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「h4-25b」(2013/05/21 (火) 21:24:35) の最新版変更点
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※[[第二部>h4-25a]]
怜外伝・第三部
~全国大会会場付近~
京太郎「はぁ…また買出しか」
京太郎(東京に来てまでこれだもんなあ)
京太郎(…)ウーン
京太郎(まあ、良く考えたら)
京太郎(交通費も宿泊費も余計にかかるのに連れてきてくれたんだから)
京太郎(仲間だって認めてくれてるってことだよな)
京太郎(出来る事は頑張ろう…)
ドンッ
???「あたっ」
京太郎「わっ」
京太郎「す、すみませんでした!お怪我ありませんか?」
???「あたた…気ぃつけぇ…」
???「って、もしかして京ちゃん?」
京太郎「えっ?」
京太郎「あれ、せーちゃん?」
セーラ「おー!やっぱり京ちゃんや!」
京太郎「すっげー!偶然だなー!」
ガシッ ←肩組んだ
セーラ「あはは!久しぶりやなー!」バンバン
京太郎「おう、元気だったかー?」
セーラ「元気も元気やで!」
---------
~ちょっと離れた所~
船Q「あ、あれ先輩ちゃう?」
泉「あ、本当ですね」
船Q「誰かと話してるね」
泉「なんか、すごいイケメンやないですか…?」
船Q「…」
泉「…」
コソコソ
---------
セーラ「京ちゃん東京の人やったん?」
京太郎「いやあ、長野だよ長野」
セーラ「長野?」ウーン
セーラ「…」ウーン
セーラ「ああ、九州やっけ!」ポンッ
京太郎「えっ、ひどくない?」
京太郎「九州じゃないって。つーか大阪から来たなら途中で通過しただろ?」
セーラ「あ、ああ、そうやったかな、通った通った!」←分かってない
京太郎(分かってんのかな…)
---------
セーラ「あれ、じゃあなんで東京におるん?」
京太郎「ああ、大会でね。今日はオフだけど」
セーラ「へー」
セーラ(運動出来そうやし、サッカーかなんかかな?)
京太郎「せーちゃんは?」
セーラ「オレも大会やで!」
京太郎「ほー」
京太郎(運動出来そうだし、サッカーかなんかかな?)
セーラ「あ、そうや、怜達も来とるんやで」
京太郎「おー、来てるのか!久しぶりに会いたいなあ」
京太郎(せーちゃんの応援かな?)
※エースです
---------
セーラ「会いに来ればええやん。怜も喜ぶで?」
京太郎「そうだな、元気になった姿も見たいし」
セーラ(完治したわけやないけどな…)
セーラ「んじゃ早速今から…」
京太郎「って、ああ!しまった!買い出し中だった!」
セーラ「え?」
京太郎「ちょっと今すぐは無理だ。せーちゃんケータイ貸して」
セーラ「あ、ああ、えーっと、どこやっけな…」ゴソゴソ
京太郎「あ、いいやいいや」メモメモ…ビッ
京太郎「これ俺の番号だから、後で連絡してくれ」
セーラ「お、おーきに…」
京太郎「じゃ、ちょっと急がないと…またなー!」タッタッタッタ
セーラ「せわしないなあ…」
---------
船Q「センパーイ」
セーラ「お?おー!」
船Q「ちょっと今の誰ですか?」
泉「まさか…先輩の彼氏…?」
セーラ「いやいや、ちゃうわ。弟分?的なアレや」ウンウン
セーラ「むしろ、怜にとっての白馬の王子様みたいな感じやな」
船Q「くわしく」
セーラ「とりあえず暑いしファミレスでも入らん?」
---------
~ファミレス~
セーラ「…ちゅーことがあってなー」
船Q「へぇーずっとおんぶしとったんですかー」
セーラ「うんうん」
船Q「それって、王子様ってより白馬のほうやないですか?」
セーラ「おまえ結構ひどいこと言うな…」
---------
泉「でも王子様かー。確かにかっこよかったですね~。東京のかたですか?」
セーラ「いや、えーっと…ナガ…ナガサキ?」
船Q「えっ、九州のかた?」
セーラ「ちゃうちゃう。ナガサキやなくて…ナガ…ナガ」
セーラ「うーん…(大阪よりは)ここに近いはずやねんけど」
船Q「ここに近い…って、もしかして永田町!?」
セーラ(ナガタ…そうや、確か3文字やったな)
セーラ(町の名前なんて知るわけ無いやん、まったく京ちゃんはー)
セーラ「そう、多分それや!」
船Q「政治家の息子さんとか!?」
セーラ「えっ」
泉「リアルに王子様かも知れんですねー…」ポーッ
セーラ(京ちゃんスゴイ子やったんか…)
---------
※ホテルに戻り、準々決勝ミーティングの集合時間のお話とかした後
セーラ「んじゃー風呂入ったらまたくるわ~」
竜華「はーい、待っとるでー」
セーラ「あ…そうや怜」
怜「んー?」
セーラ「ほい、これ」ピラッ
怜「ん?なんなん?電話番号?」
セーラ「後でここにかけてみ?」ニヤッ
怜「えっ、なんなの?」
セーラ「まーえーからえーから!ほなまたあとで~」ヒラヒラ
怜「えっ、ちょ」
バタン
---------
※そしてミーティングを経て夜
怜「はー、明日勝てるやろか…」
怜(こういう時は京ちゃんのハンカチを眺めるのが一番や…)ゴソゴソ
カサッ
怜(あ…さっきの電話番号…)
怜(ミーティングとかやってて、すっかり忘れとった…)
怜「はぁ…誰やねん」
怜「くだらないイタズラやったら承知せんよ?」ピッピッピ
prrrrr… prrrrr…
『はい、須賀です』
怜「」
『…』
怜「」
『…』
怜「」
『もしもし…?』
怜「あ…」
プツッ
怜「えっ…」
『』シーン
怜「えええええ」
怜「…」フリフリ
怜「…」ブンブン
『』シーン
怜「画面真っ暗…ケータイ壊れてもうた…」
怜「…」
---------
~サービスシーン~
竜華「ふんふ~ん♪」 ←また入浴中
ドンドンドンドン
竜華「ひぃっ!」ビクゥッ
「リューカー!」
ドンドンドンドン
「リューカー!タスケテー!」
竜華「わわわかったからちょっとまってー!」
---------
船Q「で、結局原因が分からず、うちが呼ばれたと…」
竜華「はい…」
怜「なんとかしてや…」
船Q「…」ウーン
船Q「今日充電しました?」
怜「えっ」
船Q「…」
カチッ
怜「あ、充電中になった…」
船Q「ただの電池切れですやん…」
怜「なんかごめん…」
船Q「…」
船Q「というか…」
船Q「電話するだけなら、清水谷先輩に借りるとか公衆電話とかありますやん…」
怜「あっ」
竜華「あっ」
船Q(これはひどい)
---------
船Q「清水谷先輩はともかく、園城寺先輩はいつも冷静ですのに、どないしたんですか?」
怜「ちょっと焦ってもうてな…」
竜華(あれ?さりげなく酷い事言われた?)
