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京太郎「俺の日記」1」(2020/07/04 (土) 09:12:52) の最新版変更点

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久「さぁ、もう年末。やっぱり新年を迎える前に部室は綺麗にしておかないとね」 久「という訳で、清澄高校麻雀部、大掃除をやるわよ!」 3分後 久「やることがないわ」 まこ「そりゃなぁ……」 咲「えと、棚を…」 京太郎「あ、昨日やったわ」 和「窓ふきを…」 京太郎「ああ、一昨日やっといた」 優希「いっちょ倉庫をやるじぇ!」 京太郎「そこ先週片づけて廃品回収に出したぞー」 久「……なんで終わってるのよ!というかいつの間にやったの!?」 京太郎「あ、部長」 久「何?」 京太郎「卓なんですけど、今朝メンテナンスついでに綺麗にしときました」 まこ「牌までピカピカなんじゃが……これ、ウチの店より綺麗じゃね?」 久「……もう!じゃあ後は床にワックスかけて…」 京太郎「すいません、この前の休みの日にやっときました」 久「…………大掃除、いらないじゃない」 まこ「ちゅーか普通の掃除じゃな。京太郎を中心とした」 咲「そういえば、竜門淵さんのとこで色々教わってるとか」 久「ああ……あそこに万能執事がいたわね……」 京太郎「部長、あらかた片付いたんでゴミ捨て行ってきます」 久「それくらい、誰かに…」 京太郎「こういう力仕事は俺の仕事ですよ。後は個人のロッカーの整理くらいですから」 バタン まこ「……紳士じゃのう」 和「ほとんど須賀くん一人でやったようなものですね」 優希「なんかどんどん進化していくじぇ」 咲「なんだろう。京ちゃんが主夫か執事に見える」 久「はぁ……しょうがないわ。後でみんなで須賀くんに何かしてあげましょ」 まこ「そうじゃな。昼飯くらいおごってやるかの」 和「それじゃ、今のうちロッカーの整理とかしてしまいましょう」 優希「うむ。タコスを買ってやろう。喜ぶじぇ」 咲「それ優希ちゃんだけじゃ……あ、でも今やったら京ちゃんだけ後になるんじゃ」 和「須賀くんならすぐに終わらせそうですけどね」 久「そうね……ん?須賀くんの個人ロッカー?……」 まこ「おい、なんか悪い顔しとるぞ?」 久「やーねー。ただ、ここまで須賀くんにやってもらってばかりで申し訳ないじゃない?」 まこ「まぁ、そうじゃな」 優希「そうだじぇ。私達は何かしてあげたいじょ」 久「それよ。須賀くんのロッカー……私達で綺麗にしてあげましょ?」 4人「……!?」 まこ「……いやいやいや」 和「それは……うん……」 優希「…………ちょっと」 咲「勝手に個人のロッカー開けるのは……」 久「ひょっとしたら持って帰ってもばれないような私物とかあるかもしれないわよ?」 まこ「さて、部長開けるか」 和「そうですね。あ、ちゃんと平等にお願いしますね」 優希「部長の言いつけは絶対だじぇ」 咲「あ、私はしおりにできそうなやつがいいです」 久「私はいい後輩を持ったわー。それじゃ、行くわよ?」 ガチャ 久「やっぱりというか、綺麗にしてるわね」 まこ「きっちり整理されとるの」 和「麻雀の教本にインターハイ関係の雑誌……」 優希「美味しいタコスの作り方……」 咲「ここまで綺麗にされてるとばれるような……アレ?」 久「どうしたの咲?」 咲「このノート……」 4月×日 麻雀部に入部した。 入学してすぐ有名だった美少女、原村和がいたから入部した 学生議会長がいて驚いたが、間近でみた原村の胸はやはり大きかった うん、これだけで入って良かったと思えるな その時に他の部員とも顔を合わせた 部長であり3年生、学生議会長である竹井久 なんというか、できる女、という感じだ。胸は小さくはない 2年生の染谷まこ先輩 優しそうな人だ。家が雀荘らしい。麻雀のルールを覚えたら行ってみよう そして同じ1年生の片岡優希と原村和 片岡はちっこくて胸もないが、元気がよくて話しやすい奴だ。仲良くなれそうだ 原村はやはり美少女だった。これで胸も大きいとか完璧か? だが結構固いというか、警戒されている気がする。まぁ、女子4人に男子1人じゃ仕方ない これからはこのノートに書いて行こうと思う 咲「これ……京ちゃんの日記?」 優希「あ、この日京太郎が初めて来た日だじぇ!」 まこ「ああ、丁度4人おったから自己紹介したな……」 和「こんな時から……」 久「咲、続き読みなさい」 咲「は、はい」 4月○日 レディースランチうめー!! 畜生なんでこんな美味いものが女子しか食えないんだ!! 男女平等はどこだ!! 咲に頼んでもらったから食えたからいいようなものだ 持つべきものは女子の幼馴染だ また咲に頼んでもらおう 咲「そういえばこの日からたまに誘われるようになったなぁ……」 4人(羨ましい……) 優希「次、次だじぇ!」 咲「こ、これ以上は京ちゃんにばれない?」 久「もしもし須賀くん?大至急鶴賀まで行ってもらえない?付いたらまた指示するから電話してね」ピッ 和「さすがです」 まこ「おんしら……まぁ続きが知りたいのはわしもじゃが」 久「さぁ咲、読みなさい」 咲「は、はい……えっと」 4月△日 麻雀のルールも大体分かってきたから原村と片岡と染谷先輩の3人相手に打ってみた ……うん……インターミドルチャンプってすごいね…… 終わってから慌てて謝る原村もかわいかったけど爆笑した片岡、てめーは駄目だ 後でタコスくれたから許した まこ「ああ……京太郎の初対局なのに東場で飛ばしたアレか」 久「初心者に何やってるのよ」 和「つ、つい……あまり知らない男性相手だと身構えてしまって」 優希「全くのどちゃんはー」 まこ「わしの記憶が正しかったらおんしも原因の一旦じゃろう」 咲「……京ちゃんよくやめなかったなぁ」 4月□日 高校にもそこそこ慣れてきたと思う 麻雀部に入部したことを友達に言ったら物好きだと言われた なんでも部長が無理矢理に近い形で続けていたもので、麻雀部は部長の私物かプライベートスペースだと思われているらしい まぁ、そう思われても仕方ないだろう。ベッドまであるし 麻雀やる女子はほとんど風越に行き、男子はもそういう名門校に行くらしい なんで部を続けてるんだろ 久「部を私物化って……私そういうことしないわよ?」 まこ「まぁ議会長がこういうことやってりゃそういう噂も立つじゃろ」 優希「そこに美少女なインターミドルチャンプも入部、これは噂になるじぇ」 和「私は別に気にしませんけど」 咲(お姉ちゃんもそんな感じだったのかな……) 4月●日 中学からの友達と可愛い子の情報の交換をした とくに各部活動の先輩の情報はありがたい さっそく揺れるおもちの観察に行こうとしたら迷子の咲を拾った 図書室まで行くのに迷子になるなよ…… 送っていって話し込んでる内に部活が終わっていた 運動部との掛け持ちが可能か検討しよう 久「揺れる胸……私は微妙ね」ジー まこ「……わしも無理じゃな」ジー 優希「……揺れる以前の問題だじぇ」ジー 咲「……迷子にもならないし、揺れないし」ジー 和「えっと……揺れても結構辛いですよ?」 4人「贅沢な悩み(よ)(じゃ)(だじぇ)(だよ)!!」 4月◇日 男友達との会話で麻雀部の4人も割といいよな、と言われた 部長は美人でなんでもできそう、と言っていた奴がいた。事実、大概のことはさらっとやりそうだ 染谷先輩は眼鏡最高だろ!!という奴がいた。馬鹿め、あの人は細かい気遣いとかができる人だ 優希もちっこくて元気よくて可愛いよな、といった奴がいた。ロリコンか貴様 でもやっぱり和のおもちが最高という結論だった。当然だろう おもち以外にも見た目もかわいいから紹介しろと言ってくる奴もいたが、無理だ 明らかにガードが堅い。というか警戒心半端ないわ 下心抜きでも、もうちょっと打ち解けられたらいいんだがな 紹介しろという奴に染谷先輩の店の番号と住所を教えておいた まこ「ああ、やけにテンションが高いウチの1年が来た日があったの」嬉しそう 久「須賀くんもやるじゃない。でも、私そこまでの女じゃないわよ?」嬉しそう 和「それにしてもまた胸ですか……もう」嬉しそう 優希「まぁ仕方ないじぇ。ところで誰がロリだ」複雑 咲「私なんて名前すらないよ?」 4月▽日 咲……お前が文学少女なのは昔からだからいい あったかいから外に出ていい感じの木陰で本を読むとかも絵になっていい だが、教室に戻ってくるまでで迷子になるなよ…… たまたま体育の授業だったから見つけたようなもんだぞ 後、戻るときも迷いそうだからって俺の服の裾掴むな 久「あー……」 まこ「苦労しとったんじゃのぅ……」 優希「咲ちゃん……」 咲「ち、違うよ!?まだ入学したばっかりで分からなかったからだよ!?今は迷子になってないよ!?」 和「咲さん、墓穴ですからそれ以上は止めた方がいいですよ?」 4月■日 今日聞いたのだが、女子が団体戦に出るには5人必要らしい だから最低でも後1人いる もし誰も入らなかった場合は須賀くんに女装してもらおうかしら、とか部長が言いだした それを聞いた染谷先輩がメイド服ならサイズあるかもしれんとか言いだした 女装自体勘弁してほしい 染谷先輩、本気で店に電話して確認するのもやめてください 久「あー、こういうことあったわねー」 咲「メイド服って……私達が着たようなのですか?」 優希「京太郎が着るのはなぁ……」 和「さすがにサイズも無いでしょう」 まこ「実はあったぞ?」 4人「!?」 4月◎日 今日も咲にレディースランチを頼んだ ハンバーグ、エビフライ、カキフライ、サラダ、スープ、デザート…… なんでこんなに充実してるんだよ レディースって付いてるからか一つ一つは量少なくても種類が多い なによりデザートが豪華だわ ……これも部長がなんかやったのか? 久「何もやってないわよ?そもそもレディースランチよりまこのお弁当もらう方が多いし」 まこ「それもやめてほしいがな」 咲「京ちゃん、週に1、2回は確実にレディースランチ頼むんだよね」 和「……つまりこの時からそれほど一緒に食べていたと」 優希「タコスの方がうまいじぇ」 4月☆日 昼休み、たまたま用事もあって外で食べようとしていたら染谷先輩に会った せっかくなので一緒に食べることになった 卵焼きを分けてもらったがなにあれ美味い 一体どういう風に作っているのか聞いたが教えてもらえなかった 俺も料理してれば分かるのか?少しやってみるか 和「……そういえばこの時は料理とかやってなかったんですね」 久「料理始めたのは、全国でタコス作った時くらいからじゃない?」 優希「うむ、京太郎のタコスも美味いじぇ」 まこ「にしては相当な速さで上達したようじゃが」 咲「龍門淵の人に教わってるからじゃないですか?」 久「なるほどね。それにしても、まこの卵焼き以上のものはできるのかしら」 まこ「今度わしも作ってくるから、作らせてみるか」 5月×日 部長が俺が女装に興味ない?とか言ってきた ……目がマジだった ちょっとマジでなんとかしよう 帰り際に京子ちゃんとか呟いてた まこ「おい久」 久「……今思えば一回女装させとくべきだったと後悔してるわ」 和「そっちじゃないですよね?」 優希「でも見てみたいな」 咲「だね。