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由暉子「外に出すって言ったのに……」京太郎「ユキおこプンプン丸?」1」(2015/07/24 (金) 19:46:54) の最新版変更点

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由暉子「……うんしょ、うんしょ」 夕日に照らされて、スーパーのレジ袋を両手に抱えた小さな影が、俺の影の隣りをぴょこぴょこと歩いていた。 京太郎「夏とはいっても、やっぱり北海道は日が落ちるのが早いよなー」 由暉子「このままだと完全に日が暮れる前に部室に戻るのは難しいでしょうね」 相変わらずぴょこぴょこと俺の隣りを歩きながら、ユキは腕時計で時間を確認する。 京太郎「おいおい、ちゃんと前を向いて歩かないと危ないぞ」 由暉子「もうっ、京太郎くんは心配性すぎます。これくらい問題ありません。私だって子供じゃないんですから大丈夫――きゃっ」 って、言ったそばから石に蹴躓いて転びそうになるなよ。 京太郎「あぶねえっ」 とっさにその腕を掴んで、どうにかその華奢な体を支えた。 京太郎「……ったく、何やってんだよ。ユキ、大丈夫か?」 由暉子「は、はい、問題ありません」 元気よく答える同級生を横目に見ながら、俺は掴んでいた手を離し小さく溜息を吐いた。 140センチもない小柄なユキの体は一部分を除いて、非常に軽い。 それこそ風が吹けば飛んでしまいそうな軽さだ。 っていうか、小柄な体格に不釣り合いな大きい胸のせいで、今みたいな感じで転びやすいんだろうけど。 小柄なユキの歩幅に合わせて、俺もかなり歩くスピードを抑えているんだが、それでもユキは少し遅れがちだった。 由暉子「ふふっ、私、また京太郎くんに助けられちゃいましたね」 京太郎「荷物が重いならこっちに回せよ。俺はまだ大丈夫だから」 由暉子「いえ、大丈夫です。大体、先輩たちとの買い出しじゃんけんに負けたのは私ですし、これ以上、付き合ってくれている京太郎くんの手を煩わせるわけにはいきません」 京太郎「いや、別に煩しいとか別にそんなこと思ってないんだけど」 由暉子「ふふっ、京太郎くんは相変わらず優しいですね」 両手いっぱいにレジ袋を抱えたまま、ユキは何故か楽しそうに言う。 京太郎「別にそんなんじゃねえよ。あんまり遅くなって爽先輩たちに変に勘繰られると面倒なだけだ」 俺は部室で待っているであろう先輩たちの顔を思い浮かべながら呟く。 そういうのに疎い成香先輩はともかくとして、爽先輩と揺杏先輩は何かにつけて俺たちのことをからかってくるから困る。 それと普段はそうでもないんだけど、たまに思い出したようにからんでくるチカ先輩も。 由暉子「変に勘繰られる? 先輩たちに何か隠し事でもあるんですか?」 京太郎「……はぁ」 溜息しか出ない。 隣を歩く小動物を見下ろしながら、俺は頭痛を堪えるように額に手を当てた。 由暉子「京太郎くん? 頭痛がするならカバンの中に頭痛薬がありますが?」 京太郎「だから、そんなんじゃねえって。大体、カバンは部室だろうが」 由暉子「あ、そういえば、そうでした。すみません」 ぺこんと頭を下げるユキ。 その拍子に頭の両サイドで束ねた髪が垂れ下がる。 うん、この髪形、前々から子犬みたいだと思ってたけど、やっぱり子犬みたいだよなぁ。 いや、まあ、そりゃ似合ってるかと言われれば、すげー似合ってるし可愛いのは否定しないけど――って、なに言ってんだか俺は…… 由暉子「何か面白いことでもあったんですか?」 どうやら俺は知らないうちに、にやけていたらしい。 京太郎「いや、何でもない。ほら、とっとと行こうぜ」 未だに疑問符を浮かべているユキからレジ袋をちゃちゃっと奪って俺は学校へと急ぐことにした。 由暉子「あっ、全部持たれると私の分がなくなってしまいます」 小走りで俺を追い抜くと、通せんぼするみたいに俺の前に立ちはだかるユキ。 ちょっとだけ頬を膨らませて、上目使いに俺を見つめてくる。 京太郎「はぁ……お前って変なところで律儀だよな」 いや、律儀というか馬鹿正直というか義理堅いというか不器用というかクソ真面目というか……こんな生き方をしていて―― 京太郎「お前、疲れないのか?」 なんて俺は無意識のうちに訊ねていた。 由暉子「いえ、疲れてなどいませんが?」 どうしてそんなことを問うのか、と不思議そうな表情を浮かべユキは俺を見つめる。 由暉子「大体、京太郎くんに荷物を押し付けたままでは不公平だと思います」 不公平、不公平ねえ…… あまりにも当然のようにユキは言い切る。 それに対し、俺は反論もできなければ、溜め息も吐けなかった。 京太郎「……わかった、わかったよ。それじゃあ、一番重たいこの袋を二人で持とう」 由暉子「二人で、ですか? ふふっ」 京太郎「俺、なんか変なことでも言ったか?」 由暉子「いえ、旧約聖書伝道の書における『二人は一人にまさる。其はその労苦のために善報を得ればなり』を知っていますか?」 ものすごく良い笑顔でユキが目をキラッキラに輝かせて俺を見つめてくる。 どうやら聖書の一節にそういうのがあったみたいだ。 あいにく俺はまったく知らないけど。 京太郎「……まあ、お前が楽しいなら何よりだよ」 由暉子「私、そんなに楽しそうですか?」 キョトンとした顔で首を傾げるユキ。 こいつ、自覚なかったのか? 京太郎「先輩たちに出会ってから、お前は毎日楽しそうだよ」 由暉子「どんな風に楽しそうなんでしょうか?」 京太郎「そうだな……よく笑うようになったかな」 由暉子「そうですか? 中学の時とあまり変わらない気がしますが」 ますます不思議そうにユキは首を傾げる。 京太郎「変わらないねえ……」 よく考えれば、自分がどんな風に笑ってるかなんて普通は気にしないか。 むしろ気にしてる方がおかしいんだし。 でも―― 京太郎「先輩たちと会えて、ユキは変わったよ」 中学の頃、ユキはメガネをかけた地味な少女だった。 おまけにクラスの奴らから面倒事を押し付けられても二つ返事で引き受けたあげく、それを本人は頼りにされてると感じてしまうような残念な思考の持ち主で…… 今思えば、あれは一歩間違えれば、いじめの域に入る危険な状態だった。 だから俺は―― 真屋由暉子は都合のいい奴。 そんな風にユキが扱われるのが気に入らなくて、色々と何とかしようと駆け回って、 けれど結局のところ、それはユキの意識が変わらない限り、焼け石に水に過ぎなかったわけで。 由暉子「私、そんなに変わりましたか?」 京太郎「ああ。すげー変わったよ。