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「う~ん…」 草木が眠る頃、月が尤も美しく輝く時間帯に京太郎が和室の机前で呻った。 京太郎は、月明かりのみを頼りに机の上の紙を覗き込む。 その紙を見て眉を少しひそめる、その後何度か筆で机を叩き呟いた。 「今月も赤字かな」 「………酷く悩んでると思ったら家計簿っすか」 ポツリと呟くと京太郎以外誰も居なかった筈の部屋にガックリと肩を落す桃子が姿を現した。 京太郎は突然現れた桃子を気にせず、頭をポリポリとかく。 桃子に関しては昔っからなので今更驚かない。 「いやいや…大事だぜ、家計簿」 「そうっすけど……家計簿で悩む忍者って」 「忍者は耐え忍ぶ者だぜ、ふふふ…今がまさに耐えるときだな」 「面白くないっす」 遠い目をしながら笑う京太郎に桃子は軽くため息をついた。 相変わらずウチの里は火の車だ。 京太郎と桃子が居る場所はとある山奥の里だ。 其処の里は外と隔離され忍者の育成及び運用をしている。 -りつべ里- 数年前まではりつべ里と言えば優秀な忍者集団と呼ばれるほどであった。 だが里の頭が亡くなった後は衰退していき、京太郎が後を継ぐ頃には最弱の分類になっていた。 忍者も桃子と京太郎含め数人のみ…しかも京太郎は忍者の才能が無くもっぱら書類整理をしている。 今でも里がなくなっていないのは、隣に居る桃子の御蔭だろう。 -東横桃子- 忍者なら誰でも知っている有名なくノ一だ。 誰も本当の姿を知らず、気づけば進入を許してしまう。 勝負も強く桃子を相手にして生き残った者は殆どいない。 さらには仕事を9割りの確立でこなすと評判もいい……その代わり敵も多いが。 「モモ様様だな!」 「急になんっすか」 「いや、モモが居なければこの里もなかったんだろうなと」 「そういうことっすか」 京太郎の言葉に桃子は理解を得たと頷く。 それと同時にどうでもいい事を相変わらず考えるものだとも思った。 別段桃子は、お礼を言ってほしくてやってるわけでは無い……いや褒美は欲しいが。 「しっかりとご褒美をくれれば別にいいっす」 「現金だな、でも忍者はそのぐらいじゃないとな」 桃子の素直な態度に京太郎はカラカラと笑った。 そして懐から少しばかりチャラチャラと金属音がする袋を取り出した。 京太郎は暫しの間、名残押しそうに見た後、ポンと桃子に渡す。 「任務ご苦労様、これは褒美な」 「………じーっす」 渡した袋を桃子は受取らず、じーとその袋を見つめた。 そんな桃子の態度に京太郎は足りなかったかと思い袋を地面に置くと机を漁る。 ここで渋って桃子に出て行かれたら里の経営が終わるからだ。 少々厳しいものがあるが今月色町に行かなければ大丈夫だろうと考えた。 「ほれ追加な」 「………じーっす」 「え…これでも足りないの?」 先ほどと同じような態度に京太郎は遂に冷や汗をかき始める。 流石にこれ以上渡すと色々と危ない、主に京太郎の生活がである。 「えーと…桃子さん、流石にこれ以上は…」 「あー…なんか勘違いしてるっすね」 「勘違い?」 貯めていたへそくりを出そうとしていると桃子がようやく声を出した。 桃子の言葉に京太郎は少しほっとし事情を聞く。 どうやらお金が欲しいわけではなさそうだ……逆に無茶をいいそうで怖い。 「私が欲しいのは京ちゃんさんっすね」 「あ~…そっちか、俺か……あっはっは」 桃子が京太郎に豊満な胸を押し当てると京太郎の腕の形にふわんと揺れぐにっと形を変えた。 それに少しばかり反応し京太郎は笑う。 暫しの間笑った後、京太郎は真面目な顔で桃子を見た。 綺麗に整えられた黒髪にパッチリとした眼で非常に可愛らしかった。 唇もプルンとみずみずしく綺麗だ。 「……京ちゃんさん」 「はぁ…俺の負けだ、朝まで相手してやる!」 「きゃーっす♪」 桃子を押し倒すと嬉しそうに声をあげた。 その後、本当に朝まで2人で楽しんだとさ。 カンッ

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