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「イヤッホーーー!!!」 「優希!待ってください」 「あわわわわ」 滑らかに整えられた雪の上を優希がもうスピードで駆けていく。 その後ろから和が綺麗なフォームで追いかける。 咲は……生まれたての小鹿のような足取りでふらふらだ。 「若いのぉ」 「先輩と1歳しか変わらないんですけど」 そんな3人娘を横目で見ながらまこは椅子に座りのんびりとお汁粉を啜る。 雰囲気のせいで合ってるなー京太郎は思った。 「あっ…あ、あまり動かないで!」 「俺にどうしろと」 「意外じゃったのぉー」 京太郎は久の言葉にため息をついてどうしようかと悩んだ。 現在京太郎の胸板の所には久がぎゅっと抱きつき震えている。 スキー板のせいで上手く立てないのだ。 京太郎にとって久とは完璧を描いたような人だ。 ハギヨシさんと比べるのはあれだが尊敬している一人である。 学生議会長に麻雀部の部長…試合の流れを考えるのも彼女だ。 よく自分達1年生の練習メニューも考えてくれるほどだ。 (何でも出来るイメージだったんだけどな) 「……どうやって歩けって言うのよ」 足を少しだけ踏み出し、少し滑るとすぐに慌てて京太郎へと抱きつく。 先ほどからその繰り返しで全く動けていない。 京太郎が手伝おうと手を差し出すと動くなと言われる。 動く事によってつかまる人が居なくなり不安になるのだろう。 (……中学時代の演劇思い出すな) あの時は寝坊したおかげで咲と仲良く木の役になったなと過去を思い出した。 「…簡単だと思ったのに」 「諦めたらどうじゃ」 「いやよ、折角来たのに滑りもせず帰るなんて楽しくないわ!」 久がまこの言葉に反応しプンプンと怒り両手を腰にあて楽しくないとアピールする。 その拍子に足が滑り久はあわあわとバランスを崩す。 慌ててまた京太郎に抱きついた。 (なんだろ…いつもは強気な部長が弱ってる姿…なんかぐっと来るな) 「………」 「………」 (こう…守ってあげたいって言うか傍に居てあげたくなる人だよな) そんな事を思いながら京太郎は必死な久を眺める。 所が久は何故か顔を湯気が出るぐらい顔を真っ赤にし俯く。 自分が考えているうちに何かあったのだろうかと不思議に思いながら辺りを見渡すとまこと目が合った。 まこの表情はなんだか呆れてるように見えた。 「…声」 「へ?」 「さっきから声でとるぞ」 「ふへ!?」 まこの言葉で今度は京太郎が顔を真っ赤にさせ慌てた。 「ちょっとっ…須賀君!?」 「しまった!?」 久にくっ付かれている状態の為、身動きが制限され京太郎は久共々転んでしまった。 京太郎はやっちまったなーと思いながら頭に乗っかっている雪を払いのけ立ち上がろうとすると 「まったく…須賀君が転ぶなんて」 「あー…すみません」 一緒に転んだ久と視線が合った。 久の顔は京太郎のすぐ近くで吐く息すらわかるぐらいだ。 ドキドキと鳴る胸を押さえるかのように京太郎は愛想笑いをした。 「しょうがないわね…これで許してあげるわ…んっ」 「あれ…?」 久の顔が近づき京太郎と重なる。 呆気にとられながら京太郎は自分の口へと手を伸ばした。 「ちなみに私初めてなんだけど…責任取ってくれるわよね?」 「……ははは、俺が取られたんですけどね~」 京太郎の顔を見て、久はしてやったりと笑い、立ち上がると綺麗な滑りで下へと降りていく。 「それじゃ咲達が心配だから追っかけるわね」 「あれ…え?」 「まぁー滑れるわな」 「……どこから何処までが演技だったんだ?」 久に思うように翻弄され京太郎は苦笑した。 いろいろ騙されたがこの胸に残るトキメキだけは本物だろうと思う。 京太郎は立ち上がると勢いよく久の後を追いかける。 「青春じゃのぉ~」 まこはのんびりとお汁粉を啜った。 カンッ
「イヤッホーーー!!!」 「優希!待ってください」 「あわわわわ」 滑らかに整えられた雪の上を優希がもうスピードで駆けていく。 その後ろから和が綺麗なフォームで追いかける。 咲は……生まれたての小鹿のような足取りでふらふらだ。 「若いのぉ」 「先輩と1歳しか変わらないんですけど」 そんな3人娘を横目で見ながらまこは椅子に座りのんびりとお汁粉を啜る。 雰囲気のせいで合ってるなー京太郎は思った。 「あっ…あ、あまり動かないで!」 「俺にどうしろと」 「意外じゃったのぉー」 京太郎は久の言葉にため息をついてどうしようかと悩んだ。 現在京太郎の胸板の所には久がぎゅっと抱きつき震えている。 スキー板のせいで上手く立てないのだ。 京太郎にとって久とは完璧を描いたような人だ。 ハギヨシさんと比べるのはあれだが尊敬している一人である。 