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京太郎「さみぃなぁ…」 咲「寒いねぇ…」 京太郎「ついちょっと前まで暑いっつってたのになぁ…」 咲「そうだねぇ…」 京太郎「テレビとかでさ、今年の冬は例年より暖かいとかって言うじゃん」 咲「うん」 京太郎「確かにさ、10年前とかと比べると雪少なくなってきたなぁってなるけどさ」 咲「けど?」 京太郎「何にしろ今が寒いってのは変わんねえよなぁ」 咲「それもそうだね」 京太郎「しっかしほんと寒い…あー、今日の晩飯なんだろなぁ…」 咲「ウチは今日は簡単に鍋だけどね」 京太郎「マジで?いいなぁ…こんな日には最高に美味そうだ」 咲「しかもね」 京太郎「しかも?」 咲「ふぐちり鍋」 京太郎「ふぐちり!?」 咲「さらにね」 京太郎「さらに!?」 咲「とらふぐ」 京太郎「とらふぐぅ!?」 咲「その上ね」 京太郎「そ、その上…?」 咲「天然物」 京太郎「う、うわああああああ!!」 咲「お父さん、ボーナス出たからって奮発したんだって」 京太郎「マジか…やべーな…マジかぁ…」 咲「さすがにお野菜はスーパーのなんだけど…もうね、すごく楽しみなの」 京太郎「そら否が応にも盛り上がるわなぁ…この時期にとらふぐ様だろ?俺ん家じゃ早々手ぇ出せねーもん」 咲「龍門渕さんなら何度でも食べられるだろうけどね」 京太郎「いやぁどうだろ。むしろ逆に湯豆腐でほっこり暖まってそうなイメージあんだけど…こう、こたつとかでさ」 咲「あー」 京太郎「なんだろう、あの人のイメージって庶民密着型大金持ちなんだよな。カップ麺なんか聞いたことないって感じじゃなくて、金かけて究極に美味いカップ麺を研究しそうというか」 咲「人生を全力で楽しんでるよね、あの人」 京太郎「たまーにこっちに飛び火するのは勘弁してほしいけどな。こっちにってか和にか」 咲「まぁ、和ちゃんもああ見えて楽しそうだしいいんじゃないかな?」 京太郎「まぁそうか…っと、ここら辺でお別れか。んじゃまた明日な」 咲「うん、またね」 京太郎「明日天然とらふぐ様の感想、聞かせてくれよなー!」 咲「明日って言わずに今日食べ終わったら電話してあげようか?」 京太郎「それは勘弁。母さんの飯が楽しめんくならぁな」 咲「ふふっ、はいはい。じゃあ明日にね」 京太郎「おー」ヒラヒラ ――この日、それなりにお金持ちなお宅でも海鮮鍋であったためちらちらよぎって結局素直に楽しめなかったのは別なお話。 カンッ  

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