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第四層拠点パート」(2016/03/06 (日) 01:58:44) の最新版変更点

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―― 美穂子が俺達の部屋にやってきてから生活は大分、快適になった。 朝は誰よりも早く起きて食堂で俺達の為だけに朝食を作ってくれる。 その後、掃除洗濯布団干しなどをテキパキと済ませながら、くつろぐ俺達にお茶を淹れてくれるんだ。 それは昼になっても、そして夜になってもまったく変わらない。 彼女は何時だって誰よりも動き、そして誰よりも周りのことを見ている。 お陰で今では美穂子抜きの生活なんて考えられないくらいだ。 京太郎「(…でもなぁ)」 だからこそ、俺の中で引っかかるものがある。 勿論、美穂子がそれをいやいややっているだなんて俺も思っている訳じゃない。 人間だった頃から彼女はとても他者に対して献身的で、まさに天使と言っても良い人だったんだから。 うちの部長と交換して欲しいと何度思った事か…っとまぁ、それはさておき。 その献身的な性質は魔物になった事でより強くなっている。 そんな事は俺も分かっている…んだけれど… ―― 京太郎「…美穂子」 美穂子「はい。なんでしょう?」 昼下がりの午後。 話しかけた俺の言葉に美穂子はにこやかに振り返った。 まるで俺に呼ばれた事が嬉しくてたまらないと言うようなその表情はホント、健気で仕方がない。 この部屋に智葉や憧がいない状態でなければ、そのままベッドに押し倒して4P開始していただろう。 まぁ、別に二人っきりでスる事を禁止されてる訳じゃないんだが…三人とも平等に愛すると宣言した以上、智葉や憧がいない時にホイホイと手を出すのはちょっとな。 後で二人ともセックスすれば許してくれるとは言え、それを聞かされる二人としてはあんまり良い気はしないだろう。 それ故、基本的に俺は二人っきりの時は性欲を抑えるようにしている。 まぁ、我慢できない時も多々あるんで、あくまでも基本的には、だが。 京太郎「もうちょっと気を抜いても良いんだぞ?」 美穂子「え?」 京太郎「俺達の為に色んな事をしてくれるのは嬉しいけどさ」 京太郎「休みたい時には休んでも良いんだぞ」 美穂子「ありがとうございます、ご主人様」 美穂子「でも、私は好きでやっている事ですから」 京太郎「ん…それなら良いんだけどさ」 そう返す美穂子の表情に嘘はない。 やはり美穂子は自分で望んでこうして俺達に奉仕をしてくれているのだろう。 一つ再確認できたそれに俺は内心、胸を撫で下ろす。 だが、それでも俺の胸の中の引っ掛かりは消えた訳じゃない。 京太郎「でも、変に自分を追い込んだりしていないか?」 美穂子「追い込む…ですか?」 京太郎「あぁ。その…自分が絶対にやらなきゃいけないとかさ」 家事に関して美穂子は本当に万能だとそう言っても良い。 俺や智葉もある程度出来るが、彼女には遠く及ばないくらいである。 しかし、そんな俺達でも ―― 殆ど出来ない憧は例外だが ―― 家事を手伝うくらいは出来るだろう。 だが、そうやって手伝いを言い出す俺達のことを美穂子は一度たりとも受け入れた事はなかった。 私がやりますから、と柔らかい笑みで手伝いを拒むのである。 京太郎「何も一人で全部背負い込まなくても良いんだぞ」 京太郎「助け合えるところは助け合うのが仲間ってもんだろうし…」 京太郎「何より俺達はそういうのとはもっと深い部分で繋がっているんだからさ」 京太郎「美穂子ほどじゃないけど…俺達も頑張るし…あんまり無理しなくても良いんだぞ」 美穂子「ふふ。ありがとうございます」 美穂子「…でも、ご主人様はちょっと誤解なさっていますよ」 京太郎「…え?」 誤解…? 美穂子「さっきも言った通り、私はご主人様への奉仕を好きでやっているんです」 美穂子「いいえ…より正確に言えば、これだけは他の誰かに取られたいとは思えないくらい執着しているんですよ」 美穂子「種族としての本能か…或いは私がそれだけご主人様の事が好きなのかは私も分かりませんが…」 美穂子「でも、私にとってご主人様への奉仕は、ご褒美に等しいものなのです」 京太郎「美穂子…」 そう言って美穂子はゆっくりと俺に近づいてくる。 そのまま美穂子は椅子に座って報告書を書いていた俺の足元に跪くのだ。 まるでそこが自分の定位置だと言うような自然な動作。 そんな美穂子の頭に俺の手は自然と伸びてしまう。 美穂子「あ…♥」 美穂子「…もう。そんな風に撫でられては…私、もっとご主人様の事好きになってしまいますよ…♥」 京太郎「ダメか?」 美穂子「いいえ…♪ダメなんかじゃありません♥」 美穂子「私にとって…最高のご褒美です…♥」 美穂子「まだまだご主人様の事を好きにさせて貰えるなんて…♪」 美穂子「まだまだご主人様に依存させて貰えるなんて…♪」 美穂子「幸せすぎて…イッちゃいそうです…♥」 京太郎「ん…でも夜まで待ってな」 迷宮探索から帰ってきて数日間は相変わらず魔力供給で埋まってしまうのだ。 それが終わってようやく報告書を書き始めようとしたのだが、全員一緒だと中々集中出来ない。 普段から仲が良すぎるくらいに仲が良い所為か、ちょっとした事でも発情のスイッチが入ってしまうんだ。 それを防ぐ為に、現在、智葉と憧は別のところで報告書を書いているはずである。 そんな二人が帰ってくるであろう夜まではそういう事は出来ない。 美穂子「はい…♥あ、でも…」 京太郎「ん?」 美穂子「ご主人様が我慢出来なくなってしまったら…ご奉仕するべきですよね…?」 京太郎「う…」 そう言って美穂子は俺の膝に頭を置いたままスリスリとすり寄せる。 普段、俺のことを優しく受け止めてくれる彼女の甘えるような仕草に胸が高鳴った。 まるで初恋を彷彿とさせるようなあまいときめき。 でも、それだけで済まないのは俺を見上げる彼女の瞳が欲情に濡れ、彼女の体臭にメスのものが混じり始めているからだろう。 美穂子「報告書を効率よく書く為にも…我慢するのはいけない事ですものね…♥」 京太郎「…それってつまり我慢しなきゃいけなくなるような事をするって宣言か?」 美穂子「ふふ。さぁ、どうでしょう…?」 美穂子「そんな事をしなくても…ご主人様は私を見ているだけで興奮してくれますし…♪」 京太郎「う…」 …いや、だって、仕方ないじゃん。 美穂子みたいな美少女がメイド服を来て、俺の為に奉仕してくれているんだぞ。 長野時代じゃ妄想の中にしかなかったシチュエーションが、まさに現実になってくれているのである。 その上、美穂子は俺を誘うように腰を振るい、時折、流し目を送ってくるのだから堪らない。 奉仕の途中にご主人様を誘惑するようなエロメイドにはオシオキしてやると途中でその気にさせられてしまった回数は数え切れないくらいだ。 美穂子「…私、結構、強かな女なんですよ?」 美穂子「家事を率先してやっているのも…ご主人様のオンリーワンになれるからって言うのもきっと無関係じゃありません」 美穂子「ご主人様のナンバーワンにはなれなくても…ご主人様に気をかけてもらえる存在にはなれるんだって」 美穂子「ご主人様の生活に必要な部分を私で埋めればいつでも側にいられるって…そう思っているんす」 美穂子「今だって…こうしてご主人様と二人っきりの時間を堪能したいと…本当は思っているんですよ…♥」スリスリ 京太郎「…美穂子」 美穂子「…幻滅…しました?」 その言葉は微かに不安を感じさせるものだった。 勿論、美穂子は俺の事を命をあずけるに値する存在だとそう信頼してくれている。 だが、その一方で彼女は俺のことをとても愛してくれているんだ。 そんな彼女が自分の本心をさらけ出して不安に思わないはずがない。 それでも美穂子は俺に対して、自分のコンプレックスな部分をさらけ出してくれている。 なら、ここで俺が言うべき言葉は… ―― 京太郎「俺さ、昔、美穂子の事にすげぇ憧れてたんだよ」 美穂子「ぇ?」カァ 京太郎「だって、美人で気立ても良くて家事万能で暖かくて、その上、話したらすげぇ可愛いのが伝わってくるような人なんだぜ?」 京太郎「誰だってこんな人と結婚したいって思うだろ」 美穂子「け、結婚…」カァァァ 京太郎「でもさ。今、こうして美穂子の気持ちを聞いて…思ったよ」 京太郎「美穂子の中にもそういうのあったんだって」 京太郎「そういうのがあって…俺に向けてくれているんだって」 京太郎「…俺が美穂子のことをそういう女にしちゃったんだって」ナデナデ 美穂子「…ぁ…♪」 それは自分勝手な欲望なのかもしれない。 いや、きっと男の欲望と先入観だらけの穢れた言葉なのだろう。 もし、普通の女の人であれば言われただけでも拒絶するであろう言葉。 だが、美穂子はそれを間違いなく受け入れてくれる。 京太郎「あんなに綺麗だった美穂子を俺が穢したんだって…堕としたんだって思うとさ」 京太郎「そりゃあ男としたら興奮するだろ」 京太郎「幻滅どころか…そんな美穂子の事大好きになるだろ」 美穂子「ご…主人様…ぁ♥♥」 京太郎「正直、今もギンギン来てる」 京太郎「美穂子の事…もっともっと穢したくて、欲情しまくってる」 京太郎「…だからさ」 美穂子「…はぁい♪美穂子…ご奉仕します…っ♥」 美穂子「ご主人様のオチンチンにたぁっぷり…穢して貰います…ぅ♥♥」 美穂子のその言葉はもう既に欲情をまったく隠さないものになっていた。 いや…それは俺も同じか。 何せ、彼女の告白を聞いた瞬間、俺のムスコもズボンの中でパンパンになっているんだから。 もういますぐ射精したくて堪らないと言わんばかりにチンポが張り詰めている状態で声が平静を保てるはずがない。 美穂子「ん…んぅぅ…♪♪」ジィィ そんな俺の股間に美穂子がそっと顔を埋めた。 そのまま俺のジッパーを歯で噛み締め、ゆっくりと下ろしていく。 何も言わずとも口だけで俺のチンポを解放しようとするメイドのいやらしい姿に俺はどうしようもなく興奮してしまう。 ましてや…そうやって淫らな奉仕を開始しようとしている相手がかつて憧れていた女性なのだから尚の事。 美穂子「ふぁぁ…ああぁっ♥♥」 美穂子「ご主人様のオチンチン…もうカッチカチになって…♪♪」 美穂子「匂いも…♥んぅぅ…♪もう…興奮して…我慢出来ないってそう言ってます…ぅ♥♥」 だが、魔物になった俺の身体はその程度の昂ぶりでは満足出来ないらしい。 俺の下着を口だけで器用に動かし、ムスコを外気に晒した美穂子は反り返るイチモツを見て嬉しそうに言葉を漏らした。 いっそ蕩けているとそう言っても良いようなその声に俺の背筋はゾクゾクとしたものを感じる。 美穂子「ん…ちゅぅうっ♥♥」 京太郎「う…」 瞬間、そのゾクゾクが一気に跳ね上がったのは美穂子がいきなり俺のチンポにしゃぶりついたからだろう。 まるで我慢出来ないと言わんばかりの彼女のそれに俺の口から声が漏れた。 明らかに快楽混じりのそれに、けれど、美穂子は容赦しない。 そのままジュルルと奥までチンポを飲み込み、口全体で奉仕してくる。 俺を昂らせる為の前戯もなく、いきなり俺の精液を搾り取ろうとするようなその即尺っぷりに俺は我慢できず… ―― ―― 結局、数分も経たない内に美穂子の口の中に射精した俺はリベンジとばかりに彼女をベッドへと押し倒したのだった。 System 福路美穂子の好感度が70になりました → <<ご主人様が満足するまで私の事、穢して…はしたない女にして下さいね…♥♥ ―― まぁ、報告書ばっかり書こうとしても大変な訳で。 そもそも俺は恋人が三人もいるのだ。 日中は出来るだけそういう事をしないようにはしているが、それも美穂子を始めとする恋人たちの誘惑で厳しい。 お陰で報告書は遅々として進まず、恋人たちの誘惑だけが厳しくなっていく。 そんな中、机にばっかり向かっていても効率はあがらないだろう。 ここはやはり息抜きが必要だ!! 京太郎「と言う訳で遊びに来ました」 菫「何がと言う訳なんだ…」 そう呆れるように言いながらも弘世さんは俺の事をちゃんと迎え入れてくれた。 まぁ、なんだかんだ言いつつも彼女との信頼関係はちゃんと構築されているという事なのだろう。 元々は救出した側とされた側程度の関係だったが、今ではもう友人とそう言っても良いのかもしれない。 菫「と、言うか…来るならば事前に連絡とかするべきだろう」 菫「わ、私にだって色々と準備とかあるんだからな…」モジモジ 京太郎「あ、大丈夫ですよ。ちゃんとお菓子は持ってきましたし」 菫「…そういう事を言っているんじゃないんだがな」ハァ 京太郎「…え?」 しかし、適当に駄弁るだけの時間にお菓子以外に準備が必要なのだろうか? 精々、口休めのお茶くらいだと思うんだけど…それだって備え付けのものがあるし。 わざわざ準備するような事はないと思うんだけど…。 