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ピンポーンッ 和「……はい、今開けます」 先ほどの夢の後……気落ちしたまま、私は突然のチャイムに反応して扉に向かいました。 郵便配達かなにかだろうと思っていましたが、扉を開けるとそこにいたのは……。 京太郎「へへっ……よっ、久し振り」 和「ーーーー」 そこにいたのは、高校卒業後に連絡を取っていなかった須賀君の姿でした。 彼はかつてと同じように、爽やかな笑顔を浮かべながら私を見ていました。 そして私はと言えば信じられない物を見ているかの様に、驚愕で目を見開いたまま静止していました。 京太郎「元気だったか?っていっても、テレビに出てる時はいつも見てたけどさ」 和「あ、あう……」 どうやら彼は私がテレビ出演している姿をいつも見てくれていた様です。 それに対して私は久し振りに会った彼にどう対応すれば良いのか分からず、変な声が出る始末……。 しかし、須賀君はそんな私の様子を理解しつつゆっくりと用件を伝えてくれました。 京太郎「さっき言った様に、テレビで和の様子は見てた……けどさ、最近見るからに元気ないみたいだったから……心配しちまってな」 和「えっ?」 私としてはいつも通りに振る舞えているつもりだったし、他の人からも特に言われる事が無かったため、大丈夫だと思っていたのですが……須賀君には分かってしまう様です。 京太郎「連絡するにはそっち忙しそうだし、俺もようやく仕事が軌道に乗って生活が落ち着いたから、顔だすなら今かなと……」 和「そう、でしたか……」 京太郎「それで、何か悩んでるんじゃないか?話せるなら話してみろよ、気が楽になるかもしれないぜ」 変わらない、彼の私への優しさと気遣い……それが今の私にはとても染み渡る様に暖かい……。 和「……須賀君は今の生活はどうですか?家族、とか……」 ですがそれに甘えるのには、私は躊躇しました。 彼程の人を周りの人間が放っておくわけないと思ったからです、きっと既に相手がいて私に入り込む隙間なんて無いだろうと。 しかし、私の質問に返ってきたのは意外な言葉でした。 京太郎「……ああ、いや……俺独身だから」 和「え、ええっ!?」 私は思わず大きな声を出してしまいました、防音で助かりました。 京太郎「そ、そんなに驚く事か?」 和「だ、だって須賀君……沢山の子に慕われていましたし、引く手あまただと思っていましたから、てっきり……」 そう言うと、彼は笑って言いました。 京太郎「俺、和一筋だからな」 私は内側から込み上げる何かを抑える事が出来ず、それが嗚咽となって口から漏れ、涙となって瞳から流れ出しました。 京太郎「ど、どうした!?何で泣くんだ!?」 自分の言葉で泣き出してしまった私の姿を見て動揺する須賀君に抱きついて、私は改めてこう言いました。 和「須賀君、私は異性として貴方の事が好きです!」 京太郎「ーーーーああ、俺もだ和!」 こうして、私は彼と結婚することになりました……知ってますか?女は、本当に自分を好きな人程惹かれていく生き物なんですよ? カンッ!

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