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大魔王に作り替えられる一ヶ月 健夜編 「一日目IH会場」 健夜「ん~?誰なのかな?えっ...私のファンなの? うわぁ~嬉しいなぁ。見たところまだ学生さんかな? えっ?まだ高校生なの?ふ~ん、君も好きだね~ ね?お名前は?へ~京太郎君っていうんだ~ これ、私の携帯電話番号だから好きなときにかけてね。 いいよいいよ。君はなんだか素直そうだし... そうだ。京太郎君の電話番号も教えてよ...」 「五日目」 健夜「やっほ。京太郎君こんばんは~。 健夜だよ~。うん、この前会った本物。 お仕事で中々時間がとれなくて電話できなかったんだ えっ?この前の試合長野から応援に来てくれたの? うれしいなぁ~。すっごく嬉しいよ、京太郎君。 ...あの試合、最後私のチーム負けちゃったんだけどな? えっ?そんなことないって? 最後まで逆転勝利にこだわったつくばの方が勝者? 素人さんが知ったかぶりするのは良くないよ でも、ありがとね。私達も次の試合頑張るから」 「六日目」 健夜「京太郎くーん。今お話しできるかな?え?無理なの? うん、うん。ええっ?!じゃあ普段は雑用ばかりなの? それで今日は男子部員だからって女子の練習のお手伝い? いくらなんでもそれは...顧問の先生は何やってるの? そっかぁ...名ばかり顧問で実験は部長が握っている、と 清澄高校ね...オーケー...名前、覚えたからね あっ、じゃあ八月の最後の週末、茨城まで遊びにおいで お金は私が出してあげるから。大丈夫、問題ないよ」 「九日目夜 駅」 健夜「あーっ。おーいこっちだよ~京太郎く~ん。 わぁ...やっぱりいつ見てもすっごいイケメンさんだね えっ?天下の小鍛治プロに褒められるなんて光栄です? もう、そんなに縮こまらないでよ。リラックスしよっ☆ これからどこに行くの?それはついてからのお楽しみ 大丈夫。損なんかぜーったいさせないから」 「十日目朝 健夜ハウス」 健夜「そうそう。難しく考える必要なんかないんだよ 最近は点数計算アプリとかがあるから、それを使えば良いの 分からないでネト麻なんかするからいつまでも初心者なの あっ、ごめんね。そういうつもりで言ったんじゃないんだ 難しい?無理ですよ?君は私を誰だと思っているのかな? 大丈夫。無理なく平均的なラインまで私が押し上げるから だから頑張ろうよ、京太郎君。皆を見返してやろう?」 「十日目夜 健夜ハウス」 健夜「ふ~。結構難しめなんだけどな、このドリル 私が隣で教えたとは言え、巻末の模擬テストで96点。 あれ?どうしてそんな顔してるの? 後一問で満点だった?こんなんじゃ仲間に追いつけない? ...ああ、そっか。これが君の弱さなのか。 今はまだ基礎固めの途中だよ?焦ることはないんだから。 焦りが成長を阻むんだよ。出来る事からマスターしよう ...そっか、君も辛かったんだね。一人だけ初心者だもん ん?お腹減ったのかな?よーし、じゃあ出前でも取ろっか お寿司?ラーメン?え、何、京太郎君が作ってくれるの? じゃあじゃあ、一緒にお料理しようよ、ね?」 「十一日目 東京」 健夜「育成枠の女子アマとプロ相手によく頑張ったね。 えっ?健夜さんのおかげでやりたい事が見つかった? 鳴き速攻の三色&黙聴からの多面待ちね。そっかそっか じゃあこれから夜までぶっ続けでそのスタイルを磨こうか 私もセコンドで入るから、しっかりやるんだよ?」 「十八日目」 健夜「京太郎君? なに?何があったの?!どうしてそんなに泣いてるのかな? ええっ?アマチュアの大会でベスト4?よく頑張ったね うんうん。夏休みの特訓が活きたようで私も嬉しいよ えっ?なに...それ 他のメンバーに、私のやり方を貶された? 火力が足りない?効率が悪い?上がるの遅すぎ? 大会終わった後に部室で打ち方を矯正させられた...? 待って!麻雀部辞めるってどういうことなのかな? あんなに頑張ったのにどうしてそんなこと言えるの!! 待って、早まらないで京太郎君!」 「十九日目」 健夜「いたいた。えっ、どうして俺の家が分かったかって? あんまり大人の力を舐めない方が良いよ 昨日からお父さんとお母さんは会社の出張中なんだよね お仕事はどうしたのかって?ん~内緒 今は監督業がメインだからさ、ある程度余裕があるんだ やっぱり昨日言ったように、本心は変わらないのかな? ...変わりません、か。悲しいなぁ... ううん、そういう意味で言ったんじゃないんだ 君が苦しんでるのに助けられないのが悔しいんだ どうしたのそんな驚いた顔して? ええっ?!私に弟子入りしたい?なんでもしますから? そっかぁ...