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高校三年生の夏、彼女は俺を東京の星空の下に呼び出した。 『大事な話がある』、そう告げて 淡「一年の時さ、キョータローは私に言ったよね、『織姫と彦星みたい』だって   聞いたその時はすごく嬉しかった。なんてロマンチックなんだろう、なんて」 過去の思い出を語る表情はいつもの笑顔ではなく、過去を振り返る寂しげなもの 淡「でもさ、遠距離恋愛って実際はつらいよね。全然会えなくて寂しいし、インハイの間だけ、それも対戦校だから制限付きで   それにさ、もう来年はインハイにも出れない。だって、私たち次は大学生なんだから」 京太郎「それ、は」 考えなかったわけじゃない。でも、信じていたかったのだろう。ただ盲目的に。 淡「もう次はイベントにかこつけて会うなんて、できない。時期も時期だし、今はっきりさせないとダメだと思う」 その先は、聞きたくなかった。逃げたいとすら思った 淡「だから、もう『織姫と彦星』の関係はお終い。あの約束、なかったことにしよ」 今夜初めてこちらの目を見た淡は、躊躇いなく告げる。決定事項で覆らないと分からせるように。 淡「だから、私プロ行き蹴る! 大学一緒のとこ行って、アルビレオみたいに一緒にずっといるの!」 今までの悲壮感を完全に台無しにするセリフを吐きやがった 京太郎「……すまん、『アルビレオ』って何?」 淡「えー、知らないの? ずっと離れずにくるくる回ってる双子星。まあ、私もテルーに借りた『銀河鉄道の夜』で知ったんだけど   私は推薦で捻じ込むから、キョータローのいけそうな大学教えて! この三年取り戻すために四年もその先も一緒にいる!」 京太郎「ちょ、待てよお前、プロは? あんな才能あるのに」 淡「ふふーん、大学生100年生になった淡ちゃんには4年のブランクくらいどうってことないのだ!」 さっきまでのシリアスが全て壊れたけど、こいつの笑顔を見てるとそれだけでいいやって気がしてしまうのはなぜなのか。 淡「ねーキョータロー、今日は月がきれいだね」 京太郎「ああ、そうかだな。俺の隣で輝く星の方が、ずっときれいだけど」 この後顔を真っ赤にして威力のないパンチを繰り出してくる淡に、ほんの少し仕返しできたことは満足であった。 カン

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