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七夕の夜、一人の男の家の窓が石によって叩かれた
京太郎「なんだ、悪戯か?」
顔を乗り出して彼の目に入ったのは
京太郎「なんでいるんだ、あの人?」
普段は長野にいないはずの人物の姿に頭をかきながら、玄関まで降りて庭に出る
照「京ちゃん、こんばんは」
京太郎「ええ、こんばんは、なんでここにいるんです? 盛大な迷子ですか?」
照「私は咲と違う、方向音痴というのは風評被害で真実ではない」
京太郎「はあ、それで結局なんで来たんです?」
照「今日は晴れた七夕、よって夜は普段離れている恋人の逢瀬の時間」
真実を述べているかのように少女は語るが、彼と彼女が付き合っているという事実はない
照「彦星と織姫は一年も離れているからきっと大人なことをしているに違いない
だから京ちゃんも私にしていいんだよ」
京太郎「押し売りセールスは間に合ってます」
扉を閉めようとした彼だが、すでにそこには少女の足が入り込んで閉められないようにしている
照「遠慮しなくていい、男子高校生の性欲はすごいと聞いた」
京太郎「いえいえ、そういうのいいんで、東京に帰ってください」
照「織姫と彦星のように求めあおう、京ちゃん」
京太郎「人の話聞いてくださいよ、帰れ」
二人の押し問答は翌日少女の妹が姉を引き取るまで続いたという
カン