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「……何してるんですか?」 所属している麻雀部の合宿。 お風呂から上がり、とことこと部屋へと戻ったときだ。 煌が部屋の中へと入ると同室である姫子と後輩の京太郎が居た。 普段なら特に問題はなく、煌も会話にすぐに加わるだろう。 しかし、現在の二人の状況は何とも奇妙であり、会話に入る前に疑問をぶつけてしまった。 「はひはぃ」 「……」 疑問に返してくれたのは姫子だ。 そんな姫子から帰ってきた言葉は到底理解が出来ないもので煌は眉を顰めた。 「はみはひ」 「いや……うん、やってることは分かってるんです」 「たひゅへて」 「何で、京太郎君が姫子の歯磨きをしてるんですかってことです!」 結局我慢出来ず、目の前で起こってる行動へとツッコミを入れてしまう。 現在、抱きかかえられている姫子は、いやいやしつつも京太郎に歯磨きされている。 姫子が手足をバタバタと動かすも脇から手を要れられ抱きかかえられている為か動けない。 そんな姫子の事を歯磨きしている京太郎は集中してるのか、煌に気付かなかった。 「京太郎君、京太郎君」 「……あれ? あー、煌さんお帰りなさい」 「ただいま」 「うぼぁー……」 声を掛けつつ肩を揺すれば、京太郎が煌にようやくに気付いた。 気付いた京太郎は、顔だけを上げるとにこやかに笑う。 ちなみに姫子は煌に助けを求めるもスルーされて諦めた。 「これですか?」 「これです」 「いや、姫子先輩と話してたんですけど……夜も遅くなり姫子先輩が寝る準備をし始めまして」 「うん」 「こうなりました」 「省略!? 大事な所が省略!?」 「姫子先輩、毛先を歯の面にあてて軽い力で磨くんですよ」 「ひゃい」 何とも会話が続かない。 「いや……何故にってところを」 「いや、姫子先輩が歯磨きをし始めたんですが……」 「ですが?」 「あまりに雑で……」 「あー……」 ようやく納得できる説明があり、煌は遠くを見つめ思い出す。 確かに京太郎の言うとおり、姫子の歯磨きは少々雑であった。 適当に一分ぐらい磨き、そのまま終わりといった何とも意味のないものであり、煌も注意をしようと思っていた。 思っていたのだが、まさかこうなるとは予想外だ。 「歯は大事ですし」 「そうですけど……まさか無理矢理教え込むとは」 「こうしないと覚えようとしないので……」 「前例ありですか」 「ポンコツ姉妹が居まして……」 そう言って京太郎は思い出しているのか手を止めて、先ほどの煌のように遠くを眺めた。 その際に姫子は何とかやめさせようと歯ブラシを齧る。 勿論、効果はあるわけもない。 「小刻みに動かして……しっかりと一本一本丁寧に」 「……ふぁい」 「……いい機会なので覚えた方がいいですよ? 姫子」 「……ふぁい」 抵抗も無駄に終わり、涙目になる姫子を見ていい薬かなと煌は思った。 カンッ! -オマケ- 「っ~~~~~!!」 「……」 「……なんで部長口ば抑えて悶えとっと?」 「さぁ……姫子ちゃんかな?」 姫子の抵抗により、リザベーションで繋がってしまった哩は暫く口を蠢く感じに身悶えた。 更にカンッ!

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