京子ちゃんって呼んでみようかな」 5月○日 たまたま咲が麻雀できるみたいだったんで連れてってやった 本読んでるだけじゃなかったんだな なんか咲の打ち方で驚いてたようだがそんなにすごいことなのかね まぁこれで京子ちゃん回避と思えばいいか 咲「懐かしいなぁ……」 和「あの時は驚きましたね」 久「そうね……あの時はまさかこんなとんでもない子を連れてくるなんて思わなかったわ」 まこ「プラマイゼロ子じゃな」 優希「今も咲ちゃんのプラマイゼロはやぶれる気はしないじぇ」 5月△日 色々あったようだがこれで団体戦のメンバーが5人揃った部長が喜んでいた その日の放課後、部長に呼び出された 自分は団体戦で全国優勝するのが夢だったと なので、今年が最初で最後のチャンスだから、絶対に叶えたい だから大会まで女子部員の練習を優先する 正直、俺まで手が回らなくなる はっきり言って、このまま部に居ても麻雀を打つ機会は減ってくる、と つまり、辞めろってことですか?、と聞くと本当に申し訳なさそうに、部長は頷いた 少し考えさせて欲しい、とだけ言ってその日は帰った ……どうすっかな まこ「…………」 和「…………」 優希「…………」 咲「…………」 久「……続き、お願い」 咲「で、でも……」 久「……お願い」 咲「…………はい」 5月□日 その日は部活に出なかった 代わりに、今度は俺が部長を呼び出した この前の返事を伝えるためだ 「俺は麻雀部を辞めません。本気で全国を目指すなら、むしろサポートが必要でしょう?」 そう言うと、部長は心底驚いたようだった そりゃ、いきなり雑用やります宣言したようなものだ、驚いて当然だろう 部長は何度もいいのか?と聞いてきたが、和の胸目当てで入部したような俺だ、半年くらい構わない、と言った それを聞いた部長は呆れたような顔をしたが、「ありがとう」と言って帰っていった 少し、泣いていたように見えたのは気のせいだろう 和の胸で誤魔化したが、本当の理由はそうじゃない 羨ましかったからだ 全国優勝という目標があり、それを本気で目指す部長が羨ましかった だから、少しでもその手伝いがしたかったんだ どこの青春漫画だ、って言われそうなのでここだけに書いておく まぁ、誰かを助けたり手伝ったりするのは嫌いじゃないし、咲のおかげで慣れている 色々言われそうだが、俺は俺なりに部長の夢を応援して、手伝っていきたい やばい、書いてて恥ずかしくなってきた 久「……もう……そんな素振り、少しも見せなかったくせに……」 まこ「ほんにええ奴じゃの」 和「ええ……私が誤魔化しに使われたのは少々アレですが」 優希「こりゃタコス1週間くらいおごってやらないとだじぇ」 咲「いい話なんだけど、最後の私で慣れてるってどういうこと?」 和「あ、翌日分がありますよ?」 咲「ねぇ?」 5月●日 ひゃっほーい!! 部長が大会終わったら知り合いの胸の大きい子を紹介するって約束してくれたぜー!! よっしゃ、これからは雑用だろうがパシリだろうが全力でこなしていくぜ! 部長、付いていきます!! 久「感動を返して」 まこ「つーか紹介するとか言ったからじゃろ」 久「や、その時はそんなに反応も無かったのよね」 和「一気に上がってた評価が地に落ちましたね」 優希「やはり胸か……」 咲「京ちゃんはこんなんだし……そういえば、結局紹介したんですか?」 久「大会終わってからしたわよ?風越の深堀さん」 まこ「……あいつ、どんな顔したんじゃろな」 5月◇日 咲と和が練習ということで染谷先輩の店の手伝いに行った メイド服の和……俺も見たかった……っ!! どこから持ってきたのか優希が部室で着ていた 馬子にも衣装かね、元は悪くないがな だがパンチラは不意に起きるからいいんだ、お前のそれは恥じらいが足りない 機会があればメイド服の和を見たいから染谷先輩に予定を聞いて行ってみよう しかし、帰りに咲がカツ丼がどうこう呟いてたのはなんだったんだか 奇遇にも晩飯はカツ丼だった まこ「藤田さんにへこませてもらった時か。いやぁ、あん時は常連に受けたわー」 和「メイド服……そんなに見たかったら言ってくれればいいのに……」 咲「カツ丼さん……あの時コテンパンにされたなぁ」 優希「むぅ、私のサービスが不満とは贅沢な奴だじぇ。そこそこいいこと書いてるからまた着てやろう!」 久「いいわね、私も着てみようかしら」 まこ「いっそ全員分持ってくるか?京太郎のも」 和「……アリですね」 5月▽日 昼休みにたまたま部室に寄ると、部長がベッドではなく机で寝ていた 良く見ると大会のルールやらなんやらの書類を広げたままだった。 寝落ちしたのだろう 念願叶った出場だからやっぱりうれしいのかな しばらくは上着かけてそのままにして、ネット麻雀やってたが昼休みが終わる前に起こした 驚いたり顔を赤くしたりする部長は新鮮でなかなか可愛かった それと、大会前に合宿をすることになった 最近は雑用が多くなっていたが、俺も少しは打つことになるらしい 合宿……女子5人に男子一人、これは期待せざるを得ないだろう 今から楽しみだ 久「こ、こんなことまで書かないでよ……もう」 まこ「おい、口元が緩んどるぞ」 咲「……なんかずるいです」 優希「だな」 和「えぇ」 5月■日 合宿中 麻雀卓運ばせるとかきついぜ部長…… そのあと浴衣の乱れた和見れたから問題ないけどな!! 咲が邪魔しなければ脳内保存まで完璧だったのに…… そして夜、分かっていたけど一人は寂しいぜ…… 優希「のどちゃんひん剥いた時かー」 まこ「やったなー。ぜひまたやりたいもんじゃ」 和「や、やめてください!恥ずかしいんですから……」 咲「京ちゃんったらのどちゃんばっかりで……」 久「そっか……一人にしてたか……夜這いという手もあったわね……」 4人「!?」 5月◎日 合宿中 今日は各自それぞれの特訓だった 咲はどうやらリアルじゃない麻雀ならそこまで強くないらしい 機会を見てネット麻雀で勝負を挑もう そして……失敗した…… 男たるもの、そこの女湯があったら覗く一択だろう? なんで咲しかいねーんだよ!!チンチクリンがあああああああ!!! おまけにばれて黙っとく代わりに言うこと聞けとか…… 「欲しい本があるんだー♪」とかまた大量に買わされるに決まってる!あの魔王め!! ああ……さらば諭吉 優希「さーきーちゃーん?」 和「私達何も知りませんでしたよー?」 咲「あ、あはは……覚えてないなー?」 久「ちょっと後で色々聞かなきゃね」 まこ「覚悟せぇよ?」 咲「うぅぅ……ちょっと買い物しただけですよ……」 和「デートじゃないですか!!」 優希「私も覗いてもらうべきだったじぇ!」 久「……むしろ覗きに行くとかどうかしら?」 まこ「おぬし、本当に悪知恵が働くのう……協力するからそん時言えよ?」 和「是非、私も」 優希「私も!」 咲「わ、私は?」 久「……全部喋ってからね?」 5月☆日 合宿が終わった 終わって荷物を置くとすぐ咲に本屋まで引っ張られた ……容赦ねぇよこの魔王が 帰りにファミレスで飯を食うことになった 咲も居ていい機会なので、ファミレスのレディースランチを頼んでもらった 咲は呆れていたが、なかなかいい味だった 食い終わった後、珍しく咲が長い話をした 昔引っ越していった照さんの話だった 昔、それなりに話したり遊んだりはしていたけど、照さん、チャンピオンだったのか……お菓子の取り合いで本気出す印象しかなかったわ 全国に行って照さんと仲直りしたい、か 第三者の俺がどうこう言ったりはできないが、昔仲良かったんだ また仲良くできる、そう思っている 頑張れよ、咲 咲「京ちゃん……」 優希「悔しいが、こればっかりはなー」 和「さすがに幼馴染というのは大きいですね」 まこ「じゃが、よかったな。京太郎が思っていたように仲直りできて」 久「あら?日記まだ続きあるわよ?」 そういえば、昔照さんと結婚するーとか約束したっけ 俺もうろ覚えだし、さすがに照さんも覚えてないよな 咲「……私もこんなこと言ってもらってことないのに」 まこ「おい、また姉妹喧嘩勃発するぞ?」 久「でも、羨ましくない?」 優希「確かにそうだじぇ」 和「まぁでもこの書き方を見る限り子供の時のことですよ。今更どうこういうとかそんなオカルトありえません」 照「……クシュン」 菫「風邪か?」 淡「フツー誰かが噂した、とかじゃないの?」 誠子「それでくしゃみするんなら宮永先輩は1日中くしゃみしてるだろ」 尭深「大丈夫ですか?お茶、淹れます?」 照「ありがと……お茶もいいけどお菓子と京ちゃんがいい」 菫「お前……また京ちゃんか」 照「うん……昔、約束したしね」 5月★日 もうすぐ大会が始まる 昼休みの時間があるときに1年生だけで打ってが、速攻で飛んだ やっぱりみんなは上達してるのかね それからの時間、部活では自分たちの練習を優先しているからか、ネット麻雀での俺の練習に付き合ってくれた 教わることは基本的なことばかりで申し訳ないが、みんなには部活の時間に練習できないことを謝られた 別に構わないんだがな、夏までの間くらい雑用に徹しても そう言うと、みんなが一瞬静かになって、大会が終わったら俺の練習を最優先にすると言ってくれた 特に咲なんかは麻雀を楽しませるとか言って意気込んでいたが、空回りするなよ そのあとは熱のこもった指導をしてくれて、授業に遅れるところだった 正直、指導より背中に当たる和の胸の感触の方が素晴らしかった 咲「日記でもこんなことばっかり言って」 久「ちょっと罪悪感感じてくるわ……」 まこ「あくまで自分は後回しにしようとしとるしの」 優希「だけど、もうそうはさせないじぇ」 和「最後の1文がなければいいんですけどね……というか当ててたの、気づきませんでしたよ」 まこ「なんじゃ、わざとじゃなかったんか」 和「いえ、これからはわざと当てます」 優希「お、恐ろしい宣言だじぇ……」 6月×日 団体戦が始まった みんな、やっぱすげーんだな…… 清澄は1回戦、2回戦勝ち抜いて決勝進出を決めた 和はエトペン持ってって恥ずかしそうだったが、圧倒的だった 正直恥ずかしがる和がかなり可愛かった 咲は1回戦最後に飛ばして終わらせてた でも……人ごみに慣れてないからって迷子になるなよ咲 探すのは慣れてるけどな そういや、探す時に妙な人いたな 話しかけたら「見えるんすか!?」って、幽霊かよあんた その後も驚いたままどっか行くし、なんだったんだろ。でも、おもちが大きい人だったな 久「1回戦かー……もう半年は前なのよね」 まこ「じゃな。しかしこの幽霊って、鶴賀の副将じゃないんか?」 優希「ああ……確か、『スケルトンもも』!!」 久「『ステルス』ね」 咲「そういえば個人戦で当たったっけ」 和「ステルスとかありえませんよ。見えてましたよ」 咲「……和ちゃん、可愛いって書かれてるから嬉しそうだね?」 久「合宿の時ゆみが見えるかどうか聞いてきたのはこれだったのかしら?」 6月○日 団体戦決勝 優勝したああああああああああ!!!!! すっげーよ!! 龍門淵って去年全国でもすごかったらしいのにそれに勝つとかすげーよ!! 最後とかよく分かんねーけどカンしまくって漫画みたいな逆転してすげーよ咲!! もう自分のことみてーに嬉しいぜ!! そりゃ大会に出たわけじゃねーし、むしろ今日やったのはタコス買いに行って昼飯買いに行って写真撮って……アレ? まぁいいやとにかく優勝おめでとう!!!! 咲「え、えへへ……京ちゃんったら……」 久「決勝か……この日のことは忘れられないわね」 まこ「……わしの部分だけ忘れてほしいの。全然じゃったし」 優希「私もだじぇ……来年こそ大活躍するじぇ!!」 和「その時はタコス余分に用意しときましょうね……咲さん、にやけすぎですよ?」 