船Q「あれですか?例の『京ちゃん』ですか?」
怜「うん」コクコク
船Q「江口先輩から聞いた感じ、ええとこの坊ちゃんらしいですね」
竜華「えっ、そうなん?」
船Q「永田町住まいで、お父さんが政治家らしいですよ?」 ←完全に尾ひれ
怜・竜華(京ちゃんスゴイ子やったんか…)
船Q「乗馬とかも出来るかもしれませんね」
怜(京ちゃんと…白馬に二人乗りとか…///)ウフフ アハハ
船Q(園城寺先輩が…ニヤニヤしてる…やと…)
---------
船Q「じゃ、おやすみなさい」
バタン
怜「…」
竜華「…」
怜「さすがに今からかけるのはまずいやろか…」
竜華「もう夜中やしね…」
怜「…」ウッ
竜華「あ、明日試合終わってからかければええやん!」
怜「う、うん。そーする…」ショボーン
怜(明日は速攻で終わらせな…)
---------
※で、先鋒戦後
玄「」チーン
怜(阿知賀の子には悪いけど、読みやすい相手で助かったわ…)
---------
怜(さて、電話を…)ゴクリ
怜(充電も3つついとる)ドキドキ
怜(アンテナも3本たっとる)ドキドキ
怜(い、いくで)ピッピッピ
prrrrr… prrrrr…
---------
~京太郎サイド~
ヴィーン ヴィーン
京太郎(ん、昨日の番号だ)
京太郎(イタ電?じゃなかったのかな?)
京太郎(まあ、出てみるか)ピッ
京太郎「はい、もしもし?」
『あ、あの、怜でひゅ…ですけど』
京太郎(噛んだー!)
京太郎「って、怜かー!」
『あ、うん、昨日は急に電源切れてもうて、ごめんな』
京太郎「そっか、イタ電かと思ったよ」
『面目ない』
京太郎「そーいや、東京来てるんだろ?久しぶりに会わないか?」
『あ、も、もちろん!今すぐでもええで!』 ←良くない
京太郎「さ、さすがにすぐには無理だって」
京太郎「うーん、明日の夕方に○○駅とかでどうだ?」
『じゃ、じゃあそれで!』
京太郎「あ、そろそろ切らないと。んじゃ、せーちゃんたちにもよろしくなー」
『う、うん。明日楽しみにしとるで!』
京太郎(咲も誘ってみるかー)
---------
怜「竜華ぁー!で、デートに誘われてもうたー!」
※この温度差である
---------
~翌日夕方・○○駅~
怜「…」ソワソワ
怜(良く考えたらデートなんて初めてやん)ドキドキ
怜(あ、汗とかにおわんやろか?)クンクン
怜「…」ソワソワソワソワ
京太郎「お、怜ー!」
怜「あ、京ちゃん」モジモジ
京太郎(なんだこれちょっとカワイイ)
京太郎「早いなぁ」
怜「い、今来たとこやで」
京太郎「そっかそっか、それなら良かった」
怜「えへへ」
京太郎「あれ、せーちゃんとりゅーちゃんは?」
怜「えっ」
京太郎「えっ」
怜(何言うてんのこの子…)イラッ
怜「あ、ああ、用事あるて…」
京太郎「そっか、じゃあ二人か、咲も用事あるって」
怜「そうなん?残念やわー(棒)」ジトー
怜(咲ちゃんも空気読んどるのに、本当にこの子は…)イライラッ
---------
怜「…」ツーン
京太郎「と、怜なんか怒ってる?」アセアセ
怜「べっつにー…」
怜(しかし、なんかアピールせんと、この子はあかんやろな)
怜(アピール、うーん…)
怜(そ、そや、色仕掛けや)ピコーン
怜「京ちゃん、また前みたいに手つないでくれる?」
京太郎「ああ、オッケーオッケー」
怜「ほな、お言葉に甘えて」ギュ
京太郎「はいはい」
怜「…」ピトッ
京太郎「ん、ちょっとひっつきすぎじゃないか?」
怜「あててんのよ」
京太郎「ん、なにが?」
怜「」
京太郎「???」
怜「…」ギュー
京太郎「ど、どうした?急に強くしがみついて」
怜「…」ムギュー
京太郎「大丈夫か?もしかして苦しいのか?」
怜「…」
怜「いろんな意味で苦しいわ…」ガックリ
---------
京太郎「つらいならそこの日陰で待ってろよ。ちょっと飲み物買って来る」タッタッタ
怜「あ、そうやなくて…」
怜「って、行ってしもた」
怜「ふぅ」
怜(あんなぬるいアピールじゃあかんかなぁ)
「ラッシャーセー」
怜「ん?なんやろ?」
「マージャングッズアルヨー」
怜(ちょっと見てみよかな)
---------
露天商「お、嬢ちゃんどうだい?麻雀グッズだよっ!」
怜「へーいろいろあるんやなー」
露天商「じっくり見ていっておくれよ!」
怜「これは、点棒のキーホルダー?」カチャカチャ
露天商「おう、お目が高いね!実はこれ、ここをこうするとね…」
怜「ふむふむ…」
「トキー」
怜「あ、京ちゃん」
京太郎「大丈夫なのか?」
怜「うん、京ちゃんの早とちりやで」
露天商「お、彼氏さんの登場かい?」
京太郎「や、友達です」
怜「」ソクトウ…
露天商「そ、そうかい」
露天商(そこは嘘でも肯定しとけよ…)
---------
京太郎(怜が手に取ってるのは…)
京太郎「点棒の形のキーホルダー?」
怜「あ、うん…」
露天商「おうよ!千点だから千円だ!」
京太郎「百点のやつなら?」
露天商「千円だ!」
京太郎(変わらないじゃん…)
怜「…」ジー
京太郎「ん、怜はそれ気に入ったのか?」
怜「あ、いや」
京太郎「気に入ったなら、退院のお祝いに買ってやるよ」
怜「え、ほんまに?」
京太郎「まあ、今更かもしれないけど」
怜「ううん、そんなことない、嬉しいで!」
京太郎「じゃあ、これください」
露天商「まいど!」
怜「一生大事にするで」ニッコリ
---------
怜「♪」ニコニコ
京太郎「怜は麻雀出来るのか?」
怜「うん、まあそこそこ」
京太郎「今度教えてくれよ。俺まだ初心者でさ」
怜「教えられるほど上手くないよ。そういうのは竜華のほうがええかな」
怜「京ちゃんこそ、今度乗馬教えてや」ワクワク
京太郎「えっ、なにそれ?俺乗れないけど?」
怜「えっ」
京太郎「いくら長野の田舎者だからって、馬乗れるやつなんてそうそういないぞ?」ハハハ
怜「えっ」
怜「京ちゃん乗馬が趣味のセレブで、都内を一望できる高層マンションで一人暮らししてるんやないの?」
京太郎「そのような事実は無い」
怜「セーラがそう言ってたから…」 ←言ってない
京太郎(せーちゃんの勘違いもありそうだけどさ…)
京太郎(絶対尾ひれついてるだろそれ…!)