麻雀が嫌いになったわけじゃないんだ てっきり麻雀部辞めますっていったから...って、あれ? なんだか安心したら、涙が...涙がこぼれて... もう二度とこんな自分を傷つけるようなことしないで! 約束だよ。もうこういうことはしないで欲しいな? うん。よろしい。じゃあ京太郎君は今日から私のパートナー 私が全責任を持って誰にも負けないように育てるからね!」 「二十三日目 清澄高校麻雀部部室」 健夜「初めましてだね。清澄の麻雀部の皆。 随分と私の京太郎君がお世話になってたみたいだけどさ、 京ちゃん?彼なら今頃長野から出て行っているはずだよ? えーっと、タコスが大好きなのは優希ちゃんだったっけ? 咲ちゃんと和ちゃんにも京太郎君から言伝を預かっててさ お前等と打つ麻雀は楽しくないんだ。だってさ 格下相手にストレス解消で全力ぶつけるのは楽しかった? ああ、そんな泣きそうな顔しても無駄だよ竹井さん。 部員が一人でもあぶれないようにするのが部長の役目。 そうして全部が終わってしまった後に罪悪感を感じるなら とっとと辞めさせて転部させるべきだった。違うかな? 話戻すけど、今日ここに私が来たのは憂いを絶つ為。 後で茶々入れられるのもウザいし、ここで芽を摘むから ん~?何寝ぼけたことを言ってるのかな、優希ちゃん。 時間は三ヶ月もあった。それだけあれば十分だよね? 京太郎君は私のパートナーになったの。だから返さない。 貴女達の勝敗に拘らず京太郎は二度と清澄には戻らない。 お互い話は十分したよね。じゃ、最後の試合やろうか? 目ん玉引ん剥いて、世界王者との対局楽しもう?ね? 特別に赤土さんとの試合の半分以下の力でやってあげる でも、気をつけた方が良いよ。私の力は凄く凶悪だから。 私に点を取られる度、相手の力を奪うのが私の力。 そして私に負けた時点でその力は永遠に失われる。 大丈夫。負けても麻雀が出来なくなるわけじゃないよ? 皆と同じように勝って負けて一喜一憂するのに戻るだけ ふふっ。なに言ってるの?これが麻雀じゃないの? さぁ、今年の優勝校の力...この私に見せてほしいな?」 「二十五日目」 健夜「ふぁ~あ、八時か... って、ああーっ!!なんで起きてるの~? えっ、住み込みの弟子ならこれくらいしないと? そんなことされたら私の生活リズムが狂っちゃうよ~ じゃあ、かわりばんこに家事とかやろっか? ん~京君の朝ご飯はおいしーねー。元気出てきたよ~ お母さんのご飯よりおいしいな...//// 新しい高校には麻雀部ないけど、君は部活なにするの? へぇ~水泳部かぁ...ダメです。許しません。 京君はイケメンだから他の女に奪われる危険があります 私的には囲碁部とかそういう地味系なのがいいな そっか、ハンドボールをまた始めるんだね... 肩を痛めないようにするんだよ?あっ、もう時間だ じゃ、行ってきまーす」 「二十七日目」 健夜「ん~何してるのかって?次のお仕事の準備だよ~。 それに...可愛い弟子を一人前に育てる使命があるんだもん。 後進を育てるのも先達の役目だからね。 さ、今日は能力者と対局を想定した勉強をするからね。 オカルト最強とか騒がれてるけど、大丈夫、怖くないから 強くなるには格上を倒して自信をつけるのが一番の早道。 じゃ、まず最初にこのDVDを見てみよっか」 ......... 健夜「ね?いかにオカルト頼りの麻雀が脆いか分かるでしょ? 東場に強い?連荘でもそれが持続しなければ無意味だし そこから南場で失速して三家和で-32000点じゃ世話ないよね 効率を重視するばかりで人を見ないデジタル麻雀もダメ あそこまでオカルトを否定するタイプも珍しいけどさ そんなだからあっけなく自分のスタイルを壊されるんだよ 清澄で一番弱いのはあの子じゃないかな? 永水女子の試合を見たから楽~に対策立てられたよ。 どうやったかって?簡単な話、煽って自滅させたんだ。 リーチの後に仲間からロンされてムキになっての繰り返し 最後のバカ混ザンクの裸単騎で放銃は見物だったな。 ね?能力に追随しない打ち方なんか簡単に崩せるんだ。 逆に初心者の方がなにするか分からない分怖いんだよね。 ま、おかげで私も簡単にトップを守り続けられたけど」 健夜「悪待ちちゃんは論外だったね。 同じやり方で槍槓国士ぶち当てたら泣いちゃったよ。 確率の悪い待ちで和了しやすいなんてそんなのないない。 高校生の時点でそんな変な持論を振りかざすなんて笑止。 未来視できるなら話が別だけど...まぁしょうがないよね ハッタリだけの張り子の虎が本物に勝てるわけないし。 一番期待外れだったのが宮永さんだったかな。 勝てないと分かって仲間を見捨てて逃げてったよ ん?私の方がよっぽどオカルトだって? なに言ってるのかな?京太郎君、これが私の実力だよ? 