本当に……」 だが、あの人たちに会ってユキは変わった。 爽先輩に引っ張られて、有珠山高校麻雀部に通うようになってから、明らかにユキは変わった。 メガネをコンタクトにして髪型も変えて、容姿が垢抜けたってだけじゃない。 もっと根本的な部分、真屋由暉子という少女に欠けていたもの――言葉にできない何かが、あの人たちによって満たされ、変わっていった。 そして俺は、ただそれを見ていることしかできなくて、ただただ無力で無能で、それに嫉妬しているだけのガキで。 京太郎「あの人たちは本当にすげえよ……」 何年も一緒にいたのに、俺は結局なにもできなかった。 ただ近くにいることしかできなくて、ユキの意識のせいにして自分では何も変えられなかった。 京太郎「いや――違うか」 最後の輝きを放ちながら、夕日が山の稜線の向こう側へと消えていく。 真っ暗になった空を見上げれば、夜空に輝く丸い月とそれを見守るように浮かぶ一番星。 由暉子「京太郎くん、どうしました?」 京太郎「いや、今日は月がきれいだな……って思ってさ」 由暉子「……ああ、確かに。日が暮れる前に部室に帰れるって約束したのに、きっと先輩たち、心配してますよね」 京太郎「そのあたりは大丈夫じゃないか。ユキ一人だけだったら心配だけど、今は俺が付いてるからな」 由暉子「むぅ、その言い方だと私が一人ではお遣いもできないみたいです!」 京太郎「怒るなって、冗談だよ」 表では苦笑を浮かべながら、俺は心の中で溜息を一つ。 こうしてユキと同じ有珠山高校に入ったのだって、ユキが危なっかしくて心配だから……なんて誤魔化してるけど、結局のところ、ただ優越感に浸りたかっただけなのかもしれない。 この不器用な少女を守ることで、俺のくだらない自尊心を満たしたくて。 『ユキは俺がいないと本当にダメだなぁ』 そんなバカみたいな台詞を吐きながら、俺は真屋由暉子の隣りにいたかっただけなのかも。 京太郎「……そういえば今日は満月か。もうすぐ夏休みで、そうすりゃインターハイもあっという間に始まる。行けそうか?」 由暉子「わかりません。ですが、先輩たちのためにも一つでも多く勝ちたいと思います」 夜空を見上げるユキの目にはもちろん俺の姿なんて映っていない。 視線の先にあるのは満月。 そして先輩たちとともに挑むインターハイという未来。 必死に努力を重ねた者たちだけが辿り着ける聖域。 眩しすぎる世界。 そこに俺なんかが入り込む余地はなかった。 京太郎「そっか……頑張れよ」 応援というにはあまりに情けない自分の声。 もちろん、ユキたちを応援する気持ちがないわけじゃない。 むしろ勝ち上がってほしいし、負けてほしいなんて微塵も思ってなかった。 なのに、あの満月のように輝くユキを見ていると、自分のことが情けなく思えてくる。 はっきり言えば、俺は先輩たちだけでなく、ユキにさえ嫉妬していた。 ずっと自分の隣にいると思っていた少女はいつの間にか、手の届かない存在になっていて、どんなに必死になって手を伸ばしても決して届かず―― 京太郎「……そういえばさ、夜空全体の星の輝きをかき集めても、満月の明かりには届かないんだってな」 何を感傷的になっているのか、俺は無意識のうちにそんな意味のわからないことを呟いていた。 由暉子「私もどこかで読んだことがあります。満月の明るさは一等星を四十万個集めた明るさだそうです」 京太郎「四十万個か。それは知らなかったな。そう考えると星の明るさなんてちっぽけなもんだよな。新月の時なんて、どんなに空が晴れてて星が見えても明かりがなけりゃ夜道を歩けねえし」 俺は空を見上げながら呟く。 月の隣りで輝いているあの星は一体なんという名前だったか。 地上を照らす月の輝きに比べて、星の輝きはあまりに淡すぎる。 由暉子「……京太郎くん、何かあったんですか?」 京太郎「いや、何でもないよ……」 益体もない思考を切り上げ、俺はいつの間にか止まっていた足をまた進めることにした。 それに合わせてユキも歩き始める。 由暉子「……私では頼りないかもしれませんが、何か困ったことがあったら遠慮せずに言ってくださいね」 隣を歩きながらユキはそんなことを言った。 まあ、こんだけ挙動不審じゃ気付かれるよな。 もはや苦笑すら浮かばない。 ユキは不器用でお人好しで要領も悪いが、馬鹿じゃない。 これだけ俺が馬鹿をやってれば、感付かれるのも当然か。 京太郎「なんか、いつの間にか立場が逆転しちまったなって思ってさ」 由暉子「どういうことでしょうか?」 京太郎「いや、ユキは本当に変わったって話だよ。ほら、そんなことより、急がないと先輩たちにどやされるぞ」 由暉子「あっ、京太郎くんっ、待ってくださいっ」 誤魔化すように俺が駆け出すとユキもまた慌てたように走り出す。 京太郎「ははっ、遅れてると荷物全部、俺が持ってっちまうからな!」 由暉子「もうっ、京太郎くんっ、いじわるですっ」 俺は笑いながら、怒ったような表情を浮かべるユキに振り返る。 これからもこんな風に一緒にいられるだろうか? そんな情けない考えが浮かぶ。 今はまだこうして何とか隣を歩けているけど、きっと遠くないうちにユキは俺のずっとずっと先を歩き始める。 そのとき、俺はまだこんな風に笑えるだろうか? 由暉子「あれ? 誰もいませんね?」 真っ暗な部室に入ると中には誰もいなかった。 いや、真っ暗になってるんだから誰も中にいないのが普通なんだけど。 京太郎「先輩たち、どこに行ったんだ?」 俺たちを置いて帰ったわけではないだろう。 あの人たちはそんな無責任じゃないし。 だとしたら、 京太郎「俺たちを驚かせようとどこかに隠れてやがるのか?」 高校生にもなってそんな小学生みたいなことをするとは思えなかったけど、あの人たちなら有り得ないこともないから恐ろしい。 なんて考えていると俺の携帯のメール受信音が鳴った 由暉子「もしかして先輩たちでしょうか?」 京太郎「だろうな……」 このタイミング、間違いなく先輩たちと見ていいだろう。 ったく、一体どういうつもりなんだか。 えっと、なになに…… 爽『なかなか一歩を踏み出せない京太郎のために私たちは先に帰る。ユキと二人きりにしてやるなんて気の利く優しい先輩たちを持てて幸せだろう?』 京太郎「…………嫌な気遣いだよっ!」 思わずスマホを床に叩き付けそうになったが、寸前で堪える。 本当に何を考えてるんだあの人たちは!? 由暉子「あの、何かあったんですか?」 俺の反応がよほど気になったのか、ずいっと身を乗り出してユキはスマホを覗いてきた。 って、こんなのユキに見せられるわけがない。 京太郎「な、何でもないって!」 