咲「もう……そんなにすごいならまた見せてあげるのに……」 まこ「おい、京太郎相手にやるなよ?咲?聞いとる?おい」 6月△日 最初に部長、ありがとうございます。 部活でプールに行った いやぁ和の水着は最高でした。胸って、水に浮くんだな 部長と染谷先輩は水着も気合い入っててありがとうございます本当に 咲と優希は、まぁ、似合っているよ。うん とにかく眼福眼福 それと、龍門淵高校の人達も来ていた というか龍門淵の副将の人の家の健康ランドらしい。スゲーわ 久「ああ、もうプールって単語が出てきた時点で予想できてたわ」ジー まこ「そうじゃな。ちゃんとわしらの水着も見よったのは嬉しいがのう」ジー 優希「私に水着が似合っているのは当然だじぇ」ジー 咲「うん……なんか引っかかる書き方してるけど……仕方ないよね」ジー 和「えと……見ないで欲しいんですけど……」 久「……分けて」 まこ「……わし、2割くらいで」 優希「……割と本気で同意だじぇ」 咲「……5人で分けても結構残りそう」 和「いや、無理ですよ?あの、なんでこっちに近寄って……部長?その手は……染谷先輩?優希?……咲さんまで!?いや、だから無理ですって揉めばとかそんなオカ…やめてーー!!」 6月□日 今日から個人戦が始まった 俺もやっと大会に出られる……と思っていた 個人戦1回戦の卓に座ったところは覚えているが 「狂気の沙汰ほど面白い……」 「さて……打(ぶ)つか」 「……御無礼」 この3人の一言を聞いて、気が付けば昼休みで、心配そうな顔をした清澄のみんなの前にいた どうやら俺は負けたようだったが記憶が全くない 何が起きたのか?どうやって負けたのか?何も分からない ただ、その1回戦では飛ばなかったらしいということ 1回戦の3人はその後、棄権して会場にはいなかったということしか分からなかった 一体、なんだったんだろう 5人「…………」 久「一応聞くけど、この時の牌譜見つけられた人いる?」 まこ「すまん、うちの常連の伝手でも無理じゃった」 和「何故かネットからも消されてました」 優希「そもそもアレ人間か?」 咲「京ちゃんが無事だったからいいんじゃないかな?」 久「むしろよく無事だったと言うべきね……これ以上の追及は無しで」 6月●日 個人戦2日目 1位は風越の福治さんだった そして2位が和、3位が咲となんと清澄から2人も出てしまった 優希も昨日は頑張っていたみたいだが、やはり東南戦になったからか 部長や染谷先輩もいいところまではいったみたいだが上位に入るのは難しかったようだ 来年は俺だってやってやるぜ! 優希「むむむ……東風戦だったら私が優勝だったのに……」 咲「優希ちゃん1日目すごかったもんね」 和「もう、ルールなんですから仕方ないですよ」 久「私はもう無理だけど、応援してるわね」 まこ「おう。来年こそ鶴賀のあいつにリベンジじゃ!」 6月◇日 今日の部活動は染谷先輩の家の雀荘でやることになった なんでも、大会で解説していた藤田プロが来るらしいので一度打ってもらうとか しかし打つ直前、優希がタコスが無いと言い出した 部長曰く、優希のタコスは和のエトペン、染谷先輩の眼鏡、部長の髪ゴム、咲のカン、などなどと同じかそれ以上に必要なものだから急ぎ買いに行くことになった でも染谷先輩、店として食べ物の持ち込みは良かったんですかね 近場の店に行ったが、何故か売り切れだった。というかタコス食ってる子が多い どうみてもうちのタコス娘の影響です 2軒目では丁度俺の前の人がラストだったらしい 「これを食べれば東場でも……」とか言ってたポニテさん、それは違う あまりにもがっくりしていた俺を見てすごく謝られた 3軒目でも駄目だったのでいっそ作るしかないかと思っていたが 「あら?確か、清澄の生徒さんですよね?」 風越の福治さんに会った どうやら団体戦でタコスを持って行ったとき、顔を覚えていたようだ 事情を説明すると、簡単なタコスのレシピを書いてくれた どうやら風越でも少しタコスが流行っているらしい。恐るべし、タコス 急いで戻ってそのレシピで染谷先輩に作ってもらって事なきを得た つーか、タコス流行りすぎだろ まこ「ああ、あのレシピから、うちの店のメニューにもタコスが加わったんじゃ」 久「どこからレシピ持ってきたと思ったら、美穂子だったのね」 和「タコスが流行ってたということの方が驚きです」 咲「そういえば私もタコス食べたっけ」 優希「タコス、偉大なり!だじぇ!」 6月▽日 部長に頼まれた買い出しで少し遠くの店まで行った こういうことに慣れてしまった自分が少し悲しい 途中で本屋で麻雀関係の初心者用の本を見ていると、鶴賀の次鋒だった妹尾さんに会った 決勝でおもちが大きかった人は全て記憶している 向こうも俺を知っていたらしく、同じ初心者ということで少し話しが盛り上がった あの時の槍槓がかっこよかったとか、責任払いとかそこで知ったとか、話しやすい人だった 妹尾さんも買い物の途中だったらしく、話しながら歩いた しばらくそうしていると、チラシ配りの人に「カップル割引やってます」とか言われてチラシを貰った そういうのじゃないと言って返そうとしたが、お似合いだとか言われて受け取ってもらえなかった 持ってても仕方ないので妹尾さんに渡したが、顔が少し赤かった。熱でもあったか? 最後は携帯の番号とアドレスを交換して別れた ネット麻雀をよくやっているらしく、近い内に打とうと約束した 楽しみだ まこ「い、いつの間に……」 久「ビギナーズラックで須賀くんまで持っていくつもりかしら」 和「そんなオカルト…」 優希「でも胸大きいじょ?」 和「…ありえませんよね?」 咲「やっぱり胸か……」 まこ「ちっと風越の吉留と龍門渕の沢村に連絡しとくか」 久「眼鏡っ子で同盟でも組んだの?」 6月■日 今日は1年生のクラスが同じ時間にホームルームが終わったので4人で部室に向かった だが、途中で優希がはしゃぎすぎたのか、階段で足を滑らせた たまたま下に居た俺が受け止めたので大怪我はしなかったが、足を捻ったみたいだった さすがにそのまま歩かせる訳にはいかないので、俺が抱えて保健室に連れて行った 保険医もそこまで大きな怪我じゃないと言っていたが、安静にしておくようにとのこと 部長の判断で、今日優希は先に帰って休むことになったのだが、捻った足のまま帰るわけにもいかないので俺が送ることになった 優希が自転車で来ていたから、それに二人乗りした 優希は怪我の時から大人しく、帰りも「……ごめん」と言っただけだった 別に気にしてないし、いつもの優希の方がいいと言ったら元気になって後ろから抱き着いてきた 当たるものもないんだからいいっての 別れ際に「ありがとう」と小さく言っていたのが聞こえた 優希「…………」 久「へー、こんな青春してたなんてねー」 和「そういえば、この時期くらいから、たまに須賀くんといて赤くなったりしてましたよね?」 優希「…………」 まこ「あんまり引っ付いたりもしなくなったのぅ」 咲「そういえば優希ちゃんがクラスに遊びにくることが増えてたような……」 優希「…………さて、つ、つ次のページ」 久「で?この時落ちたのね?」 優希「……うぅぅぅぅ……タコス買ってくるじぇ!」 まこ「和、右押さえとけ」ガシッ 和「はい。さぁ優希?」ガシッ 優希「は、はーなーせー!!」ジタバタ 久「どうやって落ちたのか、教えてね?」 咲「京ちゃんさらっとしか書いてないけど、この時に言われたことだよね?」 優希「べ、別に大したことじゃないじぇ!!」 和「ではその大したことじゃないことを話してもらいましょうか」 優希「お、鬼ー!!」 優希「うぅぅぅ……恥ずかしぬ……」カオマッカ 久「うんうん、いい話だったわー」 まこ「あいつもやるのー」 咲「京ちゃんは自覚ないんですよね」 和「それ、被害者まだ居そうじゃないですか」 優希「うん?……つまり……私以外の人のことも書いてあるのか?」 久、まこ、和「!?」 咲(あ、多分私は大丈夫だ。落ちたのもっと前だし) 久「……いや、私はもう結構恥ずかしいこととか、色々出ちゃったし?」 和「わ、私はもう節々で出てますよ?」 まこ「わしも悪いようには書いてないし?」 優希「咲ちゃん続きー」 咲「はーい」 6月◎日 告白された 放課後、移動教室に忘れ物を取りに行ったら教室にいた女子にいきなり「大好きです!」と言われて驚いた その女子はそのままどっかに行った ……どうしよう 5人「…………えっ?」 久「ちょ、ちょっと!どうなってるのよ!!」 和「こ、告白って……須賀くんが!?」 まこ「いや、まぁ確かに告白とかされてもおかしくはない見た目じゃしのう」 優希「さ、咲ちゃん!続きは?」 咲「こ、この日はこれしか書いてないよ!きょ、京ちゃんが告白されたって……」 和「よ、翌日はどうなってるんですか!」 咲「あ、あった!えっと…」 6月☆日 今日は疲れた…… 今日、昨日告白してきた女子に呼び出された その女子はクラスが違うがたまに同じ授業を受ける、隣のクラスの子だった 顔は悪くなく、胸は部長と同じくらいか だが、いくらなんでもそれくらいしか知らない子と付き合う気はない そう言ったら、少し悲しそうに、そうですね、と言った後、お友達からお願いしますと言われた それは断る理由もなかったので、とりあえず携帯の番号とメールアドレスを交換した そのあと、驚かせるようなことをしてすいません、と謝られた それはいいが、なんでいきなりの告白だったのか、俺のどこがいいのかを聞くと、「声です!!」と言われた なんでも、俺の声がその子にとって理想的な声だったらしく、そのことを考えている時にいきなり俺の声が聞こえたから反射的に好きだと言ったとか…… むしろ声だけ大好きですとすっげーいい笑顔で言われた……アレ?なんか悲しくなってきた その後、こういうセリフを言ってくれ、女声を出してみてくれ、などなどのリクエストに応えてやったよこんちくしょー 連絡は電話ならいつでもいいと言われたが、意地でもメールしか送ってやらねー 5人「…………」 まこ「……うん、まぁいい声しとるよな」 久「そうね。でも、告白されたときの須賀くんの気持ちを考えると……」 和「声だけって……いや、確かに聞いていたい声ですけど」 優希「声……それ以外もいいのにな」 咲「むしろ全部いいよね」 6月★日 今日の部活は俺と和の二人だけだった みんな色々と用事があったらしい 二人だけなので和にネット麻雀で教えてもらった しばらく教えてもらった後、どこまで理解しているか試すことになり、半荘1回、和のアドバイス無しで打つことになった そこそこ分かるようにはなってきたが、和にとってはまだまだらしく、口に出したいのを我慢しているのか画面をじーっと見つめていた 俺が1回打つ度、どんどん体全体を画面に近付け、俺の背中に胸を押し当てるようになった その理想的な状況を止めようとする男なんていないだろう、あえてそのまま黙っていた 正直、最高だった。そんな状況で麻雀に集中できる訳がない 集中できず、ミスをする。和が口に出したいのを我慢して、そこからまたどんどん押し付けてくる 天国はあの瞬間にあった 最後、俺はもうほとんど画面が頭に入っていなかった 全神経を背中に集中させていたと言っても過言ではない ほとんど無意識で打っていると、和が急に大声を上げた びっくりして画面を見ると、4位だった俺がトップに役満を直撃させて逆転していた 和はしばらく効率がどうの、オカルトがどうの呟いていた おそらく、おもちが起こした奇跡だったのだろう それ以降は普通にネット麻雀をするだけとなり、普通に帰った この日背中で感じた感触は、絶対に忘れない 和「あの日、どんなに見直したり理屈を考えたりしても分からなかったものがこんなことなんて……」 まこ「ちなみに役はなんじゃったん?」 