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京太郎「そういえば今日は優希と高鴨が飲みに来るんだよな……」」(2014/03/29 (土) 20:17:13) の最新版変更点

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422 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:30:29.39 ID:E3jVuYmm0 ハギヨシ「・・・須賀京太郎様。もう夜ですので、あまり大声を出されると」シュッ 京太郎「あ、スンマセン・・・ハギヨシさん、でしたっけ。天江は・・・」 ハギヨシ「もうお休みになられています。須賀様ももう休まれた方がよろしいかと」 京太郎「だよな・・・ホントスンマセンでした」 ハギヨシ「いえ、では私はこれで」シュッ 京太郎「・・・よし、寝るかっ!」 京太郎(まずは、体力の回復。んでもって力付けて・・・アイツに、借りを返す!) 京太郎「待ってろよ、天江衣・・・!」 423 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:31:26.93 ID:E3jVuYmm0 『フッ、そうか・・・ギリギリで踏みとどまったか』 ハギヨシ「はい。まだ衣様と麻雀したそうにしておりました」 『ようやく、遊び相手くらいにはなってくれるかな?』クスッ ハギヨシ「衣様、もしや」 『ああ。本当に歯牙に賭ける程の奴でもなければ、衣はあそこまで壊したりしないよ』 ハギヨシ「・・・悪い癖ですよ」 424 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:32:26.34 ID:E3jVuYmm0 『自覚はあるよ。だが、そのおかげでようやくあの下臈・・・いや、やっと凡夫か。楽しめそうになってきたじゃないか』 ハギヨシ「衣様のお気に召す事を期待しております」 『男児三日会わざれば刮目して見よと言うしな。・・・衣もそうであってほしいと願う。さて、衣はもう寝る。切るぞ~』 ハギヨシ「はい、お休みなさいませ。衣様」 『うん、お休みハギヨシ』 425 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:33:16.24 ID:E3jVuYmm0 翌日 龍門渕邸・別館 玄関 バンッ 透華「おはようございますわっ!」 京太郎「おう、おはよう!」 一「・・・?」 京太郎「なんだよ、俺の顔になんかついてるか?」 一「衣とやらなかったの?」 426 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:33:58.14 ID:E3jVuYmm0 京太郎「やったよ。負けも負け、ー126500点の大負けだ!」 一(衣とやって、大負けして・・・まだ麻雀ができるだって?) 透華「あらあら、よくそこまでボコボコにされて麻雀が出来ますわね!」 京太郎「あったりめぇだろ、麻雀は楽しいんだからよ!」 京太郎「んでもってもう一つ目標が出来た。・・・俺は、天江衣に借りを返す!」ギラッ 京太郎「だからよ、龍門渕透華。アンタに頼む。もう少し・・・アイツに借りを返すまで。俺をここに泊めてくれないか!」 427 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:34:30.28 ID:E3jVuYmm0 透華「クックククク・・・オーッホッホッホッ!その不遜!その傲慢!気に入りましたわ!やはりあなたはわたくしが見込んだ通りの人物ですわ!好きなだけ泊まっていきなさいな!」 京太郎「そりゃ何よりだ!そんじゃ、改めてよろしく頼むぜ・・・龍門渕の女王様!」スッ 透華「ええ、こちらこそよろしくお願いしますわ。須賀京太郎!」ガシッ 一「・・・」ムスーッ 透華「一?気分でも悪いのですか?」 一「ま、気分は悪いかな。・・・とーか、僕はちょっと野暮用があるから離れてるね」 428 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:35:10.78 ID:E3jVuYmm0 透華「・・・?分かりましたわ。それでは、須賀京太郎。行きましょうか!」 京太郎「おうよ!」 男子麻雀部部室 バァンッ!! 男子部員「「「「「「「!?」」」」」」」 透華「道場破りでしてよっ!丁重におもてなしして差し上げなさい!」 京太郎「よろしくお願いしますっ!」 429 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:35:41.70 ID:E3jVuYmm0 男子部員1「龍門渕さん!?」 透華「オーッホッホッホッ!