菫「なんでもない。それよりも飲み物は何が良い?」 京太郎「あ、紅茶以外でお願いします」 菫「なんだ。紅茶は嫌いなのか?」 京太郎「いや、嫌いじゃないんですが…」 憧との一見で若干トラウマなんだよなぁ。 結局、あの紅茶に淹れてた蜜も媚薬成分たっぷりだった事が後々分かったし。 まさか弘世さんまであの店で紅茶を買っているとは思っていないが、どうしても警戒してしまう。 …まぁ、飲み物としては普通に優秀なんで蜜なしで飲んだり…夜には蜜を淹れて楽しんだりしてるんだけど、それはまぁ、さておき。 菫「ふむ…まぁ、それなら普通にお茶で良いか。ちょっと待っててくれ」 京太郎「うっす」 …しかし、こうしてお茶の準備をしてる弘世さんを後ろから見てると改めて思うんだが…やっぱり弘世さんスタイル良いなぁ。 おもちは若干、物足りないが、その分、全体的にスマートに纏まっている。 あまりラインの出ない服の上からでもキュっと締まった腰がはっきりと分かるくらいだ。 だが、俺のイチオシはやっぱり腰ではなく尻だ。 スマートな彼女の身体の中で唯一むっちりとした見事な安産型…! あんなお尻で顔面騎乗された日にはきっと息が出来なくなってしまうだろう。 菫「…ん?」 京太郎「あ、いや、何でもないですよ」 っと、イケナイイケナイ…。 あんまりこういう欲望だけが先行した事を考えてるとすぐ飲み込まれちゃうからな。 憧との一件で欲情をある程度コントロール出来るようにはなったとは言え、あんまりこういう事を考えるのは良くはない。 ましてや、相手は三人もいる俺の恋人ではなく、良くて友人と言えるような弘世さんなのだ。 流石に襲いかかったり勃起したりはないと思うが、こういうのは一旦、脇に置いておくに越したことはないだろう。 京太郎「それより…大星さんとは最近どうですか?」 菫「ん…そうだな。実は君が迷宮に潜っている間に、アイツが謝ってきたよ」 京太郎「え?」 菫「今まですまなかった、優勝出来なくてすまなかった…とな」 菫「正直、面食らったよ」 菫「須賀くんから事前に聞いてはいたが…まさか泣くとは思っていなかったからな」 京太郎「…泣いたんですか?」 菫「あぁ、そりゃもうポロポロと」 …きっと大星さんはずっと胸の中に押さえ込んでいた気持ちが暴発してしまったんだろうな。 そうじゃなきゃ、アレだけ生意気で意地っ張りな彼女が弘世さんの前で泣く訳がない。 まぁ、何にせよ、大星さんがちゃんと弘世さんに謝れてよかった。 後は仲直り出来たかどうかだけれど… ―― 京太郎「じゃあ、もう仲直りとかしたんですか?」 菫「まぁ、お互いどうしてもぎこちなさは残っているけれどな」 菫「でも、色々と淡の方から話してくれるようになったよ」 菫「昔の事とか色々な」 京太郎「そうですか…」 それはきっと大星さんにとって、決して人には言いたくなかったであろう秘密なのだろう。 自分は強いのだとそう言い聞かせていた彼女にとってそんな弱みを他人に見せられるはずがない。 だが、迷宮を経てほんのすこし成長したのか、大星さんはそれを弘世さんに話すようになった。 ならば…きっともう彼女は大丈夫なのだろう。 菫「君の事も色々と言っていたよ」 京太郎「なんて言ってました?」 菫「あの変質者、次は絶対、再起不能にしてやる、とかな」クスッ 京太郎「大星さんがいうと洒落にならないですね…」 菫「ふふ。まぁ、アレは淡なりの照れ隠しなんだろうさ」 菫「実際、マージャン大会でアイツもかなり立ち直ったみたいだったからな」 菫「その事に関しては淡も分かっているし、君に対しても感謝している」 菫「ただ、それを素直に認められないだけだよ」 京太郎「それなら良いんですけどね…」 マージャン大会を開催するのに色々と強引な手段も取ったからなぁ。 正直、嫌われても仕方がないような事をしただけに少しだけ安心した。 まぁ、実際に会ったらきっと嫌味の一つでも飛んでくるんだろうけど。 でも、それが彼女なりの照れ隠しなのだと分かっていたら、それほど困る事もない。 菫「それより君の事だ」 京太郎「え?」 菫「迷宮の方はどうだ?あまり無理はしていないか?」 京太郎「そうですね…」 問われる彼女の言葉に俺は少しずつこの前の迷宮であった事を語りだす。 滝見春という少女に出会った事。 俺のミスを彼女に庇われてしまった事。 その所為で、彼女がおかしくなってしまった事。 口にすればするほど気が落ち込むそれを、しかし、弘世さんは何も言わずに聞いてくれた。 菫「…大丈夫なのか?」 京太郎「…正直、分かりません」 迷宮から出てから恋人たちと愛を深めたり、報告書を書くのに精一杯で二度目のアタックはしていない。 つまりあの迷宮の入り口がまた違うところに出るのかも、教室から先に進めるようになっているのかもまるで分かっていないのだ。 前回、強い拒絶を露わにした大星さんのところへと行けたのは運だったし…春も同じようにいくのかどうか。 次は必ず救出するとそう誓っただけに、やはり不安な気持ちは否めない。 菫「…私は何時でも君の力になるからな」 京太郎「弘世さん…」 そんな俺の気持ちを見抜いたのだろう。 弘世さんは俺を励ますような言葉をくれた。 俺の顔を真正面から見据える彼女の表情は真剣そのものである。 心の底から俺の為に尽力しようとしてくれているのが伝わてくる弘世さんに俺は…… ―― 京太郎「…ありがとうございます」 京太郎「弘世さんにそう言ってもらえたら百人力ですよ」 菫「そ、そうか?」テレテレ 京太郎「えぇ。もう今ので勝ちフラグが立ちましたね」 京太郎「処刑用BGMが流れだしてもおかしくはないレベルです」 菫「ふふ。良くわからないが元気になったようでよかった」 菫「あまり君の落ち込んでいる顔は見たくないからな」 京太郎「はは。まぁ、俺は元気だけが取り柄のような男ですからね」 菫「そんな事はないさ」 菫「須賀くんにはそれ以外にも良いところが沢山あると私は知っている」スッ 京太郎「え…?」 そう言って、弘世さんは真正面に座った俺の手に触れた。 微かに重ねあわせるようなその手から彼女の体温がしっとりと伝わってくるんだ。 優しくも温かいそれに、けれど、俺の胸はドキッと反応してしまう。 幾ら恋人が三人いると言っても、美少女に触れられるのに慣れる事なんて出来ないんだ。 菫「…優しく、強く、格好良く…時には強引で…ヘタレなところもあって…」 菫「でも、誰かの為に何時も頑張っている君に私は幾度となく助けられているんだからな」 菫「私は…そんな君が…」 京太郎「ひ、弘世さん…」 菫「…あっ」カァァァァ そこで彼女の顔は真っ赤に染まった。 まるで自分のやっている事に今更気づいたかのように顔を震わせ、俺から手を離す。 そのままオロオロと視線を彷徨わせる彼女の姿に、普段の凛々しさはない。 まるで盛大に自爆した時の憧のような可愛らしさだけがあった。 菫「ち、違うんだ!わ、私はその…べ、別に何か邪な気持ちがあった訳じゃなくて!」 菫「ただ、君のことを励ましたかっただけで…あの、その…」 菫「確かに役得だったかもしれないと思ってはいるけど、さ、最初はそんなつもりはまったくなかったんだ!」 菫「あ、あわよくば君の隣にだとか…そ、そういうのもまったく考えていない!」 菫「そ、そんなムードも何もない告白なんて私だって嫌だからな!!」 京太郎「は…はぁ…」 …でも、こうなった弘世さんのことを見るなんて初めてだからなぁ。 彼女が言っている言葉を果たしてどう捉えれば良いのか。 憧の場合は大抵、全部、真逆にすれば丁度良いっていうのは分かっているんだけど…なんとも受け取り方に困る。 そもそも弘世さんの告白って何をしようとしていたんだろうか…? 菫「…うぅ…私は一体、何をやっているんだ…」 菫「あ、あんな風に勢い任せなんて…最悪じゃないか…」 京太郎「えーっと…」 …それでも今の彼女に何も言わないなんて選択肢はないよなぁ…。 何故かは分からないがすげぇ落ち込んでいる訳だし。 とりあえず何か慰めてあげられるようなことを言ってあげたいんだけど… ―― 京太郎「ひ、弘世さんの手、とっても暖かかったです」 菫「ひゃうっ」カァァ 京太郎「え、えっと優しくて気持ち良くて…い、嫌じゃなかったですから」 菫「う…う…ん…」カァァァ 京太郎「だから、その…なんていうか…えっと…」 菫「……き、君は」 京太郎「え?」 菫「…も、もう一回…君に触りたいと…私が言ったら幻滅…する…か?」モジモジ 京太郎「しませんよ」 菫「ほ、本当に?」 京太郎「えぇ」 菫「君の手を握りたいと…そう言っても嫌がらない…か?」 京太郎「弘世さんみたいな美少女に言われて嫌がる男がいる訳ないじゃないですか」 菫「~~っ!!」マッカ まぁ、正直、面食らう気持ちがない訳じゃないが、それでもその気持ちは嘘じゃない。 男にとって美少女に触れられると言うのはご褒美以外の何者でもないのだ。 それにまぁ、俺にとって弘世さんはもう決して他人とは言えないような仲の人だし。 俺の手に触りたいという彼女の気持ちを無碍にしたいとは到底、思えない。 京太郎「まぁ、俺の手なんかで満足出来るかは分かりませんが…どうぞ」スッ 菫「じゃ、じゃあ…えっと…その…」チラッ 京太郎「…」 菫「…あの…う…ぅ…」モジモジ しかし、弘世さんは中々、決心がつかないらしい。 差し出した俺の手を見ながら、手を伸ばしたり引っ込めたりしている。 さっきアレだけ確認したんだからまさか本当は嫌だ…なんて事はないと思うんだけど。 彼女の中で中々、決心がつかないのかもな。 京太郎「(…じゃあ…仕方ないよな)」 京太郎「弘世さん」ギュッ 菫「きゅんっ♪」ビックゥ そう彼女の名前を呼びながら俺から手を握った瞬間、変な鳴き声が聞こえた。 肩をビクンを跳ねさせるその姿は、まるで驚いた小動物のようにも思える。 女性の中では間違いなく長身と呼べる彼女のその反応に、俺は小さく笑みを浮かべた。 そんな俺を睨みつけるように見ながら、彼女はゆっくりと俺の手に指を絡ませていく。 菫「……驚いたんだぞ」 京太郎「えぇ」 菫「びっくりしたんだぞ」 京太郎「そうですね」 菫「変な声…出しちゃったんだぞ」 京太郎「可愛かったです」 菫「ば、バカ……」 仕方ないじゃないか。 さっきの弘世さんもそうだし…今の俺から視線を背けながら拗ねるように言う貴女も可愛い過ぎるんだから。 そんな風に言いながら俺の手を離さないどころかより強く握ってくる辺りもかなりポイントが高い。 普段キリッとしている彼女が見せる弱みめいた可愛さと相まって、これだけで彼女のことを好きになってもおかしくはないくらいだ。 まぁ、俺は彼女がただ人肌恋しいだけだって分かってるから大丈夫だけれども。 しかし、智葉達がいなかったらちょっとあぶなかったかもしれない。 菫「…君の手は…私よりも大きくて…ゴツゴツしてるな」 京太郎「そりゃこれでも男の子な訳ですしね」 菫「そして…暖かくて…とても安心する…」 菫「…もうちょっとだけこのままで良いか?」 京太郎「弘世さんなら幾らでも構いませんよ」 京太郎「何ならこのまま添い寝でもしましょうか?」 菫「そ、そこまでは流石にちょっと…」カァァ 京太郎「はは。ですよね」 まぁ、流石に添い寝までするのは恋人レベルじゃないと無理だろう。 俺と弘世さんの今の関係じゃ、こうやって向かい合って指を絡ませるくらいが精一杯だ。 いや…まぁ、冷静に考えるまでもなく、意外と凄い事やっているような気がしなくもないけれど。 でも、ただ手をにぎるくらいじゃ浮気にはならないよな…? 菫「…須賀君」 京太郎「はい」 菫「…なんでもない」クスッ 京太郎「なんですか、それ」 菫「ただなんとなく名前を呼びたくなっただけだ」 京太郎「じゃあ、俺も弘世さん」 菫「返事はしないぞ」 京太郎「えー…」 手を握りながらもそうやって下らない会話は続いていく。 何時もとちょっと違ったシチュエーションに、何時も通りの何気ない話。 そんな日常とも非日常とも言えない時間は思いの外、長く続いて…結局、俺は日が落ちるまで弘世さんの部屋でくつろいでいたのだった。 System 弘世菫の好感度が50になりました → <<…彼女達は何時もあんなに気持ちの良い手に触れてもらっているのか…>> 好感度が50になった事により進化条件が一部、開示されます 仲間になってから宝箱を三回開け、○○を手に入れた後、○○を行う 淡「げ」 京太郎「あ」 弘世さんの部屋から帰る途中、俺は大星さんとばったり出会った。 瞬間、すげぇ嫌そうな顔をされるのはまぁ、予想の範疇である。 ここで嬉しそうにされた方が寧ろ、俺としては驚きだ。 京太郎「久しぶり。元気してたか?」 淡「変質者のアンタに心配される事じゃないわよ」ツーン 京太郎「はは。そうか」 淡「…と言うかアンタの方こそ何処行ってたのよ、最近見なかったけど」 京太郎「あぁ、迷宮の方にちょっとな」 淡「え…?