和「……純正九蓮宝燈です」 久「……奇跡、というか一生分の運使ったんじゃない?」 咲「胸に役満……確かに天国だったんだね」 優希「京太郎、のどちゃんの胸のことしか覚えてないんじゃないか?」 6月▲日 そろそろテストが始まる さすがに部活は休んで勉強しろとのことだ 夏休みに補習にでもなったらシャレにならないからな 咲の提案で1年生4人で図書室に集まって勉強することになった が、優希の奴逃げやがった 仕方なく3人でやることになった お互いに分からないところを聞いたり、得意なところを教えたりして普段よりかなり効率よくできたと思う 今回のテスト、いつも以上にやれそうだ 優希「のどちゃんと咲ちゃんが二人して抜け駆けしていたなんて……」 和「勉強会って言った瞬間逃げたのは優希でしょう」 咲「うん。私も少し成績よくなったな」 まこ「わしは家の手伝いしとったかな。部長は?」 久「テストなんて余裕よ。合同合宿もあったし、いちいち構ってられないわ」 まこ「さすがじゃのう」 6月◆日 テストがかえってきた 思っていた以上にいい点取れていた 特に咲と和に聞いたところが出ていたのが大きかったな 優希の奴は……追試だったらしい 更に部長は団体戦決勝の4校の合同合宿を計画しているが、追試が駄目で補習だと参加が難しいらしい こんなことで不参加、なんて笑えない。 和が絶対に勉強させるとか言っていた、頑張れ優希 優希「日記でまで私の追試について書かなくても……それに、追試は大丈夫だったんだからいいんだじぇ!」 和「もう、そもそも普段からやってないから追試になったりするんですよ?」 久「追試で不参加、とかどうしようもないものね」 まこ「合宿に参加する他校からなんか言われても文句言えんだろうな」 咲「えっと……ドンマイ?」 優希「み、みんないじめる……」 7月×日 優希の追試はどうやらなんとかなったようだ 俺は合同合宿の買い出しに行っていたが、その間和と咲が勉強を見ていたらしい そして今日は夏祭り、麻雀部のみんなと行ってきた 咲が浴衣持っているからみんなもと期待したら期待通り、みんな浴衣姿だった いやぁ、これはこれで眼福 そういえば、浴衣の下に何も付けないのは本当なんだろうか …………やばいな 5人「付けてた(わ)(よ)(です)(じぇ)!!」 まこ「ほんっとこういうことばっかじゃのう」 久「あら、でも私達をそういう目で見てくれてるってことじゃない?」 和「程々にしてほしいです……」 咲「私達は」 優希「どうだろなー」 7月○日 今日から清澄、龍門渕、風越、鶴賀の4校合同合宿だ 今度の合宿は他校の人も……風越の福路さんもいいおもちだったよな…… だが俺は留守番だった。ですよねー、女子ばっかのなか野郎1人はさすがに無理だって分かってましたよー 1人寂しいがこんな時こそ麻雀だ。少しでもみんなに追い付くんだ しかしネト麻で知らない人とやるとはいえ、長くやってると割と仲良くなるもんだな 今日だけで3人とは仲良くなれた ハンドルネーム、ハギヨシさん 今日から3日ほど暇らしく、かなり長時間付き合ってもらった。 2人目はハンドルネーム、膝枕さん かなり上手い人だった。なぜこんなハンドルネームなのかと聞くと、一緒に始めた友達が勝手に決めたとか その友達であり、3人目がハンドルネーム、ソムリエさん 膝枕ソムリエとか名乗っていた。実は膝枕さんに膝枕してもらいながらネト麻やってるとか言ってたが、さすがに嘘だろう この人はそこそこの腕前だった 3人全員メールアドレスを教えてくれたので、この日記を書き終わったらメールしてみよう 今日はみんながいなくて正直寂しくもあったが、ネット上でも仲良くなれた人がいたからよかった みんなは今も頑張っているのだろう、俺も頑張ろう まこ「確か初日は温泉入ったり卓球やったり……」 優希「部長がまずは温泉って言うからだじぇー」 久「い、いいじゃない。温泉、嫌いじゃないでしょ?」 和「それにしても須賀くんすごいですね。1日で3人とアドレス交換するなんて」 咲「京ちゃん誰とでも仲良くなれるからね。でもこのハギヨシって名前、どこかで聞いたような……」 竜華「怜ー、膝枕しながらネト麻はやめへん?打ちにくいわ」 怜「いやー……1巡先見れん代わりに、一番ベストな体勢で打つ……効率的やん?」 竜華「だらけとるだけやろ。なー、やっぱ膝枕って名前変えてええ?」 怜「駄目や。やないとウチがただのソムリエになるやん」 7月△日 今日もネト麻ー しかし少し驚くことがあった 昨日ハギヨシさんとメールしていると、ハギヨシさんも長野にいることが分かった 住んでいるところもそこまで遠くなかったので、実際に会って昼を一緒に食べようということになった ハギヨシさん、龍門渕の人だった つーか予選でタコス屋教えてくれてありがとうございます ハギヨシさんも俺が清澄だって知ってかなり驚いていた お互いに驚いたが、なんだかんだで一緒に昼飯食べている内に仲良くなれた これからもハギヨシと呼んでいいとのことだ 友達が増えるっていいわー 帰ってからネト麻の続きをしたが、またかなり変わった人と仲良くなれた ハンドルネーム、姫様 麻雀の腕はそこそこだが、どうもパソコンに慣れていないのか返事が遅かったりタイプミスらしきものが目立った ただ、チャットであるが、なんとなく頑張り屋っぽかったので悪い感じはしなかった ハンドルネーム、TOYONE あんまりパソコンに慣れてないと本人は言っていたが、やたらと楽しそうだった ネト麻だけど色んな人と麻雀ができるのがちょーたのしいよー、とのこと 2人ともとメールアドレスは交換できた 今日の日記はここまでにして、メールを送ってみよう 久「ああ、龍門渕さんとこの執事さんね」 まこ「そういや、あそこの眼鏡が執事がおるってゆうとったの」 咲「多分私が名前聞いたのもその辺りです」 優希「タコスの恩人かー。超いい人だな!」 和「……私ももっとチャットするべきでしょうか」 小蒔「え、えっと……えい!アレ?なんでひらがなに?」 初美「姫様ー、そこじゃないですよ。こっちで変換してですねー」 小蒔「む、難しいです」 春「……私が返しとく?」 小蒔「ま、待ってください!自分でやります!」 霞「あらあら、大変ね」 巴「メール返すだけでちょっとした騒ぎになりますからね。姫様も一生懸命ですけど」 霞「なんとかネット麻雀覚えたと思ったら、メールしたいなんて言いだした時は驚いたけどね」 小蒔「か、霞ちゃーん!メールが送れませーん!!」 霞「小蒔ちゃんのためになるなら、いいことよね」 初美「姫様姫様、電波が届かないだけですよー」 豊音「♪」 塞「しっかし豊音も慣れたもんだね。今じゃ鼻歌歌いながらネト麻とチャットしてるし」 胡桃「初めは、『えー?遠くの人とー?ちょーすごいよー!!』だったのにね」 エイスリン「トヨネ、ガンバッタ!!」 白望「……でも、今は誰かとメールしてるみたいだよ?」 豊音「やったー返事きたよー!!」 7月□日 みんなが合宿から帰ってきた みんな充実した練習ができたみたいだ 合宿に連れていけなかったからと、お土産を2つもらった ひとつはなにかの動物のゆるキャラのようなストラップだった これは、カピバラか?なかなかいいな もうひとつは部長がくれたペットボトル……中身は温泉のお湯だとか 最初に温泉の湯、としか言わないから色々想像したけど、飲める温泉らしい 確かにそういうものもあると聞いていたけど、いきなり温泉のお湯とかしか言われなかったからてっきり残り湯……これ以上はやめておこう 飲んでみたが……あんまりおいしくはなかった 今度お茶に混ぜてやろうか みんなが帰ってきたのも遅かったので、今日もネト麻だった また2人仲良くなれた 1人目はハンドルネーム、お菓子大好きさん 以前試しで対局したのどっちほどではなかったが、かなり上手い人だった なんでもネト麻は最近始めたとか 所々でのミスは慣れてないからか? 2人目はハンドルネーム、百年生さん カンできないとか咲みたいなことを言っていて面白かった それでも俺よりは上手かった 百年生とは今もメールしているが、なんか話しやすいなこの人 お菓子大好きさんはまだメールが返ってこないが、そういうこともあるだろう まこ「久……」 久「な、何よ。普通に身体にいいものよ?……言い方は、わざとだけど」 咲「ところでこの2人が誰かなんとなく分かるのは気のせいかな」 和「いくら麻雀してる人が多いといっても、ネト麻で知り合いに会うことが連続するなんてありえませんよ」 優希「いやー……なんか京太郎ならやりそうだじょ?ところで京太郎にやったストラップでアレか?みんなで買ったストラップと同じシリーズの」 久「あら、ちょっとしたお揃いみたいじゃない」 まこ「部員全員お揃いのもんか……可愛いことするのぅ」 和「須賀くんだって、同じ部の仲間ですから」 咲「京ちゃん、お揃いって気づいてるのかな」 照「…………」ギュルルルルルッターン!! 菫「おい照!ネト麻しながら腕回すのはやめろ!!コード巻き込んでるから一回止めろ!!」 誠子「アレってネト麻でもできるんだ……それまではパソコンの扱いだった危なかったのに」 尭深「宮永先輩、麻雀って付くならなんでも大丈夫らしいよ?この前ゲームの麻雀でも圧勝してた」 淡「うあーー!!なんでカンできないのーー!!」 誠子「こっちは駄目っぽいのにな」 照「……パソコンや携帯の麻雀なら大丈夫なのに、なんでメールは上手くいかないんだろ」 菫「知るか。そういえば、お前ひらがなだけのメールから進歩したのか?」 照「最近やっとカタカナが使えるようになった」ドヤァ 菫「……そうか」 淡「テルー、ギギギーっていうのネト麻でどうやるのー?」 照「まずは牌を選ぶ時…」 菫「おいやめろ」 7月●日 部の買い出しと自分の買い物で市内まで出てみた そこで鶴賀の先鋒の人、津山睦月さんに会った 向こうも優希のタコスを持ってきた俺を覚えていたらしい、というかどんだけインパクトあったんだアレ 行先が同じだったので一緒に行っていると、プロ麻雀せんべいを見つけた 津山さんが買っていたので俺も久しぶりにいくつか買ってみた 津山さんはカードを集めているらしいので俺もカードだけその場で開けてみた なんか小鍛冶プロとか三尋木プロとか大沼プロとかのやたら光っているのが当たった 津山さんの信じられないものを見るような目が少し忘れられない 別に集めているわけでないし、アラフォーやおもち少な目や老人に興味は無いので津山さんにあげると、なんと抱きしめてくれた そこまで嬉しかったのか、何度も何度もお礼を言ったいた 最後は連絡先を交換して別れた 帰ってから調べたが、俺が当てたカードは超が付くほどのレアカードだったらしい まぁ、女の子を喜ばせたんだし、良しとしよう まこ「やたらと他校に知られとるの」 和「落ち着いて考えたら、女子の大会に男子がいるって時点で珍しいんじゃないですかね。その、目立つ容姿ですし」 久「それにしてもいきなり抱きしめられるほどのカードを当てるとはねぇ……その運が少しでも麻雀にも来ればいいのにね」 咲「京ちゃん、自分が興味ないクジとかならやたら当てるんですよ」 優希「それで連絡先ゲットとは……もっとたくさん女子の連絡先知ってたりしないよな?」
