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ホスト、それは女性に夢を見させるといえば聞こえがいいが、実際のところ疑似恋愛と時間を売っているに過ぎない。 同時にパフォーマンスとドリンクの値段で競ってどれだけ自分がホストにとって大事か誇示する女の戦場でもある。 そんな場所に彼女は訪れていた。噂に縋って旧知の男性を求めて。 京太郎「ご指名ありがとうございます、お姫様」 スーツにリングタイをつけてブラウスの上ボタンを2つ開けた金髪の男性が慣れた礼をして顔を上げ、一瞬目を見張る 咲「京ちゃん、本当だったんだここで働いてるって」 京太郎「お姫様、お名前を頂戴してもよろしいでしょうか?」 咲「京ちゃん……やめてよ、それ」 京太郎「仕事中はプライベート禁止なんだよ」(ボソ 咲「……分かった。これ連絡先。それと、クリュッグ・ロゼを」 京太郎「ふぁっ?」 世間ではホスト業界やシャンパンと言えばドンペリとのイメージが強いが、クリュッグの方が断然希少生産である。 簡単に言えばドンペリはメジャーブランド、クリュッグは通用のシャンパンと考えればいい 咲「どうかした?」 京太郎「いえ、お姫様、中々お目が高いのですね」 咲「私、こっちの方が京ちゃんにふさわしいと思って」 クリュッグは基本ヨーロッパ圏では来賓用、すなわち特別な相手のためのシャンパンである。 なお原価、1本につき3万5千程度。ホストクラブでは約3倍から4倍なのでお値段10万円強。 京太郎「クリュッグ・ロゼ、入りましたー!」 このクラスになると、当然のようにシャンパンタワーである。 店員全員に持ち上げられ、酒も入った咲は甘えるように俺の肩に頭を傾ける。 咲「ふふ、今は京ちゃんは私だけのもの、王子様でいてくれるんだよね?」 京太郎「もちろんです、お姫様」 騎士のように貸しづいて手の甲、指先へと口づける。 周囲の客席から送られる嫉妬と羨望の視線に咲は物怖じするどころか、微笑んで返す。 人見知りはどこへ行った? 結局、咲は追加でもう一本注文し、俺の歓待にご満悦で帰って行った。 いやけどこれ、知り合いから20万以上ぼったくってるってどうなんだ? 他の客の手前も俺の給金的にも、咲だけ特別扱いとか無理だし。 そして翌日、また別のお姫様が訪れる。彼女は弁護士資格を取った才媛の、ぶっちゃけると和であった。 『ホストKYO』 初めてのお姫様編  カン

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