あそこってそんなに時間掛かるの?」 京太郎「あー…いや、そういう訳でもないんだが…」 寧ろ、毎回、その後のラブラブタイムの方が時間を喰うと言うか何というか。 迷宮内で魔力を消費した分、何時も以上に皆が飢えている訳で。 激しくセックスしている間に他の恋人にも火が着いて延々と終わらない…というパターンが多い。 今回は特に憧に魔力供給してやれなかった分、酷く乱れてたから一週間は部屋に閉じこもりっぱなしだった。 淡「まぁ、良く分かんないけど、程々にしときなさいよ」 京太郎「なんだ。心配してくれてるのか?」 淡「ばっ!バカな事言わないでよ!」 淡「なんで変質者のアンタを私が気にしなきゃいけない訳!?」 淡「しかも、麻雀激弱なのに!激弱なのに!!」 京太郎「に、二回も言う事ないだろ」 淡「だって、重要な事だもん」スネー まぁ、確かに大星さんにとっちゃ麻雀の強弱は重要なのは分かってるけどさ。 しかし、二回も言わなくても良いんじゃないだろうか。 俺だって他の皆に比べて実力が一段も2段も劣っている事くらい自覚しているのである。 一応、その為に憧とも練習を取り付けた訳だし、これからは少しは変わるはず。 淡「アンタってば雑魚過ぎ」 淡「オカルトがないのはしょうがないけど、スジばっか気にして打つ牌読めすぎよ」 淡「あんなんじゃ菫先輩じゃなくてもすぐ狙い撃ちにされるって」 京太郎「うぐ」 淡「まぁ、高校百年生の淡ちゃん様の敵じゃないね!」 京太郎「なんだよ、百年生って」 淡「ふふーん。そんだけ強いって事よ」ドヤァ …百年生が強いって大きい数字が意味なく強いと思い込む小学生か。 ホント、大星さんってこういうところすげぇ幼いと言うか、子どもっぽいというか。 そういうところも魅力的だとは思うが、たまにすげぇ泣かせたくなるのは俺だけだろうか。 淡「……ま、まぁ、アンタが私に今までの行為を懺悔しながら土下座して」 淡「その上で泣いて乞うんなら、ちょっとくらいは麻雀教えてあげても良いけど?」 京太郎「え?」 …大星さんが俺に麻雀を教える? いや、確かにそれは嬉しいけど…でも、本当に良いんだろうか? 淡「な、何よ…!?ま、高校100年生の私が人に教えるなんて滅多にないんだからね!」 淡「だ、だいたい…ここ娯楽もろくにないから暇なのよ!」 淡「インターネットは出来るって聞いたけどウィルスとかでびょーきになったら怖いし…」 淡「外に出たらなんか良く分かんない格好の人がウヨウヨ居て怖いし…!」 淡「麻雀くらいしかする事ないけど、何時も同じ面子だったら飽きるの!」 京太郎「お、おう」 まぁ、確かにここは娯楽が少ないよなぁ。 魔力で電気は作れるから機械とかは動くんだけど、それ以外はまだ麻痺しっぱなしである。 特に他人とやるような遊戯類は数年の間に殆ど風化していると言っても良い。 大星さんの性格じゃ友人を作るのも難しいだろうし、外にも出れないともなれば暇で暇で仕方ないのも当然の事だろう。 …にしても、ウィルスでびょーきって…美穂子でもそんなの言った事ねぇぞ。 お前も機械オンチなのか。 淡「そ、それにさ…アンタには一応…いちおーだけど…助けてもらった恩があるし…」 淡「それにマージャン大会もさ…け、結構楽しくて…また今度やりたいって思ったから…」 淡「その…その……あー…もう!」 淡「アンタに拒否権なんかないの!」ウガー 淡「私が教えてあげるって言ってるんだから、はい淡ちゃんさまの言う通りにしますって即答しなさいよ!!」 京太郎「いや、その返答はおかしい」 大星さんに教えてもらうのは吝かではないが、流石にそれを即答しろって言うのはレベルが高すぎる。 俺は色々と恋人にハーレムの主としてふさわしくなれるように調教やら教育 ―― と言う名のイチャイチャセックス ―― をされてるが、下僕としてのそれらはまったく受けていないんだ。 って言うか、ここでそんな風に即答したらそれこそ変質者扱いしないか、大星さん。 俺だったら絶対、引くと思うぞ。 淡「…で、どうすんの?」ジィ 京太郎「あー…」 無論、大星さんの好意は嬉しい。 けれど、俺は既に憧に対して教えてもらう約束をしてるんだよなぁ。 その前に他の人に対して教えを乞うと言うのも不誠実な気がする。 だけど、俺を見上げる大星さんの目はちょっとだけ不安そうで…断るのも中々選べない。 ここは… ―― 京太郎「麻雀よりもデートが良いな!」 淡「……え?」 京太郎「デートだよ、デート、一緒にお出かけすんの」 淡「…最低だとは思ってたけど、ここまで最低だとは思ってなかったわ…」 京太郎「おい、ちょっと待て。ガチ引きするんじゃない」 淡「だって、アンタがやってるのって女の子の弱みにつけこんでデートの約束取り付けるタラ…タラ…タラオじゃない」 京太郎「たらしな」 俺はそこまでウザくはないと思う、多分。 いや、最近、サザエさん見てないから今も尚、アイツがナチュラルに人の神経逆なでするようなキャラかどうかは知らないけど。 そもそもテレビとか放映しなくなって久しいからなぁ。 京太郎「つか、別にそこまで身構えるなって」 京太郎「何も取ってくおうとしてるんじゃないんだから」 淡「もうその言い方からしてなんかやらしい…」 京太郎「どうしろっつうんだ…」 まぁ、警戒されるのは予想していたがここまでガチガチに構えられるとは。 性格からして内心予想はしてたけど、やっぱ大星さんってデートの経験とかないんだなぁ…。 別に今時、デートくらいでそこまで身構える事はないと思うんだけれど。 そもそも俺、恋人三人もいるし…大星さんが魅力的じゃないって訳じゃないが、そういう本気のデートは恋人たちとしたい。 京太郎「俺はただ二人で出かける事をデートって表現しただけで他意はねぇよ」 京太郎「そもそも目的は大星さんが暇をつぶせる場所を教える事だしな」 淡「…え?」 京太郎「幾ら俺に麻雀教えるようになったところで潰せるのは俺がホテルにいる時だけだろ?」 京太郎「基本、俺は迷宮探索とか色々あるし、この前みたいにここにいない事も多いしな」 京太郎「俺に教えてくれるのは嬉しいけど、それじゃあ大星さんの暇つぶしにはなりづらい訳で」 京太郎「それよりも俺としては色んなところを知ってほしいんだよ」 淡「……変質者」 京太郎「そこはせめて名前で呼んでくれよ、名前で」 もう大星さんの中で俺が変質者として固定されたのは分かったが、流石にこのタイミングでのそれはちょっと痛い。 俺としては今のは結構、キメ台詞だったつもりなのである。 それに対する返答が変質者呼ばわりだなんてナイーブな俺の心に傷がつく。 淡「アンタなんか変質者で十分よ、十分」 京太郎「ひでぇ…」 淡「でも、実際、否定出来る訳?」 淡「乙女の部屋に押し入って、今もこうして負い目に漬け込んでデートに誘ってるのに」 淡「ひ・て・い・出来る訳?」 京太郎「…出来ません」 淡「でしょ?」クスッ あーくそ…完全に勝ち誇った顔をしてやがる。 そういう自信満々な表情も良いと思うが、やっぱり男としては悔しい。 後で絶対に一矢報いてやる。 …まぁ、それが何時になるかは分からない訳だけれど。 淡「…まぁ、そんな変質者とのデートなんてお断りしたいところなんだけどね」 淡「で、でも、私は…あの…結構、優しくて、心も広い訳だし?」 淡「い、一回くらいは付き合ってあげても良いかなぁ…って…」モジ 京太郎「え?なんだって?」 淡「もう!絶対、聞こえてたでしょ!!」ウガー 京太郎「はは。何の事やら」 さっきの仕返しのチャンスが思いの外早く巡ってきた、何て俺はまったく思ってませんよ。 えぇ、俺は淡ちゃん様に比べればまだまだ矮小ではございますが、心も広い方でございますので。 そのような邪な目論見はまったくありません。 ただ、変質者としての義務を果たしているだけだ。 淡「ぅー…!とにかく、明日ね!」 京太郎「え?」 淡「デート!!」 淡「…するんでしょ?」 京太郎「…そうだな」 …まったく。 そんな風に不安そうに言われたらコレ以上意地悪なんて出来ないじゃないか。 こういう風に自信満々な顔から迷子の子どもみたいな顔に一瞬で変わるところはずるいよなぁ…。 調子に乗ると分かっていてもついつい許してしまう。 淡「じゃあ、10時に入り口のエントランスに集合ね!」 淡「遅れたら絶対、承知しないから!」 京太郎「お、おう」 そう言って大星さんは俺に背を向けて走りだす。 その耳が微かに赤くなっているのは気恥ずかしさの所為だろう。 なんだかんだ言って大星さんも俺とのデートを楽しみにしてくれているんだ。 そう思うとなんとなく胸がこそばゆくなるが、まぁ、悪い気分じゃない。 京太郎「(…帰ったらデートプラン立てないとなぁ)」 正直、俺もこの辺りの事はあまり詳しい訳じゃない。 デートプランを一日で立てるのは中々に難しいだろう。 だけど、あんな大星さんの姿を見て、適当にプランを考える事なんか出来ない。 難しいかもしれないが、精一杯デートコースを考えてやろう。 そう思いながら俺は部屋へと帰り… ―― ―― 翌日、盛大に寝坊してきた大星さんに一時間も待ちぼうけを食らったのだった。 System 大星淡の好感度が30になりました → <<アンタとのデートなんて全然楽しくなかったんだからね!!>> 智葉「…京太郎」ダキッ 京太郎「んー」ギュー 最近の智葉は甘えん坊だ。 いや、元から二人っきりの時は比較的アマアマだったけれども。 最近はこうして俺の名前を呼びながら唐突に抱きついてくる事が多い。 そこには普段の格好良い智葉の面影も何もなく、ただただ、俺に甘えようとする子猫のような媚があるだけだ。 京太郎「(そんな智葉を見て、果たして我慢できるだろうか)」 いや、そんな事あろうはずがない。 迷宮では誰よりも頼りになる彼女が俺に対して身も心も預けるように甘えてくるのだから。 男としては全力でそれに答えてあげたくなるのが当然である。 寧ろ、ここで智葉の気持ちに答えないだなんて男として失格だとそう言っても良い。 智葉「…ここも大分、狭くなったな」 京太郎「そうだなぁ…」 ダブルへと移った時はその広さに感動したもんだけどなぁ。 今はそこに美穂子の荷物や憧の荷物も入っているので大分、狭くなっている。 そもそも元が広いし、基本的に四人固まって生活しているから困るって事はないのだけれど。 でも、もう一人くらい増えたら別の部屋に移った方が良いのかもしれない。 智葉「…まぁ、これからも狭くなるんだろうが」 京太郎「い、いや、流石にそれほど節操無く手を出すつもりはないぞ…?」 智葉「それは先日、大星とデートしてきた男のセリフとは思えないがな」ジトー 京太郎「アレはデートって言うか周辺施設の案内みたいなもんだったし…」 智葉「…まぁ、私達もデートしても良いと認めた訳だし、とやかく言うつもりはないが」 智葉「それに…本当に何もなかったみたいだしな」 京太郎「そりゃそうだろ」 俺は大星さんに嫌われているというつもりはないが、それでもまだ彼女とは出会ったばかりだ。 未だに変質者と呼ばれる俺が彼女と何かあるなんて天地がひっくり返ってもあり得ない。 デートしたとは言っても、本当に周辺施設の説明や、今も稼働してるゲーセンの紹介なんかで終わったからなぁ。 何かある余地なんてまずなかったと言っても良い。 智葉「だが、それでも君がタラシである事への疑いは晴れていない」 京太郎「まぁ、美穂子や憧もこうしてハーレムに加えてる時点で否定しようはないけど…」 智葉「後は君の部長…竹井はもう堕とすつもりなんだろう?」 京太郎「…あー…そんなに分かりやすかったか?」 智葉「多分、美穂子は気づいていて、憧も薄々感づいている状態だと思うぞ」 京太郎「マジかぁ…」 智葉「まぁ、少し自慢すれば、一番最初に気づいたのは私だと思うがな」 智葉「私は君のパートナーで共犯者で…そして恋人なんだから」 京太郎「…ん」 そう言って俺の胸に顔を預ける智葉は本当に可愛らしい。 紅潮した頬に俺への信頼や愛情をこれでもかと浮かべ、見上げる顔には欲情を浮かばせている。 こんなにエロくて素晴らしい恋人がいるだけでも、きっとそいつは幸せ者だろう。 だが、俺には智葉だけじゃなく他の二人の恋人がいて、さらにもう一人をターゲットにしている。 そんな自分の欲深さに自己嫌悪する感情すら、胸の中にいる彼女の甘える表情に溶かされていった。 智葉「それに…ん…っ♪まぁ…戦略的に見ても竹井久の能力は有用だ」 智葉「彼女の能力を使えばあの竹林だって突破出来る」 智葉「撤退時の余力に関しても気にする事はないだろう」 智葉「…何より君が無理矢理とは言え、一度、抱いた女の事を忘れられるはずがないものな」 京太郎「まぁ、まだ未遂だけど…」 智葉「それでも君にとって大事な人なんだろう?」 京太郎「…あぁ」 俺にとって部長はただ一度抱いた女ってだけじゃない。 彼女は俺に夢を見させてくれたんだ。 ハンドボールを止めて、ダラダラと生きて来た俺に。 