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久「あー、暇、暇だわー。国麻も推薦も終わってすごく暇ー」 まこ「だからって引退したはずなのに部室に入り浸ってるのもどうなんじゃ?」 久「いいじゃない、ついでに須賀くんに筋ひっかけのコツを教えてるんだから」 和「いえ、やめてください。おかげで教えたはずの牌効率がむちゃくちゃになりました」 咲「京ちゃん、それポンしたら次に4枚目が来るからカンしてあがればいいよ」 優希「いやいや、ここはタコス力をチャージして速攻でだな」 京太郎「えーっと、つまりどうすればいいんだ?」 まこ「そうやって各々が自分の打ち方を押し付けるからいつまでたっても京太郎の打ち筋が安定しないんじゃないかのぉ?」 久「ひっかけて場をかき乱すのよ、それが一番楽しいわ」 和「牌効率に従っていれば確率は収束するんです。つまり一番勝てます」 咲「京ちゃん、一番付き合いの長い私を信じるよね?」 優希「細かいことは分かんないけどガッと高いのあがって逃げ切ればそれでいいんだじぇ!」 京太郎「うー、つまりこっちで引っ掛けてここで鳴いて、カンドラのっけて点数上げて、牌効率に従って捨てて???」 まこ「だめじゃな、完全に迷走しとる。京太郎、全員の言うことをやろうとせんでいい。実現できん」 京太郎「いやでも、せっかく教えてくれてますし……」 まこ「なんじゃろうなあ、インハイ終わって久が『全員で須賀くんの強化をするわよ! 今度は男子の優勝とか面白そうよね!』とか言い出した時はやっと報いるつもりなんかと思ったもんじゃが」 ため息をつく新部長は眼鏡をはずして目元をもみほぐす。 まこ「構わなくてもダメ、構ってもダメ。教える才能がないんじゃろうな、全員」 和「それはおかしいです、私の言ってることは確率が証明してるんです。私は指導者向きのはずです」 まこ「お前さんのような正確無比な計算を京太郎はできんわ! 自分も特殊なことを自覚せえ!    ああ、最初のうちに止めるべきじゃった。もうめちゃくちゃじゃ、どうしようもない」 京太郎「カン、でこれ捨てて、こっちで引っ掛けて、リーチ! お、ツモったぞ!」 まこ「しかも何が問題って、それで大勝ちする日があるんじゃから始末におえん。    なんでそれで時々勝つことができるんじゃ、新しいオカルトか? しかも安定して勝つことはできんままじゃし」 翌年、意味不明の打ち筋にて他家を翻弄して全国に出場し『トリックスター』なる異名をつけられることをこの時染谷まこは予見できなかった。 なおインハイでは当人は微妙な成績しか残さなかったが、対戦相手は軒並み自分の打ち方を乱され後に自滅していく被害をもたらすなどと想像できるはずもなかった。 こうして清澄の伝説はまた一つ増えたという。 カン

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