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京太郎「えっと……豚肉、パン粉、小麦粉、卵、牛乳、キャベツ……。ユキ、買い忘れたものはないかな?」 由暉子「ちょっと待ってください…メモに書いてたのはこれで全部ですね」 京太郎「よし…他に買いたいものとかないか?」 由暉子「いえ、私は何も…京太郎君はないんですか?」 京太郎「俺?俺は――――ユキがいれば何も要らないよ……なんて」 由暉子「もう、京太郎君は…」 スーパーの中で、人目も気にせずイチャイチャオーラを撒き散らしている京太郎と由暉子。 周りの男達の怒りと絶望に満ちた視線を浴びせられるが、二人は全く気にしていない。 京太郎の目には由暉子しか映っていないし、由暉子もまた、愛しい京太郎の姿しか映っていないのだから。 ここ最近お互いの両親が多忙で留守な為、京太郎と由暉子は夕飯の食材を買いに二人でスーパーに買い物に行っている。 爽や揺杏は後輩のユキに対して、親が留守で不安ではないかと心配していたが、当の由暉子本人はつかの間の新婚気分を味わえているから悪い気はしていなかった。 どうせ、あと数年したら京太郎を親に紹介して正真正銘の新婚夫婦になるんだから、その時のための予行演習みたいなものである。 京太郎の方も覚悟は出来ていると思うので問題はなかろうなのだ。 なんやかんやでレジで会計を済ませ、ふと京太郎が外を見たら、とても大きな入道雲が目前まで迫っていた。 それを見て京太郎は顔をしかめた。二人とも傘を持ってきてなかった上にスーパーから京太郎の家まで500m以上離れていたからだ。 京太郎「ユキ、こりゃ急いだ方が良さそうだぞ。見ろよあの雲……」 由暉子「確かに……って、もう降り始めてますよ京太郎君!」 由暉子の言う通り、窓ガラスにはポツリ、ポツリと雨粒が打ち付けられ始めていた。 京太郎「おいおい、マジか!まだ小降りだ、本降りになる前に急ぐぞ!!」 由暉子「は、はい!!」 京太郎と由暉子は買い物袋を持ったまま、慌ててスーパーを飛び出した。 当然、走っている最中にもしっかりとお互いの手を繋いだままだったが。 そんな相も変わらずお熱い二人に天の神様が嫉妬したのか、はたまた京太郎が由暉子の手の柔らかさと温もりに陶然としていたことに 天罰でも下したのか知らないが、走り始めて幾らも経たないうちに雨は急激に勢いを増し、二人に襲い掛かった。 由暉子「ダメです京太郎君、少し雨宿りしましょう!雨が強すぎて前が見えません…!」 京太郎「だな!あそこの軒下に避難するぞ!」 さすがの京太郎でも、バケツをひっくり返したような土砂降りには耐えられなかった。 近くにあった床屋の軒下に駆け込んだものの、Tシャツが肌について気持ちが悪い。 京太郎「うわ~、全く酷い目に遭ったぜ。ユキ、大丈夫…で…ごさる……でしょう…か…」 自分と同じようにずぶ濡れになったであろう由暉子を心配して、隣にいる彼女を見た瞬間。 あまりの出来事に京太郎の脳はショートし、全く意味不明な言葉が飛び出してしまった。 由暉子「…?どうかしたんですか京太郎君?」 固まった京太郎を見て怪訝な顔をする由暉子。 どうする?彼女に起きている"大変な事"を教えるべきか教えないべきか?京太郎は自問自答を繰り返す。 そして京太郎の出した答えは。 京太郎「い、いや何でもないぜ………」 由暉子「……?」 由暉子に背を向け、今の光景を必死に脳内から一掃しようと試みるというものであった。 京太郎(俺は見てない、見てないぞ!今日のユキは薄手で淡い水色のワンピースを着てたから、大雨によってユキの肌が透けて見えたりとか 反則的な形のよいすばらなおもちが白のブラの模様まで分かるようになってるとか 俺の顔を覗き込んだ拍子に、おもちの谷間が強調されたりなんかしてないんだ。 うん、そうだ。腕に感じる柔らかな感触と温もりも気のせいだ。きっとそうに違いないのだ!なんもかんも雨が悪い!) 彼女に軽蔑されたくないという一心で、煩悩をおさえて必死に由暉子から目を逸らして現実から逃れようとする京ちゃん。 たが、それが逆効果となってしまうのだ。 由暉子「京太郎君、京太郎君ってば・・・もう! 京 太 郎 君 ! どうかしたんですか?こっちをちゃんと見てください!」 少し怒った様子で由暉子は京太郎の腕に抱き着いて自分の方を向くように言ってきたのである。 京太郎「……!?」 雨に濡れている由暉子の胸を押し付けられた京太郎は、自身の体温がみるみるうちに高まっていくのを感じた。思春期の少年には犯罪的な感触と熱が、抱き着いている由暉子が動く度に腕に伝わってくる。 京太郎「なんでもない!なんでもないから腕を離してくれユキ!」 由暉子「離しません!京太郎君が私の方を向いてくれるまで絶対に離しませんからね!」 大雨の中で微笑ましい争いを繰り広げる少年と少女。結局、雨が小降りになるまでこの攻防を続ける羽目になった。 京太郎「はぁ~…」 漸く解放されて安堵の息を吐く京太郎。その姿を見た由暉子は京太郎の手を握り、指を絡ませた。 由暉子「二人共びしょ濡れになっちゃいましたね……帰ったら一緒にお風呂に入りませんか?」 京太郎「へっ?」 由暉子「さっきの続き……二人で温まりながら…ね?」 愛らしい笑みを浮かべながら京太郎を誘う由暉子。 その後、家に帰って何をしたのかは…二人だけの秘密である。 カンッ

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