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咲「これは、数週間前の話です……」 私の住んでいた町に廃墟がありました。 2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。 ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、地元の人間でもあまりこの場所に近づくことはなかったらしい。 ある日、私は和ちゃんと肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにしました。 まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。 そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。 友人と近づいて確認してみると、扉の前に「わたしは このさきの へやに いるよ」と書いてあった。 和「誰かのイタズラですかね?」 和ちゃんはそう言ってまったく信じていない様子だった。 私と和ちゃんは扉を開けて中に入り、先に進むことにした。 歩いて行くと分かれ道に突き当たって 、壁に「わたしは ひだり に いるよ」と書いてあった。 少し怖くなったけれど、私と和ちゃんはそのまま左に進むことにした。 すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に「あたまは ひだり からだは みぎ」と書いてあった。 和ちゃんはこれを見た瞬間に 和「そんなオカルトありえませぇぇぇん!!」 と叫びながら半狂乱になって逃げだした。 でも私はその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした。 部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に「わたしの からだは このしたにいるよ」と書いてあった。 下を見ると 「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」 京太郎「そこまでだ!」 はっとして後ろに振り返るとそこには神社生まれの京ちゃんの姿が! 京ちゃんは指で刀の形を作ると呪詛のようなモノを唱え始めた。 京太郎「ナウマク、サンマンダ、バザラダン……センダ!マカロシャダ!ソワタヤ!ウン、タラタ!カン、マン! 破ぁーーーーーっ!!」 「うぎゃああああああああっ!!」 けたたましい叫び声が響き渡ったと思った瞬間、部屋が少し明るくなった。 咲「どうして京ちゃんがここに!?」 京太郎「和が狂ったように叫びながらおもちを揺らして逃げてきたからな、何かあったんじゃないかと思ってな……」 神社生まれって凄い。その時初めてそう思った。 破ぁっ満、貫ッ!!

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