部京で1つ
久「ねぇ、須賀君」
京太郎「なんです?」
久「もし私があなたを好きだって言ったらどうする?」
京太郎「……エイプリルフールはとっくに過ぎましたよ部長」
久「あら、女の子の精一杯の告白をそんな邪険にするなんてひどいんじゃない?」
京太郎「部長こそ、そんな事ばっかり言ってるといつか勘違いした誰かに刺されますよ」
久「それは怖いわね。 ちなみにその誰かには須賀君も含まれてるのかしら?」
京太郎「部長の冗談を真に受けて人生棒に振るほど馬鹿なつもりありませんよ……はい、紅茶です」
久「ありがとう」
京太郎「いえいえ」
久「ふうっ……また腕が上がったんじゃない? とっても美味しいわ」
京太郎「こういう部分はここにいて鍛えられましたからね。 本物の執事さんにも指導受けてますし」
久「ふふっ、須賀君は将来いい主夫になれるわね」
京太郎「それ喜ぶところなんですか?」
久「もちろん」
京太郎「なんか複雑ですね……」
久「それで、さっきの話の続きだけど……」
京太郎「まだ続きがあったんですか?」
久「ええ。 私、好き云々は置いておくにしても、須賀君にはとても感謝してるのよ」
京太郎「感謝? 俺に?」
久「そうよ、感謝……あなたが咲を連れてきてくれなかったら、私達は全国どころか大会に出場する事も出来なかった。 大会中もあなたが雑用を一手に引き受けてくれたから私達は麻雀に集中出来た……清澄高校麻雀部にとってあなたは大きな支えになってたのよ?」
京太郎「……そんな事ないでしょ。 咲はいずれお姉さんと会うために麻雀をまた始めたはずです」
久「確かにそうかもしれない。 でももしそうだとしても、きっとそのいずれは今年……私が最後にここにいられる今じゃなかったはずよ」
京太郎「雑用だって部長がその気になれば集められたでしょう?」
久「少なくとも、あまり牌に触れない環境で全然腐らずにタコス作りまで勉強してくれる知り合いはいないわ」
京太郎「……俺は個人戦であっさり負けて清澄の名前に泥を塗りました」
久「あの時家に泥を塗られるような名前なんてなかったわよ」
京太郎「だけど……」
久「もしそれを気にしているなら来年、あなたの活躍を見せてちょうだい。 今度は私達があなたをサポートするから、ね?」
京太郎「……」
久「今までの事があるから信じられないかもしれないけど……私は須賀君も立派な麻雀部部員だって思ってるから」
京太郎「えっと、その……ありがとう、ございます」
久「ふふっ、来年の目標は男女同時の全国出場よ。 頑張りなさい、男の子」
京太郎「……はい」
カン!
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