怜「でもかえって安心したわ、セレブとかって息苦しそうやし」
京太郎「だな、庶民が一番!」
京太郎「あ、そういやさっき買った飲み物」ホイ
怜「ありがとう」
怜「て、グレープフルーツか…。ごめん京ちゃん、私これ飲んだらあかんねん」
京太郎「えっ」
怜「食事制限で、ごめんな…」
京太郎「そうだったのか、先に聞いとくべきだったなぁ」
京太郎「どういうのなら飲める?」
怜「うーん…あっ」
怜「きょ、京ちゃんが今飲んでるやつとか…///」
京太郎「スポーツドリンクならオッケーか、じゃあ買っ」
怜「あっ、そ、それでええよ…?///」
京太郎「えっ、俺の飲みかけ?でも半分ぐらい飲んじゃったぞ?」
怜「私そんなにぎょーさん飲めんから、そのぐらいが丁度いいんよ」
京太郎「そうか、なら」ホイ
怜(やった!)
京太郎「しかし、食事制限ってのも大変そうだな」
怜「うん、好きなもの食えんのは少しきついかな」
京太郎「だよなぁ」
怜「まあ、余命宣告でもされたら、好きなもんぎょーさん食うたるわ」ハハハ
京太郎(あんま笑えんぞそれ…)
---------
京太郎「なんかこの公園カップル多いなあ」
怜「そ、そやね…///」
怜「京ちゃん、私達って他からどう見えるやろか?///」
京太郎(これはネタフリだな?)ピコーン
京太郎「うーん…」
京太郎「兄妹?」ニヤリ
怜「どういう意味やねん」ピョンコピョンコ
京太郎「…」
怜「…」ピョンコピョンコ
京太郎「…?」
怜「…」ピョンコピョンコ
京太郎「あっ…」
京太郎「…」シャガミ
怜「…」ポカ
京太郎「いてっ」
怜「はぁーはぁー」
京太郎「なんかごめん」
---------
京太郎「じゃーお姫様とボディーガードってのはどうだ?」ニヤリ
怜「えんだあああってアホか、そんなん…」
京太郎「…」シャガミ
怜(いや…ありか?)
京太郎「…」
怜(ええかも?出会いもそんなんやったし)
京太郎「…」
怜「って、京ちゃん、なにしとんの?」
京太郎「あれぇ…?」セッカク シャガンダノニ
---------
怜「少し疲れてもうた…」
京太郎「んじゃあ、そこのベンチでちょっと休むか」
怜「うん」
---------
怜「夏とはいえ、もう暗くなってきたなあ」
京太郎「そうだなあ」
怜「…」
京太郎「…」
怜「えい」コテン
京太郎「うおぅ」
怜「京ちゃんの膝枕、少し硬いなあ」
京太郎「いきなり頭乗っけてきてそれかい!」
怜「ふふっ、硬い枕も嫌いや無いで?」
京太郎「そりゃ、光栄でございますね…」
怜「…」
京太郎「…」
怜「もうこんな時間やなあ…」
京太郎「そうだなあ」
怜「そろそろ帰らんとなあ」
---------
~駅・改札~
怜「今日は逢えて良かった」
京太郎「ははは、なんか二人きりだったし、デートみたいになっちまったけどな」
怜「もー、京ちゃんはー」ピョンコピョンコ
京太郎「へへっ」シャガミ
怜「…」ジッ
京太郎「…」
怜「…」ジー
京太郎「?…なん」
チュッ
京太郎「!?」
怜「ふふっ」ニコッ
京太郎「と、怜…」ドキドキ
怜「私ははじめからデートのつもりやったよ?」
京太郎「えっ…?」
怜「これ」ピラッ
『トキが早く元気になりますように』
京太郎「あの時のハンカチ?」
怜「つらい時も、これ見たら勇気もらえた。頑張ってこれた」
怜「私強くなれた。それも全部京ちゃんのおかげや」ニコッ
京太郎「俺は何も…」
怜「ま、全部は言いすぎやけど、半分ぐらいはほんまにそう」
京太郎「…」
怜「ここで再会できたのも、きっと運命やと思うとる」
怜「京ちゃん。きっと京ちゃんは、はっきり言わんと分からんやろから、はっきり言うで」
怜「私、京ちゃんのこと好きやねん。友達としてでなく、恋愛の対象として」
京太郎「っ…」
怜「急にこんなこと言われても困るやろな」アハハ
怜「返事は…次逢うた時でええわ。腹決まったら、またデートに誘ってや」ニコッ
怜「ほな、またなー」ヒラヒラ
京太郎「…」ドキドキ
京太郎(怜…俺は…)
---------
~翌日・街中~
京太郎(はぁ…告白されたのなんて初めてで…さっぱり頭がついてこない)
京太郎(確かにずっと気になってはいたんだよな。それが恋かは分からないけど)
京太郎(怜…可愛いよなぁ…胸ないけど)
街頭モニター『江口セーラ選手の登場です』
京太郎(えっ、せーちゃん?)チラッ
京太郎(って、女装してるー!?)ガビーン
京太郎(大会って…麻雀だったのか?人員不足?)
京太郎(うーん…来年、部長が居なくなったら、俺も女装考えないと駄目かなあ…)
京太郎(やけに背が高い人もいたし、いけるかな…?)