由暉子「だったら見せてください」 京太郎「ほ、ほんとに何でもないから!」 ユキの手が届かないように俺はスマホを頭上高くに掲げる。 が、ユキはよほどメールの内容が気になるらしく、スマホに向けて必死に手を伸ばしてくる始末。 ちょっ、ユ、ユキさん、そんなに近付かれると体が密着して、そのっ、柔らかい部分が押し付けられてくるんですけど! 由暉子「どうしてそんな意地悪するんですか?」 京太郎「意地悪じゃなくて、ほんとに大したメールじゃないんだって」 由暉子「だったら、どうして先輩たちは部室にいないんですか?」 ぐいぐいと俺に体を押し付けながら、執拗にユキはスマホに手を伸ばしてくる。 もちろん、メールの内容を馬鹿正直に教えるわけにもいかない。 京太郎「先輩たち、用事があって先に帰ったんだって」 由暉子「用事……?」 京太郎「そう、用事。だから俺たちも早く帰ろうぜ」 ようやくユキの追及の手が収まり、ほっと一息ついた俺だったんだが、 由暉子「どうして先輩たちは私たちを置いて帰ったんですか?」 どこか弱々しげな声でユキが呟くのが聞こえて、ハッとした。 京太郎「よ、用事だったんだから仕方ないだろ」 由暉子「だとしても、どうして京太郎くんにだけメールをしたんですか?」 京太郎「それは……」 上手く言い訳が思い付いてくれない。 俺だってわかってる。 あの人たちが、たかが用事程度でユキ一人を置いて帰るわけがないってことくらい。 でも、だとしても、たかがそれだけのことだ。 用事があってユキを残して先に帰っただけ。 なのに、ユキはどうしてこんな辛そうな表情を浮かべているんだ? 京太郎「ユ、ユキ、なぁ、俺たちも早く帰ろうぜ」 由暉子「京太郎くん……」 京太郎「だから、そんな顔するなって。文句なら明日、俺が先輩たちに言ってやるから」 由暉子「本当はメールになんて書いてあったんですか?」 京太郎「だから、本当に用事があるから先に帰るって――」 由暉子「だったら、どうしてそのメールを私に見せてくれないんですか?」 京太郎「それは……」 由暉子「やっぱり……」 京太郎「何がやっぱりなんだよ?」 由暉子「本当は先輩たちは私のことなんて――」 京太郎「そんなわけねえ!」 思わず俺は叫んでいた。 誰もいない校舎に俺の声がこだまする。 でも、それだけはユキの口から言わせるわけにはいかなかった。 京太郎「確かにあの人たちはたまに何考えてるかわかんねえところもあるよ。爽先輩はウンコウンコうるせえし、揺杏先輩も口が汚いし、チカ先輩はああ見えて腹黒いとこあるし、成香先輩に至っては天然小動物だし、でもな、あの人たちが仲間をどうでもいいなんて思うわけねえだろ」 由暉子「でも先輩たちは最近、私を避けてます。今日の買い物じゃんけんだけじゃなくて、部室の掃除当番も私に付き合ってくるのは京太郎くんだけで――」 京太郎「だから、それが勘違いだって言ってんだよ!」 俺は思わず叫ぶ。 由暉子「勘違い?」 京太郎「ああ、そうだよ! いいか、お前は勘違いしてるみたいだが、今までのは全部あの人たちなりのお節介なんだよ」 こうなってしまった以上、俺の口はもう止まらない。 本当にもうあの先輩たちが慣れないお節介をするから、こんな面倒なことになっちまったんだ。 くそっくそっ、こうなったら言うしかねえじゃねえか。 京太郎「いいか、よく聞けよ。あの人たちがお前を避けてたように見えたのは、俺とお前を二人にするためだったんだよ」 由暉子「私と京太郎くんを? 何故でしょうか?」 こいつはこいつで特大の疑問符を頭の上に浮かべてやがるし。 ああっ、もうっ、鈍いにも程があるだろ。 いいさ、だったら行けるとこまで行ってやる。 京太郎「そんなの決まってるだろう! 俺がお前に告白するタイミングを作るためだよ!」 由暉子「告白……? それは教会で行う懺悔のこと――」 京太郎「――じゃないことくらい、わかってて誤魔化してるだろ」 由暉子「……すみません」 京太郎「いいか、一回しか言わないから、ちゃんと聞いとけよ」 由暉子「ま、待ってください。突然すぎます。少し心の準備を――」 京太郎「知らん、勝手に聞け。いいか、ユキ、お前が好きだ。俺と付き合ってくれ」 ムードもへったくれもない。 怒りと勢いに任せて俺は自爆じみた告白をした。 正直、こんな告白は黒歴史以外の何物にもならないってくらい、無様な告白。 ユキに至っては驚いたみたいに口をパクパクさせてるし。 京太郎「いや、まあ、返事はすぐじゃなくていいし、ユキの好きな時でいいから、その、ちょっとくらいは俺のことも考えててほしいなぁとか、なんというか」 女々しい言い訳じみた言葉で、無意味と知りながらも俺は自爆を誤魔化そうともがく。 本当にもう何やってんだ俺の馬鹿。 ああ、マジで最悪だ。 こんな乱暴な告白されてOKするような奇特な奴なんているわけが―― 由暉子「は、はい……えっと、不束者ですがよろしくお願いします」 って、ここにいたよ! 顔を真っ赤にしながら、ユキは礼儀正しく頭を下げる。 京太郎「お、おい……あんなメチャクチャな告白に普通OKするか?」 由暉子「えっと、やっぱり私が恋人では嫌ですか?」 京太郎「いやいや、そんなわけないから!」 むしろ願ったり叶ったりというか、俺の方こそよろしくお願いしますというか。 京太郎「でも、本当に俺でいいのか?」 由暉子「はいっ、京太郎くんがいいですっ」 先ほどまでの辛そうな表情はどこに行ったのか、ユキは満面の笑みで答える。 ヤバい。 何だこれ、ユキが可愛いのは当たり前だし、当然すぎることだけど、こんなに可愛かったっけ? 知らず俺はユキへと手を伸ばしていた。 小さくて細い肩を掴む。 由暉子「あの、京太郎くん……?」 わずかに戸惑うような表情を浮かべるユキ。 京太郎「何もしないから、目を閉じて上を向いててくれないか?」 由暉子「は、はい。こうですか?」 小さく震えながらユキは俺の言葉通り、その端正な顔を上向ける。 ユキの顔を見下ろしながら俺は息をのんだ。 本当にユキは綺麗になったと思う。 元々の顔立ちはよかったけど、今のユキはそれだけじゃない。 ユキを見ているだけで、俺の頭はくらくらするような感覚に襲われる。 純粋な性格と小さめの身長に対して、背徳的なまでに豊満なユキの体。 これを見て何も感じない男がいるわけがない。 膝を付き、欲望のままに俺は上向かせたユキの震える唇に自分の唇を重ね合わせた。 由暉子「……んっ、んんっ、あっ、京太郎くん……これは――」 京太郎「まだ目を開けていいとは言ってないぞ……んっ」 自分勝手極まりない台詞を吐きながら、ユキが抵抗しないのをいいことに俺は柔らかな唇を啄んでいく。 