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まこ「お疲れさん」
県予選後の事だ。
たまたま先輩と二人きりになったときに、そう言われた。
京太郎「たいして疲れてないですよ、一回戦負けですからね」
まこ「……あほう」
何とも言えない顔をした先輩。
まこ「京太郎」
京太郎「はい?」
まこ「座れ」
京太郎「?」
まこ「ええから、先輩命令じゃ」
京太郎「分かりました」
部長ならともかく、先輩が命令なんて珍しいな。
と、思いながらも素直に従う。
座ると、ちょうど頭一個分くらい先輩の方が大きいんだな、なんて呑気に考えてもいた。
まこ「京太郎」
ふわっ、と何か良い香りに包まれたと思った瞬間には。
先輩の胸に、頭を抱き抱えられていた。
まこ「お疲れさん」
優しく頭を撫でられて。
京太郎「……はい」
何故だか涙が溢れて。
まこ「来年は、全国に行こう。皆でな」
京太郎「はいっ」
カンッ