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<顔は口ほど物を言う 風越ver.> 顔は口ほどに物を言う…本当は目なのだが俺こと須賀 京太郎はそれを実際に経験している。 どういうことだって?簡単な話だ、人の顔を見るとその人の心のうちが書かれているのを読めるようになったのだ。 今だってほら… 「京太郎、お前も部活かー♪」 -最初に京太郎と会えるとか華菜ちゃん運がいいし♪- 「あいたっ、いきなり叩かないで下さいよ」 元気よく京太郎の入っている麻雀部の先輩である池田こと華菜が背中を叩いた。 力が篭ってはいないので痛くはないが、いきなりの事で驚いた。 その顔を見ると華菜の心内が書かれている。 「ほらほら行くぞー!」 -ニャー!勢いで手を繋いちゃったし、し、自然だったよな?- 「はいはい」 華菜の和やかな心内を読んで京太郎はくすりと笑い着いて行く。 勿論手を離しご機嫌な華菜を悲しませるようなマネはしない。 「おぅ池田に須賀か」 -丁度いいところに- 「にゃっ!?コーチだし!」 -げげ…運が悪いし- 「こんにちは」 2人で歩いていると麻雀部のコーチをしている、貴子と出会う。 何やら頼むつもりなのか機嫌よさそうに此方を見ている。 逆に華菜の心内は顔と同様悲しそうだ。 「私だと何か都合悪いのか」 -いっちょ前に手を繋ぎやがって- 「いえいえいえ…なんでもないです」 -怖いし…ちょー怖いし- 確かに貴子は結構怒る人だ、だが運動部であった京太郎にとってはまだ優しいと思った。 なので何故そんなにも華菜が貴子を怖がるのかが京太郎には共感できない。 「これとこれ…部室まで頼むわ」 -相変わらず可愛い奴等だなー- 「はいっ!」 -さっさと行くし- 「はい」 こんなにもいい人なのに…貴子の心内を読みながら京太郎はそんな事を思った。 「おっはよー!」 「おはよう、華菜ちゃん、京太郎君」 -相変わらず仲いいなー羨ましい- 「こんにちは、未春先輩」 扉を開け荷物を置くともう一人の2年生の先輩である未春に挨拶をする。 顔に心内が書かれるが此方も大人しいものだ。 「他の先輩は?」 「純ちゃんは、あっちで星夏ちゃんは机で何かしてるね」 -私も頼んだら手を握ってもらえるかな?- 「そうですか」 純代を見てみると顔に何かが書かれている。 何を考えてるのかと気になり見てみる。 「………」 -合宿の費用はこれで…食事の材料と作る人は…- どうやら来週行なう合宿の費用などの確認のようだ。 1人で大変だろうに後で手伝うかと心に決める。 (さて…星夏はなにを……) 「………」 -残りのお小遣いは……少ない…コンプリートまで時間が…でもバイトは、いやいや運がよければきっと!- (懲りないなー) どうやらプロカード集めの算段をつけているらしい。 今回は残りのお菓子の残飯処理は嫌だなと思う。 (さて…本命の美穂子さんはっと) 京太郎は辺りを見渡し美穂子を探す。 いつもニコニコと人の良さそうな笑みを浮かべている麻雀部の天使の心内が気になるのだ。 何事も率先して仕事をしコーチが怒りすぎれば自分の身を挺して守る母親的存在。 「皆早いわね」 「キャプテン!おはようございます!」 「おはようございます」 「美穂子先輩、おはよ…う………ございます」 待ってましたとばかりに京太郎は振り向き美穂子の顔を見る。 挨拶をし反応を見ようとしたのだが京太郎は美穂子の顔を見て一歩後ろに引いた。 「どうかしたの?」 -          - 「…美穂子先輩ですよね?」 恐る恐る京太郎は美穂子に確認する。 美穂子は不思議そうにしているのか顔を少しだけ傾ける。 本来なら可愛らしい顔をしているのだろうが、京太郎からは顔を確認できなかった。 なぜなら…美穂子の顔は真っ黒に染まっているのだ、表情すら見えない。 京太郎は少しずつ近づきじーと美穂子の顔を見ると小さい文字がびっしりと書かれている。 「あー美穂子先輩、少しすいません」 「え?