由暉子「んっ、ちゅっ、京太郎くんっ、あっ、ちゅむっ……やっ、口の中に京太郎くんの――あっ、ちゅむっ、れるっ」 最初は唇が触れるだけの、そして徐々に大胆に、ユキの柔らかな唇に吸い付き、それに飽きれば、さらにその奥の口の中へと舌を差し入れる。 由暉子「はむっ、じゅっ、れろっ、あっ、んっ、んんっ、ちゅっ、ちゅっ、ぷはっ、京太郎くんの舌が、私の口の中にっ、んっ、ちゅぷっ」 苦しそうに息を荒げながらもユキは絶対に抵抗しない。 抱き上げるようにユキを腕の中に抱き締めながら、誰も侵入したことのない口内を犯していく。 舌を絡ませ、時に吸い上げ、唾液ごとユキを舐め取る。 ユキは抵抗しない。 苦しげな吐息を漏らしながら、俺の蹂躙をひたすらに受け続けるだけ。 京太郎「ユキっ、ユキっ、ちゅっ、んっちゅっ、ちゅむっ、ちゅっ、ちゅるっ」 由暉子「はぁっ、はぁっ、ちゅっ、あんっ、きょうたろ……くんっ、ちゅっ、れるっ、ぷはっ、んんっ、私、なんだか頭がぼーっとして……」 口からどちらのモノともわからない大量の唾液を零しながら、ユキは蕩けた表情で俺を見上げる。 京太郎「はぁっ、はぁっ、目を開けるなって約束を破ったな、ユキ」 由暉子「す、すみません……でも、よくわからないけど、頭の奥がジンジンして――」 京太郎「そうか。だったら、約束を破ったお仕置きが必要だよな?」 雀卓の上にユキの小柄な体を横たえながら、俺はその上へと覆い被さる。 こうなってしまった以上、ユキに逃げ場はないし俺も逃がすつもりはない。 由暉子「お仕置き……お願いします」 上気した顔のまま、どこか期待したような表情を浮かべユキは言う。 京太郎「それじゃあ、制服を脱がせるからな」 震える声で言い、俺はユキの制服へと手を伸ばした。 背徳感で背筋に寒気と同時に熱い劣情が走っていく。 神聖な学び舎、それも皆が使う部室のそれも雀卓の上で俺は今、ユキを穢そうとしていた。 こんなところを先輩たちに見られれば、絶対に軽蔑されるだろう。 一生、無視されても仕方がないことを俺はやろうとしている。 本当なら、絶対に我慢しなければならない場面のはずだ。 なのに、俺はどうしようもなく興奮していた。 京太郎「ユキ、綺麗だ……」 俺は思わず呟く。 女子の制服を脱がせるという慣れない作業に手間取りながら、ようやく目の前に現れたユキの裸身はこの上なく神々しかった。 まだブラジャーに隠れてはいるが、たわわに実ったユキの双丘は芸術的に美しく、染み一つない肌の触り心地はまるで夢を見ているかのよう。 由暉子「その……私の体、変じゃないですか?」 京太郎「どこが?」 由暉子「えっと、こんなに背が小さいのに胸だけ不釣り合いに大きくて……」 京太郎「そんなことねえよ! ユキのおもち、最高だ」 それ以外の言葉が思い付かない。 これのどこがおかしいっていうんだ。 もしもユキの体を馬鹿にするやつがいるんなら、俺は全力でそいつをブッ飛ばす。 京太郎「ユキ、ブラジャー……いいか?」 由暉子「はい……でも、がっかりしないでくださいね」 京太郎「がっかり……?」 ユキの言葉に引っ掛かりを覚えながらも、割れ物を扱うように優しくブラのホックを外す。 そうして押さえ切れなくなったように俺の前に現れたのは―― 京太郎「陥没乳首……」 ユキの乳首は完全に乳輪の中に埋まっていた。 由暉子「や、やっぱり変ですよね。せっかく褒めてもらえたのに……私――」 京太郎「何言ってんだ! 陥没乳首……最高じゃないか!」 恥ずかしそうに両手で顔を隠すユキの手をどけて俺はまっすぐに告げた。 由暉子「がっかりしないんですか?」 京太郎「むしろ興奮する! これでがっかりするような奴はホモだ!」 あまりに興奮しすぎたらしい。 俺の口から垂れたよだれがユキのピンク色の乳首に雫になって落ちる。 由暉子「んっ、京太郎くん、そんなに興奮してるんですか?」 京太郎「ユキ、好きにしていいんだよな?」 由暉子「えっと、京太郎くんのお好きなように、でも、優しくしてください……」 俺から目を逸らしつつ、ユキは恥ずかしそうに頷いた。 京太郎「ああ、できるかぎり優しくする――はむっ、ちゅっ、ちゅるっ」 由暉子「んっ、んんっ、京太郎くんっ、そんなっ、優しくするって……んっ、あぁっ、いきなり吸い付くなんてダメですぅっ」 びっくりしたユキが俺の頭を抱えて、胸から引き離そうとしてきたが、その程度のことで離れるわけにはいかない。 柔らかな胸を揉みしだきながら、ピンク色の乳輪の中心にある陥没へと下を侵入させていった。 由暉子「ひぁっ、きょ、京太郎くんの舌がっ、私の乳首っ、ほじくってますっ」 京太郎「ちゅっ、れるっ、なんだ? ユキは陥没乳首ほじくられると気持ちいいのか?」 由暉子「そ、そんなことは――あひっ、やっ、そんなに強く吸われたらっ、あぁっ」 陥没乳首に吸い付きながら、舌で隠れた乳首の先端を刺激していく。 由暉子「やっ、だめぇっ、そこっ、んんっ、声っ、出ちゃうっ、んん、あんっ」 段々とユキの上げる声に艶が混じり始めた。 とともに、舌先にも明らかな硬い感触が現れる。 京太郎「へぇっ、ユキは陥没乳首いじられながら、乳首勃起しちまう変態なんだな」 由暉子「勃起……?」 京太郎「ほら、見えるだろ? 陥没してた乳首が完全に顔を出してる」 乳輪の中心にぷっくりと姿を現した突起を優しく摘まみ、ユキの顔の前まで引っ張り上げた。 由暉子「これが勃起、なんですか?」 京太郎「俺にいじられて唾液まみれになって、気持ち良くなって顔を出したんだよ」 由暉子「んっ、そんなっ、撮まないでくださいっ、ひぅっ、やっ、んっ」 刺激され熱を帯びた乳首の先端を指先でコリコリといじめるとユキは艶の混じった声を上げた。 京太郎「ユキは見た目によらず、随分とエッチみたいだな」 由暉子「ち、違いますっ。私はそんなエッチな子じゃ―ひゃんっ」 京太郎「油断大敵だぜ。今度は反対側の乳首も勃起させてやるよ。ほら、その間にユキも勃起乳首、一緒に舐めるだろ?」 規格外のでかさを誇るおもちは引っ張り上げると、余裕で乳首がユキの口元へと届いていた。 由暉子「京太郎くんと一緒に乳首をですか?」 京太郎「さっきキスしたけど、今度は乳首も一緒だ。反対の方は指でほじくってやるよ」 由暉子「ひぅっ、んっ、きょ、京太郎くんの指がっ、私の陥没乳首っ、ほじくってますっ。やっ、も、もっと優しくっ、ひっ」 京太郎「そんな気持ちよさそうな声あげといて、優しくするわけないだろっ。