学生議会長に麻雀部の部長…試合の流れを考えるのも彼女だ。 よく自分達1年生の練習メニューも考えてくれるほどだ。 (何でも出来るイメージだったんだけどな) 「……どうやって歩けって言うのよ」 足を少しだけ踏み出し、少し滑るとすぐに慌てて京太郎へと抱きつく。 先ほどからその繰り返しで全く動けていない。 京太郎が手伝おうと手を差し出すと動くなと言われる。 動く事によってつかまる人が居なくなり不安になるのだろう。 (……中学時代の演劇思い出すな) あの時は寝坊したおかげで咲と仲良く木の役になったなと過去を思い出した。 「…簡単だと思ったのに」 「諦めたらどうじゃ」 「いやよ、折角来たのに滑りもせず帰るなんて楽しくないわ!」 久がまこの言葉に反応しプンプンと怒り両手を腰にあて楽しくないとアピールする。 その拍子に足が滑り久はあわあわとバランスを崩す。 慌ててまた京太郎に抱きついた。 (なんだろ…いつもは強気な部長が弱ってる姿…なんかぐっと来るな) 「………」 「………」 (こう…守ってあげたいって言うか傍に居てあげたくなる人だよな) そんな事を思いながら京太郎は必死な久を眺める。 所が久は何故か顔を湯気が出るぐらい顔を真っ赤にし俯く。 自分が考えているうちに何かあったのだろうかと不思議に思いながら辺りを見渡すとまこと目が合った。 まこの表情はなんだか呆れてるように見えた。 「…声」 「へ?」 「さっきから声でとるぞ」 「ふへ!?」 まこの言葉で今度は京太郎が顔を真っ赤にさせ慌てた。 「ちょっとっ…須賀君!?」 「しまった!?」 久にくっ付かれている状態の為、身動きが制限され京太郎は久共々転んでしまった。 京太郎はやっちまったなーと思いながら頭に乗っかっている雪を払いのけ立ち上がろうとすると 「まったく…須賀君が転ぶなんて」 「あー…すみません」 一緒に転んだ久と視線が合った。 久の顔は京太郎のすぐ近くで吐く息すらわかるぐらいだ。 ドキドキと鳴る胸を押さえるかのように京太郎は愛想笑いをした。 「しょうがないわね…これで許してあげるわ…んっ」 「あれ…?」 久の顔が近づき京太郎と重なる。 呆気にとられながら京太郎は自分の口へと手を伸ばした。 「ちなみに私初めてなんだけど…責任取ってくれるわよね?」 「……ははは、俺が取られたんですけどね~」 京太郎の顔を見て、久はしてやったりと笑い、立ち上がると綺麗な滑りで下へと降りていく。 「それじゃ咲達が心配だから追っかけるわね」 「あれ…え?」 「まぁー滑れるわな」 「……どこから何処までが演技だったんだ?」 久に思うように翻弄され京太郎は苦笑した。 いろいろ騙されたがこの胸に残るトキメキだけは本物だろうと思う。 京太郎は立ち上がると勢いよく久の後を追いかける。 「青春じゃのぉ~」 まこはのんびりとお汁粉を啜った。 カンッ おまけ-本当に滑れなかったら- 「なんで美穂子までこっち来るのよ」 「ひ、久を助けようと…」 「……滑れないのに着たのかこの人」 現在京太郎の体に久と美穂子が抱きついている。 元は久が抱きついていたのだが滑れない久を心配し美穂子がやって来た。 そこまではよかったのだが…蓋を開ければ美穂子も滑れなかったのだ。 「さてどうしようか…」 「もうちょっとそっちいけない?」 「流石にこれ以上は…あわわわ」 「あったか~い」 久と美穂子が押し合いをしていると何やら後ろから誰かに抱きつかれた。 京太郎は嫌な予感がしてそーと後ろを見てみる。 もこもこのスキーウェアを着ていつものマフラーをつけている人が居る。 寒がりの松実宥がいた。 「なんで!?」 「お姉ちゃんのことお任せするのですだ!」 京太郎の叫びに宥を連れてきた張本人が素敵な笑顔で滑っていく。 連れてくるなら最後まで面倒みろよと思いながら嘆いた。 「どうしよう…」 「どないしような」 「………」 「………」 「お邪魔すんでー」 「増えたぁぁぁぁぁー!!!!」 京太郎の横に青ざめた怜がぐったりと抱き付いていた。 「動けないわね~」 「動けないですね」 「あったか~い」 「あかん…体が動かん」 「ヘルプ!ヘルプ!」 京太郎が必死に4人を支えるが限界がやってくる。 腕と腰がやばい…このままでは皆で倒れてしまう。 京太郎が必死に助けを呼ぶとそれが聞こえたのか人がやってきた。 「京ちゃん!」 「助けに来たよ!」 「おぉ~…誰が知らないけどありが……と……?」 「お姉ちゃんにお任せ!」フンス 「わ、私もや、役に」 京太郎が視線を向けると其処には照と咲が居た。 この時京太郎は思った…あ…俺今日滑れないわ…と 更にカンッ

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