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ガチャ 京太郎「ただいま~」 シーン 仕事を終え、今日も1日が過ぎていく。 自宅に帰り挨拶を飛ばすが今日は返事が帰ってこなかった。 おかえりの返事と共に抱きついてくるいつもの感触がなく、何となく寂しさを感じてしまう。 普段はあれで仕事の疲れなんて吹っ飛ぶからな。 我ながら安い男であると思いながらもやはりあの笑顔というのは俺の原動力なのだ。 京太郎「寝てるのかな」 早く顔をみたい。 その一心でリビングに行く前に寝室に寄るが部屋の中には誰もいなかった。 もしかしてソファの上か? それとも机? キツく締められたネクタイを外しながらリビングに行くが、一見して彼女をすぐに見つけることは出来なかった。 京太郎「あれ…どこいったんだ…と」 違和感。 部屋の隅に見慣れない大きなダンボールが一つ置いてあった。 まさかなと思いつつそのダンボールの中身を覗くと、そこには探し物が入っていた。 ネリー「……きょぅ…たろ…」スースー 京太郎「おいおい……なんつーところで……」 予想外の場所で睡眠を取るお姫様に呆れつつしゃがみこみ、つんつんを頬を続く。 薄くぷにぷにとした感触を楽しみつつ、眠りにつくネリーの寝顔を見ていると自然と仕事の疲れは取れていった。 しかしその一方でネリーの方はどうやら安眠ではないらしい。 ダンボール箱を覗いた時からどこか苦しそうな表情で眉を潜めている。 それはこんな狭い場所で寝ているからなのか、はたまた別の理由があるのか……。 理由が前者ならすぐに起こすべきなんだろうが、そうであれば普通は寝入る前に気付くはずだ。 どうしようか迷いつつ、手をそっと頬に当て撫でているともぞもぞとネリーが動き出した。 ネリー「きょーたろー……?」クシクシ 京太郎「悪い。起こしたか?」 ネリー「きょーたろー……きょーたろー……」ギュ- 寝ぼけ眼の最中、ネリーはそのまま俺の首に腕を回し抱きついてきた。 そして離すまいと言わんばかりに腕に力を込め、ぐりぐりと頭を押し付けてくる。 そこには昔名門臨海女子のエースとして君臨した面影は残っていない。 ただ1人の何かに怯える小さな小さな女の子の姿だ。 「どうかしたのか?」 「ん……ちょっとね……昔のこと思い出したの」 「昔って……サカルトヴェロのことか?」 「うん……それで何も考えたくなかったら寝ようと……」 「じゃあダンボールの中に入ってたのは……」 こくり、とネリーが頷く。 前に聞いたことがある。 サカルトヴェロにいた頃のネリーは外で一夜を過ごすことが珍しくなく、そうした場合素のままで寝ることが出来ずこのように何かしらに身体を隠して寝ていたという。 日本、ましてや家の中ではそんな心配もいらないのだろうが、昔のことを思い出してその感覚まで蘇ったのだろう。 ぎゅっと抱きついたまま頭をぐりぐりと押し付けてくるネリー。 「どうしちゃったんだろうねネリーは。こっちに来てからそんなこと滅多になかったのに。キョウタロウと出会ってからどんどん弱くなっちゃってる」 「いいよ。別に。俺に出来ることなら何でもする。ネリー、まだ眠たいか?」 「どう……だろ。眠たいような、そうでもないような……。ちょっと疲れてるって感じではあるけど」 「寝疲れってところか?まぁいいや。とりあえずベッドに行くか。横になればまた何か変わるかもしれないし」 そんな俺の提案にネリーは顔を上げ、潤んだ瞳で俺を見上げる。 「…………ぎゅってしてくれる?」 「してやるよ。いくらでも。ちゃんとお前を守ってやるから。ダンボールなんかより安心させてやる」 唐突な上目遣いに少しイケナイ感情が芽生えてしまいそうになったが、ここはなんとかとぐっと堪え、ぽんぽんと頭を撫でるまでに留める。 ネリーはそれに反応するように目を細めて嬉しそうにはにかんだ。 「キョウタロウが一緒ならきっとどんな夢だって怖くないね」 「そもそも怖い夢なんて見せないよ」 「そっか。そうだよね。キョウタロウと一緒だもんね。……ねぇキョウタロウ」 「なんだ?」 「いつもありがとう!大好きだよ!」ニコッ この後我慢出来なくなった京ちゃんがネリーをカムイかかった後みたいにするのはまた別のお話

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