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京太郎の家について、美穂子はため息をついた。 晴れの天気予報が見事にはずれ、傘を持っていなかった美穂子は濡れて帰る羽目になってしまったのだ。 さらに運の悪いことに、ここ連日ずっと雨だったので 洗濯物の乾きが悪い、というかまるで乾いていない状態だった。 美穂子(どうしよう……まだ乾いてないし……とりあえずお風呂は沸かしてるけど……) お風呂に入ろうにも、着替えが乾いてないのでお風呂から上がったときに困ってしまうし、 このままでは風邪をひいてしまう。どうしようもないので洗濯物が乾くのを待つしかなかった。 美穂子「……くしゅん!」 ガチャ 京太郎「ただい―――――ッ!」 美穂子「あ…おかえり、京太郎くん」 京太郎「み、美穂子さん…その服は!」 美穂子「ごめんね京太郎くん……替えの服、まだ乾いてなくて、今お風呂沸かしてるんだけど…」 京太郎「そ、そうじゃなくて!」 今日はさほど暑くはないのに、京太郎の顔は真っ赤になっていた。 美穂子「どうしたの京太郎くん、顔が真っ赤……くしゅん!」 京太郎「だ、大丈夫ですか?風邪ひいたら大変ですよ!」 美穂子「だ、大丈夫よ……くしゅん!」 口ではそう言うが、美穂子の濡れたYシャツは肌にはりつき、確実に彼女の体温を奪っている。 京太郎「お、俺のYシャツ着てて下さいよ、俺…ちょっと風呂の様子を見てきますから」 美穂子「え、でも…まだ」 京太郎「いいですから!お、俺も、その・・・目のやり場に困るんですよ!」 京太郎は自分のYシャツを机の上に置いて、すぐさまバスルームへ消えてしまった。 美穂子は少しの間、京太郎の言葉の意味がわからなかったが、自分の格好をあらためて見て、はっとする。 雨で濡れたYシャツの下にうっすらと、桃色の下着が透けて見えていた。 美穂子(み、見られちゃった……でも……私は…京太郎くんなら…) 顔がか~っと熱くなる。風邪とはどこか違うような、そんな熱さだった。 美穂子が顔を赤くして固まっていると京太郎が戻ってきた。 京太郎「だいぶ良い湯加減になってますよ。美穂子さんが先にお風呂に入って下さい」 美穂「で、でも京太郎くんだってびしょ濡れじゃない」 京太郎「俺は大丈夫ですよ…ックション!」 美穂子「ほら、大丈夫じゃな…ックシュ」 京太郎「…………」 美穂子「…………」 なんやかんやでどういう訳か美穂子と京太郎は一緒にお風呂に入る事になった。 お互いに背中合わせになって湯船に浸かる。 美穂子(ああう……京太郎くんの背中が当たってる結構逞しい…じゃなくて!どうしてこんな事になったのかしら…) 京太郎「美穂子さん…」 美穂子「は、はい!?」 京太郎「俺、先にあがります」 美穂子「あ…う、うん。………あの、京太郎くん?」 京太郎「どうしました?」 美穂子「まだ十分に身体も暖まってないと思うから…もうちょっと一緒に入らない?」 京太郎「い!?いや!だ……大丈夫です!もう十分に暖まりましたから!」 京太郎は身体が暖まったのかそれとも恥ずかしさからか、耳まで真っ赤になりながら湯船から逃げる様に出る。 京太郎が風呂から出る足音を聞きながらも美穂子の頭の中に浮かぶのは、自分の背中に触れていた京太郎の逞しい背中。 美穂子「…京太郎くんのいくじなし」 不満そうな美穂子のつぶやきはただブクブクと泡になるだけだった。 京太郎が美穂子に対して素直になれるのはまだまだ先の事になりそうだ。 カンッ

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