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高鴨穏乃という人間はいつだって思い込めば一直線、それが基本スタンスである。 高校1年生の時に宮永咲とすれ違った際は『私の倒すべき相手だ!』などと思ったものだが、今は少し違う。 今倒すべき相手とは片岡優希と大星淡である。 須賀京太郎に対するポジションが完全にかぶってしまっているのだ。 まとわりついて一緒に過ごして構ってもらって、好意を隠さない。あり方が似すぎている。 自分が一番関係が短く後れを取っている。 片岡優希は高校の最初から思いを寄せていた。大星淡は大学を完全に狙ってプロまで蹴った。 一方で穏乃は実家の跡を継ぐために経済学部を狙ったら一緒の大学だっただけの新参。 しかし新参でも武器はある。なんとアパートの部屋がお隣さんなのだ。これは運命と呼んでもいいのではないか? 引っ越し蕎麦を持って行った時に「あ、高鴨さんか、よかった。よろしくな!」と笑顔を向けられたのが印象だった。 なぜ名前を知られているのか、一昼夜唸っている間その笑顔が脳裏に張り付いていた。 なお理由は親友の「いや和と同じ高校で同じ部活じゃん、なんで覚えてないのよ?」と呆れられて氷解したのだが。 しかし疑問は解決しても脳裏の笑顔は消えなかった。 それどころか顔を見るたびにドキドキして真っ赤になる始末。 流石に気付くのに時間はいらなかった。あっけなく恋に落ちてしまったのだ。 時間も理由も完全に負けてのポジション争い、普通なら諦めてしまうかもしれない。 しかしそれで諦められるなら高鴨穏乃ではない。 いつでも『だからって諦めるわけがない!』を体現する人間、それが高鴨穏乃である。 大学は違うが近くに住む親友に相談して、慣れないお洒落まで始めてでも食らいついた。 今は女として意識されてなかろうが、初恋を失恋ですます気なんてこれっぽっちもない。 こないだなんて一緒に山に登って夜空を見上げて、一緒のテントでお泊りまでしたのだ。 ここまで進展して引くとかありえない。 憧は「一夜を共にすれば嫌でも意識させられるわよ」って言っていた。体を張る気で体当たりだってしてみせる。 お泊りの詳細を語ったら憧に「いや襲いなさいよ、そのムードで何考えてるの?」とか言われてしまったが。 チャンスを逃したらしいが、チャンスは作るもの、またお泊りすれば何の問題もない! 今日も起き抜けから全力、それが高鴨穏乃である。 穏乃「京太郎、一緒に大学いこっ!」 カン

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