久「さぁ、もう年末。やっぱり新年を迎える前に部室は綺麗にしておかないとね」 久「という訳で、清澄高校麻雀部、大掃除をやるわよ!」 3分後 久「やることがないわ」 まこ「そりゃなぁ……」 咲「えと、棚を…」 京太郎「あ、昨日やったわ」 和「窓ふきを…」 京太郎「ああ、一昨日やっといた」 優希「いっちょ倉庫をやるじぇ!」 京太郎「そこ先週片づけて廃品回収に出したぞー」 久「……なんで終わってるのよ!というかいつの間にやったの!?」 京太郎「あ、部長」 久「何?」 京太郎「卓なんですけど、今朝メンテナンスついでに綺麗にしときました」 まこ「牌までピカピカなんじゃが……これ、ウチの店より綺麗じゃね?」 久「……もう!じゃあ後は床にワックスかけて…」 京太郎「すいません、この前の休みの日にやっときました」 久「…………大掃除、いらないじゃない」 まこ「ちゅーか普通の掃除じゃな。京太郎を中心とした」 咲「そういえば、竜門淵さんのとこで色々教わってるとか」 久「ああ……あそこに万能執事がいたわね……」 京太郎「部長、あらかた片付いたんでゴミ捨て行ってきます」 久「それくらい、誰かに…」 京太郎「こういう力仕事は俺の仕事ですよ。後は個人のロッカーの整理くらいですから」 バタン まこ「……紳士じゃのう」 和「ほとんど須賀くん一人でやったようなものですね」 優希「なんかどんどん進化していくじぇ」 咲「なんだろう。京ちゃんが主夫か執事に見える」 久「はぁ……しょうがないわ。後でみんなで須賀くんに何かしてあげましょ」 まこ「そうじゃな。昼飯くらいおごってやるかの」 和「それじゃ、今のうちロッカーの整理とかしてしまいましょう」 優希「うむ。タコスを買ってやろう。喜ぶじぇ」 咲「それ優希ちゃんだけじゃ……あ、でも今やったら京ちゃんだけ後になるんじゃ」 和「須賀くんならすぐに終わらせそうですけどね」 久「そうね……ん?須賀くんの個人ロッカー?……」 まこ「おい、なんか悪い顔しとるぞ?」 久「やーねー。ただ、ここまで須賀くんにやってもらってばかりで申し訳ないじゃない?」 まこ「まぁ、そうじゃな」 優希「そうだじぇ。私達は何かしてあげたいじょ」 久「それよ。須賀くんのロッカー……私達で綺麗にしてあげましょ?」 4人「……!?」 まこ「……いやいやいや」 和「それは……うん……」 優希「…………ちょっと」 咲「勝手に個人のロッカー開けるのは……」 久「ひょっとしたら持って帰ってもばれないような私物とかあるかもしれないわよ?」 まこ「さて、部長開けるか」 和「そうですね。あ、ちゃんと平等にお願いしますね」 優希「部長の言いつけは絶対だじぇ」 咲「あ、私はしおりにできそうなやつがいいです」 久「私はいい後輩を持ったわー。それじゃ、行くわよ?」 ガチャ 久「やっぱりというか、綺麗にしてるわね」 まこ「きっちり整理されとるの」 和「麻雀の教本にインターハイ関係の雑誌……」 優希「美味しいタコスの作り方……」 咲「ここまで綺麗にされてるとばれるような……アレ?」 久「どうしたの咲?」 咲「このノート……」 4月×日 麻雀部に入部した。 入学してすぐ有名だった美少女、原村和がいたから入部した 学生議会長がいて驚いたが、間近でみた原村の胸はやはり大きかった うん、これだけで入って良かったと思えるな その時に他の部員とも顔を合わせた 部長であり3年生、学生議会長である竹井久 なんというか、できる女、という感じだ。胸は小さくはない 2年生の染谷まこ先輩 優しそうな人だ。家が雀荘らしい。麻雀のルールを覚えたら行ってみよう そして同じ1年生の片岡優希と原村和 片岡はちっこくて胸もないが、元気がよくて話しやすい奴だ。仲良くなれそうだ 原村はやはり美少女だった。これで胸も大きいとか完璧か? だが結構固いというか、警戒されている気がする。まぁ、女子4人に男子1人じゃ仕方ない これからはこのノートに書いて行こうと思う 咲「これ……京ちゃんの日記?」 優希「あ、この日京太郎が初めて来た日だじぇ!」 まこ「ああ、丁度4人おったから自己紹介したな……」 和「こんな時から……」 久「咲、続き読みなさい」 咲「は、はい」 4月○日 レディースランチうめー!! 畜生なんでこんな美味いものが女子しか食えないんだ!! 男女平等はどこだ!! 咲に頼んでもらったから食えたからいいようなものだ 持つべきものは女子の幼馴染だ また咲に頼んでもらおう 咲「そういえばこの日からたまに誘われるようになったなぁ……」 4人(羨ましい……) 優希「次、次だじぇ!」 咲「こ、これ以上は京ちゃんにばれない?」 久「もしもし須賀くん?大至急鶴賀まで行ってもらえない?付いたらまた指示するから電話してね」ピッ 和「さすがです」 まこ「おんしら……まぁ続きが知りたいのはわしもじゃが」 久「さぁ咲、読みなさい」 咲「は、はい……えっと」 4月△日 麻雀のルールも大体分かってきたから原村と片岡と染谷先輩の3人相手に打ってみた ……うん……インターミドルチャンプってすごいね…… 終わってから慌てて謝る原村もかわいかったけど爆笑した片岡、てめーは駄目だ 後でタコスくれたから許した まこ「ああ……京太郎の初対局なのに東場で飛ばしたアレか」 久「初心者に何やってるのよ」 和「つ、つい……あまり知らない男性相手だと身構えてしまって」 優希「全くのどちゃんはー」 まこ「わしの記憶が正しかったらおんしも原因の一旦じゃろう」 咲「……京ちゃんよくやめなかったなぁ」 4月□日 高校にもそこそこ慣れてきたと思う 麻雀部に入部したことを友達に言ったら物好きだと言われた なんでも部長が無理矢理に近い形で続けていたもので、麻雀部は部長の私物かプライベートスペースだと思われているらしい まぁ、そう思われても仕方ないだろう。ベッドまであるし 麻雀やる女子はほとんど風越に行き、男子はもそういう名門校に行くらしい なんで部を続けてるんだろ 久「部を私物化って……私そういうことしないわよ?」 まこ「まぁ議会長がこういうことやってりゃそういう噂も立つじゃろ」 優希「そこに美少女なインターミドルチャンプも入部、これは噂になるじぇ」 和「私は別に気にしませんけど」 咲(お姉ちゃんもそんな感じだったのかな……) 4月●日 中学からの友達と可愛い子の情報の交換をした とくに各部活動の先輩の情報はありがたい さっそく揺れるおもちの観察に行こうとしたら迷子の咲を拾った 図書室まで行くのに迷子になるなよ…… 送っていって話し込んでる内に部活が終わっていた 運動部との掛け持ちが可能か検討しよう 久「揺れる胸……私は微妙ね」ジー まこ「……わしも無理じゃな」ジー 優希「……揺れる以前の問題だじぇ」ジー 咲「……迷子にもならないし、揺れないし」ジー 和「えっと……揺れても結構辛いですよ?」 4人「贅沢な悩み(よ)(じゃ)(だじぇ)(だよ)!!」 4月◇日 男友達との会話で麻雀部の4人も割といいよな、と言われた 部長は美人でなんでもできそう、と言っていた奴がいた。事実、大概のことはさらっとやりそうだ 染谷先輩は眼鏡最高だろ!!という奴がいた。馬鹿め、あの人は細かい気遣いとかができる人だ 優希もちっこくて元気よくて可愛いよな、といった奴がいた。ロリコンか貴様 でもやっぱり和のおもちが最高という結論だった。当然だろう おもち以外にも見た目もかわいいから紹介しろと言ってくる奴もいたが、無理だ 明らかにガードが堅い。というか警戒心半端ないわ 下心抜きでも、もうちょっと打ち解けられたらいいんだがな 紹介しろという奴に染谷先輩の店の番号と住所を教えておいた まこ「ああ、やけにテンションが高いウチの1年が来た日があったの」嬉しそう 久「須賀くんもやるじゃない。でも、私そこまでの女じゃないわよ?」嬉しそう 和「それにしてもまた胸ですか……もう」嬉しそう 優希「まぁ仕方ないじぇ。ところで誰がロリだ」複雑 咲「私なんて名前すらないよ?」 4月▽日 咲……お前が文学少女なのは昔からだからいい あったかいから外に出ていい感じの木陰で本を読むとかも絵になっていい だが、教室に戻ってくるまでで迷子になるなよ…… たまたま体育の授業だったから見つけたようなもんだぞ 後、戻るときも迷いそうだからって俺の服の裾掴むな 久「あー……」 まこ「苦労しとったんじゃのぅ……」 優希「咲ちゃん……」 咲「ち、違うよ!?まだ入学したばっかりで分からなかったからだよ!?今は迷子になってないよ!?」 和「咲さん、墓穴ですからそれ以上は止めた方がいいですよ?」 4月■日 今日聞いたのだが、女子が団体戦に出るには5人必要らしい だから最低でも後1人いる もし誰も入らなかった場合は須賀くんに女装してもらおうかしら、とか部長が言いだした それを聞いた染谷先輩がメイド服ならサイズあるかもしれんとか言いだした 女装自体勘弁してほしい 染谷先輩、本気で店に電話して確認するのもやめてください 久「あー、こういうことあったわねー」 咲「メイド服って……私達が着たようなのですか?」 優希「京太郎が着るのはなぁ……」 和「さすがにサイズも無いでしょう」 まこ「実はあったぞ?」 4人「!?」 4月◎日 今日も咲にレディースランチを頼んだ ハンバーグ、エビフライ、カキフライ、サラダ、スープ、デザート…… なんでこんなに充実してるんだよ レディースって付いてるからか一つ一つは量少なくても種類が多い なによりデザートが豪華だわ ……これも部長がなんかやったのか? 久「何もやってないわよ?そもそもレディースランチよりまこのお弁当もらう方が多いし」 まこ「それもやめてほしいがな」 咲「京ちゃん、週に1、2回は確実にレディースランチ頼むんだよね」 和「……つまりこの時からそれほど一緒に食べていたと」 優希「タコスの方がうまいじぇ」 4月☆日 昼休み、たまたま用事もあって外で食べようとしていたら染谷先輩に会った せっかくなので一緒に食べることになった 卵焼きを分けてもらったがなにあれ美味い 一体どういう風に作っているのか聞いたが教えてもらえなかった 俺も料理してれば分かるのか?少しやってみるか 和「……そういえばこの時は料理とかやってなかったんですね」 久「料理始めたのは、全国でタコス作った時くらいからじゃない?」 優希「うむ、京太郎のタコスも美味いじぇ」 まこ「にしては相当な速さで上達したようじゃが」 咲「龍門渕の人に教わってるからじゃないですか?」 久「なるほどね。それにしても、まこの卵焼き以上のものはできるのかしら」 まこ「今度わしも作ってくるから、作らせてみるか」 5月×日 部長が俺が女装に興味ない?とか言ってきた ……目がマジだった ちょっとマジでなんとかしよう 帰り際に京子ちゃんとか呟いてた まこ「おい久」 久「……今思えば一回女装させとくべきだったと後悔してるわ」 和「そっちじゃないですよね?」 優希「でも見てみたいな」 咲「だね。