りぼんの某漫画読んでたら急に書きたくなった。季節感?何それ美味しいの?
「うし、飾り付け完了じゃ」まこはそう言うと目の前のツリーを見上げた。
「お疲れ様です。これ入れてきましたので飲みましょう」京太郎が声をかける。手にはホットココアが2つ。
「ちゅうてもわしは最後の飾り付けをやっただけで、力仕事は全部京太郎に任せきりじゃったけえ。京太郎の方がお疲れじゃろうに」ホットココアに口を付けながら装飾に不備が無いか、確認をする。
「いえ、好きでやってますから」京太郎もまこの横に立ち一緒にツリーを眺める。
「そう言えば、クリスマスツリーのヤドリギの言い伝えって知ってます?」眺めながら京太郎が話し始める。
「ヤドリギっちゅうとあれじゃな。言い伝えなんてあるんか?」ツリーの上の方に装飾されたヤドリギを見ながらまこが聞き返す。
「ヨーロッパの方の話でクリスマスにヤドリギの下でキスをすると幸せになれるっていう言い伝えです」話しながら京太郎がまこに近づく。最早触れるところにまで近づいているがツリーを見上げているまこは気付かない。
「ほう、そんな話があるんか。ロマンチックじゃのう」まこが答えると同時に両肩を掴み、自分の方へ向ける。
「…………ッ!」完全に予想外だったのだろう。突然体の向きを京太郎の方へと向けられたまこは声が出せなかった。
「そしてもう一つ。ヤドリギの下に立つ女の子は、誰のキスも拒否してはいけないという言い伝えです」「俺と一緒に、幸せになりませんか?」京太郎の顔が近づく。残り5cm。あと3cm。1cm。
「まこー!遊びに来たわよー!」急にドアが開き、久の元気な声が響き渡る。
「京太郎!ちゃんと手伝ってるかー!」「優希、あまり大きい声を出すと他のお客さんに迷惑が……」「まだ開店時間前だからそんなに気にすること無いんじゃないかな」「開店時間前に店に入るのはそれはそれで問題ですけどね」麻雀部の面々が次々と店に入ってくる。
「店に来るときは事前に連絡すれば準備もできるのに毎回毎回急に来おって……」まこはほっとしたような、呆れたような、複雑な顔で出迎える。京太郎は何も無かったように振る舞うまこを見ながら卓に着いた。
「京ちゃん、私が教えたあれ使った?」同じ卓に座りながら咲が質問をする。少し間を置き、溜息をつきながら京太郎が答える。
「最悪のタイミングでお前らが入ってきた。後1分待って欲しかったな……」「うわぁ……ごめんね?」流石に悪いと思ったのか咲が謝る。
「ハァ……かなり勇気だしたんだけどなあ……」と、落ち込む京太郎の耳に、「続きは、また後でな」と小さなまこの声が聞こえた。
カン!
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