京太郎(『京子でーすっ♪』)
京太郎(ないな…)
---------
京太郎(せめて福山潤さんぐらいに高い声が出せればなあ…)
ザワザワ
モブ男「そういや、この千里山の先鋒、試合後に倒れたらしいぜ」
モブ朗「へー、なんでまた?」
モブ男「なんか体力使い果たしたとかなんとか?」
モブ朗「先鋒って、園城寺怜だっけ?確かにひ弱そう…」
京太郎「今の話もっとくわしく教えてくれませんか?」ガッ
モブ朗「えっ…ちょ、ちょっと…///」ポッ
---------
京太郎「ありがとうございました!」
モブ朗「いえいえ…///」
京太郎「怜…そうだ、電話!」
ピッピッピ
prrrrr… prrrrr…
『もしもし』
京太郎「と、怜か?俺…」
『竜華やけど…京ちゃん?』
京太郎「りゅーちゃん?怜は!」
『倒れて病院直行やったから、ケータイ置きっぱなしになってもうてな』
京太郎「やっぱり倒れたのか…大丈夫なのか?」
『わからん…うちもついて行きたかったんやけどな』
『怜がつないでくれた試合、放り出したら怒られてまうしな…』
京太郎「そうか…」
『良かったら、京ちゃん行ってくれる?場所は…』
……
京太郎「怜、待ってろよ!」
---------
~病室~
怜(はぁ、ただの疲労やって言うたのに、色々検査されて面倒やったわ)
怜(とりあえず検査着からマイパジャマに着替えよか)ヌギヌギ
京太郎「トキィー!!」ガラッ
怜「」パサッ
京太郎「」
怜「…」
京太郎「…」
怜「…」
京太郎「…」
怜「…」
京太郎「…」ピシャッ
トントン
怜「着替え中ですー…」
---------
怜「…」
京太郎「…」
怜「見た…?」
京太郎「…」
怜「見たよね…?」
京太郎「い、いや…」
怜「目ぇ合ったもんね…?」
京太郎「はい、見ました…」
怜「…」
京太郎「…」
怜「もうお嫁に行けない…」ヒックヒック
京太郎「ぇぇぇ」ダラダラ
---------
怜「…」ヒックヒック
京太郎「と、怜」
怜「…」ヒックヒック
京太郎「昨日と今日、色々考えたんだけど」
京太郎「怜と居ると楽しくて」
京太郎「仕種とかも可愛くて、でも時折見せる大人びた表情は綺麗で」
京太郎「昨日、告白された時もすごくドキドキして」
京太郎「今日、倒れたって聞いた時も、居ても立っても居られなくて」
京太郎「だから、なんというか」
京太郎「俺で良ければ付き合ってください!」
怜「京ちゃん…」
怜「よろこんで」ニコッ
---------
京太郎「って、嘘泣きだったのかよ」
怜「えへへ…女の子は魔物やで」テヘペロッ♪
京太郎「はぁ…俺頑張ったよ」
怜「うん、私すごく嬉しいで」
京太郎「でもまあ、昨日の怜の方が頑張ってたしな」
怜「えへへ」
怜「まあ、こんなに早く再会して、返事もらえるとは思ってなかったけど」
怜「過労様々やな」アハハ
京太郎(あんま笑えんぞそれ…)
---------
怜「でも良かったわ。これでお嫁に行けるわ」
京太郎「えっ」
怜「えっ」
京太郎「ちょ、ちょっと気が早すぎないか?」
怜「ええ?もう子供の名前まで考えてあるんやで?」
京太郎「いや、それは流石に引くわ」
怜「でも京ちゃんのせいでお嫁に行けないんよ?」
京太郎「…」
怜「…」
京太郎「いくら無いからってブラくらいはつけるべきだと思う…」
怜「そりゃ、普段はつけとるわ!ただ、あの時は検査があったから…」
怜「って、失礼な事言わんかった?」ジト
---------
怜「お医者さん以外で、男の人に見られたの初めてなんよ?///」
京太郎「///」
怜「責任…取ってくれるんやろ?///」
京太郎「い、いや…だからそれは気が早いと言うか…」
怜「…」ジー
京太郎「つーかまだ結婚できる歳じゃないし?お互いを良く知ってからだな…」アタフタ
怜「そっか、遊びなんや…」フルフル
京太郎「えっ…」ダラダラ
怜「遊ぶだけ遊んで…捨てる気なんや…」ヒックヒック
京太郎「ちょ…違う!そんな気は!」
怜「…」ヒックヒック
京太郎「真剣に考えるから」
怜「…」ヒック
京太郎「…」
怜「じゃあ、お婿さんになってくれるん…?」
京太郎「お、大人になったらな…」
怜「わぁい!」
京太郎「ちくしょう、やっぱり嘘泣きか!」
---------
怜「そうそう、京ちゃん、これ」チャッ
京太郎「ん、昨日買ったキーホルダー?」
怜「うん、点棒のやつ。実はこれただのキーホルダーやないねん」
京太郎「ほうほう」
怜「ここを押すとな?」カチッ
『じゃあ、お婿さんになってくれるん…?』
『お、大人になったらな…』
京太郎「」
怜「なんと、思い出録音機能が」
京太郎「」
怜「おもちゃみたいなもんやし、一言二言しか録れんけどな」
京太郎「」
怜「ふふふ…ええの録れたわ」
京太郎「え…」
怜「一生大事にするで」ニッコリ
京太郎「えええええええ!」
「京ちゃん」
#image(http://www34.atwiki.jp/kyotaross/?cmd=upload&act=open&page=h4-25b&file=tokigaiden.jpg)
「リーチ!」
おわり
おまけ
※リーチの後、病室で雑談
京太郎「しかし、怜は俺のどこがそんなに気に入ったんだ?」
怜「まあ、まずあの出会いやな」
怜「あの時、実はすごい怖かったし、颯爽と現れたヒーローに見えたよ」
怜「いざ逃げ始めた時も、私体力ないし、足も前に進まんし」
怜「夢の中で逃げてる時みたいなフワフワした感じに思えて」
怜「でも、そこに悪い奴から姫を救い出す王子様が現れたんやで?」
怜「そんな少女漫画みたいな展開、キュンとくるやろフツー」
京太郎「そ、そんなもんかな?」
怜「端的に言うと吊り橋効果?」
京太郎「台無しだよ」
---------
怜「まあ、一目惚れに近い感じやったかなあ」
京太郎「そんなこともあるのかあ」
怜「あんた、それ否定したら電車男とかどないするん?」
京太郎「また懐かしいネタを」
怜「ま、なんにせよ、京ちゃんはナンパから助けてくれたんやから」
怜「ナンパ男やな」
京太郎「それだと俺がナンパしたみたいじゃないですか?」
---------
怜「まあ、その後も、一緒に行動しとるうちに」
怜「優しいところとか、面白いところとか見えてきて」
怜「ああ、気が合うし、ええなあって」
怜「ハンカチも駄目押しやったわ…あれ、すごく嬉しくて」
京太郎「そ、そうなのか?友達にもあれぐらいするだろ?」
怜「そうやって沢山の女を泣かせてきたんやね…」ジトッ
京太郎「ええ?いや、ないない。そんな物好きいないだろー」ハハハ
---------
咲「くしゅん!」
---------
優希「くしゅん!」
---------
衣「くしゅん!」
---------
照「くしゅん!」
---------
池田「くしゅん!」
---------
ハギヨシ「ふっ…」
---------
モブ朗「くしゅん!」
---------
怜「よっ、ナンパ男」ジトー ←何かを感じ取った
京太郎「だからそれは人聞きが悪すぎるからね…」
おわり
※[[最終部>h4-25c]]
※[[第二部>h4-25a]]
怜外伝・第三部
~全国大会会場付近~
京太郎「はぁ…また買出しか」
京太郎(東京に来てまでこれだもんなあ)
京太郎(…)ウーン
京太郎(まあ、良く考えたら)
京太郎(交通費も宿泊費も余計にかかるのに連れてきてくれたんだから)
京太郎(仲間だって認めてくれてるってことだよな)
京太郎(出来る事は頑張ろう…)
ドンッ
???「あたっ」
京太郎「わっ」
京太郎「す、すみませんでした!お怪我ありませんか?」
???「あたた…気ぃつけぇ…」
???「って、もしかして京ちゃん?」
京太郎「えっ?」
京太郎「あれ、せーちゃん?」
セーラ「おー!やっぱり京ちゃんや!」
京太郎「すっげー!偶然だなー!」
ガシッ ←肩組んだ
セーラ「あはは!久しぶりやなー!」バンバン
京太郎「おう、元気だったかー?」
セーラ「元気も元気やで!」
---------
~ちょっと離れた所~
船Q「あ、あれ先輩ちゃう?」
泉「あ、本当ですね」
船Q「誰かと話してるね」
泉「なんか、すごいイケメンやないですか…?」
船Q「…」
泉「…」
コソコソ
---------
セーラ「京ちゃん東京の人やったん?」
京太郎「いやあ、長野だよ長野」
セーラ「長野?」ウーン
セーラ「…」ウーン
セーラ「ああ、九州やっけ!」ポンッ
京太郎「えっ、ひどくない?」
京太郎「九州じゃないって。つーか大阪から来たなら途中で通過しただろ?」
セーラ「あ、ああ、そうやったかな、通った通った!」←分かってない
京太郎(分かってんのかな…)
---------
セーラ「あれ、じゃあなんで東京におるん?」
京太郎「ああ、大会でね。今日はオフだけど」
セーラ「へー」
セーラ(運動出来そうやし、サッカーかなんかかな?)