京子ちゃんって呼んでみようかな」 5月○日 たまたま咲が麻雀できるみたいだったんで連れてってやった 本読んでるだけじゃなかったんだな なんか咲の打ち方で驚いてたようだがそんなにすごいことなのかね まぁこれで京子ちゃん回避と思えばいいか 咲「懐かしいなぁ……」 和「あの時は驚きましたね」 久「そうね……あの時はまさかこんなとんでもない子を連れてくるなんて思わなかったわ」 まこ「プラマイゼロ子じゃな」 優希「今も咲ちゃんのプラマイゼロはやぶれる気はしないじぇ」 5月△日 色々あったようだがこれで団体戦のメンバーが5人揃った部長が喜んでいた その日の放課後、部長に呼び出された 自分は団体戦で全国優勝するのが夢だったと なので、今年が最初で最後のチャンスだから、絶対に叶えたい だから大会まで女子部員の練習を優先する 正直、俺まで手が回らなくなる はっきり言って、このまま部に居ても麻雀を打つ機会は減ってくる、と つまり、辞めろってことですか?、と聞くと本当に申し訳なさそうに、部長は頷いた 少し考えさせて欲しい、とだけ言ってその日は帰った ……どうすっかな まこ「…………」 和「…………」 優希「…………」 咲「…………」 久「……続き、お願い」 咲「で、でも……」 久「……お願い」 咲「…………はい」 5月□日 その日は部活に出なかった 代わりに、今度は俺が部長を呼び出した この前の返事を伝えるためだ 「俺は麻雀部を辞めません。本気で全国を目指すなら、むしろサポートが必要でしょう?」 そう言うと、部長は心底驚いたようだった そりゃ、いきなり雑用やります宣言したようなものだ、驚いて当然だろう 部長は何度もいいのか?と聞いてきたが、和の胸目当てで入部したような俺だ、半年くらい構わない、と言った それを聞いた部長は呆れたような顔をしたが、「ありがとう」と言って帰っていった 少し、泣いていたように見えたのは気のせいだろう 和の胸で誤魔化したが、本当の理由はそうじゃない 羨ましかったからだ 全国優勝という目標があり、それを本気で目指す部長が羨ましかった だから、少しでもその手伝いがしたかったんだ どこの青春漫画だ、って言われそうなのでここだけに書いておく まぁ、誰かを助けたり手伝ったりするのは嫌いじゃないし、咲のおかげで慣れている 色々言われそうだが、俺は俺なりに部長の夢を応援して、手伝っていきたい やばい、書いてて恥ずかしくなってきた 久「……もう……そんな素振り、少しも見せなかったくせに……」 まこ「ほんにええ奴じゃの」 和「ええ……私が誤魔化しに使われたのは少々アレですが」 優希「こりゃタコス1週間くらいおごってやらないとだじぇ」 咲「いい話なんだけど、最後の私で慣れてるってどういうこと?」 和「あ、翌日分がありますよ?」 咲「ねぇ?」 5月●日 ひゃっほーい!! 部長が大会終わったら知り合いの胸の大きい子を紹介するって約束してくれたぜー!! よっしゃ、これからは雑用だろうがパシリだろうが全力でこなしていくぜ! 部長、付いていきます!! 久「感動を返して」 まこ「つーか紹介するとか言ったからじゃろ」 久「や、その時はそんなに反応も無かったのよね」 和「一気に上がってた評価が地に落ちましたね」 優希「やはり胸か……」 咲「京ちゃんはこんなんだし……そういえば、結局紹介したんですか?」 久「大会終わってからしたわよ?風越の深堀さん」 まこ「……あいつ、どんな顔したんじゃろな」 5月◇日 咲と和が練習ということで染谷先輩の店の手伝いに行った メイド服の和……俺も見たかった……っ!! どこから持ってきたのか優希が部室で着ていた 馬子にも衣装かね、元は悪くないがな だがパンチラは不意に起きるからいいんだ、お前のそれは恥じらいが足りない 機会があればメイド服の和を見たいから染谷先輩に予定を聞いて行ってみよう しかし、帰りに咲がカツ丼がどうこう呟いてたのはなんだったんだか 奇遇にも晩飯はカツ丼だった まこ「藤田さんにへこませてもらった時か。いやぁ、あん時は常連に受けたわー」 和「メイド服……そんなに見たかったら言ってくれればいいのに……」 咲「カツ丼さん……あの時コテンパンにされたなぁ」 優希「むぅ、私のサービスが不満とは贅沢な奴だじぇ。そこそこいいこと書いてるからまた着てやろう!」 久「いいわね、私も着てみようかしら」 まこ「いっそ全員分持ってくるか?京太郎のも」 和「……アリですね」 5月▽日 昼休みにたまたま部室に寄ると、部長がベッドではなく机で寝ていた 良く見ると大会のルールやらなんやらの書類を広げたままだった。 寝落ちしたのだろう 念願叶った出場だからやっぱりうれしいのかな しばらくは上着かけてそのままにして、ネット麻雀やってたが昼休みが終わる前に起こした 驚いたり顔を赤くしたりする部長は新鮮でなかなか可愛かった それと、大会前に合宿をすることになった 最近は雑用が多くなっていたが、俺も少しは打つことになるらしい 合宿……女子5人に男子一人、これは期待せざるを得ないだろう 今から楽しみだ 久「こ、こんなことまで書かないでよ……もう」 まこ「おい、口元が緩んどるぞ」 咲「……なんかずるいです」 優希「だな」 和「えぇ」 5月■日 合宿中 麻雀卓運ばせるとかきついぜ部長…… そのあと浴衣の乱れた和見れたから問題ないけどな!! 咲が邪魔しなければ脳内保存まで完璧だったのに…… そして夜、分かっていたけど一人は寂しいぜ…… 優希「のどちゃんひん剥いた時かー」 まこ「やったなー。ぜひまたやりたいもんじゃ」 和「や、やめてください!恥ずかしいんですから……」 咲「京ちゃんったらのどちゃんばっかりで……」 久「そっか……一人にしてたか……夜這いという手もあったわね……」 4人「!?」 5月◎日 合宿中 今日は各自それぞれの特訓だった 咲はどうやらリアルじゃない麻雀ならそこまで強くないらしい 機会を見てネット麻雀で勝負を挑もう そして……失敗した…… 男たるもの、そこの女湯があったら覗く一択だろう? なんで咲しかいねーんだよ!!チンチクリンがあああああああ!!! おまけにばれて黙っとく代わりに言うこと聞けとか…… 「欲しい本があるんだー♪」とかまた大量に買わされるに決まってる!あの魔王め!! ああ……さらば諭吉 優希「さーきーちゃーん?」 和「私達何も知りませんでしたよー?」 咲「あ、あはは……覚えてないなー?」 久「ちょっと後で色々聞かなきゃね」 まこ「覚悟せぇよ?」 咲「うぅぅ……ちょっと買い物しただけですよ……」 和「デートじゃないですか!!」 優希「私も覗いてもらうべきだったじぇ!」 久「……むしろ覗きに行くとかどうかしら?」 まこ「おぬし、本当に悪知恵が働くのう……協力するからそん時言えよ?」 和「是非、私も」 優希「私も!」 咲「わ、私は?」 久「……全部喋ってからね?」 5月☆日 合宿が終わった 終わって荷物を置くとすぐ咲に本屋まで引っ張られた ……容赦ねぇよこの魔王が 帰りにファミレスで飯を食うことになった 咲も居ていい機会なので、ファミレスのレディースランチを頼んでもらった 咲は呆れていたが、なかなかいい味だった 食い終わった後、珍しく咲が長い話をした 昔引っ越していった照さんの話だった 昔、それなりに話したり遊んだりはしていたけど、照さん、チャンピオンだったのか……お菓子の取り合いで本気出す印象しかなかったわ 全国に行って照さんと仲直りしたい、か 第三者の俺がどうこう言ったりはできないが、昔仲良かったんだ また仲良くできる、そう思っている 頑張れよ、咲 咲「京ちゃん……」 優希「悔しいが、こればっかりはなー」 和「さすがに幼馴染というのは大きいですね」 まこ「じゃが、よかったな。京太郎が思っていたように仲直りできて」 久「あら?日記まだ続きあるわよ?」 そういえば、昔照さんと結婚するーとか約束したっけ 俺もうろ覚えだし、さすがに照さんも覚えてないよな 咲「……私もこんなこと言ってもらってことないのに」 まこ「おい、また姉妹喧嘩勃発するぞ?」 久「でも、羨ましくない?」 優希「確かにそうだじぇ」 和「まぁでもこの書き方を見る限り子供の時のことですよ。今更どうこういうとかそんなオカルトありえません」 照「……クシュン」 菫「風邪か?」 淡「フツー誰かが噂した、とかじゃないの?」 誠子「それでくしゃみするんなら宮永先輩は1日中くしゃみしてるだろ」 尭深「大丈夫ですか?お茶、淹れます?」 照「ありがと……お茶もいいけどお菓子と京ちゃんがいい」 菫「お前……また京ちゃんか」 照「うん……昔、約束したしね」 5月★日 もうすぐ大会が始まる 昼休みの時間があるときに1年生だけで打ってが、速攻で飛んだ やっぱりみんなは上達してるのかね それからの時間、部活では自分たちの練習を優先しているからか、ネット麻雀での俺の練習に付き合ってくれた 教わることは基本的なことばかりで申し訳ないが、みんなには部活の時間に練習できないことを謝られた 別に構わないんだがな、夏までの間くらい雑用に徹しても そう言うと、みんなが一瞬静かになって、大会が終わったら俺の練習を最優先にすると言ってくれた 特に咲なんかは麻雀を楽しませるとか言って意気込んでいたが、空回りするなよ そのあとは熱のこもった指導をしてくれて、授業に遅れるところだった 正直、指導より背中に当たる和の胸の感触の方が素晴らしかった 咲「日記でもこんなことばっかり言って」 久「ちょっと罪悪感感じてくるわ……」 まこ「あくまで自分は後回しにしようとしとるしの」 優希「だけど、もうそうはさせないじぇ」 和「最後の1文がなければいいんですけどね……というか当ててたの、気づきませんでしたよ」 まこ「なんじゃ、わざとじゃなかったんか」 和「いえ、これからはわざと当てます」 優希「お、恐ろしい宣言だじぇ……」 6月×日 団体戦が始まった みんな、やっぱすげーんだな…… 清澄は1回戦、2回戦勝ち抜いて決勝進出を決めた 和はエトペン持ってって恥ずかしそうだったが、圧倒的だった 正直恥ずかしがる和がかなり可愛かった 咲は1回戦最後に飛ばして終わらせてた でも……人ごみに慣れてないからって迷子になるなよ咲 探すのは慣れてるけどな そういや、探す時に妙な人いたな 話しかけたら「見えるんすか!?」って、幽霊かよあんた その後も驚いたままどっか行くし、なんだったんだろ。でも、おもちが大きい人だったな 久「1回戦かー……もう半年は前なのよね」 まこ「じゃな。しかしこの幽霊って、鶴賀の副将じゃないんか?」 優希「ああ……確か、『スケルトンもも』!!」 久「『ステルス』ね」 咲「そういえば個人戦で当たったっけ」 和「ステルスとかありえませんよ。見えてましたよ」 咲「……和ちゃん、可愛いって書かれてるから嬉しそうだね?」 久「合宿の時ゆみが見えるかどうか聞いてきたのはこれだったのかしら?」 6月○日 団体戦決勝 優勝したああああああああああ!!!!! すっげーよ!! 龍門渕って去年全国でもすごかったらしいのにそれに勝つとかすげーよ!! 最後とかよく分かんねーけどカンしまくって漫画みたいな逆転してすげーよ咲!! もう自分のことみてーに嬉しいぜ!! そりゃ大会に出たわけじゃねーし、むしろ今日やったのはタコス買いに行って昼飯買いに行って写真撮って……アレ? まぁいいやとにかく優勝おめでとう!!!! 咲「え、えへへ……京ちゃんったら……」 久「決勝か……この日のことは忘れられないわね」 まこ「……わしの部分だけ忘れてほしいの。全然じゃったし」 優希「私もだじぇ……来年こそ大活躍するじぇ!!」 和「その時はタコス余分に用意しときましょうね……咲さん、にやけすぎですよ?」 咲「もう……そんなにすごいならまた見せてあげるのに……」 まこ「おい、京太郎相手にやるなよ?咲?聞いとる?おい」 6月△日 最初に部長、ありがとうございます。 