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 キュッキュッとシューズが床を擦る独特の音が室内に響く。  汗を散らしその輝きの隙間に真剣な表情を覗かせる金髪の少年がその音源だ。 「今日も精が出るな、あいつは」  先日訪れた彼の家で触れ合ったカピバラの愛らしさを思い出しながらの呟きは思いのほか大きく響いた。  背を流す黒髪の向こうからの声が彼女の失態を知らせる。 「サトハ、私が最初に目を付けたんですよ?」 「明華か。それでも今一番親しいのはお前ではないだろう」  ちらりと室内であるのに日傘を差す豊かな金の髪をなびかせる白皙の少女を一瞥し、  その視線の向こうに見慣れた白人女性――彼女たちの監督であるアレクサンドラ・ヴィントハイムの姿を認め嘆息した。 「麻雀の才能が皆無なのに、お前も物好きだよ」 「麻雀至上主義ですか? 確かに最近はその風潮が強いですけど。くだらないですね」  一瞬酷薄な笑みを浮かべ、すぐに打ち消し、身体を手すりにもたれかけさせながら熱い視線を少年に向ける少女。  少年――須賀京太郎は豊満な体型の女が好みだ。その意味で言えば自らと目の前の雀明華は互角と言うべきか。  10月の秋季大会に合わせて引き抜きの決まっている一年生には体系でやや劣ることを思い出すも、  麻雀至上主義者であることも思い出し焦燥感は薄れた。 「あと半年。サトハがそれまでに彼を射止められなければ、私の勝ちです♪」 和「咲さん、急いで!」 優希「咲ちゃんの迷子スキルをすっかり忘れてたじぇっ!」 咲「あわわわっ、ごめーん!」  ワァァァァァ キャー! 和「ハッハァッ、も、もう始まってますね」 「「「京太郎くーん! カッコイイよー!! キャーっ!」」」 優希「じぇっ!?」咲「あれは……」 和「あっ、ちょうど須賀君がゴールを決めたところだったみたいですね。――声援に応えて手を振ってます<●><●>)」 「おい、あれ清澄高校の」「うおっ、マジだ。原村和ヤベェな。あの乳反則だろ」 「つか原村和もアイツの応援かよ」「マジなんなんだよ。去年のJK雀士勢揃いの勢いじゃねェかッ」 和「えっ、玄さん……? 宥さんも」 優希「あれは、宮守のだるそうなヤツ! キャラが全然違うじぇ!?」 咲「宮守は姉帯さんもいるね。臨海の人達も何人かいるよ……」 咲和優希「「「それに巫女服5人が目立ち過ぎ/です/だじぇ!」」」  大会後、須賀京太郎が無事長野に帰れたかは誰も知らない―――― カンッ  歌うように自らの優位性を語る少女を横目に、智葉はさらに踏み込むべきだと決意した。  相手を分析し、機を逃さず的を斬る。いつだって自身のスタイル通りに進み、結果を手にしてきた。  今回だって―――― カンッ

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