京太郎「せーちゃんは?」
セーラ「オレも大会やで!」
京太郎「ほー」
京太郎(運動出来そうだし、サッカーかなんかかな?)
セーラ「あ、そうや、怜達も来とるんやで」
京太郎「おー、来てるのか!久しぶりに会いたいなあ」
京太郎(せーちゃんの応援かな?)
※エースです
---------
セーラ「会いに来ればええやん。怜も喜ぶで?」
京太郎「そうだな、元気になった姿も見たいし」
セーラ(完治したわけやないけどな…)
セーラ「んじゃ早速今から…」
京太郎「って、ああ!しまった!買い出し中だった!」
セーラ「え?」
京太郎「ちょっと今すぐは無理だ。せーちゃんケータイ貸して」
セーラ「あ、ああ、えーっと、どこやっけな…」ゴソゴソ
京太郎「あ、いいやいいや」メモメモ…ビッ
京太郎「これ俺の番号だから、後で連絡してくれ」
セーラ「お、おーきに…」
京太郎「じゃ、ちょっと急がないと…またなー!」タッタッタッタ
セーラ「せわしないなあ…」
---------
船Q「センパーイ」
セーラ「お?おー!」
船Q「ちょっと今の誰ですか?」
泉「まさか…先輩の彼氏…?」
セーラ「いやいや、ちゃうわ。弟分?的なアレや」ウンウン
セーラ「むしろ、怜にとっての白馬の王子様みたいな感じやな」
船Q「くわしく」
セーラ「とりあえず暑いしファミレスでも入らん?」
---------
~ファミレス~
セーラ「…ちゅーことがあってなー」
船Q「へぇーずっとおんぶしとったんですかー」
セーラ「うんうん」
船Q「それって、王子様ってより白馬のほうやないですか?」
セーラ「おまえ結構ひどいこと言うな…」
---------
泉「でも王子様かー。確かにかっこよかったですね~。東京のかたですか?」
セーラ「いや、えーっと…ナガ…ナガサキ?」
船Q「えっ、九州のかた?」
セーラ「ちゃうちゃう。ナガサキやなくて…ナガ…ナガ」
セーラ「うーん…(大阪よりは)ここに近いはずやねんけど」
船Q「ここに近い…って、もしかして永田町!?」
セーラ(ナガタ…そうや、確か3文字やったな)
セーラ(町の名前なんて知るわけ無いやん、まったく京ちゃんはー)
セーラ「そう、多分それや!」
船Q「政治家の息子さんとか!?」
セーラ「えっ」
泉「リアルに王子様かも知れんですねー…」ポーッ
セーラ(京ちゃんスゴイ子やったんか…)
---------
※ホテルに戻り、準々決勝ミーティングの集合時間のお話とかした後
セーラ「んじゃー風呂入ったらまたくるわ~」
竜華「はーい、待っとるでー」
セーラ「あ…そうや怜」
怜「んー?」
セーラ「ほい、これ」ピラッ
怜「ん?なんなん?電話番号?」
セーラ「後でここにかけてみ?」ニヤッ
怜「えっ、なんなの?」
セーラ「まーえーからえーから!ほなまたあとで~」ヒラヒラ
怜「えっ、ちょ」
バタン
---------
※そしてミーティングを経て夜
怜「はー、明日勝てるやろか…」
怜(こういう時は京ちゃんのハンカチを眺めるのが一番や…)ゴソゴソ
カサッ
怜(あ…さっきの電話番号…)
怜(ミーティングとかやってて、すっかり忘れとった…)
怜「はぁ…誰やねん」
怜「くだらないイタズラやったら承知せんよ?」ピッピッピ
prrrrr… prrrrr…
『はい、須賀です』
怜「」
『…』
怜「」
『…』
怜「」
『もしもし…?』
怜「あ…」
プツッ
怜「えっ…」
『』シーン
怜「えええええ」
怜「…」フリフリ
怜「…」ブンブン
『』シーン
怜「画面真っ暗…ケータイ壊れてもうた…」
怜「…」
---------
~サービスシーン~
竜華「ふんふ~ん♪」 ←また入浴中
ドンドンドンドン
竜華「ひぃっ!」ビクゥッ
「リューカー!」
ドンドンドンドン
「リューカー!タスケテー!」
竜華「わわわかったからちょっとまってー!」
---------
船Q「で、結局原因が分からず、うちが呼ばれたと…」
竜華「はい…」
怜「なんとかしてや…」
船Q「…」ウーン
船Q「今日充電しました?」
怜「えっ」
船Q「…」
カチッ
怜「あ、充電中になった…」
船Q「ただの電池切れですやん…」
怜「なんかごめん…」
船Q「…」
船Q「というか…」
船Q「電話するだけなら、清水谷先輩に借りるとか公衆電話とかありますやん…」
怜「あっ」
竜華「あっ」
船Q(これはひどい)
---------
船Q「清水谷先輩はともかく、園城寺先輩はいつも冷静ですのに、どないしたんですか?」
怜「ちょっと焦ってもうてな…」
竜華(あれ?さりげなく酷い事言われた?)
