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京太郎が隣にいた○年間 憧ちゃん編
<小学生>
憧「あっきょーたろー。いっしょにあそぼーよ~」
京太郎「しょ~がねーなー。んじゃシズとか誘ってサッカーやるか」
憧「うん。やるやる~」
京太郎「じゃあ公園まで競争だ!」
憧「負けないからね~!あうっ」コケッ
憧「ふぇ~ん。足すりむいちゃったよぅ」
京太郎「あわわ...泣くなってば憧。うわ、凄いすりむけてる」
憧「痛いよ~。痛いよぉおおおおお!!」
京太郎「ああああ。ど、どうすりゃ良いんだよこれ~」
憧「うわああああああああああああん」
京太郎「わ、分かったから泣くなって」
京太郎「おんぶしてやるから、ほらすぐに乗れって」
憧「うん」グスグス
京太郎「俺の家近くだからさ、だからそれまで我慢してくれよ」
憧「うん...うん。分かった。我慢する....」
憧「きょーたろーは優しいね」
京太郎「けが一つで大げさすぎだろ」
京太郎「でも、憧が隣にいれば...俺は楽しい」
憧(これが、私の初恋の始まり。初めて誰かを好きになった瞬間)
<中学生>
男子「やーーい!ガリ勉アコス!悔しかったら取り返してみろ~」
憧「返して!返してよぅ...それは私に京太郎がくれたものなんだから!」
男子2「アイツのどこがいーんだよ。新子ちゃんよぉ...」ドカバキ
男子2「俺のことふった癖に自分だけリア充に仲間入り?」ドゴッ
男子2「ちょっとばかし、調子に、乗ってんじゃ、ないの、かな?!」
憧「うわあああああああん!!」
京太郎「テメェら憧になにしてやがるんだあああああ!」
京太郎「憧をいじめるなーーーー!!」
男子「うわっ、やりやがったなテメェ!」
男子「上等だよ。須賀ァ...おい、囲め!フクロにしてやろうぜ」
京太郎「うぐっ!て、めぇ等それを憧に返せよ!」
京太郎「うああ!目がっ、目がああああ!」
男子「やべぇよ...やべえよ。須賀のおでこ血が出て止まんねえ」
男子2「おい、ガリ勉女!俺達がやったって事誰にも言うんじゃねぇぞ」
男子2「こんなの要らねぇから返してやるっ!」
京太郎「待てよ...まだ話は、終わって」
憧「もういいから!もういいよ京太郎!」
京太郎「要領良いくせに危なっかしいからな、憧は」
憧「ごめんね...ごめんね...私のせいで、こんな目に」
京太郎「いいんだよ...俺が、お前のこと好きでやってるんだから...」
憧「えっ...」
京太郎「肩貸してくれ、保健室に行ってガーゼ張って血を止めなきゃ」
憧(彼はいつも私の隣にいてくれて、私を助けてくれた)
憧(だから、私はいつの日か自分の想いを彼に伝えると自分に誓った)
<中学の卒業式>
京太郎「おーい、憧。あ、いたいた」
憧「京太郎!来てくれたんだ」
京太郎「ああ。阿知賀の卒業式とかぶらなかったからな」
京太郎「憧は高校、晩成じゃなくて阿知賀にするんだって?」
憧「うん。高校はシズや玄、そしてアンタと一緒に過ごすことにしたの」
憧「そ、それでね。京太郎...私、アンタにずっと言いたかったことがある」
京太郎「言いたかったことって?」
憧「そ、それは...」
??「おーい。義弟君やーい」
憧「えっ....?」
京太郎「怜義姉さん、何やってるんですかアンタ」
怜「自転車乗るの久しぶりやな~。いや~流石電動自転車」
憧「きょ、京太郎.....誰よ、その人」
怜「初めましてやな幼なじみちゃん。ウチは須賀怜。といいます」
京太郎「ん?ああ...この人は俺の親父の再婚相手の娘さん」
京太郎「話すのが遅れちまったけど、憧?おーい、どうした」
憧「ううっ、なんでよ...なんでよ。どうしてこんな時に」
怜「なんやどうしたんや?」
憧「話、かけないでよ....裏、ぎりもの...」
京太郎「憧?なんでお前、凄く怒った顔で泣いてるんだよ...?」