この龍門渕に単騎で挑んできた愚か者に、洗礼をくれてやるのですわ!」 男子部員2「道場破りって・・・そこの清澄の奴がですか?」 透華「そうですわ!」 男子部員3「あの、勘弁してもらえませんか。俺らも暇じゃないんですよ」 透華「・・・は?」ピキッ 430 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:36:27.03 ID:E3jVuYmm0 部長「そうです。男子の方もそろそろ大会が近いんです。清澄には悪いけど、弱小の、それも部員一人のところとやって得るものがあるとは思えません」 透華「・・・」ピキピキッ 京太郎「いや、ちょっ」 副部長「君。こんな無謀な事は止めた方がいい。実力の差は君自身が一番よく分かっているはずだ」 京太郎「はぁ!?」ビキッ 副部長「実力が開き過ぎている者同士がやったって、得るものは何もないよ」 431 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:37:07.74 ID:E3jVuYmm0 透華「ーーーーーーーーーーーーーーーーーー見損ないましたわっ!」 京太郎「あぁ全くだ!天下の龍門渕男子がこの程度とはな!」 部長「・・・何が言いたい」イラッ 京太郎「調子くれてんじゃねえって言ってんだよ、名門校さんよ!」 透華「争いに意味を求めるなど・・・愚かにも程がありますわ!」 京太郎「やりたいからやる!売られた喧嘩は買う!」 京太郎「それ以上何かいるのかよ、なぁオイ!」 432 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:37:42.97 ID:E3jVuYmm0 副部長「・・・帰ってくれ、不愉快だ」 透華「挑戦者を無傷で返す王者がどこに居ますかっっ!!!!!!!!」 部長「龍門渕さん、ですから」 透華「あなた方は強者で、ここに挑む者が居る!それ以外に戦う理由が必要でして!?」 部長「・・・・・・」 透華「あぁもう!埒が開きませんわ!・・・部長と副部長、卓に着きなさい!」 433 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:38:21.79 ID:E3jVuYmm0 部長「・・・本気ですか?」 副部長「なぜこんなことを・・・」 透華「京太郎!わたくしの隣に座りなさい!」 京太郎「オッケー、任せとけ女王様!」ドスッ 透華「2対2ですわ。二人の点数の合計で勝負をつけましょう」 部長「ですが、それをやるメリットが」 434 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[] 投稿日:2012/03/26(月) 23:39:31.42 ID:E3jVuYmm0 透華「わたくしが負けたら、麻雀部に関する権限を全て譲渡いたしますわ。・・・これでよろしいかしら、理由がなければ戦えない現実主義者さん?」フッ 副部長「・・・舐めやがって!」ピキッ 部長「・・・この勝負、受けるぞ」 副部長「ええ!ここまで言われちゃ黙ってられませんよ!」 部長(点数の合計なら、間違いなくこちらに分がある) 副部長(あの清澄を集中的に狙えば良いだけだ!) 435 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:40:22.60 ID:E3jVuYmm0 京太郎「ヘっ、やっとやる気になってくれたか!こっちはとっくの昔に暖まってんだよ!」ギュッ 副部長「・・・潰す!」 京太郎「やれるもんならやってみやがれってんだ!」 透華「それじゃ、始めますわよ!」 コロコロコロ・・・ 透華「オーッホッホッホッ!親番、頂きましたわ!」 436 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:41:05.52 ID:E3jVuYmm0 東一局 透華「まずは、これですわね!」 ピシッ 京太郎「それじゃ、俺はこれだ!」 ピシッ 副部長「・・・」 ピシッ 437 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:41:31.27 ID:E3jVuYmm0 部長(アイツさえ潰せば・・・!) ピシッ ・ ・ ・ 部長「そこ、ロンだ!」 パタタタタ・・・ 部長(やはり、大した事は) 438 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:42:11.19 ID:E3jVuYmm0 京太郎「クッソ・・・さぁ、次の局だ!」 透華「ちょっと!わたくしの親番を勝手に流さないで貰えませんこと!?」 京太郎「振り込んだものは振り込んだんだ、しょうがねーだろ!」 透華「キーッ、何ですのその横暴さは!」 