船Q「あれですか?例の『京ちゃん』ですか?」
怜「うん」コクコク
船Q「江口先輩から聞いた感じ、ええとこの坊ちゃんらしいですね」
竜華「えっ、そうなん?」
船Q「永田町住まいで、お父さんが政治家らしいですよ?」 ←完全に尾ひれ
怜・竜華(京ちゃんスゴイ子やったんか…)
船Q「乗馬とかも出来るかもしれませんね」
怜(京ちゃんと…白馬に二人乗りとか…///)ウフフ アハハ
船Q(園城寺先輩が…ニヤニヤしてる…やと…)
---------
船Q「じゃ、おやすみなさい」
バタン
怜「…」
竜華「…」
怜「さすがに今からかけるのはまずいやろか…」
竜華「もう夜中やしね…」
怜「…」ウッ
竜華「あ、明日試合終わってからかければええやん!」
怜「う、うん。そーする…」ショボーン
怜(明日は速攻で終わらせな…)
---------
※で、先鋒戦後
玄「」チーン
怜(阿知賀の子には悪いけど、読みやすい相手で助かったわ…)
---------
怜(さて、電話を…)ゴクリ
怜(充電も3つついとる)ドキドキ
怜(アンテナも3本たっとる)ドキドキ
怜(い、いくで)ピッピッピ
prrrrr… prrrrr…
---------
~京太郎サイド~
ヴィーン ヴィーン
京太郎(ん、昨日の番号だ)
京太郎(イタ電?じゃなかったのかな?)
京太郎(まあ、出てみるか)ピッ
京太郎「はい、もしもし?」
『あ、あの、怜でひゅ…ですけど』
京太郎(噛んだー!)
京太郎「って、怜かー!」
『あ、うん、昨日は急に電源切れてもうて、ごめんな』
京太郎「そっか、イタ電かと思ったよ」
『面目ない』
京太郎「そーいや、東京来てるんだろ?久しぶりに会わないか?」
『あ、も、もちろん!今すぐでもええで!』 ←良くない
京太郎「さ、さすがにすぐには無理だって」
京太郎「うーん、明日の夕方に○○駅とかでどうだ?」
『じゃ、じゃあそれで!』
京太郎「あ、そろそろ切らないと。んじゃ、せーちゃんたちにもよろしくなー」
『う、うん。明日楽しみにしとるで!』
京太郎(咲も誘ってみるかー)
---------
怜「竜華ぁー!で、デートに誘われてもうたー!」
※この温度差である
---------
~翌日夕方・○○駅~
怜「…」ソワソワ
怜(良く考えたらデートなんて初めてやん)ドキドキ
怜(あ、汗とかにおわんやろか?)クンクン
怜「…」ソワソワソワソワ
京太郎「お、怜ー!」
怜「あ、京ちゃん」モジモジ
京太郎(なんだこれちょっとカワイイ)
京太郎「早いなぁ」
怜「い、今来たとこやで」
京太郎「そっかそっか、それなら良かった」
怜「えへへ」
京太郎「あれ、せーちゃんとりゅーちゃんは?」
怜「えっ」
京太郎「えっ」
怜(何言うてんのこの子…)イラッ
怜「あ、ああ、用事あるて…」
京太郎「そっか、じゃあ二人か、咲も用事あるって」
怜「そうなん?残念やわー(棒)」ジトー
怜(咲ちゃんも空気読んどるのに、本当にこの子は…)イライラッ
---------
怜「…」ツーン
京太郎「と、怜なんか怒ってる?」アセアセ
怜「べっつにー…」
怜(しかし、なんかアピールせんと、この子はあかんやろな)
怜(アピール、うーん…)
怜(そ、そや、色仕掛けや)ピコーン
怜「京ちゃん、また前みたいに手つないでくれる?」
京太郎「ああ、オッケーオッケー」
怜「ほな、お言葉に甘えて」ギュ
京太郎「はいはい」
怜「…」ピトッ
京太郎「ん、ちょっとひっつきすぎじゃないか?」
怜「あててんのよ」
京太郎「ん、なにが?」
怜「」
京太郎「???」
怜「…」ギュー
京太郎「ど、どうした?急に強くしがみついて」
怜「…」ムギュー
京太郎「大丈夫か?もしかして苦しいのか?」
怜「…」
怜「いろんな意味で苦しいわ…」ガックリ
---------
京太郎「つらいならそこの日陰で待ってろよ。ちょっと飲み物買って来る」タッタッタ
怜「あ、そうやなくて…」
怜「って、行ってしもた」
怜「ふぅ」
怜(あんなぬるいアピールじゃあかんかなぁ)
「ラッシャーセー」
怜「ん?なんやろ?」
「マージャングッズアルヨー」
怜(ちょっと見てみよかな)
---------
露天商「お、嬢ちゃんどうだい?麻雀グッズだよっ!」
怜「へーいろいろあるんやなー」
露天商「じっくり見ていっておくれよ!」
怜「これは、点棒のキーホルダー?」カチャカチャ
露天商「おう、お目が高いね!実はこれ、ここをこうするとね…」
怜「ふむふむ…」
「トキー」
怜「あ、京ちゃん」
京太郎「大丈夫なのか?」
怜「うん、京ちゃんの早とちりやで」
露天商「お、彼氏さんの登場かい?」
京太郎「や、友達です」
怜「」ソクトウ…
露天商「そ、そうかい」
露天商(そこは嘘でも肯定しとけよ…)
---------
京太郎(怜が手に取ってるのは…)
京太郎「点棒の形のキーホルダー?」
怜「あ、うん…」
露天商「おうよ!千点だから千円だ!」
京太郎「百点のやつなら?」
露天商「千円だ!」
京太郎(変わらないじゃん…)
怜「…」ジー
京太郎「ん、怜はそれ気に入ったのか?」
怜「あ、いや」
京太郎「気に入ったなら、退院のお祝いに買ってやるよ」
怜「え、ほんまに?」
京太郎「まあ、今更かもしれないけど」
怜「ううん、そんなことない、嬉しいで!」
京太郎「じゃあ、これください」
露天商「まいど!」
怜「一生大事にするで」ニッコリ
---------
怜「♪」ニコニコ
京太郎「怜は麻雀出来るのか?」
怜「うん、まあそこそこ」
京太郎「今度教えてくれよ。俺まだ初心者でさ」
怜「教えられるほど上手くないよ。そういうのは竜華のほうがええかな」
怜「京ちゃんこそ、今度乗馬教えてや」ワクワク
京太郎「えっ、なにそれ?俺乗れないけど?」
怜「えっ」
京太郎「いくら長野の田舎者だからって、馬乗れるやつなんてそうそういないぞ?」ハハハ
怜「えっ」
怜「京ちゃん乗馬が趣味のセレブで、都内を一望できる高層マンションで一人暮らししてるんやないの?」
京太郎「そのような事実は無い」
怜「セーラがそう言ってたから…」 ←言ってない
京太郎(せーちゃんの勘違いもありそうだけどさ…)
京太郎(絶対尾ひれついてるだろそれ…!)
