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「美穂子姉ちゃん!おれ絶対会いに行くから!!どんなに遠くに行っても必ず会いに行くから待ってて―――」
それは幼い時の記憶。近所に住んでいた年下の男の子との思い出…。その子は私の外見を恐れることもなくいつも後ろをついてきた。
「お姉ちゃん麻雀強いんだね!すごいや!!」
「これおねえちゃんが作ったの!?すごいおいしいよ!」
「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」
華菜「……テン!キャプテン!!」
美穂子「……華菜?」
華菜「どうしたんですかキャプテン?ボーっとしちゃって」
美穂子「ごめんなさい。ちょっと考え事をね」
今頃になってあの時を思い出すなんて…。
ある日引っ越してしまったけど、今にも後にも仲の良かった男の子なんて彼だけだったわね。
幼いながらいろんなことをしたわね。将来の約束とかもしたり……。初恋…だったのかしら?
あの子は今どこで何をしてるのかしら…。元気でやっているならいいのだけど。
貴子「福路 !お前に客だ」
お客、上埜さんかしら。全国個人選手の資料を届けに来るって言ってたからそれかしら。
久「やっほー美穂子、来たわよ。言ってた資料を届けに来たわ。須賀君渡してあげて…須賀君?」
上埜さんと一緒に背の高い金髪の男の人が部室に入ってくる。前に上埜さんが言っていた清澄の男子部員かしら。
背の高い金髪の男の子。初めて会った筈なのにどこか見覚えがあって……。
持っていた資料を落としてそのまま私に近づいてきて―――
久「須賀君!?」
華菜「にゃぁ!?」
貴子「ほう?」
京太郎「会いたかった……っ!美穂子姉ちゃん!!」
突然抱きしめられた。そのことにも驚いたけれど私が驚いたのは違うところ……。
京太郎「ずっと会いたかった。あれからずっと探して…。少しでも美穂子姉ちゃんに近づこうと麻雀も始めて…」
美穂子「…京……君…?」
約束の男の子、京君が私のことを抱きしめていた。
京太郎「そうだよ、あの時の約束を果たしに来たんだ」
あんなに小さかった彼がこんなに大きくなって、約束も覚えていてくれて。こんなのずるいじゃない……。
京太郎「俺、美穂子姉ちゃんが好きです!俺と付き合ってくださ――っ!?」
美穂子「…ぷはっ。私も好きよ京君」
久しぶりに間近で見た彼の顔はとても驚いた顔をしていた。
カンッ!