京太郎「俺、お前になにも言って...」
憧「うるさい!アンタなんか、アンタなんか...」
憧「大嫌いよ!二度と私の前に現れないで!」
怜(ふぅん...じゃあもーらいっと)
京太郎「憧、教えてくれ!俺お前になにかしちゃったのかよ!!なぁ」
怜「...ごめん、京太郎。なんか気分悪いわ」
京太郎「~~~~~!病、院ですか...」
怜「ぁ....なんかヤバい感じで眩暈が....」ドシャッ
京太郎「怜さん?!怜さん?!大丈夫ですか」
京太郎「ゴメン!憧。本当にゴメン!」
憧(頭に血が登り、取り返しのつかないことを言った私は)
憧(京太郎が自転車の後ろに義理の姉を乗せるのを見るだけしか出来なかった)
怜「しゅっぱつしんこーう」
憧(声音に満足げな響きを含ませながら泥棒猫は京太郎に抱きついた)
憧「待ってよ!待ってってばぁ!京太郎!」
遠ざかる大好きな人の背中を追いかけながら、私は走り続けた。
あの時とは違う場所から大量の血を流しながら、懸命に、どこまでも
憧「待ってってば....ねぇ、京太郎...」
憧「違うの、違うのよぉ...本当は、アンタのこと大好きなの」
憧「だから、戻ってきてよ...。お願いだから」
憧(ずっと、ずっと彼は私の側にいてくれると思っていた)
憧「ううううっ...うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
<そして...今>
憧娘「それで?お母さんはどうやって逆転したの?」
憧「聞きたい?」
憧娘「うん」
憧「あの後ね、京太郎がすぐに戻ってきてくれたのよ」
憧「私もあの時は子供だったから、ワンワン泣きながらにげようとしたの」
憧「でもね、京太郎は私を最後まで追いかけて捕まえてくれたの」
憧娘「ねぇねぇ、その時お父さんはお母さんになんて言ったの?」
憧「教えてあげない」
憧娘「そりゃないよ~。教えてってばぁ!」
憧「イヤよ。あの言葉は世界で私一人だけが京太郎から貰ったんだから」
憧「いくら実の娘でも教えてあげません」
憧「ほら、塾の時間だから早く行きなさい」
憧娘「ちぇ~。いいもん。後でお父さんに教えて貰うから」
憧「はいはい。行ってらっしゃい」
憧娘「行ってきまーす」
がちゃっ、ぱたん。
京太郎「憧、そう自分の娘に意地悪するもんじゃないだろ?」
憧「覚えてる?京太郎。義姉さん乗せた自転車を乗り捨てて」
憧「アンタが私のところに戻ってきてくれた時に言ってくれた言葉」
『ずっとずっと大好きだった。その気持ちはこれからも変わらない』
『好きだ。お前以外の女にこんなこと絶対言わない』
京太郎「...正直な話な、義姉さんのことも好きだったかも知れない」
京太郎「放っておけない女がタイプだったこともあるし」
京太郎「何よりも、あの時は憧に対する気持ちがはっきりしてなかった」
京太郎「でも、俺の背中越しに聞こえたお前の叫びで目が覚めた」
京太郎「やっぱり、義姉さんよりも俺はお前が好きなんだって」
京太郎「その後義姉さんとは凄く仲が悪くなっちまったけどな」
憧「ふふん。お互いにいい気味よ」
京太郎「なぁ、憧」
憧「なに?」
京太郎「これから先、俺の隣にはお前と俺達の子供しかいない」
京太郎「だからさ、これからずっと俺とお前は一緒だ」
憧「うん」
憧「ま、私から義姉さんに乗り換えようとしたことは許してあげる」
京太郎「なんだよ、まだ根に持ってたのかよ」
憧「当然よ。私の気持ちを知りながら乗り捨てようなんて言語道断」
京太郎「はぁ...お前って結構重い女なのな」
憧「なによ、一途に旦那と子供に尽くす健康優良な母親じゃない」
京太郎「ああ。だからこれからもずっと俺の側にいてくれよ」
憧「勿論。そのつもりですけど?」
京太郎「じゃ、」
憧「そろそろ二人目作りましょうか....///」
末永く爆発しやがれ 完