全国優勝という夢を見せて…そしてその夢に協力させてくれて。 最後にはその夢を実現してみせたのである。 レイプされたとは言え、そんな人が一人で迷宮にいるのはやはり放っておけない。 彼女がなんと言おうとも俺にとってもう部長は忘れられない相手なのだ。 無理矢理にでも引き込み、迷宮から連れ出す。 その決意はもう俺の中で固まっていた。 智葉「ホント、私達がそうなるようにしてきているとは言え…」 智葉「随分と独占欲が強く、自分勝手なオスになったものだな?」 京太郎「そういう俺は嫌いか?」 智葉「…嫌いなものか」 智葉「寧ろ…凄く子宮がキュンキュンしている…♥」 智葉「君のオスに私の中のメスが反応して…組み敷かれたいってそう思ってしまうんだ…♪」 智葉「ふふ…本当に罪深い身体だな…♪」 京太郎「…智葉」 智葉「んっ♪」チュッ きっと智葉はその言葉ほど自分の身体を嫌ってはいない。 彼女の声に浮かんでいるのは自己嫌悪よりも欲情の方がはるかに強いものなのだから。 しかし、それでも俺は智葉の唇に吸い寄せられるようにキスをする。 そんな智葉が大好きだとそう伝える為のバードキスに彼女は甘い声を漏らした。 智葉「…まぁ、私をこんな風にだらしない女にしたんだ」 智葉「君が負ける事なんてまずあり得ないだろう」 智葉「例え竹井がどれだけ気丈な女であったとしても…」 智葉「これを挿入れられた時点でノックアウトだな…♥」スリスリ 京太郎「ちょ…さ、智葉…」 智葉「ふふ。今は憧も美穂子もいないからな」 智葉「エッチなのはダメだぞ?」 京太郎「だ、だったらズボンの上から撫でるの止めて…」 智葉「最初は私一人だったのに、いつの間にかハーレムの人数が四人になるのが確定しているんだ」 智葉「これくらいの意地悪はさせろ…♥」 京太郎「さ、智葉ぁ…」 いや、勿論、俺だってズボンの上から撫でる程度の刺激で理性飛ばしたりはしませんけどね? だけど、ただでさえこう甘くてイチャイチャな時間を過ごしていると幸せなだけじゃなくて欲情も溜まってくる訳で。 割りと身体も頭もその気になってる状態でおあずけとか流石にちょっと酷すぎるんじゃないだろうか。 まぁ、俺が智葉にしている事よりははるかにマシだろうけど…くぅ…生殺しが過ぎるぜ…。 智葉「…まぁ、君がちゃんとした誠意を見せるならば考えないでもないが」 京太郎「誠意?」 智葉「その…私達も出会ってそろそろ長いだろう?」 智葉「だから…えっと、そろそろ関係をな、ちゃんとしたものに固定するべきだと思うんだ」 智葉「勿論、私は君の複数いる恋人の中の人だと言う事は理解しているし、不満もない」 智葉「ただ…そういった言葉で確認するしかない関係よりも…ちゃんとした証が欲しいと言うか…」 智葉「目に見える…ものが私は欲しい」 京太郎「…智葉」 ポソポソと恥ずかしげに漏らす智葉の告白。 何処か遠回しなそれは普段の彼女らしくはない。 智葉は欲しいものがあれば、俺に対してはっきりと~が欲しいとそういうタイプなのだから。 遠慮や我慢はすることはあれど、その言葉を濁した事は滅多にない。 それでもこうやって言葉を濁しているのは、それが何であるか、俺に気づいて欲しいからだろう。 そんな彼女の言葉に俺は…… ―― 京太郎「(…ここは指輪だよな)」 最近、俺と智葉の性的な力関係は逆転しつつあるが、だからと言ってここで首輪というチョイスはない。 一瞬、子どもかと思ったが、日頃から膣内射精しっぱなしだし…なおかつ、責任感のある智葉がいまだ迷宮攻略が済んでいない状態で欲しいと言いだすとは思えなかった。 となれば、ここは見かけだけであっても婚姻状態にある事が分かる指輪だろう。 京太郎「給料三ヶ月分か。中々難しいな」 智葉「ふふ。何もそういうベタなものを期待している訳じゃない」 智葉「それに君は給料どころか定職にもついていないフリーター状態だろう?」 京太郎「その上、国家予算を遥か超える借金持ちでハーレム願望持ちの浮気症だな」 智葉「考えれば考えるほど優良物件とは程遠い男だな、君は」クスッ 京太郎「じゃあ離れるか?」 智葉「残念ながら私はもう君の手管に狂わされてしまったからな」 智葉「どれだけ君がダメな男でも今更、離れられないさ」 智葉「地獄の底まで一蓮托生だとも」 京太郎「ありがとうな」ナデ …まぁ、こうして改めて自分の条件を列挙すると酷いもんだな。 昔の価値観ならば絶対に俺なんか近づいちゃいけない類の男だっただろう。 だが、そんな俺を智葉は受け入れ、好きだとそう言ってくれている。 …そんな彼女にお礼はしないとな。 智葉「まぁ、何も高いものを買ってくれ、と言っている訳じゃない」 智葉「そこらの露店で売っているような安物で良いんだ」 智葉「どんな形であっても…それが君から贈られた指輪であれば…」 智葉「私はきっとなんでも喜ぶ事が出来るから」ニコ 京太郎「…まったく」 京太郎「そんな事言われたら男として立つ瀬がないだろ?」 智葉「じゃあ、代わりに私の健気さに涙しながら喜べば良いと思うぞ」クスッ 一応、俺も大星さん達のように政府から生活費は支給されているがその金額というのはそれほど多いものじゃない。 普通に生活している分には問題ないが高価なアクセサリーともなれば手がでない微妙な額。 元々、プレゼントの金額によって自身への愛情を量るような女性ではないが、露店で売っているものでも良いは流石に遠慮しているのだろう。 割りと夢見がちなところのある智葉が、恋人から最初に贈られるプレゼントに期待していない訳がないんだから。 京太郎「…そうだな。じゃあ、その健気さに甘えるようで悪いんだけど…」 智葉「ん?」 京太郎「…プレゼント、もうちょっと待ってくれるか?」 智葉「構わないが…」 そんな智葉に対して露店で売っているような安物を贈るのは俺のプライドが許さなかった。 勿論、最高級の指輪を贈るなんて不可能だが、俺の手持ちの予算で最高のプレゼントをしたい。 その為には色々と調べたりする必要があって、今すぐには無理だ。 迷宮探索の件もあるし、もう少し時間は掛かる。 けれど…そうして苦労した分、きっと智葉は喜んでくれるはず。 ―― そんな智葉の表情を想像しながら、俺は憧と美穂子が帰ってくるまでの間、智葉とイチャつき続けたのだった。 System 辻垣内智葉の好感度が90になりました → <<君のプレゼント、楽しみにしているよ♥>> おや…辻垣内智葉の様子が… 塞「あ、須賀君」 京太郎「え?」 翌日、調べ物があってロビーへと降りてきた俺に臼沢さんが近寄ってきた。 トテトテと歩くその手には何やら資料の束を持っている。 …表紙に丸秘を赤く書かれているそれをこんなに軽く人に見せていいのか疑問だけれど。 塞「丁度、良いところに来てくれたね」 京太郎「どうかしたんですか?」 塞「うん。今、政府の人から連絡があって、新商品が出来たって」 京太郎「新商品ですか?」 塞「これが詳細、まぁ、軽く読んでみてよ、すっごいんだから」ニマー 京太郎「は、はぁ…」 …経験上、こういう表情をする時の臼沢さんはあまりよろしくはない。 いや、決して何かをされるって訳じゃないんだが、すげぇ絡まれる事が多いのだ。 まるで一度絡みついたら中々に離さないタコのようなそれに色々と恥ずかしい事を言わされる事もあったりして。 だからこそ、俺は今、この場から全力で逃げたかったが、しかし、流石にそれは臼沢さんに失礼過ぎる。 そう思いながら俺は俺は資料を受け取り、その表紙を軽くめくった。 System 思った以上に好感度の伸びが悪いので新商品加入です 媚薬ケーキ  魔力供給出来るようになったパートナー一人の好感度を10上昇させる 5000円 媚薬クッキー 魔力供給出来る様になったパートナー一人の好感度を5上昇させる   3000円 共に今回の拠点準備安価から購入可能です そのまま拠点準備安価から使用する事もコミュ時に使用するパートナーを指定する事も可能です 京太郎「…なんだか色々と凄い事が書いてあったような気がしますが」 塞「結局のところ、最高級の素材をふんだんに使った超すっごい媚薬だよねー」ケラケラ 京太郎「こんなものを丸秘指定する政府とは一体…」 塞「まァ、そんなものを真剣に開発してるってバレたら恥ずかしいっていうのもあるんじゃない?」 京太郎「それならまだ良いんですが、それだけじゃない気がします…」 そもそも今の時代は基本的にセックスを最上位に置いた価値観が基本だからなぁ。 こういうのを開発しているとバレたところで政府としては何も怖くないし痛くないだろう。 寧ろ、これだけ凄い効果がある媚薬ともなれば、こぞって魔物が買おうとするはずだ。 どっちかと言えば、その所為で起こるかもしれない混乱とかを懸念しているような気がする。 塞「とは言え、君たちの仲を深めるには色々と有効でしょ」 京太郎「高くて中々、手が出ないですけどねー…」 塞「その分、効果は保証されてるし、性活のお供として最適なんだから全財産叩いて買い溜めしちゃいなよ」 京太郎「無理ですよ…色々買うものあるんですから」 塞「はは。だよね」 塞「まァ、こういうのもあるって事で、これからハーレムも増えるだろうし有効活用していってよ」 京太郎「…い、いや、まだ増えると決まった訳じゃ…」 塞「智葉がまだまだ増えそうだってこの前、私に愚痴ってたけど?」 京太郎「…ゴメンナサイ」 い、いや、でも、俺だって好きで増やそうとしてる訳じゃなくってですね? 一応、色々と仕方のない理由というか事情があるというべきか…まぁ、俺も役得だと思ってるんですけど! でも、節操無く増やそうとかそういうきもちはないんだよ、マジで!! 俺自身、なんでこんなにモテてるのか、まったく分からなくて時々、怖いくらいだからな!! 塞「ホント、須賀君はお盛んだねー」ケラケラ 塞「あ、そんな須賀君の為にちょっと部屋整理して壁ぶちぬいたから」 京太郎「え?」 塞「とりあえず7人くらいだったら問題なく一部屋で生活出来るようになると思うよ」 京太郎「嬉しいですけど、素直に喜べない心遣い…!!」 塞「ふふ。まァ今のペースだと七人部屋でもすぐ埋まっちゃいそうだけどねー?」 京太郎「出来るだけ埋めないように努力します…」 まぁ、俺が幾ら努力しようが、欲望には勝てないんですが。 俺はどうしてもこう流されやすい傾向にあるから何とかしなきゃいけないとは思ってるんだけどなぁ…。 でも、一旦欲しいとかそう思ってしまうと獣性に火がついて止まれなくなって…。 昨日もそれで智葉の事気絶するまで責め立てちゃったしなぁ…。 塞「っと呼び止めてごめんね」 塞「じゃァ、私は仕事に戻るから」 京太郎「あ、その前に一つ良いですか」 そんな智葉の為に調べ物をするために降りてきたつもりだったが…。 丁度良い、こうして臼沢さんも話しかけてきてくれた訳だし、ちょっと彼女にも聞いてみよう。 少なくとも臼沢さんは俺よりもこの周辺の事に詳しい訳だし、聞いておいて損はないはず。 塞「ん?なーに?」 京太郎「この辺に指輪作れる場所とかないですかね?」
