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 許嫁は親が勝手に将来結婚する約束を交わした相手のことだ。昔ならいざ知らず、現代では一般的に廃れてきている文化である。  俺にとってもフィクションの話であり、我が身に降りかかるなんて思いもしなかった。  そう、あれは十五の誕生日を迎え、再来月には高校へと進学することになる日の夜だ-- 「はっ!? 俺に許嫁がいるだって?」  あのクソ親父に話があると呼び出されて聞かされた話は当に寝耳に水、驚愕させられた。  彼女がいないから問題ないとか余計なお世話だ。別に彼女を作れないんじゃなく、中学には大きな胸の家庭的で可愛い女の子がいなかっただけだからな。 「……何…………だと……」  実は許嫁が一人じゃないって何の冗談だ。ふざけてやがる。  友人に子供同士を結婚させたいなと漏らしたら伝言ゲームのように伝わり、何人もの友達からほぼ同時期に申し込まれたとか冗談だろう。 「その中の一人だけ承諾して他は断れば良かっただろうが!」  相手や時期が悪いとか知るか。  昨今では晩婚化が問題になっている。女性の社会進出、男女平等の観点からは喜ばしいが出生率は下がり続け、人口も減少中だ。  特にクソ親父の下からは酷いものらしい。確かにテレビにもよく出ているアナウンサーや女子のプロ雀士も大半が独身だな。  女性ならば十代での結婚が当たり前だった時代があったことを考えるとアラサーで独身は行き遅れも甚だしいのかもしれない。 「それとこれと何の関係があるんだよ!?」  孫の顔が見えないかもしれない悲しみが分からないのかって言われたって理解できるかよ。  結婚相手を見つけられない、良い人がいないなんて問題が起きないように予め相手を用意しておけば解決というのは確かにそうなのかもしれないけど。 「はっ!? その主張、俺たちが悪いっておかしいだろうが!!」  俺に恋人が出来ていたり、相手の娘さんが特定の誰かと恋愛していればこの話は流れていたらしい。  だから、俺が悪いとかおかしい論理だ。 「知るか! 自分の蒔いた種だろうが!」  クソ親父がこの件でどうなろうが知ったことではない。そんなヤバイ所からの話を早々に断れなかった自業自得だ。  そう、法律家の娘、組長の孫、巨大財閥の一人娘、日本有数の宗教法人の愛娘、良い所のお嬢さんたちとか、無駄にクソ親父の交遊関係が広すぎる。  どうして俺との結婚が流れると問題が起きる相手なんかと何人も結婚の約束を取り交わしたんだよ。 「しかも、何で咲か照ちゃんのどちらかも貰うことになってんだ!?」  俺には壁を愛でる趣味はない。  せめて掴める位のサイズがないと興奮しないし、反応しない。あのポンコツ幼馴染みたちと結婚はないない。 「何が大丈夫だだ、今から断れば…………えっ? 嘘……だろう?」  クソ親父の咎で俺にも身の破滅が起きるとか勘弁してくれ。  考えてみれば婚約が流れるってことは相手の面子を潰すことになる。大きな家ともなれば重大な問題だな。  なあ、だからって無理だろう。全てを丸く納めないと、少なくともキーとなる何人かは惚れさせて離れなくさせないといけないとかさ。  ハーレム、男の夢、命を賭けて成せ。  面識もない相手だぞ。  死にたくない。 「…………ヤバイのは誰なんだよ?」  日本最大の財閥、世界的にも有名なあの龍門渕家の一人娘である龍門渕透華。  霊峰霧島、神代より続くやんごとなき血を引く霧島神境の姫である神代小蒔。  日本の闇、裏社会の支配者たる最大の暴力組織、組長の孫である辻垣内智葉。  最低でもこの三人を落とさなければ俺は助からない。叶うなら、彼女たちが胸の大きな可愛い娘であることを願う。  助かりたい。  しかし、否が応にでもハーレムを作らなければならないなら好みのタイプの方がやる気も出るし、己の心に嘘を吐かないでいられる。 「俺は俺のために動くから、親父のことまでは知らないからな」  そう告げて俺は親父の書斎を後にした。後ろで声がするが、ああ、聞こえない。  人数が増えるほど無理が生まれる。  俺の身体は一つしかないのだから。  原村って言う弁護士にクソ親父が訴えられようが、うちよりも財力のある弘世や古塚の家に潰されようと俺は知らない。  はあ、まずはどうするかな--  命賭けのハーレム  泥沼、修羅場、現実の壁  須賀京太郎は生き残れるか  これは複数の許嫁との血みどろラブコメディー カンッ!

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