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『初恋』 憧(まだドキドキしてる…) 学校の帰り道、新子憧は高鳴る胸に戸惑いながらそっと頬を撫でた。 先ほど京太郎にハンカチで拭いてもらった所が妙に熱い気がしたのだ。 穏乃「……?どうかしたの?」 憧「な、なんでもない!」 咄嗟にそう答えたが心は穏やかではなかった。 忘れようと思っても彼の顔が頭から離れず顔のほてりも増すばかりである。 憧(そう!男子に慣れてないから少し動揺してるだけ…) 憧(それにあんな事されたのも初めてだったし!) 憧(だからドキドキしてるだけ……) 憧(でも、この感じは今までとは少し違う…) 憧は動揺を抑えるために言い訳を考える。 しかしその言葉は自らの想いによってかき消されてしまった。 胸から溢れる想いは、甘く切なくて…… 憧(なんだかたまらない……)キュッ 初めて芽生えた感情に成すすべもなく ただただ、胸を押さえる事しかできなかった。 カンッ

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