―― 美穂子が俺達の部屋にやってきてから生活は大分、快適になった。 朝は誰よりも早く起きて食堂で俺達の為だけに朝食を作ってくれる。 その後、掃除洗濯布団干しなどをテキパキと済ませながら、くつろぐ俺達にお茶を淹れてくれるんだ。 それは昼になっても、そして夜になってもまったく変わらない。 彼女は何時だって誰よりも動き、そして誰よりも周りのことを見ている。 お陰で今では美穂子抜きの生活なんて考えられないくらいだ。 京太郎「(…でもなぁ)」 だからこそ、俺の中で引っかかるものがある。 勿論、美穂子がそれをいやいややっているだなんて俺も思っている訳じゃない。 人間だった頃から彼女はとても他者に対して献身的で、まさに天使と言っても良い人だったんだから。 うちの部長と交換して欲しいと何度思った事か…っとまぁ、それはさておき。 その献身的な性質は魔物になった事でより強くなっている。 そんな事は俺も分かっている…んだけれど… ―― 京太郎「…美穂子」 美穂子「はい。なんでしょう?」 昼下がりの午後。 話しかけた俺の言葉に美穂子はにこやかに振り返った。 まるで俺に呼ばれた事が嬉しくてたまらないと言うようなその表情はホント、健気で仕方がない。 この部屋に智葉や憧がいない状態でなければ、そのままベッドに押し倒して4P開始していただろう。 まぁ、別に二人っきりでスる事を禁止されてる訳じゃないんだが…三人とも平等に愛すると宣言した以上、智葉や憧がいない時にホイホイと手を出すのはちょっとな。 後で二人ともセックスすれば許してくれるとは言え、それを聞かされる二人としてはあんまり良い気はしないだろう。 それ故、基本的に俺は二人っきりの時は性欲を抑えるようにしている。 まぁ、我慢できない時も多々あるんで、あくまでも基本的には、だが。 京太郎「もうちょっと気を抜いても良いんだぞ?」 美穂子「え?」 京太郎「俺達の為に色んな事をしてくれるのは嬉しいけどさ」 京太郎「休みたい時には休んでも良いんだぞ」 美穂子「ありがとうございます、ご主人様」 美穂子「でも、私は好きでやっている事ですから」 京太郎「ん…それなら良いんだけどさ」 そう返す美穂子の表情に嘘はない。 やはり美穂子は自分で望んでこうして俺達に奉仕をしてくれているのだろう。 一つ再確認できたそれに俺は内心、胸を撫で下ろす。 だが、それでも俺の胸の中の引っ掛かりは消えた訳じゃない。 京太郎「でも、変に自分を追い込んだりしていないか?」 美穂子「追い込む…ですか?」 京太郎「あぁ。その…自分が絶対にやらなきゃいけないとかさ」 家事に関して美穂子は本当に万能だとそう言っても良い。 俺や智葉もある程度出来るが、彼女には遠く及ばないくらいである。 しかし、そんな俺達でも ―― 殆ど出来ない憧は例外だが ―― 家事を手伝うくらいは出来るだろう。 だが、そうやって手伝いを言い出す俺達のことを美穂子は一度たりとも受け入れた事はなかった。 私がやりますから、と柔らかい笑みで手伝いを拒むのである。 京太郎「何も一人で全部背負い込まなくても良いんだぞ」 京太郎「助け合えるところは助け合うのが仲間ってもんだろうし…」 京太郎「何より俺達はそういうのとはもっと深い部分で繋がっているんだからさ」 京太郎「美穂子ほどじゃないけど…俺達も頑張るし…あんまり無理しなくても良いんだぞ」 美穂子「ふふ。ありがとうございます」 美穂子「…でも、ご主人様はちょっと誤解なさっていますよ」 京太郎「…え?」 誤解…? 美穂子「さっきも言った通り、私はご主人様への奉仕を好きでやっているんです」 美穂子「いいえ…より正確に言えば、これだけは他の誰かに取られたいとは思えないくらい執着しているんですよ」 美穂子「種族としての本能か…或いは私がそれだけご主人様の事が好きなのかは私も分かりませんが…」 美穂子「でも、私にとってご主人様への奉仕は、ご褒美に等しいものなのです」 京太郎「美穂子…」 そう言って美穂子はゆっくりと俺に近づいてくる。 そのまま美穂子は椅子に座って報告書を書いていた俺の足元に跪くのだ。 まるでそこが自分の定位置だと言うような自然な動作。 そんな美穂子の頭に俺の手は自然と伸びてしまう。 美穂子「あ…♥」 美穂子「…もう。そんな風に撫でられては…私、もっとご主人様の事好きになってしまいますよ…♥」 京太郎「ダメか?」 美穂子「いいえ…♪ダメなんかじゃありません♥」 美穂子「私にとって…最高のご褒美です…♥」 美穂子「まだまだご主人様の事を好きにさせて貰えるなんて…♪」 美穂子「まだまだご主人様に依存させて貰えるなんて…♪」 美穂子「幸せすぎて…イッちゃいそうです…♥」 京太郎「ん…でも夜まで待ってな」 迷宮探索から帰ってきて数日間は相変わらず魔力供給で埋まってしまうのだ。 それが終わってようやく報告書を書き始めようとしたのだが、全員一緒だと中々集中出来ない。 普段から仲が良すぎるくらいに仲が良い所為か、ちょっとした事でも発情のスイッチが入ってしまうんだ。 それを防ぐ為に、現在、智葉と憧は別のところで報告書を書いているはずである。 そんな二人が帰ってくるであろう夜まではそういう事は出来ない。 美穂子「はい…♥あ、でも…」 京太郎「ん?」 美穂子「ご主人様が我慢出来なくなってしまったら…ご奉仕するべきですよね…?」 京太郎「う…」 そう言って美穂子は俺の膝に頭を置いたままスリスリとすり寄せる。 普段、俺のことを優しく受け止めてくれる彼女の甘えるような仕草に胸が高鳴った。 まるで初恋を彷彿とさせるようなあまいときめき。 でも、それだけで済まないのは俺を見上げる彼女の瞳が欲情に濡れ、彼女の体臭にメスのものが混じり始めているからだろう。 美穂子「報告書を効率よく書く為にも…我慢するのはいけない事ですものね…♥」 京太郎「…それってつまり我慢しなきゃいけなくなるような事をするって宣言か?」 美穂子「ふふ。さぁ、どうでしょう…?」 美穂子「そんな事をしなくても…ご主人様は私を見ているだけで興奮してくれますし…♪」 京太郎「う…」 …いや、だって、仕方ないじゃん。 美穂子みたいな美少女がメイド服を来て、俺の為に奉仕してくれているんだぞ。 長野時代じゃ妄想の中にしかなかったシチュエーションが、まさに現実になってくれているのである。 その上、美穂子は俺を誘うように腰を振るい、時折、流し目を送ってくるのだから堪らない。 奉仕の途中にご主人様を誘惑するようなエロメイドにはオシオキしてやると途中でその気にさせられてしまった回数は数え切れないくらいだ。 美穂子「…私、結構、強かな女なんですよ?」 美穂子「家事を率先してやっているのも…ご主人様のオンリーワンになれるからって言うのもきっと無関係じゃありません」 美穂子「ご主人様のナンバーワンにはなれなくても…ご主人様に気をかけてもらえる存在にはなれるんだって」 美穂子「ご主人様の生活に必要な部分を私で埋めればいつでも側にいられるって…そう思っているんす」 美穂子「今だって…こうしてご主人様と二人っきりの時間を堪能したいと…本当は思っているんですよ…♥」スリスリ 京太郎「…美穂子」 美穂子「…幻滅…しました?」 その言葉は微かに不安を感じさせるものだった。 勿論、美穂子は俺の事を命をあずけるに値する存在だとそう信頼してくれている。 だが、その一方で彼女は俺のことをとても愛してくれているんだ。 そんな彼女が自分の本心をさらけ出して不安に思わないはずがない。 それでも美穂子は俺に対して、自分のコンプレックスな部分をさらけ出してくれている。 なら、ここで俺が言うべき言葉は… ―― 京太郎「俺さ、昔、美穂子の事にすげぇ憧れてたんだよ」 美穂子「ぇ?」カァ 京太郎「だって、美人で気立ても良くて家事万能で暖かくて、その上、話したらすげぇ可愛いのが伝わってくるような人なんだぜ?」 京太郎「誰だってこんな人と結婚したいって思うだろ」 美穂子「け、結婚…」カァァァ 京太郎「でもさ。今、こうして美穂子の気持ちを聞いて…思ったよ」 京太郎「美穂子の中にもそういうのあったんだって」 京太郎「そういうのがあって…俺に向けてくれているんだって」 京太郎「…俺が美穂子のことをそういう女にしちゃったんだって」ナデナデ 美穂子「…ぁ…♪」 それは自分勝手な欲望なのかもしれない。 いや、きっと男の欲望と先入観だらけの穢れた言葉なのだろう。 もし、普通の女の人であれば言われただけでも拒絶するであろう言葉。 だが、美穂子はそれを間違いなく受け入れてくれる。 京太郎「あんなに綺麗だった美穂子を俺が穢したんだって…堕としたんだって思うとさ」 京太郎「そりゃあ男としたら興奮するだろ」 京太郎「幻滅どころか…そんな美穂子の事大好きになるだろ」 美穂子「ご…主人様…ぁ♥♥」 京太郎「正直、今もギンギン来てる」 京太郎「美穂子の事…もっともっと穢したくて、欲情しまくってる」 京太郎「…だからさ」 美穂子「…はぁい♪美穂子…ご奉仕します…っ♥」 美穂子「ご主人様のオチンチンにたぁっぷり…穢して貰います…ぅ♥♥」 美穂子のその言葉はもう既に欲情をまったく隠さないものになっていた。 いや…それは俺も同じか。 何せ、彼女の告白を聞いた瞬間、俺のムスコもズボンの中でパンパンになっているんだから。 もういますぐ射精したくて堪らないと言わんばかりにチンポが張り詰めている状態で声が平静を保てるはずがない。 美穂子「ん…んぅぅ…♪♪」ジィィ そんな俺の股間に美穂子がそっと顔を埋めた。 そのまま俺のジッパーを歯で噛み締め、ゆっくりと下ろしていく。 何も言わずとも口だけで俺のチンポを解放しようとするメイドのいやらしい姿に俺はどうしようもなく興奮してしまう。 ましてや…そうやって淫らな奉仕を開始しようとしている相手がかつて憧れていた女性なのだから尚の事。 美穂子「ふぁぁ…ああぁっ♥♥」 美穂子「ご主人様のオチンチン…もうカッチカチになって…♪♪」 美穂子「匂いも…♥んぅぅ…♪もう…興奮して…我慢出来ないってそう言ってます…ぅ♥♥」 だが、魔物になった俺の身体はその程度の昂ぶりでは満足出来ないらしい。 俺の下着を口だけで器用に動かし、ムスコを外気に晒した美穂子は反り返るイチモツを見て嬉しそうに言葉を漏らした。 いっそ蕩けているとそう言っても良いようなその声に俺の背筋はゾクゾクとしたものを感じる。 美穂子「ん…ちゅぅうっ♥♥」 京太郎「う…」 瞬間、そのゾクゾクが一気に跳ね上がったのは美穂子がいきなり俺のチンポにしゃぶりついたからだろう。 まるで我慢出来ないと言わんばかりの彼女のそれに俺の口から声が漏れた。 明らかに快楽混じりのそれに、けれど、美穂子は容赦しない。 そのままジュルルと奥までチンポを飲み込み、口全体で奉仕してくる。 俺を昂らせる為の前戯もなく、いきなり俺の精液を搾り取ろうとするようなその即尺っぷりに俺は我慢できず… ―― ―― 結局、数分も経たない内に美穂子の口の中に射精した俺はリベンジとばかりに彼女をベッドへと押し倒したのだった。 System 福路美穂子の好感度が70になりました → <<ご主人様が満足するまで私の事、穢して…はしたない女にして下さいね…♥♥ ―― まぁ、報告書ばっかり書こうとしても大変な訳で。 そもそも俺は恋人が三人もいるのだ。 日中は出来るだけそういう事をしないようにはしているが、それも美穂子を始めとする恋人たちの誘惑で厳しい。 お陰で報告書は遅々として進まず、恋人たちの誘惑だけが厳しくなっていく。 そんな中、机にばっかり向かっていても効率はあがらないだろう。 ここはやはり息抜きが必要だ!! 京太郎「と言う訳で遊びに来ました」 菫「何がと言う訳なんだ…」 そう呆れるように言いながらも弘世さんは俺の事をちゃんと迎え入れてくれた。 まぁ、なんだかんだ言いつつも彼女との信頼関係はちゃんと構築されているという事なのだろう。 元々は救出した側とされた側程度の関係だったが、今ではもう友人とそう言っても良いのかもしれない。 菫「と、言うか…来るならば事前に連絡とかするべきだろう」 菫「わ、私にだって色々と準備とかあるんだからな…」モジモジ 京太郎「あ、大丈夫ですよ。ちゃんとお菓子は持ってきましたし」 菫「…そういう事を言っているんじゃないんだがな」ハァ 京太郎「…え?」 しかし、適当に駄弁るだけの時間にお菓子以外に準備が必要なのだろうか? 精々、口休めのお茶くらいだと思うんだけど…それだって備え付けのものがあるし。 わざわざ準備するような事はないと思うんだけど…。 菫「なんでもない。それよりも飲み物は何が良い?」 京太郎「あ、紅茶以外でお願いします」 菫「なんだ。紅茶は嫌いなのか?」 京太郎「いや、嫌いじゃないんですが…」 憧との一見で若干トラウマなんだよなぁ。 結局、あの紅茶に淹れてた蜜も媚薬成分たっぷりだった事が後々分かったし。 まさか弘世さんまであの店で紅茶を買っているとは思っていないが、どうしても警戒してしまう。 …まぁ、飲み物としては普通に優秀なんで蜜なしで飲んだり…夜には蜜を淹れて楽しんだりしてるんだけど、それはまぁ、さておき。 菫「ふむ…まぁ、それなら普通にお茶で良いか。ちょっと待っててくれ」 京太郎「うっす」 …しかし、こうしてお茶の準備をしてる弘世さんを後ろから見てると改めて思うんだが…やっぱり弘世さんスタイル良いなぁ。 おもちは若干、物足りないが、その分、全体的にスマートに纏まっている。 あまりラインの出ない服の上からでもキュっと締まった腰がはっきりと分かるくらいだ。 だが、俺のイチオシはやっぱり腰ではなく尻だ。 スマートな彼女の身体の中で唯一むっちりとした見事な安産型…! あんなお尻で顔面騎乗された日にはきっと息が出来なくなってしまうだろう。 菫「…ん?」 京太郎「あ、いや、何でもないですよ」 っと、イケナイイケナイ…。 あんまりこういう欲望だけが先行した事を考えてるとすぐ飲み込まれちゃうからな。 憧との一件で欲情をある程度コントロール出来るようにはなったとは言え、あんまりこういう事を考えるのは良くはない。 ましてや、相手は三人もいる俺の恋人ではなく、良くて友人と言えるような弘世さんなのだ。 流石に襲いかかったり勃起したりはないと思うが、こういうのは一旦、脇に置いておくに越したことはないだろう。 京太郎「それより…大星さんとは最近どうですか?」 菫「ん…そうだな。実は君が迷宮に潜っている間に、アイツが謝ってきたよ」 京太郎「え?」 菫「今まですまなかった、優勝出来なくてすまなかった…とな」 菫「正直、面食らったよ」 菫「須賀くんから事前に聞いてはいたが…まさか泣くとは思っていなかったからな」 京太郎「…泣いたんですか?」 