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夫婦喧嘩してから仲直りまで・子供達が京ちゃんを独占していることに嫉妬して、パパは10年も前からママのなのーって嫉妬する咲ちゃん」(2015/10/15 (木) 16:04:08) の最新版変更点

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 「もう! 京ちゃんなんて知らない!」  「咲!」  須賀咲ちゃんです。  京ちゃんと喧嘩しました。私は悪くないもん。  喧嘩した内容は覚えてない。些細な話から始まって、些細な言い争いをして、それで喧嘩した気がする。  京ちゃんとはたまに喧嘩するけど、やっぱりムカムカする。  内容も覚えてないけど私は悪くないもん!  ……胸がキュッとする。  締め付けられるように痛い。  京ちゃんとはたまに喧嘩するんだけど、いつもこうなる。  離れても私に辛い思いをさせる京ちゃんなんてやだ。  本当に女心がわかってないんだから。  「ばか」  そんな時はいつもこうして毛布に包まる。  何もする気が起きなくて、家事もしないし、本を読む気すら起きない。  ……そういえば最近本を読んでなかったな。  昔は本の虫と言われるくらい読んでいたのに、子供が出来てから読書の比重が減った。  子供の世話と家事をしていたら自然と時間がなくなったのかな。  読もうと思っていたのに読んでいない本に手を伸ばす。  パラパラと何気なく開いたページは、今の私の心を抉った。  『幼馴染関係なんて簡単に崩れる。ずっと幼馴染でいることは出来ない。   進もうとしなければ進まない。どんな本でも幼馴染は大人になって別の人と------』  それは、辛くて読むのをやめてしまった本だった。  京ちゃんが告白してくれた時も、このことを言っていた気がする。  どんな本でもそうだ。  人の関係はお互い言葉にしないとわからない。  行き違いから関係が崩れる。昼ドラの浮気なんてそんなのばっかりだ。  行き違いで、有名な小説がある。  『賢者の贈り物』  貧しい夫妻が相手にクリスマスプレゼントを買おうとする。  妻は夫の大切にしている金の懐中時計を吊るす鎖を買うために、自慢の髪の毛を切って資金を手に入れる。  夫は妻の髪に通すための鼈甲の櫛を買うために、自慢の懐中時計を質に入れて資金を手に入れる。  この小説では結果的に暖かい結末に終わったけれども、そういかないことだってあるんだ。  ううん、夫婦の行き違いなんてそればっかり。……本の知識だけどね。  うん、人の気持ちなんて、言わなきゃわからないんだ。  「よし!」  布団に包まって足をバタバタさせている場合じゃない!  今日だってまだ家事が終わってないし、子供を放置して拗ねてる場合じゃない。  しょーがないから咲ちゃんからアプローチをかけてあげましょう!  そう思って居間に行くと、……なにあれ。  子供二人に包まれてショボンとしている京ちゃん。  子供もしっかり抱きついて、お父さんを慰めてあげているみたい。  あー、あの顔は後悔してる顔だ。嫁さんわかっちゃう。  ふふーん、それだけ反省してるなら、許してあげようかなー?  と、思うとまたギュッと子供を抱きしめる京ちゃん。  ……そういうことするんだ?  「え、咲?」  京ちゃんの意見なんて聞いてあげない。  無言で走って行って思いっきり抱きつく。  子供の上からしっかり抱きしめると、子供もびっくりしたみたい。  京ちゃんは私をしっかりと受け止めてくれる。  京ちゃんには目線を向けないで、子供に向かって話しかける。  「パパは10年も前からママのなの」  京ちゃんが私をギュッと抱きしめる。  「ごめん」  「ばか」  「これからは気をつける」  「ばーか」  「咲、愛してる」  「……ばか」  それは卑怯だ。でも  「私も」  許してあげちゃおうかな。カン! [[目次に戻る>京太郎「みやながけ」咲「京咲!」まとめ]]

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