あの…」 京太郎がずいっと顔を近づけると美穂子は顔を赤くしながらもじっとする。 「こ、これでいい?」 -京太郎くんの顔がこんなにも近く…これって結婚ってことでいいのよね! 子供は何人欲しいかしら?私は三人欲しいな。女の子がふたり、男の子がひとりね。名前は京太郎くんに決めてもらって。 私ってあんまりネーミングセンスないから。えへへ、どっちに似るかしら?私と京太郎くんの子供だったら、 きっと男の子でも女の子でも可愛いよね。それで庭付きの白い家に住んで大きな犬を飼うの。犬の名前くらいは私に決めさせてね。 京太郎くんは犬派かな猫派かな私は断然犬派なんだけど、あ、でも、京太郎くんが猫の方が好きだっていうなら、勿論猫を飼う事にしましょう。 私、犬派は犬派だけど動物ならなんでも好きだから。だけど一番好きなのは勿論京太郎くんで京太郎くんが私の事を一番好きなように。 そうだ、京太郎くんの好きな食べ物は肉じゃがでよかったかしら?行き成り聞いて怒られないかしら?どうしてって聞かれるかもしれないけど 明日からのお弁当は私が作るべきよね!ていうか明日から一生京太郎くんの口に入るものは全部私が作るんだから、 やっぱり好みは把握しておきたいわよね、お嫁さんとして。好き嫌いはよくないけれど、でも喜んで欲しいって言う気持ちは本当だもんね。 最初くらいは京太郎くんの好きなメニューで揃えたいって思うわ。お礼とか言われるのかしら妻が夫のお弁当を作るなんて当たり前の事なんだから。 でもひとつだけお願い聞いてもらえたり…私『あーん』ってするの、昔から憧れだったの。だから京太郎くんに明日お昼に『あーん』ってさせてもらいましょう。 照れて逃げたりしないかしら、そんなことをされたら私傷ついちゃう。きっと立ち直れないわ。ショックで京太郎くんを○○しちゃうかも。 何を考えてるのかしら。あの事も話さないと隠し事はいけないものね、京太郎くん、怒らないで聞いてくれるかしら大丈夫よね。私、高校一年生の頃に気になる人がいたんだ。 ううん浮気とかじゃないのよ、だってあの人は女性なのだから、人吉くん以外に好きな人なんて一人もいないわ。ただ単にその子とは京太郎くんと出会う前に知り合ったというだけで。 それに何もなかったんだから。今から思えばくだらない人だったわ。喋った事も少ししかないし、あまり話さなくてよかったと本当に思うわ。 だけどもやっぱりこういう事はさいしょにちゃんと言っておかないと誤解を招くかもしれないから。 そういうのってとっても悲しいと思うわ。愛し合う二人が勘違いで喧嘩になっちゃうなんてのはテレビドラマの世界だけで十分よ。 もっとも私と京太郎くんなら絶対にその後仲直りできるに決まってるけれど、それでね京太郎くんはどうなのかしら?今までに好きになった女の子とかいるかしら? いるわけないけども、でも気になった女の子くらいはいるわよね。いてもいいんだよ全然責めるつもりなんかないもん。 確かにちょっとはやだけど我慢するよそれくらい。だってそれは私と出会う前の話だからね? 私と出会っちゃった今となっては他の女子なんて京太郎くんからすればその辺の石ころと何も変わらないに決まってるのよね。 京太郎くんを私なんかが独り占めしちゃうなんて他の女子に申し訳ない気もするけれどそれは仕方ないよね。恋愛ってそういうものだもん。 京太郎くんが私を選んでくれたんだからそれはもうそういう運命なのよ決まりごとなのよ。 他の女の子のためにも私は幸せにならないといけないわうんでもあまり堅いこと言わずに京太郎くんも少しくらいは他の女の子の相手をしてあげてもいいのよ。 華菜と華菜とか華菜とか華菜とか華菜とかだって可哀想だもんね私ばっかり幸せになったら。- 「…うん、そうだね!」 全てを読みきった京太郎は虚ろな眼でそう言うしかなかった。 京太郎は悟る…自分の人生は詰んだと… カンッ

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