ほらっ、自分で乳首を舐めるんだっ」 由暉子「んっ、わ、わかりましたっ、はむっ、れるっ、あむっ、ちゅっ、あっ、舐めてるっ、私、自分の乳首、自分で舐めてますっ、京太郎くんとキスしながらっ、自分の乳首、自分の唾液まみれにしてますっ」 ユキの言葉どおり、俺たちは舌を絡ませ合いながら乳首を舐めていた。 普通ならば、絶対にありえないであろう光景。 どちらのモノとも知れない唾液でユキの乳首はぬらぬらとテカっていく。 京太郎「ほらっ、今度は逆の乳首を自分で勃起させるんだ」 由暉子「んっ、あむっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅるっ、京太郎くんもっ、一緒にっ」 京太郎「ユキッ、ユキっ、ちゅっ、れるっ、はむっ」 由暉子「ちゅっ、ちゅむっ、ああっ、私っ、自分で陥没乳首に舌を突っ込んでますっ、京太郎くんっ、私、こんなエッチな女の子だったんですねっ」 京太郎「ああっ、本当にユキはエッチな女の子だっ。自分で乳首ほじくりながら勃起させて、ほら見てみろ。こんなにビンビンに乳首勃起させてるっ」 上気した表情で、ユキは唾液まみれの勃起乳首さらに舐め回す痴態を俺の前に晒していた。 京太郎「ユキ……」 俺の理性はもう破裂寸前だった。 さっきから自己主張を激しくしていた逸物は今にもズボンをぶち破ってユキに白濁をぶっかけてしまいそうな勢いでそそり立っている。 決して、この少女をこんな目で見まいと誓っていたのに、俺の情欲はそんな誓いさえ、理性ともども簡単に崩壊させていった。 京太郎「ユキ、今度はその胸で俺を気持ち良くしてくれるか?」 由暉子「ふふっ……私たち恋人同士なんですから、遠慮しないでください……」 蕩けた表情のまま、ユキは俺の股間の膨らみを見つめている。 もう我慢の必要なんてない。 ズボンのジッパーを下げおろし、俺は欲望に漲った逸物をユキの前へと晒した。 由暉子「これが……京太郎くんの性器……想像していたより、大きいです」 京太郎「なんだ、ユキでもエッチな想像なんてするのか?」 由暉子「え? あっ、そ、そのっ、違うんですっ。その、ちょっとだけですからっ」 京太郎「でも、したんだよな? その時のユキはどんなふうに俺のコレを気持ち良くしてくれたんだ?」 ユキの目の前に逸物を押し付けながら、俺は意地の悪い質問をした。 由暉子「えっと、京太郎くんはどんな風にされるのがお好みですか?」 京太郎「俺はユキの好きなように気持ち良くしてもらえれば、それが最高なんだけどな」 由暉子「私の好きなように、ですか? え、えっと、では……」 何かを決意したように俺の前でユキは跪くと、いきり立った逸物をその豊満なおもちで挟み込んだ。 京太郎「くっ、いきなりパイズリとはやってくれるじゃないか」 由暉子「……パイズリ? あの、部活中や登下校中、ちらちらとこちらを見て京太郎くんは私の胸がお好きなようでしたので」 ちらちら見てた覚えはないんだけど、俺って、そんなにわかりやすかったのか…… 由暉子「ですが、痛いようでしたら、やめますけど……」 京太郎「いや、続けてくれ。でもこのままじゃ滑りが悪いから口の中に唾液を溜めた後、谷間の間に流し込むんだ」 由暉子「唾液をですか? むぐっ、もぐっ、こ、こうれふか?」 ユキの口の中に溜まっていた唾液が胸の谷間を伝って俺の逸物をも濡らしていく。 京太郎「ああ、いいぞ。ユキの生温い唾液が俺のち○ぽに絡まって、良い潤滑剤になる。それじゃあ、両手で胸を挟み込みながら、俺のち○ぽをしごくんだ」 由暉子「はっ、はいっ、んっ、あっ、んんっ、ど、どうですか? ちゃんと私で気持ち良くなってますか?」 京太郎。「くっ、すっげえ気持ち良いよ。自分でやるより何倍も気持ち良いっ。ユキの柔らかいおもちと乳圧で今にも射精しそうだっ」 ぬちゅぬちゅと卑猥な音を立てながら、ユキは慣れないなりに一生懸命おもちを上下させていた。 そのたびに犬耳のようなユキの髪の房が揺れるのが見え、同時にパイズリによる感触で俺の逸物に電流のような快感が走っていく。 くっ、腰が砕けそうになる。 このままユキの中に白濁をぶちまけてしまえば、どんなに気持ち良いだろうか? 由暉子「京太郎くんの性器、ビクビクしてますっ。あっ、熱いっ、京太郎くんっ、我慢せずに射精していいんですよっ」 京太郎「ユキッ、性器じゃなくてもっとエッチな呼び方があるだろう?」 由暉子「え、エッチな呼び方?」 京太郎「ほら、俺をもっと気持ち良くさせたいんだろ?」 由暉子「お、おち○ちん、京太郎くんのおち○ちん、私の中でびくびくしてっ、射精しそうなんですよねっ?」 京太郎「ああっ、もう射精しちまうっ。くっ、ユキっ、ユキの胸の中にぶちまけるぞっ」 由暉子「はいっ、京太郎くんの精液っ、私の胸の中に好きなだけ出してくださいっ」 スパートをかけるようにユキの逸物を扱き上げるスピードが上がる。 ユキのおもちが揺れるたびにその振動が乳圧とは別の快感として俺の逸物を刺激していった。 完全に俺の逸物を咥えこんだユキの胸の中は唾液と汗と先走り汁で何とも言えない匂いを放ちながら、俺の精液を受け入れようとしている。 京太郎「くっ、あっ、ユっ、ユキっ、出るっ」 脳髄から電流のような快楽が背骨を伝い、逸物へと流れていった。 と同時に溜めこんでいた白濁が一気に放出されていく。 由暉子「あ、熱いっ、京太郎くんの精液っ、熱くて、胸の中にこんなに出されたら私、火傷しちゃいます……あっ、きゃっ」 胸の中だけでは収まり切れず、俺の吐き出した白濁がユキの顎を、頬を、額を、髪の毛を白く穢していく。 由暉子「はぁっ、はぁっ、こんなに出るなんて、すごい……ふふっ、京太郎くん、気持ち良かったですか?」 未だに射精を続ける逸物を胸の中に挟み込んだまま、ユキは愛おしそうに尋ねてくる。 その表情はとても無垢で、しかし、どこか艶々しくて、 由暉子「きゃっ、きょ、京太郎くんのおち○ちん……また大きく――」 京太郎「駄目だ、ユキ。これくらいじゃ全然満足できない」 由暉子「では、もう一回胸の中で気持ち良く――」 京太郎「いや、今度はちゃんとユキの中で気持ち良くなりたい」 ユキの胸の中から逸物を引き抜くとその隙間から白濁が噴出した。 由暉子「きょ、京太郎くん、それって……」 京太郎「ユキは嫌か?」 由暉子「い、嫌じゃありませんけど。でも、赤ちゃんが……」 京太郎「大丈夫、ちゃんと外に出すから」 ユキの頭を撫でながら俺は言った。 こんなことになるなんて夢にも思ってなかったから、避妊具なんて持っていない。 もちろん、それはユキも同じだろう。 由暉子「その……今日はちょっと危ない日なので、ちゃんと外に出すって約束してくださいね」 京太郎「わかった。約束する。