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《言葉なんていらない》 今日は何の日? そう、私の誕生日。 だから朝一番で彼がやってくる。 ベルが鳴って扉を開けるとそこには満面の笑みを浮かべた可愛い年下の恋人。 「おはよう!」 「おはようございます」 そう挨拶して家の中に入ってくる。 そして手に持った白い箱をこちらに突き出してきた。 これは、いつだったか私が気になっていたケーキ屋さんのケーキだ。 まさか覚えていてくれたなんて…… 「それからこれも」 すっと手を伸ばし、手に持っていたものを髪へと取り付けられた。 鏡を見ると映っていたのはシンプルなヘアピン。 自分のスッとしたイメージにはぴったりなものだ。 「あんまり高いものは買えなかったので。それとデザインが多少違うものをいくつか」 そういって可愛くラッピングされた袋を照れくさそうに渡してくれた。 すごく嬉しい。 様子を見る限り結構時間をかけて選んでくれたみたいだ。 それが余計に私の心をくすぐる。 「ありがとう、京太郎」 「いえ。……理沙さん、誕生日おめでとうございます。これからも一緒にいましょう」  ―――大好きです 言葉なんていらない、十分に伝わってくるから。 それでも言葉にして、愛情を込めて言ってくれる彼が大好き――― カン!

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