菫「あぁ、そりゃもうポロポロと」 …きっと大星さんはずっと胸の中に押さえ込んでいた気持ちが暴発してしまったんだろうな。 そうじゃなきゃ、アレだけ生意気で意地っ張りな彼女が弘世さんの前で泣く訳がない。 まぁ、何にせよ、大星さんがちゃんと弘世さんに謝れてよかった。 後は仲直り出来たかどうかだけれど… ―― 京太郎「じゃあ、もう仲直りとかしたんですか?」 菫「まぁ、お互いどうしてもぎこちなさは残っているけれどな」 菫「でも、色々と淡の方から話してくれるようになったよ」 菫「昔の事とか色々な」 京太郎「そうですか…」 それはきっと大星さんにとって、決して人には言いたくなかったであろう秘密なのだろう。 自分は強いのだとそう言い聞かせていた彼女にとってそんな弱みを他人に見せられるはずがない。 だが、迷宮を経てほんのすこし成長したのか、大星さんはそれを弘世さんに話すようになった。 ならば…きっともう彼女は大丈夫なのだろう。 菫「君の事も色々と言っていたよ」 京太郎「なんて言ってました?」 菫「あの変質者、次は絶対、再起不能にしてやる、とかな」クスッ 京太郎「大星さんがいうと洒落にならないですね…」 菫「ふふ。まぁ、アレは淡なりの照れ隠しなんだろうさ」 菫「実際、マージャン大会でアイツもかなり立ち直ったみたいだったからな」 菫「その事に関しては淡も分かっているし、君に対しても感謝している」 菫「ただ、それを素直に認められないだけだよ」 京太郎「それなら良いんですけどね…」 マージャン大会を開催するのに色々と強引な手段も取ったからなぁ。 正直、嫌われても仕方がないような事をしただけに少しだけ安心した。 まぁ、実際に会ったらきっと嫌味の一つでも飛んでくるんだろうけど。 でも、それが彼女なりの照れ隠しなのだと分かっていたら、それほど困る事もない。 菫「それより君の事だ」 京太郎「え?」 菫「迷宮の方はどうだ?あまり無理はしていないか?」 京太郎「そうですね…」 問われる彼女の言葉に俺は少しずつこの前の迷宮であった事を語りだす。 滝見春という少女に出会った事。 俺のミスを彼女に庇われてしまった事。 その所為で、彼女がおかしくなってしまった事。 口にすればするほど気が落ち込むそれを、しかし、弘世さんは何も言わずに聞いてくれた。 菫「…大丈夫なのか?」 京太郎「…正直、分かりません」 迷宮から出てから恋人たちと愛を深めたり、報告書を書くのに精一杯で二度目のアタックはしていない。 つまりあの迷宮の入り口がまた違うところに出るのかも、教室から先に進めるようになっているのかもまるで分かっていないのだ。 前回、強い拒絶を露わにした大星さんのところへと行けたのは運だったし…春も同じようにいくのかどうか。 次は必ず救出するとそう誓っただけに、やはり不安な気持ちは否めない。 菫「…私は何時でも君の力になるからな」 京太郎「弘世さん…」 そんな俺の気持ちを見抜いたのだろう。 弘世さんは俺を励ますような言葉をくれた。 俺の顔を真正面から見据える彼女の表情は真剣そのものである。 心の底から俺の為に尽力しようとしてくれているのが伝わてくる弘世さんに俺は…… ―― 京太郎「…ありがとうございます」 京太郎「弘世さんにそう言ってもらえたら百人力ですよ」 菫「そ、そうか?」テレテレ 京太郎「えぇ。もう今ので勝ちフラグが立ちましたね」 京太郎「処刑用BGMが流れだしてもおかしくはないレベルです」 菫「ふふ。良くわからないが元気になったようでよかった」 菫「あまり君の落ち込んでいる顔は見たくないからな」 京太郎「はは。まぁ、俺は元気だけが取り柄のような男ですからね」 菫「そんな事はないさ」 菫「須賀くんにはそれ以外にも良いところが沢山あると私は知っている」スッ 京太郎「え…?」 そう言って、弘世さんは真正面に座った俺の手に触れた。 微かに重ねあわせるようなその手から彼女の体温がしっとりと伝わってくるんだ。 優しくも温かいそれに、けれど、俺の胸はドキッと反応してしまう。 幾ら恋人が三人いると言っても、美少女に触れられるのに慣れる事なんて出来ないんだ。 菫「…優しく、強く、格好良く…時には強引で…ヘタレなところもあって…」 菫「でも、誰かの為に何時も頑張っている君に私は幾度となく助けられているんだからな」 菫「私は…そんな君が…」 京太郎「ひ、弘世さん…」 菫「…あっ」カァァァァ そこで彼女の顔は真っ赤に染まった。 まるで自分のやっている事に今更気づいたかのように顔を震わせ、俺から手を離す。 そのままオロオロと視線を彷徨わせる彼女の姿に、普段の凛々しさはない。 まるで盛大に自爆した時の憧のような可愛らしさだけがあった。 菫「ち、違うんだ!わ、私はその…べ、別に何か邪な気持ちがあった訳じゃなくて!」 菫「ただ、君のことを励ましたかっただけで…あの、その…」 菫「確かに役得だったかもしれないと思ってはいるけど、さ、最初はそんなつもりはまったくなかったんだ!」 菫「あ、あわよくば君の隣にだとか…そ、そういうのもまったく考えていない!」 菫「そ、そんなムードも何もない告白なんて私だって嫌だからな!!」 京太郎「は…はぁ…」 …でも、こうなった弘世さんのことを見るなんて初めてだからなぁ。 彼女が言っている言葉を果たしてどう捉えれば良いのか。 憧の場合は大抵、全部、真逆にすれば丁度良いっていうのは分かっているんだけど…なんとも受け取り方に困る。 そもそも弘世さんの告白って何をしようとしていたんだろうか…? 菫「…うぅ…私は一体、何をやっているんだ…」 菫「あ、あんな風に勢い任せなんて…最悪じゃないか…」 京太郎「えーっと…」 …それでも今の彼女に何も言わないなんて選択肢はないよなぁ…。 何故かは分からないがすげぇ落ち込んでいる訳だし。 とりあえず何か慰めてあげられるようなことを言ってあげたいんだけど… ―― 京太郎「ひ、弘世さんの手、とっても暖かかったです」 菫「ひゃうっ」カァァ 京太郎「え、えっと優しくて気持ち良くて…い、嫌じゃなかったですから」 菫「う…う…ん…」カァァァ 京太郎「だから、その…なんていうか…えっと…」 菫「……き、君は」 京太郎「え?」 菫「…も、もう一回…君に触りたいと…私が言ったら幻滅…する…か?」モジモジ 京太郎「しませんよ」 菫「ほ、本当に?」 京太郎「えぇ」 菫「君の手を握りたいと…そう言っても嫌がらない…か?」 京太郎「弘世さんみたいな美少女に言われて嫌がる男がいる訳ないじゃないですか」 菫「~~っ!!」マッカ まぁ、正直、面食らう気持ちがない訳じゃないが、それでもその気持ちは嘘じゃない。 男にとって美少女に触れられると言うのはご褒美以外の何者でもないのだ。 それにまぁ、俺にとって弘世さんはもう決して他人とは言えないような仲の人だし。 俺の手に触りたいという彼女の気持ちを無碍にしたいとは到底、思えない。 京太郎「まぁ、俺の手なんかで満足出来るかは分かりませんが…どうぞ」スッ 菫「じゃ、じゃあ…えっと…その…」チラッ 京太郎「…」 菫「…あの…う…ぅ…」モジモジ しかし、弘世さんは中々、決心がつかないらしい。 差し出した俺の手を見ながら、手を伸ばしたり引っ込めたりしている。 さっきアレだけ確認したんだからまさか本当は嫌だ…なんて事はないと思うんだけど。 彼女の中で中々、決心がつかないのかもな。 京太郎「(…じゃあ…仕方ないよな)」 京太郎「弘世さん」ギュッ 菫「きゅんっ♪」ビックゥ そう彼女の名前を呼びながら俺から手を握った瞬間、変な鳴き声が聞こえた。 肩をビクンを跳ねさせるその姿は、まるで驚いた小動物のようにも思える。 女性の中では間違いなく長身と呼べる彼女のその反応に、俺は小さく笑みを浮かべた。 そんな俺を睨みつけるように見ながら、彼女はゆっくりと俺の手に指を絡ませていく。 菫「……驚いたんだぞ」 京太郎「えぇ」 菫「びっくりしたんだぞ」 京太郎「そうですね」 菫「変な声…出しちゃったんだぞ」 京太郎「可愛かったです」 菫「ば、バカ……」 仕方ないじゃないか。 さっきの弘世さんもそうだし…今の俺から視線を背けながら拗ねるように言う貴女も可愛い過ぎるんだから。 そんな風に言いながら俺の手を離さないどころかより強く握ってくる辺りもかなりポイントが高い。 普段キリッとしている彼女が見せる弱みめいた可愛さと相まって、これだけで彼女のことを好きになってもおかしくはないくらいだ。 まぁ、俺は彼女がただ人肌恋しいだけだって分かってるから大丈夫だけれども。 しかし、智葉達がいなかったらちょっとあぶなかったかもしれない。 菫「…君の手は…私よりも大きくて…ゴツゴツしてるな」 京太郎「そりゃこれでも男の子な訳ですしね」 菫「そして…暖かくて…とても安心する…」 菫「…もうちょっとだけこのままで良いか?」 京太郎「弘世さんなら幾らでも構いませんよ」 京太郎「何ならこのまま添い寝でもしましょうか?」 菫「そ、そこまでは流石にちょっと…」カァァ 京太郎「はは。ですよね」 まぁ、流石に添い寝までするのは恋人レベルじゃないと無理だろう。 俺と弘世さんの今の関係じゃ、こうやって向かい合って指を絡ませるくらいが精一杯だ。 いや…まぁ、冷静に考えるまでもなく、意外と凄い事やっているような気がしなくもないけれど。 でも、ただ手をにぎるくらいじゃ浮気にはならないよな…? 菫「…須賀君」 京太郎「はい」 菫「…なんでもない」クスッ 京太郎「なんですか、それ」 菫「ただなんとなく名前を呼びたくなっただけだ」 京太郎「じゃあ、俺も弘世さん」 菫「返事はしないぞ」 京太郎「えー…」 手を握りながらもそうやって下らない会話は続いていく。 何時もとちょっと違ったシチュエーションに、何時も通りの何気ない話。 そんな日常とも非日常とも言えない時間は思いの外、長く続いて…結局、俺は日が落ちるまで弘世さんの部屋でくつろいでいたのだった。 System 弘世菫の好感度が50になりました → <<…彼女達は何時もあんなに気持ちの良い手に触れてもらっているのか…>> 好感度が50になった事により進化条件が一部、開示されます 仲間になってから宝箱を三回開け、○○を手に入れた後、○○を行う 淡「げ」 京太郎「あ」 弘世さんの部屋から帰る途中、俺は大星さんとばったり出会った。 瞬間、すげぇ嫌そうな顔をされるのはまぁ、予想の範疇である。 ここで嬉しそうにされた方が寧ろ、俺としては驚きだ。 京太郎「久しぶり。元気してたか?」 淡「変質者のアンタに心配される事じゃないわよ」ツーン 京太郎「はは。そうか」 淡「…と言うかアンタの方こそ何処行ってたのよ、最近見なかったけど」 京太郎「あぁ、迷宮の方にちょっとな」 淡「え…?あそこってそんなに時間掛かるの?」 京太郎「あー…いや、そういう訳でもないんだが…」 寧ろ、毎回、その後のラブラブタイムの方が時間を喰うと言うか何というか。 迷宮内で魔力を消費した分、何時も以上に皆が飢えている訳で。 激しくセックスしている間に他の恋人にも火が着いて延々と終わらない…というパターンが多い。 今回は特に憧に魔力供給してやれなかった分、酷く乱れてたから一週間は部屋に閉じこもりっぱなしだった。 淡「まぁ、良く分かんないけど、程々にしときなさいよ」 京太郎「なんだ。心配してくれてるのか?」 淡「ばっ!バカな事言わないでよ!」 淡「なんで変質者のアンタを私が気にしなきゃいけない訳!?」 淡「しかも、麻雀激弱なのに!激弱なのに!!」 京太郎「に、二回も言う事ないだろ」 淡「だって、重要な事だもん」スネー まぁ、確かに大星さんにとっちゃ麻雀の強弱は重要なのは分かってるけどさ。 しかし、二回も言わなくても良いんじゃないだろうか。 俺だって他の皆に比べて実力が一段も2段も劣っている事くらい自覚しているのである。 一応、その為に憧とも練習を取り付けた訳だし、これからは少しは変わるはず。 淡「アンタってば雑魚過ぎ」 淡「オカルトがないのはしょうがないけど、スジばっか気にして打つ牌読めすぎよ」 淡「あんなんじゃ菫先輩じゃなくてもすぐ狙い撃ちにされるって」 京太郎「うぐ」 淡「まぁ、高校百年生の淡ちゃん様の敵じゃないね!」 京太郎「なんだよ、百年生って」 淡「ふふーん。そんだけ強いって事よ」ドヤァ …百年生が強いって大きい数字が意味なく強いと思い込む小学生か。 ホント、大星さんってこういうところすげぇ幼いと言うか、子どもっぽいというか。 そういうところも魅力的だとは思うが、たまにすげぇ泣かせたくなるのは俺だけだろうか。 淡「……ま、まぁ、アンタが私に今までの行為を懺悔しながら土下座して」 淡「その上で泣いて乞うんなら、ちょっとくらいは麻雀教えてあげても良いけど?」 京太郎「え?」 …大星さんが俺に麻雀を教える? いや、確かにそれは嬉しいけど…でも、本当に良いんだろうか? 淡「な、何よ…!?ま、高校100年生の私が人に教えるなんて滅多にないんだからね!」 