朝は聞けなかったけど……嘘は駄目ですよ?」

久「わたし、は──」


『翌日・朝』
京太郎「……寝不足か。なんとか朝練に間に合いはしたけど」

「にしてもやけに静かだな。いつもここらへんから騒がしい音が聞こえるのに」ガチャ

「おはようござi」


『………………』


京太郎「おおう!?」

咲「きょうちゃん……」

優希「いぬ……」

和「すがくん……」

まこ「きょうたろう……」

京太郎「ちょちょちょっと、どうしたんだ?」

咲「京ちゃん……あれ本当?」

京太郎「アレ? なんだよ」

咲「部長と付き合い始めたって」

京太郎「あれ、もう知ってるのか。 ああ、本当だよ! いやあ、いけるかどうか分からなかったけどOK貰えてさ。 実は嬉しさのあまり昨晩ずっと寝れなくて……咲?」

咲「うへ……」

優希「ぐふっ」

和「えとぺん……」

まこ「……はぁ、とりあえずおめでとう」

京太郎「はい、ありがとうございます!」

まこ「こいつらはわしがどうにかするじゃけえ、さっさと部長んとこ行ってやれ」

京太郎「どうもっす!」ガララ

まこ「まったく、2つの意味でパーティを開くことになりそうじゃ」


京太郎「部長はたしか教室に物取りに行ってるらしいから……」

京太郎「ってあれ、いないな。 もしかしてもう部室に戻ったのか。仕方ない俺も戻るか」フリムキ

久「おはー」メノマエ

京太郎「うわああっとびっくりした!」

久「あっはは! 面白い反応ありがとう須賀くん」

京太郎「久先輩ぃぃ……っていうか! また須賀って!」

久「だ、だって言い慣れないんだもの……んーと、きょうた、ろうくん?」

京太郎「oh」

久「ちょ、ちょっと? 頑張って言ったんだからなにか……京太郎くん鼻血出てるわよ、ねえ!」

京太郎「これが幸せか……」

久「ち、血を垂らしながら言うセリフじゃないわよ……もう」フフッ

京太郎「こ、こんなスタートですけど、これからよろしくお願いします。 久先輩」


久「……うん! こちらこそよろしくね、京太郎くん!」ニコッ


カン!