もしも何かあっても、俺が責任取るから」 ユキの顔や髪にかかった白濁をふき取りながら、俺はその可愛らしい唇にキスをする。 由暉子「んっ、ちゅっ、京太郎くん……」 京太郎「後ろ向いてくれるか? そっちの方が女の子の負担が少ないそうだし」 由暉子「あの……初めては、ちゃんと京太郎くんの顔を見ながらしたいです……」 これまで散々エッチなことをしたというのに、ユキは目を逸らして恥じらうように呟いた。 京太郎「わかった。じゃあ、下も脱がせるからな」 スカートを外し、可愛らしいピンク色の下着へと手を伸ばす。 ユキのショーツはお漏らしをしたのかと思うほどに、びちゃびちゃになっていた。 京太郎「ユキ、俺のち○ぽを胸でしごきながら、興奮してたんだな?」 由暉子「うぅ……京太郎くんのおち○ちんが熱くて、それが胸の中にあると思ったら、お腹の奥がジンジンしてきて、我慢できなくて……」 京太郎「それで、こんなに濡らしちゃったのか。こんなに濡れてたら前戯はいらないかな……」 耳元で囁くように呟きながら、俺はユキのショーツを脱がし、ぴっちりと閉じた割れ目へと指を滑り込ませた。 由暉子「んっ、ひぁっ、京太郎くんの手が……私のっ、んっ」 京太郎「まだちょっと触っただけなんだけど、ユキは本当に感じやすいんだな。クリトリスがもうこんなに大きくなってる」 由暉子「クリトリス……? ひっ、あっ、やっ、なっ、なんですかっ、これ!?」 ぴっちりと閉じた膣からわずかに顔を出したクリトリスに舌を這わせると、ユキは驚いたように声を上げた。 京太郎「さっき、俺を気持ち良くしてくれたお礼だよ。ちゅっ、れるっ、ここ、舐められると気持ち良いだろ?」 ぴっちりと閉じていることからわかっていたが、ユキの膣から薫ってくる匂いはかなりのモノだった。 膣内をちゃんと洗ったことがないせいで、独特の臭いが鼻をつく。 唯一パイパンであることが救いといえば救いか。 正直、ずっと嗅いでいれば、数分としないうちに気分が悪くなるだろう。 由暉子「ひぁっ、やめっ、だめですぅっ、ぴちゃぴちゃっ、音がっ、やっ、んんっ、あんっ、きょうたろっ、くぅんっ、そこっ、気持ち良いですぅっ」 けれど俺はやめられなかった。 知らないうちに遠く感じるようになっていたユキに、自分なんかが嬌声を上げさせている。 それがどうしようもなく嬉しくて、何よりも興奮した。 クンニしているだけで先ほど射精したばかりだというのに、先走りが床へと垂れ始めているのが自分でもわかる。 こんな状態で挿入すれば、一秒も持たずに暴発するだろう。 京太郎「はぁっ、はぁっ、ユキ……」 由暉子「京太郎くぅん……」 とろんとした目でユキはすがるように俺を見上げていた。 その視線は先ほどよりもさらに膨張していた逸物に向けられている。 京太郎「ユキ、本当にいいんだな?」 由暉子「はい、京太郎くんの……私にください」 そう言ってユキは俺の首へと腕を回した。 瞬間、俺の中にあった箍が音を立てて外れる。 京太郎「ユキっ、ユキっ」 獣のような声を上げ、逸物を膣口に宛がい―― 由暉子「京太郎く――ひっ、あっ、あぁぁぁっ」 ユキの上げる苦鳴すら快楽に変換しながら一気に貫いた。 京太郎「くっ、あっ、きつっ……」 初めての感覚に思わず声が漏れる。 ただでさえユキの体は小さいというのに、その膣内はさらに狭く小さかった。 無理やりにぶち込まれた俺の逸物を必死に押し返そうと膣全体が収縮を繰り返しているのがわかる。 由暉子「あっ、うっ、うぅっ……」 どれほどの苦痛なのだろう。 ユキは声にもならない声を上げて、必死に痛みを堪えていた。 俺が与えた痛み。 欲望に駆られて、俺が無遠慮にユキに与えた痛みだ。 本当ならもっと上手いやり方があったはずなのに、俺はそれをしなかった。 だとすれば、俺の逸物を拒もうとする膣内の運動はユキなりの必死の抵抗なのかもしれない。 だが、 京太郎「くっ、ユキっ、出る……」 膣から抜く余裕さえなかった。 俺はユキにのしかかるように抱き付きながら、その体の奥へと白濁液をぶちまけていた。 由暉子「んっ、あっ、こっ、これっ、京太郎くんの赤ちゃんの素……私の中に、出てますぅ……」 俺にのしかかられたまま、ユキは力のない声を上げた。 破瓜の痛みに耐えていたところに追い打ちで、膣内に射精までしてしまった。 由暉子「お腹の中……あったかいのが広がって、んっ、んんっ……」 その声すら、どこか遠くに聞こえた。 罪悪感とユキに対する申し訳なさで俺は死にたくなる。 だというのに、俺の逸物はびゅくびゅくと痙攣を繰り返しながら、未だにユキの膣内へと射精を繰り返していた。 どれほど、そうしてユキに抱き付きながら、逸物の暴走に身を任せていただろうか。 ようやく射精が収まり体を起こすと、ユキが頬を膨らませて、こちらを見ていた。 京太郎「あの、ユキさん……?」 由暉子「京太郎くんは嘘吐きですっ」 京太郎「うっ、すみません」 由暉子「優しくしてくれるって言いましたよね?」 京太郎「うぅ……」 由暉子「外に出すって言いましたよね?」 京太郎「あぅ……」 俺は返す言葉もない。 いかに興奮していたとはいえ、これじゃあレイプも同然だった。 しかも、あれだけ射精したというのに俺の逸物は未だに硬度を保ったまま、ユキの膣内で鎮座ましましているという始末。 由暉子「んっ、京太郎くん、またおち○ちんがびくんってなりましたよ? 反省してるんですか?」 京太郎「し、してるって! で、でも生理現象なんだから仕方ねえだろ!」 由暉子「そんなにまた私の膣内に出したいんですか?」 京太郎「こ、今度はちゃんと外に出すって!」 由暉子「こんなに膣内に出しておいて今さらですか?」 ユキは相当怒っているらしい。 いや、まあ、初めてなのにほとんどレイプみたいに犯されたあげく膣内射精されて怒らない女の子なんていないわけがないけど。 由暉子「こんなに膣内に出されたら、今さら外に出されても無意味です」 京太郎「うぅ、おっしゃる通りです」 由暉子「私、本当に怒ってるんですよ?」 京太郎「もしかして、ユキおこプンプン丸?」 由暉子「そうっ、それです! ちゃんと反省してますか?」 京太郎「してます。もうこんなことはしません」 名残惜しさを感じながらも、これ以上ユキを傷つけるわけにもいかない。 俺が膣内から逸物を引き抜こうとした瞬間、 由暉子「どうしてやめるんですか?」 ガシッとユキの足に腰をホールドされてしまった。 京太郎「あの、ユキさん……? この足は何でしょうか?」 由暉子「京太郎くんだけ気持ち良くなって終わりなんて不公平です」 京太郎「不公平って俺はどうすれば……」 由暉子「ですから、今度はちゃんと私も気持ち良くしてください」 そう言ってユキはグイッと俺の腰を引き寄せた。 