怜「でもかえって安心したわ、セレブとかって息苦しそうやし」
京太郎「だな、庶民が一番!」
京太郎「あ、そういやさっき買った飲み物」ホイ
怜「ありがとう」
怜「て、グレープフルーツか…。ごめん京ちゃん、私これ飲んだらあかんねん」
京太郎「えっ」
怜「食事制限で、ごめんな…」
京太郎「そうだったのか、先に聞いとくべきだったなぁ」
京太郎「どういうのなら飲める?」
怜「うーん…あっ」
怜「きょ、京ちゃんが今飲んでるやつとか…///」
京太郎「スポーツドリンクならオッケーか、じゃあ買っ」
怜「あっ、そ、それでええよ…?///」
京太郎「えっ、俺の飲みかけ?でも半分ぐらい飲んじゃったぞ?」
怜「私そんなにぎょーさん飲めんから、そのぐらいが丁度いいんよ」
京太郎「そうか、なら」ホイ
怜(やった!)
京太郎「しかし、食事制限ってのも大変そうだな」
怜「うん、好きなもの食えんのは少しきついかな」
京太郎「だよなぁ」
怜「まあ、余命宣告でもされたら、好きなもんぎょーさん食うたるわ」ハハハ
京太郎(あんま笑えんぞそれ…)
---------
京太郎「なんかこの公園カップル多いなあ」
怜「そ、そやね…///」
怜「京ちゃん、私達って他からどう見えるやろか?///」
京太郎(これはネタフリだな?)ピコーン
京太郎「うーん…」
京太郎「兄妹?」ニヤリ
怜「どういう意味やねん」ピョンコピョンコ
京太郎「…」
怜「…」ピョンコピョンコ
京太郎「…?」
怜「…」ピョンコピョンコ
京太郎「あっ…」
京太郎「…」シャガミ
怜「…」ポカ
京太郎「いてっ」
怜「はぁーはぁー」
京太郎「なんかごめん」
---------
京太郎「じゃーお姫様とボディーガードってのはどうだ?」ニヤリ
怜「えんだあああってアホか、そんなん…」
京太郎「…」シャガミ
怜(いや…ありか?)
京太郎「…」
怜(ええかも?出会いもそんなんやったし)
京太郎「…」
怜「って、京ちゃん、なにしとんの?」
京太郎「あれぇ…?」セッカク シャガンダノニ
---------
怜「少し疲れてもうた…」
京太郎「んじゃあ、そこのベンチでちょっと休むか」
怜「うん」
---------
怜「夏とはいえ、もう暗くなってきたなあ」
京太郎「そうだなあ」
怜「…」
京太郎「…」
怜「えい」コテン
京太郎「うおぅ」
怜「京ちゃんの膝枕、少し硬いなあ」
京太郎「いきなり頭乗っけてきてそれかい!」
怜「ふふっ、硬い枕も嫌いや無いで?」
京太郎「そりゃ、光栄でございますね…」
怜「…」
京太郎「…」
怜「もうこんな時間やなあ…」
京太郎「そうだなあ」
怜「そろそろ帰らんとなあ」
---------
~駅・改札~
怜「今日は逢えて良かった」
京太郎「ははは、なんか二人きりだったし、デートみたいになっちまったけどな」
怜「もー、京ちゃんはー」ピョンコピョンコ
京太郎「へへっ」シャガミ
怜「…」ジッ
京太郎「…」
怜「…」ジー
京太郎「?…なん」
チュッ
京太郎「!?」
怜「ふふっ」ニコッ
京太郎「と、怜…」ドキドキ
怜「私ははじめからデートのつもりやったよ?」
京太郎「えっ…?」
怜「これ」ピラッ
『トキが早く元気になりますように』
京太郎「あの時のハンカチ?」
怜「つらい時も、これ見たら勇気もらえた。頑張ってこれた」
怜「私強くなれた。それも全部京ちゃんのおかげや」ニコッ
京太郎「俺は何も…」
怜「ま、全部は言いすぎやけど、半分ぐらいはほんまにそう」
京太郎「…」
怜「ここで再会できたのも、きっと運命やと思うとる」
怜「京ちゃん。きっと京ちゃんは、はっきり言わんと分からんやろから、はっきり言うで」
怜「私、京ちゃんのこと好きやねん。友達としてでなく、恋愛の対象として」
京太郎「っ…」
怜「急にこんなこと言われても困るやろな」アハハ
怜「返事は…次逢うた時でええわ。腹決まったら、またデートに誘ってや」ニコッ
怜「ほな、またなー」ヒラヒラ
京太郎「…」ドキドキ
京太郎(怜…俺は…)
---------
~翌日・街中~
京太郎(はぁ…告白されたのなんて初めてで…さっぱり頭がついてこない)
京太郎(確かにずっと気になってはいたんだよな。それが恋かは分からないけど)
京太郎(怜…可愛いよなぁ…胸ないけど)
街頭モニター『江口セーラ選手の登場です』
京太郎(えっ、せーちゃん?)チラッ
京太郎(って、女装してるー!?)ガビーン
京太郎(大会って…麻雀だったのか?人員不足?)
京太郎(うーん…来年、部長が居なくなったら、俺も女装考えないと駄目かなあ…)
京太郎(やけに背が高い人もいたし、いけるかな…?)
