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「うっ……んっんん!?」  ズキリと走る頭部の痛みに目が覚めていく。視界に映った諸々に疑問を感じながら、意識が途切れる前に何をしていたのかを思い出す。 「そうです、私は京太郎くんと!」  恋人の彼とのデート最中に何者かに襲われて気を失ったのだ。 「あら? ようやく目覚めたんですわね、原村和」  状況を冷静に判断しようとする理性の働きを妨げ、混乱へと叩き落とす声が聞こえた。 「龍門渕さん!?」  犯人。  京太郎くんの安否。  遅まきながら手足が鎖で縛られ自由な動きが制限されている状況に気づき、不安、恐怖、精神の均衡が崩れていく。 「なっ、これは何のつもりですか? いったいぜんたい……」 「あら、分かりませんの? その小賢しい頭脳で答えを弾き出せないのかしらね?」  思わず呼吸が止まってしまった。  彼女の射ぬくような鋭い目付きは憎悪と敵意に塗れていた。そんな恐ろしい視線を向けられたことは初めてであり、圧される。 「ふふふ、私は知りませんでしたわ。欲しかったものが他人の手に入るのはこうも我慢ならず、許せなくて、愛は憎しみに変わり得るものなのだと」  狂気の笑みを浮かべ、彼女は手に握ったリモコンを操作した。  天井から巨大なスクリーンが下りてくる。そして写し出された映像には京太郎くんの姿があった。 「ハギヨシ、準備はよろしくて?」 『はい、お嬢様』 「始めなさい」  そこから見せつけられたものは口にするのも悍ましい、吐き気すら催すものだっtた。 「私のものにならないなら壊れてしまいなさい。他の女のものになるなら堕ちてしまいなさい。ふふふ、アハッハッハッハァッーーーー!!」  ほの暗い微笑を携えた執事の巧みな手管で染められていく。常識の枷は快楽に揺らぎ、背徳の悦びが目覚めをもたらす。 『あっ、ああぁ、ダメなのぉにぃ、和、見ないでくれぇ……ゴメン、ゴメン、ァァああああッーーーー』  自ら腰を動かし、懇願するように、淫らに、情けなく、京太郎くんは堕ちていく。  恋人に見られていることを知りながら、私に許しを乞いながらも、あの執事に屈していく。  見せつけられる男と男が交ぐわい合う冒涜の饗宴に私は---- 咲「ぐふぇふぇ、今回はあえて視点を京ちゃんやハギヨシさんから外してみたんだけど、どうかな?」 智紀「良い、透華がライバル視している彼女を彼の恋人役に抜擢しているのも好印象」 未春「確かに面白いけど、私としては京ハギの内面を深く綴った描写のある作品の方が好きかな」 佳織「私は良いと思うけど……斬新な感じがして」 咲「そう言ってもらえると嬉しいよ。京ハギ、ハギ京にしろいつも二人を中心に書いてたからね。たまにはこう言う趣向もありかなって」 智紀「今度の品評会に出す?」 咲「うん、もう少し加筆したりするけどね。その時にはエイスリンさんの協力で挿し絵も入る予定だよ!」 未春佳織「「おおっ!!」」 智紀「巴も京太郎の妖姦シリーズの新作を持ってくるらしい、憧や浩子も」 未春「ちょっと間に合いそうにないかな」 佳織「私はギリギリ大丈夫だと思う」 咲「あっ、お姉ちゃんは予定があるから今度の品評会には来られないそうです」 未春「そうなんだ、楽しみにしてたから残念だな」 咲「その代わりにお姉ちゃんにこの道へ落とされた尭深さんが初の作品を発表するそうですよ」 佳織「きっと当日はとても緊張してるんだろうね……私も初めて人に見せるときは震えたから」 智紀「品評会が楽しみ」 咲未春佳織「「「ね~♪」」」 --その頃、京太郎は…… 優希「京太郎、両手に花で嬉しいだろ?」 京太郎「まあ、悪くないかな」 和「あら、私と優希の二人じゃ不満ですか?」ムニュ 京太郎「うっ、和のおもちも優希のこもちも好きです、不満なんか全くないって」 優希「ふふーん♪ この優希様とのどちゃんの二人と付き合ってるんだから当然だじぇ」 和「ふふ、一人の男性を二人で共有することになるなんて思ってもいませんでしたね」 優希「まあ、私とのどちゃんは親友だからな。誰も損していないし、問題ないじょ」 京太郎「そうだな。まあ、デートの時に俺へ向けられる視線が痛いけどな」 優希「それぐらい我慢するんだな」 カンッ!

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