京太郎「って、待て待て。無理すんなって。さっきまで処女だったんだから、そんな急に気持ち良くなるわけないだろ。今日はもうこのくらいに……くっ」 由暉子「んっ、そんなことを言う割には京太郎くんのおちんちんは元気ですよ。ふふっ、本当に正直者なんですね」 微笑むユキの顔のは先ほどまでの無垢な表情だけでなく、どこか小悪魔めいた艶のようなものが見えた。 もしかして俺とエッチしたことで眠っていたサキュバスの血が目覚めたのか? ……なんて現実逃避してる場合じゃねえ! こうなった以上は逃げるわけにもいかないし、責任を取るか。 京太郎「わかったよ、ユキ。じゃあ、動くけど、その前に一つ」 由暉子「なんでしょうか?」 京太郎「痛くならないおまじない。今から俺が持つ異能『ギアス』を掛けるから、俺の目を見るんだ」 由暉子「ギアス?」 京太郎「ああ。絶対遵守の王の力だ」 由暉子「絶対遵守の王の力……」 興味深そうに呟くユキ。 高校生にもなってこんな中二病くさいことを言われても、普通は鼻で笑われるだけなんだが、 由暉子「よくわかりませんが、格好いいです! ぜひともお願いします!」 京太郎「あ……ンう、うん」 あまりの食いつきの良さに自分で振っておいて、俺の方が少しばかり戸惑ってしまった。 正直、女の子の中にち○ぽを突っ込みながらやることじゃないし、大体、俺に絶対遵守の王の力だの、そんな大層なものが宿っているわけもない。 これからやろうとしていることは、いわゆる暗示。 それも気休め程度の暗示である。 どれほどの効果があるかはわからないが、これが俺なりのユキに対する誠意だった。 京太郎「いくぞ、キョータロー・ヴィ・ブリタニアが命じる。痛みを忘れ貪欲に精を求める淫乱肉奴隷になれ!」 正直、自分でも何言ってるんだって台詞だが、まあ気休め程度にはなるかな。 なんて思ってたんだが―― 由暉子「……私が……淫乱肉奴隷……」 虚ろな目、虚ろな表情でそう呟くとユキはそれきり動かなくなった。 京太郎「あの、ユキさん……?」 背筋に冷たい汗が流れる。 何かとんでもないミスを犯したような、そんな…… 何ともいえない予感にユキの膣内から逸物を引き抜こうとした瞬間、 京太郎「くぁっ……」 俺はユキに押し倒されていた。 京太郎「ユキ……?」 一瞬、何が起こったのか理解できず、俺は呆けたような声を上げる。 由暉子「ふふっ、京太郎くん、いえ、ご主人様……ちゅっ、んっ、ちゅっ」 淫靡な表情を浮かべると、ユキは俺の唇へと自分の唇を重ねてきた。 混乱したままの俺をよそにユキは口内へと舌を侵入させてくると、そのまま俺の舌を絡め取ってくる。 由暉子「ちゅっ、あむっ、ご主人様、私のキス……気持ち良いですか? ちゅっ、れるっ、ちゅむっ」 少なくともその舌使いはたどたどしくて上手いとはいえない。 けれど俺を気持ち良くさせようとユキの舌が口内を這い回るたびに、俺の脳みそは甘い刺激に悲鳴を上げていた。 京太郎「くっ、ぷはっ、ユ、ユキっ、少し落ち着け――くっ、はっ、うぅっ」 由暉子「ふふっ、ご主人様のおちんちん、私がキスするたびにびくんっびくんって、膣内で気持ち良さそうに……あぁっ、まだ痛いのに、ご主人様のおちんちんのせいで、なんだか気持ち良く……んっ、んっ、あぁっ」 股の間から破瓜の血と愛液、そして俺の精液を垂らしながら、ユキは嬌声を上げて腰を振り始めた。 京太郎「ユキ、ばかっ、無理するんじゃ、くっ、うぅっ」 由暉子「気持ち良いんですね、ふふっ、ご主人様が気持ちいいと、私も気持ち良くっ、ひぁっ、またおちんちんびくんって震えてっ、あっ、あぁっ」 ユキが腰を振るたびに膣内が俺の射精を促すように収縮を繰り返す。 じゅぷっじゅぷっと精液と愛液の混じった独特の臭いを漂わせながら、結合部が卑猥な音を上げた。 由暉子「ご主人様っ、見てくださいっ、ご主人様の精液と私の愛液が混ざって、泡立ってますっ、ああっ、こんなに溢れ出してもったいない、あむっ」 膣内から漏れだした液体を愛おしそうにユキは舐め上げ、自分の胸へと塗りたくっていく。 由暉子「あぁっ、ご主人様に勃起させていただいた乳首が、もっとご主人様にいじめてほしいって泣いてます、ほら、ご主人様……」 俺の手を掴むとユキは自分の胸へと導いた。 柔らかな感触が俺の両手を包み込む。 温かくて柔らかくて触っているだけで、精液をぶちまけてしまいそうだ。 由暉子「ご主人様は本当におっぱいが好きなんですね。いいですよ、ご主人様のお好きなようにしてください。おまんこだけじゃなく、おっぱいも好きなように犯していいんですよ」 絶対に普段のユキからは聞けないような淫猥な台詞が次々と飛び出してくる。 そのたびに俺の下半身は射精したそうに大きく震えた。 由暉子「ふふっ、私の中に精液ぶちまけたいんですよね? いいですよ、ご主人様の精液、私の中にいっぱい出してください。ほら、ご主人様の大好きなおっぱいにむしゃぶりつきながら出してくださいっ」 ユキはそう言うと俺に抱き付き、一層激しく腰を振った。 噎せ返るような汗の臭いに思考がだんだんぼやけていく。 目の前ではたゆんたゆんとユキの胸が揺れていた。 京太郎「ユキ……ユキのおもち、あむっ、じゅるっ、じゅるるるっ」 我慢できずにユキの胸にしゃぶりつく。 柔らかくて、汗のにおいがして、少ししょっぱくて、でも、どこかほんのりと甘い。 ユキの胸を手と舌で堪能しながら、その間も俺の逸物はユキの膣にしごかれていた。 間断なく締め上げてくる膣内と擦れる肉襞の感触。 そして何より、ユキの中に自分がいるという安心感。 もうそれだけで俺は射精しそうだ。 由暉子「ふふっ、射精しそうなんですね? んっ、あっ、ご主人様の精液っ、私の膣内にいっぱいいっぱいくださいっ、ひっ、いぃっ、ご主人様の赤ちゃんの素で私のこと孕ませてくださいっ」 京太郎「ユキっ、出るっ、出ちまうっ、いいんだなっ、本当に出すからなっ、妊娠してもいいんだなっ?」 由暉子「はいっ、ご主人様の赤ちゃん、生みたいですっ。出してっ、私の子宮にっ、私の卵子を受精させてくださいっ」 京太郎「くっ、あっ、うっ、イクっ、ユキっ、出すぞっ、くぁっ」 理性のダムが決壊したと同時、俺の逸物が大きく跳ねた。 由暉子「んっ、あぁっ、出てるっ、ご主人様の精液……私の中に……こんなに出されたら絶対に受精しちゃう……」 びゅくっびゅくっとポンプ運動を繰り返しながら、ユキの膣内で俺の逸物は搾り取られていく。 なんだ、これ? 精液が止まらない。 