部活でプールに行った いやぁ和の水着は最高でした。胸って、水に浮くんだな 部長と染谷先輩は水着も気合い入っててありがとうございます本当に 咲と優希は、まぁ、似合っているよ。うん とにかく眼福眼福 それと、龍門渕高校の人達も来ていた というか龍門渕の副将の人の家の健康ランドらしい。スゲーわ 久「ああ、もうプールって単語が出てきた時点で予想できてたわ」ジー まこ「そうじゃな。ちゃんとわしらの水着も見よったのは嬉しいがのう」ジー 優希「私に水着が似合っているのは当然だじぇ」ジー 咲「うん……なんか引っかかる書き方してるけど……仕方ないよね」ジー 和「えと……見ないで欲しいんですけど……」 久「……分けて」 まこ「……わし、2割くらいで」 優希「……割と本気で同意だじぇ」 咲「……5人で分けても結構残りそう」 和「いや、無理ですよ?あの、なんでこっちに近寄って……部長?その手は……染谷先輩?優希?……咲さんまで!?いや、だから無理ですって揉めばとかそんなオカ…やめてーー!!」 6月□日 今日から個人戦が始まった 俺もやっと大会に出られる……と思っていた 個人戦1回戦の卓に座ったところは覚えているが 「狂気の沙汰ほど面白い……」 「さて……打(ぶ)つか」 「……御無礼」 この3人の一言を聞いて、気が付けば昼休みで、心配そうな顔をした清澄のみんなの前にいた どうやら俺は負けたようだったが記憶が全くない 何が起きたのか?どうやって負けたのか?何も分からない ただ、その1回戦では飛ばなかったらしいということ 1回戦の3人はその後、棄権して会場にはいなかったということしか分からなかった 一体、なんだったんだろう 5人「…………」 久「一応聞くけど、この時の牌譜見つけられた人いる?」 まこ「すまん、うちの常連の伝手でも無理じゃった」 和「何故かネットからも消されてました」 優希「そもそもアレ人間か?」 咲「京ちゃんが無事だったからいいんじゃないかな?」 久「むしろよく無事だったと言うべきね……これ以上の追及は無しで」 6月●日 個人戦2日目 1位は風越の福治さんだった そして2位が和、3位が咲となんと清澄から2人も出てしまった 優希も昨日は頑張っていたみたいだが、やはり東南戦になったからか 部長や染谷先輩もいいところまではいったみたいだが上位に入るのは難しかったようだ 来年は俺だってやってやるぜ! 優希「むむむ……東風戦だったら私が優勝だったのに……」 咲「優希ちゃん1日目すごかったもんね」 和「もう、ルールなんですから仕方ないですよ」 久「私はもう無理だけど、応援してるわね」 まこ「おう。来年こそ鶴賀のあいつにリベンジじゃ!」 6月◇日 今日の部活動は染谷先輩の家の雀荘でやることになった なんでも、大会で解説していた藤田プロが来るらしいので一度打ってもらうとか しかし打つ直前、優希がタコスが無いと言い出した 部長曰く、優希のタコスは和のエトペン、染谷先輩の眼鏡、部長の髪ゴム、咲のカン、などなどと同じかそれ以上に必要なものだから急ぎ買いに行くことになった でも染谷先輩、店として食べ物の持ち込みは良かったんですかね 近場の店に行ったが、何故か売り切れだった。というかタコス食ってる子が多い どうみてもうちのタコス娘の影響です 2軒目では丁度俺の前の人がラストだったらしい 「これを食べれば東場でも……」とか言ってたポニテさん、それは違う あまりにもがっくりしていた俺を見てすごく謝られた 3軒目でも駄目だったのでいっそ作るしかないかと思っていたが 「あら?確か、清澄の生徒さんですよね?」 風越の福治さんに会った どうやら団体戦でタコスを持って行ったとき、顔を覚えていたようだ 事情を説明すると、簡単なタコスのレシピを書いてくれた どうやら風越でも少しタコスが流行っているらしい。恐るべし、タコス 急いで戻ってそのレシピで染谷先輩に作ってもらって事なきを得た つーか、タコス流行りすぎだろ まこ「ああ、あのレシピから、うちの店のメニューにもタコスが加わったんじゃ」 久「どこからレシピ持ってきたと思ったら、美穂子だったのね」 和「タコスが流行ってたということの方が驚きです」 咲「そういえば私もタコス食べたっけ」 優希「タコス、偉大なり!だじぇ!」 6月▽日 部長に頼まれた買い出しで少し遠くの店まで行った こういうことに慣れてしまった自分が少し悲しい 途中で本屋で麻雀関係の初心者用の本を見ていると、鶴賀の次鋒だった妹尾さんに会った 決勝でおもちが大きかった人は全て記憶している 向こうも俺を知っていたらしく、同じ初心者ということで少し話しが盛り上がった あの時の槍槓がかっこよかったとか、責任払いとかそこで知ったとか、話しやすい人だった 妹尾さんも買い物の途中だったらしく、話しながら歩いた しばらくそうしていると、チラシ配りの人に「カップル割引やってます」とか言われてチラシを貰った そういうのじゃないと言って返そうとしたが、お似合いだとか言われて受け取ってもらえなかった 持ってても仕方ないので妹尾さんに渡したが、顔が少し赤かった。熱でもあったか? 最後は携帯の番号とアドレスを交換して別れた ネット麻雀をよくやっているらしく、近い内に打とうと約束した 楽しみだ まこ「い、いつの間に……」 久「ビギナーズラックで須賀くんまで持っていくつもりかしら」 和「そんなオカルト…」 優希「でも胸大きいじょ?」 和「…ありえませんよね?」 咲「やっぱり胸か……」 まこ「ちっと風越の吉留と龍門渕の沢村に連絡しとくか」 久「眼鏡っ子で同盟でも組んだの?」 6月■日 今日は1年生のクラスが同じ時間にホームルームが終わったので4人で部室に向かった だが、途中で優希がはしゃぎすぎたのか、階段で足を滑らせた たまたま下に居た俺が受け止めたので大怪我はしなかったが、足を捻ったみたいだった さすがにそのまま歩かせる訳にはいかないので、俺が抱えて保健室に連れて行った 保険医もそこまで大きな怪我じゃないと言っていたが、安静にしておくようにとのこと 部長の判断で、今日優希は先に帰って休むことになったのだが、捻った足のまま帰るわけにもいかないので俺が送ることになった 優希が自転車で来ていたから、それに二人乗りした 優希は怪我の時から大人しく、帰りも「……ごめん」と言っただけだった 別に気にしてないし、いつもの優希の方がいいと言ったら元気になって後ろから抱き着いてきた 当たるものもないんだからいいっての 別れ際に「ありがとう」と小さく言っていたのが聞こえた 優希「…………」 久「へー、こんな青春してたなんてねー」 和「そういえば、この時期くらいから、たまに須賀くんといて赤くなったりしてましたよね?」 優希「…………」 まこ「あんまり引っ付いたりもしなくなったのぅ」 咲「そういえば優希ちゃんがクラスに遊びにくることが増えてたような……」 優希「…………さて、つ、つ次のページ」 久「で?この時落ちたのね?」 優希「……うぅぅぅぅ……タコス買ってくるじぇ!」 まこ「和、右押さえとけ」ガシッ 和「はい。さぁ優希?」ガシッ 優希「は、はーなーせー!!」ジタバタ 久「どうやって落ちたのか、教えてね?」 咲「京ちゃんさらっとしか書いてないけど、この時に言われたことだよね?」 優希「べ、別に大したことじゃないじぇ!!」 和「ではその大したことじゃないことを話してもらいましょうか」 優希「お、鬼ー!!」 優希「うぅぅぅ……恥ずかしぬ……」カオマッカ 久「うんうん、いい話だったわー」 まこ「あいつもやるのー」 咲「京ちゃんは自覚ないんですよね」 和「それ、被害者まだ居そうじゃないですか」 優希「うん?……つまり……私以外の人のことも書いてあるのか?」 久、まこ、和「!?」 咲(あ、多分私は大丈夫だ。落ちたのもっと前だし) 久「……いや、私はもう結構恥ずかしいこととか、色々出ちゃったし?」 和「わ、私はもう節々で出てますよ?」 まこ「わしも悪いようには書いてないし?」 優希「咲ちゃん続きー」 咲「はーい」 6月◎日 告白された 放課後、移動教室に忘れ物を取りに行ったら教室にいた女子にいきなり「大好きです!」と言われて驚いた その女子はそのままどっかに行った ……どうしよう 5人「…………えっ?」 久「ちょ、ちょっと!どうなってるのよ!!」 和「こ、告白って……須賀くんが!?」 まこ「いや、まぁ確かに告白とかされてもおかしくはない見た目じゃしのう」 優希「さ、咲ちゃん!続きは?」 咲「こ、この日はこれしか書いてないよ!きょ、京ちゃんが告白されたって……」 和「よ、翌日はどうなってるんですか!」 咲「あ、あった!えっと…」 6月☆日 今日は疲れた…… 今日、昨日告白してきた女子に呼び出された その女子はクラスが違うがたまに同じ授業を受ける、隣のクラスの子だった 顔は悪くなく、胸は部長と同じくらいか だが、いくらなんでもそれくらいしか知らない子と付き合う気はない そう言ったら、少し悲しそうに、そうですね、と言った後、お友達からお願いしますと言われた それは断る理由もなかったので、とりあえず携帯の番号とメールアドレスを交換した そのあと、驚かせるようなことをしてすいません、と謝られた それはいいが、なんでいきなりの告白だったのか、俺のどこがいいのかを聞くと、「声です!!」と言われた なんでも、俺の声がその子にとって理想的な声だったらしく、そのことを考えている時にいきなり俺の声が聞こえたから反射的に好きだと言ったとか…… むしろ声だけ大好きですとすっげーいい笑顔で言われた……アレ?なんか悲しくなってきた その後、こういうセリフを言ってくれ、女声を出してみてくれ、などなどのリクエストに応えてやったよこんちくしょー 連絡は電話ならいつでもいいと言われたが、意地でもメールしか送ってやらねー 5人「…………」 まこ「……うん、まぁいい声しとるよな」 久「そうね。でも、告白されたときの須賀くんの気持ちを考えると……」 和「声だけって……いや、確かに聞いていたい声ですけど」 優希「声……それ以外もいいのにな」 咲「むしろ全部いいよね」 6月★日 今日の部活は俺と和の二人だけだった みんな色々と用事があったらしい 二人だけなので和にネット麻雀で教えてもらった しばらく教えてもらった後、どこまで理解しているか試すことになり、半荘1回、和のアドバイス無しで打つことになった そこそこ分かるようにはなってきたが、和にとってはまだまだらしく、口に出したいのを我慢しているのか画面をじーっと見つめていた 俺が1回打つ度、どんどん体全体を画面に近付け、俺の背中に胸を押し当てるようになった その理想的な状況を止めようとする男なんていないだろう、あえてそのまま黙っていた 正直、最高だった。そんな状況で麻雀に集中できる訳がない 集中できず、ミスをする。和が口に出したいのを我慢して、そこからまたどんどん押し付けてくる 天国はあの瞬間にあった 最後、俺はもうほとんど画面が頭に入っていなかった 全神経を背中に集中させていたと言っても過言ではない ほとんど無意識で打っていると、和が急に大声を上げた びっくりして画面を見ると、4位だった俺がトップに役満を直撃させて逆転していた 和はしばらく効率がどうの、オカルトがどうの呟いていた おそらく、おもちが起こした奇跡だったのだろう それ以降は普通にネット麻雀をするだけとなり、普通に帰った この日背中で感じた感触は、絶対に忘れない 和「あの日、どんなに見直したり理屈を考えたりしても分からなかったものがこんなことなんて……」 まこ「ちなみに役はなんじゃったん?」 