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和京!和京! [[台風一過>h4-6a]]の続き的なアレ 「停車禁止」 今日は憂鬱 今朝、偶然見てしまったから 「あの、これ…」 彼に手渡されたのは一通の手紙 可愛らしい封筒の手紙 「放課後、待ってるから」 そう言って走り去って行くのは女の人 スカーフの色は緑色 一つ上の女の人 私の知らない女の人 曲がり角に隠れて見ていた私は どうにも鼓動が止まらない 授業中は 上の空 お昼ご飯は 喉を通らない 時間は空虚に過ぎていく 放課後なんて ずっとこなければいいのに そんな願いを思い浮かべても やっぱり時間は止まらない 無情にも訪れる放課後 部長が現れ 告げられたのは連絡事項 今日は部活に上級生は来ないらしい 「他の三人にも伝えておいてね」 当然、彼にも伝えなければ もう動揺が止まらない 「今日は四人だけなので、必ず来てください」 彼に伝える お願いの言葉 彼女に会いに行かないで 願いを込めた 抗いの言葉 「すまん、今日は少し遅れる」 彼から出される 残酷な言葉 やはり会いに行くのだと 確信させる 無情な言葉 優しい彼なら 受け入れてしまうのだろうか 血の引くような喪失感が止まらない 部室で待機する三人 一人はのんびり読書中 一人は退屈だと駄々をこねる 私は時計とにらめっこ チクタク チクタク 人を待つ時 時計の進みは いやに遅い チクタク チクタク 少し遅すぎるのではないかと 溢れ出す焦燥感が止まらない たまらず席を立ってしまう 呼び出し場所も 分からないのに 何処へ向かって走ろうか ただ闇雲に捜そうか そんな事を考えていると 「おはよーさん」 開いた扉に 彼の姿 「ラブレターの件、どうなったんですか?」 少し棘のある 私の言葉 ギクリと顔を歪める彼に そんな話は聞いていないと 視線を集める友人二人 室内に 軽く緊張が走り そして彼は観念したように はぁ と小さくため息を吐いて 「やっぱり、良く知らない人とは付き合えないなって」 一息おいて 安堵のため息 同時に三つ 嬉しい気持ちが止まらない 「良く知らない人だったから…ですか?」 そうだと頷く彼に質問 じゃあもしも 「じゃあもしも…」 もしも私が 「なんでもありません」 えぇ と唸る彼には伝わらない けれど他の二人には伝わったよう 私の小さな 宣戦布告 「負けないからね」 「私も負けないじぇ」 しっかりと返答する二人 「よーし俺も負けないぜ」 ………… 一瞬の空白の後に 誰からともなく笑い始める 困惑する彼に みんなの笑いは止まらない ひとしきり笑った後に 「いくら俺が弱いからってさあ」 やはり分かっていない彼を見て 再度最後の決意表明 「勝つのは私ですよ」 走り始めた この恋は もう絶対に 止まらない 終
「停車禁止」 [[前の話(台風一過)>h4-6a]] 今日は憂鬱 今朝、偶然見てしまったから 「あの、これ…」 彼に手渡されたのは一通の手紙 可愛らしい封筒の手紙 「放課後、待ってるから」 そう言って走り去って行くのは女の人 スカーフの色は緑色 一つ上の女の人 私の知らない女の人 曲がり角に隠れて見ていた私は どうにも鼓動が止まらない 授業中は 上の空 お昼ご飯は 喉を通らない 時間は空虚に過ぎていく 放課後なんて ずっとこなければいいのに そんな願いを思い浮かべても やっぱり時間は止まらない 無情にも訪れる放課後 部長が現れ 告げられたのは連絡事項 今日は部活に上級生は来ないらしい 「他の三人にも伝えておいてね」 当然、彼にも伝えなければ もう動揺が止まらない 「今日は四人だけなので、必ず来てください」 彼に伝える お願いの言葉 彼女に会いに行かないで 願いを込めた 抗いの言葉 「すまん、今日は少し遅れる」 彼から出される 残酷な言葉 やはり会いに行くのだと 確信させる 無情な言葉 優しい彼なら 受け入れてしまうのだろうか 血の引くような喪失感が止まらない 部室で待機する三人 一人はのんびり読書中 一人は退屈だと駄々をこねる 私は時計とにらめっこ チクタク チクタク 人を待つ時 時計の進みは いやに遅い チクタク チクタク 少し遅すぎるのではないかと 溢れ出す焦燥感が止まらない たまらず席を立ってしまう 呼び出し場所も 分からないのに 何処へ向かって走ろうか ただ闇雲に捜そうか そんな事を考えていると 「おはよーさん」 開いた扉に 彼の姿 「ラブレターの件、どうなったんですか?」 少し棘のある 私の言葉 ギクリと顔を歪める彼に そんな話は聞いていないと 視線を集める友人二人 室内に 軽く緊張が走り そして彼は観念したように はぁ と小さくため息を吐いて 「やっぱり、良く知らない人とは付き合えないなって」 一息おいて 安堵のため息 同時に三つ 嬉しい気持ちが止まらない 「良く知らない人だったから…ですか?」 そうだと頷く彼に質問 じゃあもしも 「じゃあもしも…」 もしも私が 「なんでもありません」 えぇ と唸る彼には伝わらない けれど他の二人には伝わったよう 私の小さな 宣戦布告 「負けないからね」 「私も負けないじぇ」 しっかりと返答する二人 「よーし俺も負けないぜ」 ………… 一瞬の空白の後に 誰からともなく笑い始める 困惑する彼に みんなの笑いは止まらない ひとしきり笑った後に 「いくら俺が弱いからってさあ」 やはり分かっていない彼を見て 再度最後の決意表明 「勝つのは私ですよ」 走り始めた この恋は もう絶対に 止まらない 終 [[続編(椅子取りゲーム)>h6-29]]

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