淡「だ、だいたい…ここ娯楽もろくにないから暇なのよ!」 淡「インターネットは出来るって聞いたけどウィルスとかでびょーきになったら怖いし…」 淡「外に出たらなんか良く分かんない格好の人がウヨウヨ居て怖いし…!」 淡「麻雀くらいしかする事ないけど、何時も同じ面子だったら飽きるの!」 京太郎「お、おう」 まぁ、確かにここは娯楽が少ないよなぁ。 魔力で電気は作れるから機械とかは動くんだけど、それ以外はまだ麻痺しっぱなしである。 特に他人とやるような遊戯類は数年の間に殆ど風化していると言っても良い。 大星さんの性格じゃ友人を作るのも難しいだろうし、外にも出れないともなれば暇で暇で仕方ないのも当然の事だろう。 …にしても、ウィルスでびょーきって…美穂子でもそんなの言った事ねぇぞ。 お前も機械オンチなのか。 淡「そ、それにさ…アンタには一応…いちおーだけど…助けてもらった恩があるし…」 淡「それにマージャン大会もさ…け、結構楽しくて…また今度やりたいって思ったから…」 淡「その…その……あー…もう!」 淡「アンタに拒否権なんかないの!」ウガー 淡「私が教えてあげるって言ってるんだから、はい淡ちゃんさまの言う通りにしますって即答しなさいよ!!」 京太郎「いや、その返答はおかしい」 大星さんに教えてもらうのは吝かではないが、流石にそれを即答しろって言うのはレベルが高すぎる。 俺は色々と恋人にハーレムの主としてふさわしくなれるように調教やら教育 ―― と言う名のイチャイチャセックス ―― をされてるが、下僕としてのそれらはまったく受けていないんだ。 って言うか、ここでそんな風に即答したらそれこそ変質者扱いしないか、大星さん。 俺だったら絶対、引くと思うぞ。 淡「…で、どうすんの?」ジィ 京太郎「あー…」 無論、大星さんの好意は嬉しい。 けれど、俺は既に憧に対して教えてもらう約束をしてるんだよなぁ。 その前に他の人に対して教えを乞うと言うのも不誠実な気がする。 だけど、俺を見上げる大星さんの目はちょっとだけ不安そうで…断るのも中々選べない。 ここは… ―― 京太郎「麻雀よりもデートが良いな!」 淡「……え?」 京太郎「デートだよ、デート、一緒にお出かけすんの」 淡「…最低だとは思ってたけど、ここまで最低だとは思ってなかったわ…」 京太郎「おい、ちょっと待て。ガチ引きするんじゃない」 淡「だって、アンタがやってるのって女の子の弱みにつけこんでデートの約束取り付けるタラ…タラ…タラオじゃない」 京太郎「たらしな」 俺はそこまでウザくはないと思う、多分。 いや、最近、サザエさん見てないから今も尚、アイツがナチュラルに人の神経逆なでするようなキャラかどうかは知らないけど。 そもそもテレビとか放映しなくなって久しいからなぁ。 京太郎「つか、別にそこまで身構えるなって」 京太郎「何も取ってくおうとしてるんじゃないんだから」 淡「もうその言い方からしてなんかやらしい…」 京太郎「どうしろっつうんだ…」 まぁ、警戒されるのは予想していたがここまでガチガチに構えられるとは。 性格からして内心予想はしてたけど、やっぱ大星さんってデートの経験とかないんだなぁ…。 別に今時、デートくらいでそこまで身構える事はないと思うんだけれど。 そもそも俺、恋人三人もいるし…大星さんが魅力的じゃないって訳じゃないが、そういう本気のデートは恋人たちとしたい。 京太郎「俺はただ二人で出かける事をデートって表現しただけで他意はねぇよ」 京太郎「そもそも目的は大星さんが暇をつぶせる場所を教える事だしな」 淡「…え?」 京太郎「幾ら俺に麻雀教えるようになったところで潰せるのは俺がホテルにいる時だけだろ?」 京太郎「基本、俺は迷宮探索とか色々あるし、この前みたいにここにいない事も多いしな」 京太郎「俺に教えてくれるのは嬉しいけど、それじゃあ大星さんの暇つぶしにはなりづらい訳で」 京太郎「それよりも俺としては色んなところを知ってほしいんだよ」 淡「……変質者」 京太郎「そこはせめて名前で呼んでくれよ、名前で」 もう大星さんの中で俺が変質者として固定されたのは分かったが、流石にこのタイミングでのそれはちょっと痛い。 俺としては今のは結構、キメ台詞だったつもりなのである。 それに対する返答が変質者呼ばわりだなんてナイーブな俺の心に傷がつく。 淡「アンタなんか変質者で十分よ、十分」 京太郎「ひでぇ…」 淡「でも、実際、否定出来る訳?」 淡「乙女の部屋に押し入って、今もこうして負い目に漬け込んでデートに誘ってるのに」 淡「ひ・て・い・出来る訳?」 京太郎「…出来ません」 淡「でしょ?」クスッ あーくそ…完全に勝ち誇った顔をしてやがる。 そういう自信満々な表情も良いと思うが、やっぱり男としては悔しい。 後で絶対に一矢報いてやる。 …まぁ、それが何時になるかは分からない訳だけれど。 淡「…まぁ、そんな変質者とのデートなんてお断りしたいところなんだけどね」 淡「で、でも、私は…あの…結構、優しくて、心も広い訳だし?」 淡「い、一回くらいは付き合ってあげても良いかなぁ…って…」モジ 京太郎「え?なんだって?」 淡「もう!絶対、聞こえてたでしょ!!」ウガー 京太郎「はは。何の事やら」 さっきの仕返しのチャンスが思いの外早く巡ってきた、何て俺はまったく思ってませんよ。 えぇ、俺は淡ちゃん様に比べればまだまだ矮小ではございますが、心も広い方でございますので。 そのような邪な目論見はまったくありません。 ただ、変質者としての義務を果たしているだけだ。 淡「ぅー…!とにかく、明日ね!」 京太郎「え?」 淡「デート!!」 淡「…するんでしょ?」 京太郎「…そうだな」 …まったく。 そんな風に不安そうに言われたらコレ以上意地悪なんて出来ないじゃないか。 こういう風に自信満々な顔から迷子の子どもみたいな顔に一瞬で変わるところはずるいよなぁ…。 調子に乗ると分かっていてもついつい許してしまう。 淡「じゃあ、10時に入り口のエントランスに集合ね!」 淡「遅れたら絶対、承知しないから!」 京太郎「お、おう」 そう言って大星さんは俺に背を向けて走りだす。 その耳が微かに赤くなっているのは気恥ずかしさの所為だろう。 なんだかんだ言って大星さんも俺とのデートを楽しみにしてくれているんだ。 そう思うとなんとなく胸がこそばゆくなるが、まぁ、悪い気分じゃない。 京太郎「(…帰ったらデートプラン立てないとなぁ)」 正直、俺もこの辺りの事はあまり詳しい訳じゃない。 デートプランを一日で立てるのは中々に難しいだろう。 だけど、あんな大星さんの姿を見て、適当にプランを考える事なんか出来ない。 難しいかもしれないが、精一杯デートコースを考えてやろう。 そう思いながら俺は部屋へと帰り… ―― ―― 翌日、盛大に寝坊してきた大星さんに一時間も待ちぼうけを食らったのだった。 System 大星淡の好感度が30になりました → <<アンタとのデートなんて全然楽しくなかったんだからね!!>> 智葉「…京太郎」ダキッ 京太郎「んー」ギュー 最近の智葉は甘えん坊だ。 いや、元から二人っきりの時は比較的アマアマだったけれども。 最近はこうして俺の名前を呼びながら唐突に抱きついてくる事が多い。 そこには普段の格好良い智葉の面影も何もなく、ただただ、俺に甘えようとする子猫のような媚があるだけだ。 京太郎「(そんな智葉を見て、果たして我慢できるだろうか)」 いや、そんな事あろうはずがない。 迷宮では誰よりも頼りになる彼女が俺に対して身も心も預けるように甘えてくるのだから。 男としては全力でそれに答えてあげたくなるのが当然である。 寧ろ、ここで智葉の気持ちに答えないだなんて男として失格だとそう言っても良い。 智葉「…ここも大分、狭くなったな」 京太郎「そうだなぁ…」 ダブルへと移った時はその広さに感動したもんだけどなぁ。 今はそこに美穂子の荷物や憧の荷物も入っているので大分、狭くなっている。 そもそも元が広いし、基本的に四人固まって生活しているから困るって事はないのだけれど。 でも、もう一人くらい増えたら別の部屋に移った方が良いのかもしれない。 智葉「…まぁ、これからも狭くなるんだろうが」 京太郎「い、いや、流石にそれほど節操無く手を出すつもりはないぞ…?」 智葉「それは先日、大星とデートしてきた男のセリフとは思えないがな」ジトー 京太郎「アレはデートって言うか周辺施設の案内みたいなもんだったし…」 智葉「…まぁ、私達もデートしても良いと認めた訳だし、とやかく言うつもりはないが」 智葉「それに…本当に何もなかったみたいだしな」 京太郎「そりゃそうだろ」 俺は大星さんに嫌われているというつもりはないが、それでもまだ彼女とは出会ったばかりだ。 未だに変質者と呼ばれる俺が彼女と何かあるなんて天地がひっくり返ってもあり得ない。 デートしたとは言っても、本当に周辺施設の説明や、今も稼働してるゲーセンの紹介なんかで終わったからなぁ。 何かある余地なんてまずなかったと言っても良い。 智葉「だが、それでも君がタラシである事への疑いは晴れていない」 京太郎「まぁ、美穂子や憧もこうしてハーレムに加えてる時点で否定しようはないけど…」 智葉「後は君の部長…竹井はもう堕とすつもりなんだろう?」 京太郎「…あー…そんなに分かりやすかったか?」 智葉「多分、美穂子は気づいていて、憧も薄々感づいている状態だと思うぞ」 京太郎「マジかぁ…」 智葉「まぁ、少し自慢すれば、一番最初に気づいたのは私だと思うがな」 智葉「私は君のパートナーで共犯者で…そして恋人なんだから」 京太郎「…ん」 そう言って俺の胸に顔を預ける智葉は本当に可愛らしい。 紅潮した頬に俺への信頼や愛情をこれでもかと浮かべ、見上げる顔には欲情を浮かばせている。 こんなにエロくて素晴らしい恋人がいるだけでも、きっとそいつは幸せ者だろう。 だが、俺には智葉だけじゃなく他の二人の恋人がいて、さらにもう一人をターゲットにしている。 そんな自分の欲深さに自己嫌悪する感情すら、胸の中にいる彼女の甘える表情に溶かされていった。 智葉「それに…ん…っ♪まぁ…戦略的に見ても竹井久の能力は有用だ」 智葉「彼女の能力を使えばあの竹林だって突破出来る」 智葉「撤退時の余力に関しても気にする事はないだろう」 智葉「…何より君が無理矢理とは言え、一度、抱いた女の事を忘れられるはずがないものな」 京太郎「まぁ、まだ未遂だけど…」 智葉「それでも君にとって大事な人なんだろう?」 京太郎「…あぁ」 俺にとって部長はただ一度抱いた女ってだけじゃない。 彼女は俺に夢を見させてくれたんだ。 ハンドボールを止めて、ダラダラと生きて来た俺に。 全国優勝という夢を見せて…そしてその夢に協力させてくれて。 最後にはその夢を実現してみせたのである。 レイプされたとは言え、そんな人が一人で迷宮にいるのはやはり放っておけない。 彼女がなんと言おうとも俺にとってもう部長は忘れられない相手なのだ。 無理矢理にでも引き込み、迷宮から連れ出す。 その決意はもう俺の中で固まっていた。 智葉「ホント、私達がそうなるようにしてきているとは言え…」 智葉「随分と独占欲が強く、自分勝手なオスになったものだな?」 京太郎「そういう俺は嫌いか?」 智葉「…嫌いなものか」 智葉「寧ろ…凄く子宮がキュンキュンしている…♥」 智葉「君のオスに私の中のメスが反応して…組み敷かれたいってそう思ってしまうんだ…♪」 智葉「ふふ…本当に罪深い身体だな…♪」 京太郎「…智葉」 智葉「んっ♪」チュッ きっと智葉はその言葉ほど自分の身体を嫌ってはいない。 彼女の声に浮かんでいるのは自己嫌悪よりも欲情の方がはるかに強いものなのだから。 しかし、それでも俺は智葉の唇に吸い寄せられるようにキスをする。 そんな智葉が大好きだとそう伝える為のバードキスに彼女は甘い声を漏らした。 智葉「…まぁ、私をこんな風にだらしない女にしたんだ」 智葉「君が負ける事なんてまずあり得ないだろう」 智葉「例え竹井がどれだけ気丈な女であったとしても…」 智葉「これを挿入れられた時点でノックアウトだな…♥」スリスリ 京太郎「ちょ…さ、智葉…」 智葉「ふふ。今は憧も美穂子もいないからな」 智葉「エッチなのはダメだぞ?」 京太郎「だ、だったらズボンの上から撫でるの止めて…」 智葉「最初は私一人だったのに、いつの間にかハーレムの人数が四人になるのが確定しているんだ」 智葉「これくらいの意地悪はさせろ…♥」 京太郎「さ、智葉ぁ…」 いや、勿論、俺だってズボンの上から撫でる程度の刺激で理性飛ばしたりはしませんけどね? だけど、ただでさえこう甘くてイチャイチャな時間を過ごしていると幸せなだけじゃなくて欲情も溜まってくる訳で。 割りと身体も頭もその気になってる状態でおあずけとか流石にちょっと酷すぎるんじゃないだろうか。 まぁ、俺が智葉にしている事よりははるかにマシだろうけど…くぅ…生殺しが過ぎるぜ…。 