和「……純正九蓮宝燈です」 久「……奇跡、というか一生分の運使ったんじゃない?」 咲「胸に役満……確かに天国だったんだね」 優希「京太郎、のどちゃんの胸のことしか覚えてないんじゃないか?」 6月▲日 そろそろテストが始まる さすがに部活は休んで勉強しろとのことだ 夏休みに補習にでもなったらシャレにならないからな 咲の提案で1年生4人で図書室に集まって勉強することになった が、優希の奴逃げやがった 仕方なく3人でやることになった お互いに分からないところを聞いたり、得意なところを教えたりして普段よりかなり効率よくできたと思う 今回のテスト、いつも以上にやれそうだ 優希「のどちゃんと咲ちゃんが二人して抜け駆けしていたなんて……」 和「勉強会って言った瞬間逃げたのは優希でしょう」 咲「うん。私も少し成績よくなったな」 まこ「わしは家の手伝いしとったかな。部長は?」 久「テストなんて余裕よ。合同合宿もあったし、いちいち構ってられないわ」 まこ「さすがじゃのう」 6月◆日 テストがかえってきた 思っていた以上にいい点取れていた 特に咲と和に聞いたところが出ていたのが大きかったな 優希の奴は……追試だったらしい 更に部長は団体戦決勝の4校の合同合宿を計画しているが、追試が駄目で補習だと参加が難しいらしい こんなことで不参加、なんて笑えない。 和が絶対に勉強させるとか言っていた、頑張れ優希 優希「日記でまで私の追試について書かなくても……それに、追試は大丈夫だったんだからいいんだじぇ!」 和「もう、そもそも普段からやってないから追試になったりするんですよ?」 久「追試で不参加、とかどうしようもないものね」 まこ「合宿に参加する他校からなんか言われても文句言えんだろうな」 咲「えっと……ドンマイ?」 優希「み、みんないじめる……」 7月×日 優希の追試はどうやらなんとかなったようだ 俺は合同合宿の買い出しに行っていたが、その間和と咲が勉強を見ていたらしい そして今日は夏祭り、麻雀部のみんなと行ってきた 咲が浴衣持っているからみんなもと期待したら期待通り、みんな浴衣姿だった いやぁ、これはこれで眼福 そういえば、浴衣の下に何も付けないのは本当なんだろうか …………やばいな 5人「付けてた(わ)(よ)(です)(じぇ)!!」 まこ「ほんっとこういうことばっかじゃのう」 久「あら、でも私達をそういう目で見てくれてるってことじゃない?」 和「程々にしてほしいです……」 咲「私達は」 優希「どうだろなー」 7月○日 今日から清澄、龍門渕、風越、鶴賀の4校合同合宿だ 今度の合宿は他校の人も……風越の福路さんもいいおもちだったよな…… だが俺は留守番だった。ですよねー、女子ばっかのなか野郎1人はさすがに無理だって分かってましたよー 1人寂しいがこんな時こそ麻雀だ。少しでもみんなに追い付くんだ しかしネト麻で知らない人とやるとはいえ、長くやってると割と仲良くなるもんだな 今日だけで3人とは仲良くなれた ハンドルネーム、ハギヨシさん 今日から3日ほど暇らしく、かなり長時間付き合ってもらった。 2人目はハンドルネーム、膝枕さん かなり上手い人だった。なぜこんなハンドルネームなのかと聞くと、一緒に始めた友達が勝手に決めたとか その友達であり、3人目がハンドルネーム、ソムリエさん 膝枕ソムリエとか名乗っていた。実は膝枕さんに膝枕してもらいながらネト麻やってるとか言ってたが、さすがに嘘だろう この人はそこそこの腕前だった 3人全員メールアドレスを教えてくれたので、この日記を書き終わったらメールしてみよう 今日はみんながいなくて正直寂しくもあったが、ネット上でも仲良くなれた人がいたからよかった みんなは今も頑張っているのだろう、俺も頑張ろう まこ「確か初日は温泉入ったり卓球やったり……」 優希「部長がまずは温泉って言うからだじぇー」 久「い、いいじゃない。温泉、嫌いじゃないでしょ?」 和「それにしても須賀くんすごいですね。1日で3人とアドレス交換するなんて」 咲「京ちゃん誰とでも仲良くなれるからね。でもこのハギヨシって名前、どこかで聞いたような……」 竜華「怜ー、膝枕しながらネト麻はやめへん?打ちにくいわ」 怜「いやー……1巡先見れん代わりに、一番ベストな体勢で打つ……効率的やん?」 竜華「だらけとるだけやろ。なー、やっぱ膝枕って名前変えてええ?」 怜「駄目や。やないとウチがただのソムリエになるやん」 7月△日 今日もネト麻ー しかし少し驚くことがあった 昨日ハギヨシさんとメールしていると、ハギヨシさんも長野にいることが分かった 住んでいるところもそこまで遠くなかったので、実際に会って昼を一緒に食べようということになった ハギヨシさん、龍門渕の人だった つーか予選でタコス屋教えてくれてありがとうございます ハギヨシさんも俺が清澄だって知ってかなり驚いていた お互いに驚いたが、なんだかんだで一緒に昼飯食べている内に仲良くなれた これからもハギヨシと呼んでいいとのことだ 友達が増えるっていいわー 帰ってからネト麻の続きをしたが、またかなり変わった人と仲良くなれた ハンドルネーム、姫様 麻雀の腕はそこそこだが、どうもパソコンに慣れていないのか返事が遅かったりタイプミスらしきものが目立った ただ、チャットであるが、なんとなく頑張り屋っぽかったので悪い感じはしなかった ハンドルネーム、TOYONE あんまりパソコンに慣れてないと本人は言っていたが、やたらと楽しそうだった ネト麻だけど色んな人と麻雀ができるのがちょーたのしいよー、とのこと 2人ともとメールアドレスは交換できた 今日の日記はここまでにして、メールを送ってみよう 久「ああ、龍門渕さんとこの執事さんね」 まこ「そういや、あそこの眼鏡が執事がおるってゆうとったの」 咲「多分私が名前聞いたのもその辺りです」 優希「タコスの恩人かー。超いい人だな!」 和「……私ももっとチャットするべきでしょうか」 小蒔「え、えっと……えい!アレ?なんでひらがなに?」 初美「姫様ー、そこじゃないですよ。こっちで変換してですねー」 小蒔「む、難しいです」 春「……私が返しとく?」 小蒔「ま、待ってください!自分でやります!」 霞「あらあら、大変ね」 巴「メール返すだけでちょっとした騒ぎになりますからね。姫様も一生懸命ですけど」 霞「なんとかネット麻雀覚えたと思ったら、メールしたいなんて言いだした時は驚いたけどね」 小蒔「か、霞ちゃーん!メールが送れませーん!!」 霞「小蒔ちゃんのためになるなら、いいことよね」 初美「姫様姫様、電波が届かないだけですよー」 豊音「♪」 塞「しっかし豊音も慣れたもんだね。今じゃ鼻歌歌いながらネト麻とチャットしてるし」 胡桃「初めは、『えー?遠くの人とー?ちょーすごいよー!!』だったのにね」 エイスリン「トヨネ、ガンバッタ!!」 白望「……でも、今は誰かとメールしてるみたいだよ?」 豊音「やったー返事きたよー!!」 7月□日 みんなが合宿から帰ってきた みんな充実した練習ができたみたいだ 合宿に連れていけなかったからと、お土産を2つもらった ひとつはなにかの動物のゆるキャラのようなストラップだった これは、カピバラか?なかなかいいな もうひとつは部長がくれたペットボトル……中身は温泉のお湯だとか 最初に温泉の湯、としか言わないから色々想像したけど、飲める温泉らしい 確かにそういうものもあると聞いていたけど、いきなり温泉のお湯とかしか言われなかったからてっきり残り湯……これ以上はやめておこう 飲んでみたが……あんまりおいしくはなかった 今度お茶に混ぜてやろうか みんなが帰ってきたのも遅かったので、今日もネト麻だった また2人仲良くなれた 1人目はハンドルネーム、お菓子大好きさん 以前試しで対局したのどっちほどではなかったが、かなり上手い人だった なんでもネト麻は最近始めたとか 所々でのミスは慣れてないからか? 2人目はハンドルネーム、百年生さん カンできないとか咲みたいなことを言っていて面白かった それでも俺よりは上手かった 百年生とは今もメールしているが、なんか話しやすいなこの人 お菓子大好きさんはまだメールが返ってこないが、そういうこともあるだろう まこ「久……」 久「な、何よ。普通に身体にいいものよ?……言い方は、わざとだけど」 咲「ところでこの2人が誰かなんとなく分かるのは気のせいかな」 和「いくら麻雀してる人が多いといっても、ネト麻で知り合いに会うことが連続するなんてありえませんよ」 優希「いやー……なんか京太郎ならやりそうだじょ?ところで京太郎にやったストラップでアレか?みんなで買ったストラップと同じシリーズの」 久「あら、ちょっとしたお揃いみたいじゃない」 まこ「部員全員お揃いのもんか……可愛いことするのぅ」 和「須賀くんだって、同じ部の仲間ですから」 咲「京ちゃん、お揃いって気づいてるのかな」 照「…………」ギュルルルルルッターン!! 菫「おい照!ネト麻しながら腕回すのはやめろ!!コード巻き込んでるから一回止めろ!!」 誠子「アレってネト麻でもできるんだ……それまではパソコンの扱いだった危なかったのに」 尭深「宮永先輩、麻雀って付くならなんでも大丈夫らしいよ?この前ゲームの麻雀でも圧勝してた」 淡「うあーー!!なんでカンできないのーー!!」 誠子「こっちは駄目っぽいのにな」 照「……パソコンや携帯の麻雀なら大丈夫なのに、なんでメールは上手くいかないんだろ」 菫「知るか。そういえば、お前ひらがなだけのメールから進歩したのか?」 照「最近やっとカタカナが使えるようになった」ドヤァ 菫「……そうか」 淡「テルー、ギギギーっていうのネト麻でどうやるのー?」 照「まずは牌を選ぶ時…」 菫「おいやめろ」 7月●日 部の買い出しと自分の買い物で市内まで出てみた そこで鶴賀の先鋒の人、津山睦月さんに会った 向こうも優希のタコスを持ってきた俺を覚えていたらしい、というかどんだけインパクトあったんだアレ 行先が同じだったので一緒に行っていると、プロ麻雀せんべいを見つけた 津山さんが買っていたので俺も久しぶりにいくつか買ってみた 津山さんはカードを集めているらしいので俺もカードだけその場で開けてみた なんか小鍛冶プロとか三尋木プロとか大沼プロとかのやたら光っているのが当たった 津山さんの信じられないものを見るような目が少し忘れられない 別に集めているわけでないし、アラフォーやおもち少な目や老人に興味は無いので津山さんにあげると、なんと抱きしめてくれた そこまで嬉しかったのか、何度も何度もお礼を言ったいた 最後は連絡先を交換して別れた 帰ってから調べたが、俺が当てたカードは超が付くほどのレアカードだったらしい まぁ、女の子を喜ばせたんだし、良しとしよう まこ「やたらと他校に知られとるの」 和「落ち着いて考えたら、女子の大会に男子がいるって時点で珍しいんじゃないですかね。その、目立つ容姿ですし」 久「それにしてもいきなり抱きしめられるほどのカードを当てるとはねぇ……その運が少しでも麻雀にも来ればいいのにね」 咲「京ちゃん、自分が興味ないクジとかならやたら当てるんですよ」 優希「それで連絡先ゲットとは……もっとたくさん女子の連絡先知ってたりしないよな?」

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