「h104-69」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

h104-69」(2017/10/12 (木) 21:40:02) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

怜(……これは本当に、進化なんやろか)ハァ 気付いた時は、そこまで深刻じゃないと思った。 怜(もう、何回同じ事を繰り返したか分からへん) 最初のきっかけは、実に些細なことだった。 怜「……夢?」 いつも通りに、朝起きる。しかし、いつもとは違って……夢の内容を鮮明に覚えている。 怜(確か、遅刻すると思って、急いで走ってたら……つまづいて、転んだ) 擦りむいた膝を見て、あぁ嫌だなぁと思った瞬間、ベッドの中で目が覚めた。 怜(予知夢……ついにここまで進化したんか。もう、一巡とか関係無いやん) 後に怜は気付く。それはまるでリセットボタンのように、嫌だと思った瞬間にはいつでも『目が覚める』。 自分の気に入らない事を見た時点で、そこまでの出来事全ては『予知』になっていた。 怜(おかげで交通事故も回避出来るし、学校のテストの内容も把握出来る。麻雀でも、自分のミスで負けることは無くなった) 懸念が有るとすれば、無意識の内に予知能力を使っている事だろうか。おかげで、予知と現実の区別が付かなくなってきている。 そして、薄々気付いていた。 これは、未来予知などではなく、時間遡行なのだと。 怜(自分が嫌やと思った瞬間、私の主観は巻き戻る。タイムリープやん) 気付いた時からは、意識して封印出来るようになった。――よほど、自分の感情が動かない限りは。 怜「京太郎、死なんといて……」 京太郎「すいません、でも……ここまで、ですよ」 もう、何回目だろうか。自分の手の中で、大人になった京太郎が息絶える。 怜(……そして、振り出しに戻る) 大学生の怜は布団の中で目を覚ます。――今日は、京太郎に初めて会う予定の日だ。 神様は、京太郎を失う怜の悲しみを無限に掬いとり――毎回この日に戻してくれる。 怜(いっそ、会わん方がマシってな……) でも、出来ない。何回繰り返しても、そこだけは譲れない。 怜「私が満足するまで……何回でも、付き合ってもらうで。神様」 そして今回も、彼女は京太郎に会いに行く。 ――ループを止める気は、更々無かった。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: