「h98-51」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

h98-51」(2016/12/03 (土) 10:17:49) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

「はぁ……」 寒空の下で、京太郎は白い息を吐き、ぼーと考える。 手が寒くなり、ポケットに手を突っ込み、考えるのは己の彼女のこと。 初めて出来た彼女、大事な彼女……。 しかし、最近、そんな彼女を見て思うことがある。 「――京太郎っ」 「あ……来た」 彼女の通う高校は、女子高である為、校門で待ち続けていれば京太郎を呼ぶ声が聞こえた。 その声に、ぼーと空を見上げていた顔を声の持ち主……彼女へと向ける。 彼女――鶴田姫子は、京太郎の名前を呼んだ後、駆けた。 京太郎は、駆けた彼女へと向き直り、先ほどから思っていたことを再確認する。 必死に走る彼女の茶色い髪は、風を受けて後ろへと流れ、耳のように見え、目は爛々と輝き、嬉しさを隠せないとばかりだ。 「わふっ」 「おっと」 そんなに距離が、あった訳ではない。 時間にして数秒ほどで姫子は、京太郎へと辿り着き、勢いを殺さず、そのまま姫子は、京太郎へと抱きいた。 京太郎は、衝撃で少しばかり後ろへと下がるも、中学校で鍛えていた為か容易に受け止める事が出来た。 「ん~」 「……」 京太郎がしっかりと受け止めると、京太郎の胸元で姫子が、己の匂いを付けるように顔をぐりぐりとこすりつける。 そして、ある程度満足したのであろう。 姫子は、京太郎のコートの匂いを息深く吸い込むとふにゃっと顔を崩した。 「……やっぱり犬だよなー」 「んぃ?」 「何でもない、よしよし」 「わうっ!」 姫子の仕草を見て、京太郎は前々から思っていたこと……犬のようだと思っていたことを再確認した。 頭を撫でれば、尻尾があれば振り回し、子犬のように喜ぶ姫子。 そんな姫子を見て、やはり俺の彼女は可愛いなとぎゅーっと抱きしめた。 カンッ!

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: