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 綺麗な顔立ちをしている。  それだけを見れば下手な造りの女よりも彼の方が美しいと判断する人は意外と多いかもしれない。 「放してください。忘れますから」  手足を錠で拘束されながらも、私を拒むように睨んでいる。それが少し悲しくて苦しい。 「あは、狡いなぁ」  はだけた衣服から覗く体つきは雄々しく、広い肩幅、厚い胸板、筋肉質、垣間見える男らしさに背中がゾクゾクする。  彼に愛されている彼女が憎い。  受け入れられた女が妬ましい。 「爽先輩?」  本当に狡い。  ああ、何で私は我慢してたんだろう。  自分の心に言い訳して、京太郎の意思を尊重するなんて嘯いて、ずっと羨ましくて仕方なかった。  最初からこうすれば良かったんだ。 「ふふ、京太郎は私のものになるんだよ」 「何を言って…「パウチカムイ!」…ひゃぁっ!?」  ユキ……京太郎は私が奪うよ…… 「まずは体に教え込むね。私に溺れて、他の女じゃ満足できなくさせるよ」  体は正直なんだよ。  心はそれに引き摺られる。  京太郎は私のものだ……もう、誰にも譲らない…… カンッ!

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