京太郎「うっ、ダメだっ、出るっ、全然止まらない……」 由暉子「出してください……ご主人様の精液、もっともっと……」 ユキの膣の収縮は止まらない。 むしろ射精初めよりもさらに激しさを増していた。 京太郎「くっ、あっ、ダメだっ、そんなに締め付けられたら、また……うぁぁぁぁぁっ」 呻き声を上げながら俺はまた精を放っていた。 三度射精したというのに、まるで射精の勢いは収まってくれない。 まるでそこだけ熱を持ったかのように、ユキの子宮へと精液を注ぎ込み続けていく。 由暉子「ご主人様ぁ……私、さっきまで処女だったのに、ご主人様のおちんちんが気持ち良くて、精液が自分の中にぶちこまれるたびに頭の奥がチカチカして、うぅっ、あっ、だめっ、きちゃうっ、来ちゃいますっ、い、イクゥゥゥゥっ」 ひときわ高いユキの嬌声とともに膣内が大きく収縮し、俺も最後の精をぶちまけていた。 由暉子「ご主人様……ちゅっ、んっ、ちゅむっ、好きっ、大好きですっ、ちゅっ、ちゅぅっ」 甘えるようにユキはキスをねだってくる。 まるで子供のような戯れのキス。 ようやく射精の余韻が収まり、一息ついたと思ったら、ユキは俺の唇を求めてきた。 けれど、それは決して卑猥な意味ではなく、ただ好きな人と交わりたいというものであって、 京太郎「ユキ、ちゅっ、あむっ、ちゅっ」 俺もユキに求められるまま、唇を重ね合わせる。 先ほどまでの痴態がまるで夢のようですらあった。 けれど、ユキの膣から流れ落ちる大量の精液と破瓜の血が、それが現実であったことを証明している。 由暉子「んっ、んんっ、ぷはっ、ご主人様、満足していただけましたか?」 とろんと潤んだ瞳で艶っぽい笑みを浮かべながらユキは訊ねてくる。 京太郎「ああ、気持ち良かったよ、ユキ。でも、そろそろそのご主人様っていうのは……」 由暉子「……えっ!? あ、あぁっ――」 恍惚とした表情から一変、大声を上げるとユキは飛び上がるように俺から離れた。 京太郎「ユキ……?」 由暉子「わ。私ったら、なんてことを……うぅ……」 京太郎「あの、ユキ……どうしたんだ?」 由暉子「いくら絶対遵守の王の力に操られていたとはいえ、あんな淫乱な真似をしてしまうなんて……こんな私のことなんて軽蔑しましたよね?」 京太郎「ま、待てよ、なに言ってるんだ? むしろ俺の方が申し訳ないというか、ユキの思い込みが強いのを利用して、あんなことをさせてすまなかった」 俺は深々と頭を下げる。 由暉子「きょ、京太郎くんが謝らないでください。悪いのは私ですっ」 京太郎「違うっ、俺だ!」 由暉子「私です!」 京太郎「わかんない奴だな、俺だって言って――」 そう言いかけた俺だったが―― 誓子「なんだか嫌な風向きになってきたわね」 爽「おぉ~、痴話喧嘩か?」 成香「わ、私にも見せてください」 誓子「だめだめ、成香にはまだ早いわよ」 爽「そうだぞー、成香にはあと十年早いな」 成香「そんなっ、私も見たいですっ」 揺杏「お、おい、押すなって……う、うわっ」 ガッシャーンと大きな音がして、俺が思わずそちらを見る。 そこには―― 爽「あ、あはは、買い出しお疲れさん」 誓子「こ、こんな時間までお疲れ様」 揺杏「の、覗いてたわけじゃないんだ、偶然通りかかったら声が聞こえて……」 成香「うきゅぅ……」 ひきつった顔の先輩たちがいた。 頭から血の気が引ていく。 どうやっても言い訳できない状況だった。 ちんぽ丸出しの俺だけならともかく、ユキは真っ裸だし、おまけに股の間からは俺が馬鹿みたいにぶちまけた精液を垂らしている始末。 っていうか、この先輩たちの慌てた様子から見て、 京太郎「いつから覗いてたんですか?」 揺杏「いや、だから、偶然通りかかっただけで」 京太郎「いつからなんですか?」 爽「ま、待ってくれ。私たちはただ可愛い後輩たちの恋の行方を見守ろうとしただけで、決して出歯亀するつもりはなかったんだ。ただ予想外の展開に動揺して出て行くタイミングを逃したというか、いや、だってまさか二人が部室内でおっぱじめるなんて思わないじゃんか!」 うわ、この人、覗いてたことを正当化したあげく、逆切れしてきやがった。 誓子「と、とにかく、二人とも落ち着いて。京太郎くんは早く、ソレを仕舞ってくれる?」 京太郎「うわっ、す、すみませんっ」 出しっぱなしにしていた逸物を大慌てで仕舞う。 京太郎「ほら、ユキも早く服を――ユキ、おい、ユキ!?」 揺杏「やべぇ、気を失ってやがる! しっかりしろ、ユキ、ユキィィッ!!!」 あまりの恥ずかしさに気絶してしまったユキだったが、先輩たちの介抱により、ほどなくして意識を取り戻した。 その後、なんとか落ち着きを取り戻した俺とユキは部室を私的に利用したことを謝り、先輩たちも出歯亀について謝罪した。 まあ、俺たちの不純異性交遊については、先輩たちも楽しんでいたフシがあるのでとやかく言われなかったが、部室でのエッチは禁止にされた。 そうしてユキと二人の帰り道。 由暉子「なんというか、色々とすみませんでした」 京太郎「いや、謝るのはこっちの方だ」 互いに頭を下げ合う俺たち。 しかし元はといえば、ユキと恋人になれたことが嬉しくて、浮かれた俺が押し倒してしまったのが原因なんだから圧倒的に俺が悪いはずなんだが。 由暉子「それは違いますよ。そんな京太郎くんを受け入れてしまったのは私なんですから。私が拒んでいたら、京太郎くんはあんな無茶は絶対にしなかったはずです」 そうなのだろうか? 最初に約束を破って膣内射精をしてしまった手前、そんな風に信頼されるとなんというか居心地が悪い。 京太郎「その、ユキは大丈夫なのか? 俺が言うのもおかしいけど、結構乱暴にやっちまったから、どこか痛むところとかないか?」 由暉子「まだ股の間に違和感はありますが、痛いというほどでもありません。むしろ――」 ユキはどこか期待したような目つきで上目遣いに俺を見上げてくる。 その視線に俺はごくりと生唾を飲みながら訊ねた。 京太郎「俺にどうしてほしいんだ?」 由暉子「ふふっ、そういえば今日、両親の帰りが遅い日なんです。ですから――ん、んんっ」 そこから先の言葉は必要なかった。 ユキの言葉を遮るように、唇で唇を塞ぎ、ぴったりと寄り添いながらユキの家へと向かう。 俺はもうユキから離れられないし、離れる気もなかった。 まるで誘蛾灯に惹かれた羽虫のように、ユキという光にこの身は焦がされるだけだ。 けれど、それでいい。 俺はそれを望んだんだから。 この日から一週間も経たないうちに俺は腎虚で倒れることになるんだが、それはまた別の話である。 終わり。

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