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「……何してるんですか?」 「見張り」 「見張り」 「……」 全国大会の会場がある東京の旅館。 そこの廊下を歩いていれば、食堂の前に怪しい影が二つある。 その影をよく見れば、二人中一人は和の知り合いであった。 知り合いは、和の部活の部長をしている竹井久だ。 その部長が何やら怪しげに食堂を覗き込んでいた。 「誰を?」 「姫子ば」 「須賀君」 「……」 二人の言葉では意味が分からず、和は眉を顰めた。 「……なるほど」 「ぐぬぬ」 「むむむ」 結局、和自身も気になり、中を覗く。 覗けば奥の厨房に二人が並んで立っていた。 一人は金髪の背の高い少年―和も知っている京太郎だ。 二人目はTVの中で見たことがある茶色髪の女の子―新道寺の鶴田姫子であった。 二人は、互いに笑い話し合い、楽しげに作業をしている。 それを先ほどからこの二人は見ていたのかと和は納得した。 「何で二人が?」 「説明しましょう!」 「……花田先輩、何時の間に」 「私もいるじぇ!」 「優希まで」 変わった二人組みに首を傾げていれば、後ろから元気な声が上がる。 少し驚き後ろを和が見れば、中学の時の先輩の花田煌と友人の優希が立っていた。 「それで……なんであの組み合わせなんです?」 「実は優希から貰ったタコスを皆で分け合って食べたのですが……」 「ふっ……タコスは県を越えて繋がるんだじぇ」 「……つまり気に入ったと」 「ぶっちゃけて言えば、そうですね。それでどうせなら手作りってことで須賀君に」 「そういえば、作ってましたね。タコス」 前まではお使いで買いに行っていたタコスだが、最近では自分で作るようになっていた。 そのことを思い出すと同時に優希がタコスを煌に渡しているのも思い出す。 「お礼を言うついでに来ましたら、彼が作れるという話になりまして」 「どうせなら教えて欲しいなと鶴田さんが言い出したんだじぇ」 「ふむ……理解出来ましたけど」 「あー」 「わからん」 二人の言葉に和は納得し頷くと、怪訝そうに横へと視線を向けた。 そこには先ほど同様、覗く二人が居る。 新道寺のエースの白水哩と久。 この二人は何をしてるのかと思い、和はもう一度視線を煌達に向けた。 しかし、煌はやれやれと首を横に振り。優希は首を傾げた。 二人から聞き出すことを諦め、その場の状況だけを見て和は考える。 「……取り合えず、不審者っぽいですね」 「むしろ不審者」 「だじぇ」 『それで?』 『えっとね、部長が挑戦して――』 「取り合えず、仲良きことは美しきかなですかね」 「そして、餅でも食える方を焼いて欲しいですね」 仲良さげな二人とそれを見守る二人を見て、和と煌は大きく溜息をついた。 カンッ

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