京太郎(『京子でーすっ♪』)
京太郎(ないな…)
---------
京太郎(せめて福山潤さんぐらいに高い声が出せればなあ…)
ザワザワ
モブ男「そういや、この千里山の先鋒、試合後に倒れたらしいぜ」
モブ朗「へー、なんでまた?」
モブ男「なんか体力使い果たしたとかなんとか?」
モブ朗「先鋒って、園城寺怜だっけ?確かにひ弱そう…」
京太郎「今の話もっとくわしく教えてくれませんか?」ガッ
モブ朗「えっ…ちょ、ちょっと…///」ポッ
---------
京太郎「ありがとうございました!」
モブ朗「いえいえ…///」
京太郎「怜…そうだ、電話!」
ピッピッピ
prrrrr… prrrrr…
『もしもし』
京太郎「と、怜か?俺…」
『竜華やけど…京ちゃん?』
京太郎「りゅーちゃん?怜は!」
『倒れて病院直行やったから、ケータイ置きっぱなしになってもうてな』
京太郎「やっぱり倒れたのか…大丈夫なのか?」
『わからん…うちもついて行きたかったんやけどな』
『怜がつないでくれた試合、放り出したら怒られてまうしな…』
京太郎「そうか…」
『良かったら、京ちゃん行ってくれる?場所は…』
……
京太郎「怜、待ってろよ!」
---------
~病室~
怜(はぁ、ただの疲労やって言うたのに、色々検査されて面倒やったわ)
怜(とりあえず検査着からマイパジャマに着替えよか)ヌギヌギ
京太郎「トキィー!!」ガラッ
怜「」パサッ
京太郎「」
怜「…」
京太郎「…」
怜「…」
京太郎「…」
怜「…」
京太郎「…」ピシャッ
トントン
怜「着替え中ですー…」
---------
怜「…」
京太郎「…」
怜「見た…?」
京太郎「…」
怜「見たよね…?」
京太郎「い、いや…」
怜「目ぇ合ったもんね…?」
京太郎「はい、見ました…」
怜「…」
京太郎「…」
怜「もうお嫁に行けない…」ヒックヒック
京太郎「ぇぇぇ」ダラダラ
---------
怜「…」ヒックヒック
京太郎「と、怜」
怜「…」ヒックヒック
京太郎「昨日と今日、色々考えたんだけど」
京太郎「怜と居ると楽しくて」
京太郎「仕種とかも可愛くて、でも時折見せる大人びた表情は綺麗で」
京太郎「昨日、告白された時もすごくドキドキして」
京太郎「今日、倒れたって聞いた時も、居ても立っても居られなくて」
京太郎「だから、なんというか」
京太郎「俺で良ければ付き合ってください!」
怜「京ちゃん…」
怜「よろこんで」ニコッ
---------
京太郎「って、嘘泣きだったのかよ」
怜「えへへ…女の子は魔物やで」テヘペロッ♪
京太郎「はぁ…俺頑張ったよ」
怜「うん、私すごく嬉しいで」
京太郎「でもまあ、昨日の怜の方が頑張ってたしな」
怜「えへへ」
怜「まあ、こんなに早く再会して、返事もらえるとは思ってなかったけど」
怜「過労様々やな」アハハ
京太郎(あんま笑えんぞそれ…)
---------
怜「でも良かったわ。これでお嫁に行けるわ」
京太郎「えっ」
怜「えっ」
京太郎「ちょ、ちょっと気が早すぎないか?」
怜「ええ?もう子供の名前まで考えてあるんやで?」
京太郎「いや、それは流石に引くわ」
怜「でも京ちゃんのせいでお嫁に行けないんよ?」
京太郎「…」
怜「…」
京太郎「いくら無いからってブラくらいはつけるべきだと思う…」
怜「そりゃ、普段はつけとるわ!ただ、あの時は検査があったから…」
怜「って、失礼な事言わんかった?」ジト
---------
怜「お医者さん以外で、男の人に見られたの初めてなんよ?///」
京太郎「///」
怜「責任…取ってくれるんやろ?///」
京太郎「い、いや…だからそれは気が早いと言うか…」
怜「…」ジー
京太郎「つーかまだ結婚できる歳じゃないし?お互いを良く知ってからだな…」アタフタ
怜「そっか、遊びなんや…」フルフル
京太郎「えっ…」ダラダラ
怜「遊ぶだけ遊んで…捨てる気なんや…」ヒックヒック
京太郎「ちょ…違う!そんな気は!」
怜「…」ヒックヒック
京太郎「真剣に考えるから」
怜「…」ヒック
京太郎「…」
怜「じゃあ、お婿さんになってくれるん…?」
京太郎「お、大人になったらな…」
怜「わぁい!」
京太郎「ちくしょう、やっぱり嘘泣きか!」
---------
怜「そうそう、京ちゃん、これ」チャッ
京太郎「ん、昨日買ったキーホルダー?」
怜「うん、点棒のやつ。実はこれただのキーホルダーやないねん」
京太郎「ほうほう」
怜「ここを押すとな?」カチッ
『じゃあ、お婿さんになってくれるん…?』
『お、大人になったらな…』
京太郎「」
怜「なんと、思い出録音機能が」
京太郎「」
怜「おもちゃみたいなもんやし、一言二言しか録れんけどな」
京太郎「」
怜「ふふふ…ええの録れたわ」
京太郎「え…」
怜「一生大事にするで」ニッコリ
京太郎「えええええええ!」
「京ちゃん」
#image(http://www34.atwiki.jp/kyotaross/?cmd=upload&act=open&page=%E7%B5%B5&file=i0797117-1354366636.jpg)
「リーチ!」
おわり
おまけ
※リーチの後、病室で雑談
京太郎「しかし、怜は俺のどこがそんなに気に入ったんだ?」
怜「まあ、まずあの出会いやな」
怜「あの時、実はすごい怖かったし、颯爽と現れたヒーローに見えたよ」
怜「いざ逃げ始めた時も、私体力ないし、足も前に進まんし」
怜「夢の中で逃げてる時みたいなフワフワした感じに思えて」
怜「でも、そこに悪い奴から姫を救い出す王子様が現れたんやで?」
怜「そんな少女漫画みたいな展開、キュンとくるやろフツー」
京太郎「そ、そんなもんかな?」
怜「端的に言うと吊り橋効果?」
京太郎「台無しだよ」
---------
怜「まあ、一目惚れに近い感じやったかなあ」
京太郎「そんなこともあるのかあ」
怜「あんた、それ否定したら電車男とかどないするん?」
京太郎「また懐かしいネタを」
怜「ま、なんにせよ、京ちゃんはナンパから助けてくれたんやから」
怜「ナンパ男やな」
京太郎「それだと俺がナンパしたみたいじゃないですか?」
---------
怜「まあ、その後も、一緒に行動しとるうちに」
怜「優しいところとか、面白いところとか見えてきて」
怜「ああ、気が合うし、ええなあって」
怜「ハンカチも駄目押しやったわ…あれ、すごく嬉しくて」
京太郎「そ、そうなのか?友達にもあれぐらいするだろ?」
怜「そうやって沢山の女を泣かせてきたんやね…」ジトッ
京太郎「ええ?いや、ないない。そんな物好きいないだろー」ハハハ
---------
咲「くしゅん!」
---------
優希「くしゅん!」
---------
衣「くしゅん!」
---------
照「くしゅん!」
---------
池田「くしゅん!」
---------
ハギヨシ「ふっ…」
---------
モブ朗「くしゅん!」
---------
怜「よっ、ナンパ男」ジトー ←何かを感じ取った
京太郎「だからそれは人聞きが悪すぎるからね…」
おわり
※[[最終部>h4-25c]]