普通に頭を使ってうまく立ち回ってトップを取る。 麻雀の原点にして、オーソドックスなスタイルじゃん 咏ちゃんや世界王者は化け物だから少し手こずるけど 自分の力すらを使いこなせない雑魚なんか一ひねりだよ? え?健夜さんってこんなに怖い人だったっけ? なに言ってるの?君も私と同じステージに立つんだからね? 相手を叩き潰して、自分だけが玉座に座る覇道の道。 君が望んだ麻雀ってそういう麻雀でしょ? 考える時間をください?うん。いいよ。 生半可な覚悟の奴に私も自分の技を教える気ないからね」 「二十九日目 東京」 健夜「おや~。今日は豪華なゲストさんが一杯来てるね~ 宮永照、ネリー・ヴィルサラーゼ、辻垣内智葉...かぁ。 この面子だと、流石の私も手こずりそうかなぁ... おーい、京太郎く~ん。お客さんだよ~ 咲ちゃんね、私に勝ったら京ちゃんを返して下さいだってさ 丁度タイムリミットだし、答えを聞かせてよ .......ハハハ、アハハハハハハ!! お前を倒す!±0なんて怖くない!これが俺の答えだ! 流石だよ京太郎君!それでこそ私が選んだパートナーだよ! じゃあ、試合しよっか! 丁度いい相手もいるし、私の教えたとおりに打ってみて。 京太郎は咲ちゃんを、私は照ちゃんを倒すとしましょう。 私もチャンピオンと一回やってみたかったんだ~ あーあ、一度は見逃してあげたのになぁ...凄く残念だよ。 姉妹揃ってもう二度と麻雀できないようにしてあげるから 顔が青いよチャンピオン。鏡に映った私にビビってるの? 遅い、もう逃がす気はないからね。 さぁ...楽しい楽しい麻雀を始めよっか...」 「三十日目」 健夜「疲れた~。まさか半日も食い下がられるとはね... でも、今日の対局は京太郎君にとって大収穫だったでしょ? なんて言ったって一番のライバルを倒したんだからね。 三対一の構図で何度も突き放されてはその度に食らいついて 最終的にネリーちゃんの運を強引に奪うまで成長したんだから ネリーちゃんもこれから世界戦では苦労すると思うよ もう場の運の流れが読めないほど弱くなっちゃったし なんか罪悪感を感じる?あー気にしちゃダメだよ。 これがプロの世界の厳しい現実、敗者は全てを失うの ね?今自分の中に凄く溢れ出る力の流れを感じる? それがオカルトの源泉、豪運と自信だよ。 この二つを自分なりにアレンジしたのがオカルト。 京太郎君は、これからもっともっと強くなっていくからね 勝利して、相手から奪った力が自分の中にあるでしょ? 直に嶺上開花も、運の波も調節できるようになるよ ただ、オカルト抜きの素の実力はまだ伴ってないね。 どうする?京太郎君はもっと強くなりたいかな? そっか...日本一になりたいんだね。分かったよ そういうことならまた転校しようか、私の母校に そんなに強くないけど、男子麻雀部はちゃんとあるからね 高校は卒業できる程度に行けば良い。 これからほぼ毎日、私のチームで君を鍛えるから。 え?自分より弱い相手と打ち合って何か得るものあるの? それならはやりちゃんとか咏ちゃんと打った方が良くない? あー、そっか...ゴメンね。無神経すぎた。 京太郎君が欲しかった環境を危うく私が潰す所だったよ じゃあ、まず手始めに来年のIH個人戦に初出場初優勝だね え?団体戦も全国に行くって?いいじゃん、凄くいい顔だよ プロの道が見えてきたよ、京太郎君。 君の未来を阻む邪魔者は全部潰したし、これで未来が開けたね」 「○○日目」 健夜「遂にここまで来たんだね。おめでとう京太郎君 並み居る敵を打ち倒し、名実ともに世界王者に上り詰めたんだ 多分これから先、君を超えるプロはもう現れないでしょう。 今ね、世間で君がなんて呼ばれているか知ってる? 小鍛治健夜の後継者だってさ。私としては嬉しいんだけど... そうだよね。もう君は私を超えようとしているんだよね... 今まで楽しかったよ。私もこれ以上ないほど麻雀を楽しめた。 え?これを...健夜さんに?なにかな、言いたいことって? もう貴女は俺のモノです、絶対に逃がしたりしない? ?!こ、これって...結婚指輪、なのかな...? プロポーズなんて...嬉しいに決まってるじゃない! って、こーこちゃん?!なにビデオカメラ回してるの! ちょっ、ライブ中継?聞いてないよ~~ えっと...本当に私で良いのかな? だってはやりちゃんとか良子ちゃんのほうがいい女性だよ? 貴女が俺を導いてくれたから、俺はここまで来れた。 今度は俺が貴女を導く番です...かぁ あの京太郎君が、ここまで成長したんだね...いいよ こんな私で良かったら...末永くよろしくお願いします」 カン

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