智葉「…まぁ、君がちゃんとした誠意を見せるならば考えないでもないが」 京太郎「誠意?」 智葉「その…私達も出会ってそろそろ長いだろう?」 智葉「だから…えっと、そろそろ関係をな、ちゃんとしたものに固定するべきだと思うんだ」 智葉「勿論、私は君の複数いる恋人の中の人だと言う事は理解しているし、不満もない」 智葉「ただ…そういった言葉で確認するしかない関係よりも…ちゃんとした証が欲しいと言うか…」 智葉「目に見える…ものが私は欲しい」 京太郎「…智葉」 ポソポソと恥ずかしげに漏らす智葉の告白。 何処か遠回しなそれは普段の彼女らしくはない。 智葉は欲しいものがあれば、俺に対してはっきりと~が欲しいとそういうタイプなのだから。 遠慮や我慢はすることはあれど、その言葉を濁した事は滅多にない。 それでもこうやって言葉を濁しているのは、それが何であるか、俺に気づいて欲しいからだろう。 そんな彼女の言葉に俺は…… ―― 京太郎「(…ここは指輪だよな)」 最近、俺と智葉の性的な力関係は逆転しつつあるが、だからと言ってここで首輪というチョイスはない。 一瞬、子どもかと思ったが、日頃から膣内射精しっぱなしだし…なおかつ、責任感のある智葉がいまだ迷宮攻略が済んでいない状態で欲しいと言いだすとは思えなかった。 となれば、ここは見かけだけであっても婚姻状態にある事が分かる指輪だろう。 京太郎「給料三ヶ月分か。中々難しいな」 智葉「ふふ。何もそういうベタなものを期待している訳じゃない」 智葉「それに君は給料どころか定職にもついていないフリーター状態だろう?」 京太郎「その上、国家予算を遥か超える借金持ちでハーレム願望持ちの浮気症だな」 智葉「考えれば考えるほど優良物件とは程遠い男だな、君は」クスッ 京太郎「じゃあ離れるか?」 智葉「残念ながら私はもう君の手管に狂わされてしまったからな」 智葉「どれだけ君がダメな男でも今更、離れられないさ」 智葉「地獄の底まで一蓮托生だとも」 京太郎「ありがとうな」ナデ …まぁ、こうして改めて自分の条件を列挙すると酷いもんだな。 昔の価値観ならば絶対に俺なんか近づいちゃいけない類の男だっただろう。 だが、そんな俺を智葉は受け入れ、好きだとそう言ってくれている。 …そんな彼女にお礼はしないとな。 智葉「まぁ、何も高いものを買ってくれ、と言っている訳じゃない」 智葉「そこらの露店で売っているような安物で良いんだ」 智葉「どんな形であっても…それが君から贈られた指輪であれば…」 智葉「私はきっとなんでも喜ぶ事が出来るから」ニコ 京太郎「…まったく」 京太郎「そんな事言われたら男として立つ瀬がないだろ?」 智葉「じゃあ、代わりに私の健気さに涙しながら喜べば良いと思うぞ」クスッ 一応、俺も大星さん達のように政府から生活費は支給されているがその金額というのはそれほど多いものじゃない。 普通に生活している分には問題ないが高価なアクセサリーともなれば手がでない微妙な額。 元々、プレゼントの金額によって自身への愛情を量るような女性ではないが、露店で売っているものでも良いは流石に遠慮しているのだろう。 割りと夢見がちなところのある智葉が、恋人から最初に贈られるプレゼントに期待していない訳がないんだから。 京太郎「…そうだな。じゃあ、その健気さに甘えるようで悪いんだけど…」 智葉「ん?」 京太郎「…プレゼント、もうちょっと待ってくれるか?」 智葉「構わないが…」 そんな智葉に対して露店で売っているような安物を贈るのは俺のプライドが許さなかった。 勿論、最高級の指輪を贈るなんて不可能だが、俺の手持ちの予算で最高のプレゼントをしたい。 その為には色々と調べたりする必要があって、今すぐには無理だ。 迷宮探索の件もあるし、もう少し時間は掛かる。 けれど…そうして苦労した分、きっと智葉は喜んでくれるはず。 ―― そんな智葉の表情を想像しながら、俺は憧と美穂子が帰ってくるまでの間、智葉とイチャつき続けたのだった。 System 辻垣内智葉の好感度が90になりました → <<君のプレゼント、楽しみにしているよ♥>> おや…辻垣内智葉の様子が… 塞「あ、須賀君」 京太郎「え?」 翌日、調べ物があってロビーへと降りてきた俺に臼沢さんが近寄ってきた。 トテトテと歩くその手には何やら資料の束を持っている。 …表紙に丸秘を赤く書かれているそれをこんなに軽く人に見せていいのか疑問だけれど。 塞「丁度、良いところに来てくれたね」 京太郎「どうかしたんですか?」 塞「うん。今、政府の人から連絡があって、新商品が出来たって」 京太郎「新商品ですか?」 塞「これが詳細、まぁ、軽く読んでみてよ、すっごいんだから」ニマー 京太郎「は、はぁ…」 …経験上、こういう表情をする時の臼沢さんはあまりよろしくはない。 いや、決して何かをされるって訳じゃないんだが、すげぇ絡まれる事が多いのだ。 まるで一度絡みついたら中々に離さないタコのようなそれに色々と恥ずかしい事を言わされる事もあったりして。 だからこそ、俺は今、この場から全力で逃げたかったが、しかし、流石にそれは臼沢さんに失礼過ぎる。 そう思いながら俺は俺は資料を受け取り、その表紙を軽くめくった。 System 思った以上に好感度の伸びが悪いので新商品加入です 媚薬ケーキ  魔力供給出来るようになったパートナー一人の好感度を10上昇させる 5000円 媚薬クッキー 魔力供給出来る様になったパートナー一人の好感度を5上昇させる   3000円 共に今回の拠点準備安価から購入可能です そのまま拠点準備安価から使用する事もコミュ時に使用するパートナーを指定する事も可能です 京太郎「…なんだか色々と凄い事が書いてあったような気がしますが」 塞「結局のところ、最高級の素材をふんだんに使った超すっごい媚薬だよねー」ケラケラ 京太郎「こんなものを丸秘指定する政府とは一体…」 塞「まァ、そんなものを真剣に開発してるってバレたら恥ずかしいっていうのもあるんじゃない?」 京太郎「それならまだ良いんですが、それだけじゃない気がします…」 そもそも今の時代は基本的にセックスを最上位に置いた価値観が基本だからなぁ。 こういうのを開発しているとバレたところで政府としては何も怖くないし痛くないだろう。 寧ろ、これだけ凄い効果がある媚薬ともなれば、こぞって魔物が買おうとするはずだ。 どっちかと言えば、その所為で起こるかもしれない混乱とかを懸念しているような気がする。 塞「とは言え、君たちの仲を深めるには色々と有効でしょ」 京太郎「高くて中々、手が出ないですけどねー…」 塞「その分、効果は保証されてるし、性活のお供として最適なんだから全財産叩いて買い溜めしちゃいなよ」 京太郎「無理ですよ…色々買うものあるんですから」 塞「はは。だよね」 塞「まァ、こういうのもあるって事で、これからハーレムも増えるだろうし有効活用していってよ」 京太郎「…い、いや、まだ増えると決まった訳じゃ…」 塞「智葉がまだまだ増えそうだってこの前、私に愚痴ってたけど?」 京太郎「…ゴメンナサイ」 い、いや、でも、俺だって好きで増やそうとしてる訳じゃなくってですね? 一応、色々と仕方のない理由というか事情があるというべきか…まぁ、俺も役得だと思ってるんですけど! でも、節操無く増やそうとかそういうきもちはないんだよ、マジで!! 俺自身、なんでこんなにモテてるのか、まったく分からなくて時々、怖いくらいだからな!! 塞「ホント、須賀君はお盛んだねー」ケラケラ 塞「あ、そんな須賀君の為にちょっと部屋整理して壁ぶちぬいたから」 京太郎「え?」 塞「とりあえず7人くらいだったら問題なく一部屋で生活出来るようになると思うよ」 京太郎「嬉しいですけど、素直に喜べない心遣い…!!」 塞「ふふ。まァ今のペースだと七人部屋でもすぐ埋まっちゃいそうだけどねー?」 京太郎「出来るだけ埋めないように努力します…」 まぁ、俺が幾ら努力しようが、欲望には勝てないんですが。 俺はどうしてもこう流されやすい傾向にあるから何とかしなきゃいけないとは思ってるんだけどなぁ…。 でも、一旦欲しいとかそう思ってしまうと獣性に火がついて止まれなくなって…。 昨日もそれで智葉の事気絶するまで責め立てちゃったしなぁ…。 塞「っと呼び止めてごめんね」 塞「じゃァ、私は仕事に戻るから」 京太郎「あ、その前に一つ良いですか」 そんな智葉の為に調べ物をするために降りてきたつもりだったが…。 丁度良い、こうして臼沢さんも話しかけてきてくれた訳だし、ちょっと彼女にも聞いてみよう。 少なくとも臼沢さんは俺よりもこの周辺の事に詳しい訳だし、聞いておいて損はないはず。 塞「ん?なーに?」 京太郎「この辺に指輪作れる場所とかないですかね?」 迷宮前準備のコーナー <<所持アイテム>> きずぐすり 7/9   一体のHPを20回復する   売価150円 いいきずぐすり 4/6 一体のHPを50回復する  売価350円 すごいきずぐすり 2/4 一体のHPを200回復する 売価600円 どくけし 7/9  一体のどく・もうどくを治療する  売価50円 まひなおし 3/9 一体のまひを治療する 売価50円 やけどなおし 1/9 一体のやけどを治療する 売価50円 おいしいみず 5/5 一体のHPを50回復する※戦闘中使用不可 売価50円 ※やけどなおしは売却すると次回から購入出来るようになります <<販売アイテム>> きずぐすり@3  300円    一体のHPを20回復する  現在7/9 いいきずぐすり@2 700円  一体のHPを50回復する   現在4/6 すごいきずぐすり@2 1200円 一体のHPを200回復する  現在0/4 どくけし@3    100円    一体のどく・もうどくを治療する現在7/9 まひなおし@3 100円     一体のまひを治療する  現在3/9 おいしいみず@2  100円  一体のHPを50回復する※戦闘中使用不可 現在3/5 オッカの実@1 20円 効果抜群のほのお技を一度だけ半減する ウタンの実@1 20円 効果抜群のエスパー技を一度だけ半減する 媚薬ケーキ@1 5000円 魔力供給出来るようになったパートナー一人の好感度を10上昇させる 媚薬クッキー@1 3000円 魔力供給出来るようになったパートナー一人の好感度を5上昇させる <<開発可能アイテム>> がくしゅうそうちver2 → ver3 がくしゅうそうちの対象に選べるパートナーが増えます(要15000円)※こそっと増加量軽減 半減実 → 別属性を半減する実を開発し、販売可能にする事が出来ます(要5000円) ボロの釣り竿 → 良い釣り竿 釣りマスの時のコンマ判定を末尾1/2から末尾に変える 現在の所持金25930円 System やけどなおしを売却し50円を手に入れた すごいきずぐすり二個(2400円)、オッカの実(20円)、ウタンの実(20円)、媚薬ケーキ(5000円)を購入した かくとうを半減するヨプの実を開発し、試作品として一個貰った(5000円) 10000円使って釣り竿を改良した 現在の所持金は3540円です 現在のハートのウロコは10個あるので合計消費10までのスキルを覚える事が出来ます(複数のわざ選択可能) また今回の迷宮でのメインパートナーの指定と媚薬ケーキの使用対象者などあれば同時にお願いします 名前  辻垣内智葉 Lv   36 種族  デュラハン タイプ あく/はがね 特性1 せいしんりょく(相手の攻撃で怯まない) 特性2 めいこうのやいば(武器を使った攻撃の威力が1.2倍になる) 装備 オッカの実(こうかばつぐんのほのお技を受けた時、一度だけ半減する) HP240/240 MP40/40  こうげき100 ぼうぎょ80 とくこう45 とくぼう50 すばやさ80 きりさく 消費2 ノーマル 物理 威力70/100 敵一体をより深く切り裂いて攻撃する 急所に当たりやすい(30%) だましうち 消費3 物理 威力60 てきをゆだんさせて近づき絶対に避けられない一撃を放つ メタルクロー 消費2 はがね 物理 威力50/命中95 攻撃が当たった時50%の確率で自分のこうげきを一段階あげる シザークロス 消費3 むし 物理 威力80/命中100 カマや ツメを ハサミのように 交差させながら 相手を 切り裂く 辻垣内智葉はストーンエッジを覚えたい… Lストーンエッジ 消費6 いわ 威力100/命中80 急所30% しかし、わざがいっぱいだ どれを忘れますか? 1…2…ポカン 辻垣内智葉はきりさくを忘れた そして… 新しくストーンエッジを覚えた ついでに発情したのでまた数日迷宮へ出発するのが延期になった…

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