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『力が欲しいか?』 女子が全国で大活躍した一方、鳴かず飛ばずの俺は思わずその手を取ってしまった。 学校は、行かなくなった。正確には行けなくなった。 そんな暇があれば牌を握れと、お前に一番足りないのは経験と信念だと教え込まれた。 傍から見ればヒモかもしれない。それでもなお、あいつらに胸を張れる強さが欲しかった。 環境は用意された。それもおそらく最上の。 トッププロによる指導に生活の面倒まで見られ、卓を中心にした日々。 代償は自らの半生。 己を切り売りしてただひたすらに打ち込んだ。 季節は一巡りし、籍だけは残っていた母校へ大会出場の申請書を手に向かう。 『行くのかい?』 京太郎「ええ、そのために俺は一年を使ったんですから」 咏「武運を、とは言わねーよ。きっちり勝ってきな、それだけのもんは与えただろ」 はやり「ぶっちぎるんだぞ☆」 良子「ヴィクトリーロードを飾りましょう」 理沙「頑張るっ」 健夜「優勝したらご褒美だからね」 女性プロによる養成、それを受けて負けは許されない。 別に夜のご褒美を期待してたりは……ちょっとあるかも? さあ行こう、幼馴染の姉妹も目指した頂へ―― 『京太郎麻雀記』、始まりません

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