京太郎「まぁ、見てろって。・・・負けねえからさ!」 東二局 ・ ・ ・ 439 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:42:39.43 ID:E3jVuYmm0 京太郎「・・・よっし、これだ!」ピッ バンッッ! 京太郎「ツモ!3200オール!」 部長(おいおい、お前は和了っちゃダメだろ) 副部長(やはり素人・・・龍門渕さんはどうしてこんな奴に?) 透華「ふっ、見事ですわね」 440 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[] 投稿日:2012/03/26(月) 23:43:50.12 ID:E3jVuYmm0 京太郎「だから言ったろ、負けねぇって」 透華「・・・勝負の相手には私も含まれているのですよね?」 京太郎「ったりめーだろ。俺は麻雀しに来たんだ」 京太郎「ーーーーーーーーーーここに居る全員ブッ倒して、俺が勝つ!」 透華「その心意気、上等でしてよ!私もまったく同感ですわ!」 部長「り、龍門渕さん!?これはコンビ麻雀ですよ!?」 441 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:45:18.67 ID:E3jVuYmm0 透華「だからどうしたというのです?」 副部長「なっ・・・」 透華「コンビかどうかなど関係ありませんわ!」 京太郎「この卓に居る奴で誰が一番強いのか・・・それを決める為に打ってるんだろうが!」 透華「目立つためには!」 京太郎「強くなるためには!」 透華・京太郎「「俺(わたくし)がトップになる以外ねーだろ(ですわっ)!」」 442 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:45:49.30 ID:E3jVuYmm0 副部長「馬鹿だ・・・どうしようもない、大バカだ」 部長「ああ。だが、何故か羨ましい・・・」 副部長「部長!?」 部長「俺達に、あの真似が出来るか?・・・俺達は今、あんなに楽しそうに麻雀を打ってるか?」 副部長「ですが、これはコンビ戦で」 部長「悪いな、副部長。・・・俺もあんなふうに麻雀を、やってみたくなった」メラッ 443 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:46:11.49 ID:E3jVuYmm0 副部長「・・・」 部長「清澄の。さっきは侮って悪かったよ。・・・全力で叩き潰させてもらおう!」 京太郎「やっと火が付きやがったか!そうこなくっちゃなぁ、龍門渕!」 副部長「・・・クソッ、俺ばっかりのけものにすんなってんだよおおおおおおおおおお!」メラッ 透華「ふっ、今さら燃え始めてトップまでいけるのかしら、さらさら疑問ですわ!」 444 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:46:58.91 ID:E3jVuYmm0 「ロンだ!」 「ロンでしてよ!」 「悪いな清澄、ツモだ!」 「龍門渕さん、甘いっ!」 「っっっしゃぁ!ツモ!」 「全員私より目立つんじゃありませんわー!」 445 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:47:42.91 ID:E3jVuYmm0 南三局 透華「ゼーッ、ゼーッ・・・」 京太郎「ハーッ、ハーッ・・・」 副部長「まさか、こんな・・・」 部長「フハハハハ!俺とお前が、南三局で3位4位に甘んじることになるとはな!」 透華「京太郎!わたくしの一位は譲りませんわ!」 京太郎「譲ってもらう気なんざさらさらねぇよ!・・・真っ向から挑んで、奪い取ってやる!」 446 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:48:07.52 ID:E3jVuYmm0 透華(なぜかしら、この男と麻雀をやっていると心が躍りますわ) 透華(純粋に、どこまでも純粋に勝利を追い求める。・・・前しか向かない獣のように) 透華(そんな相手が今、わたくしの前に立ちはだかろうとしている・・・なんて、幸せな事でしょう!) 京太郎(龍門渕の女王様か・・・いいな、コイツ) 京太郎(誇りと美しさを兼ね備えた上で最上の勝利を目指す、か・・・気に入ったよ) 京太郎(だからこの手でアンタを叩き潰して、俺がトップになる!) 447 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:48:37.76 ID:E3jVuYmm0 透華「まるで・・・夢の中で打ってるようですわ!」 京太郎「ああ、終わってほしくねぇな、この時間!」 部長「勝手に俺達をフェードアウトさせるなよ、清澄!」 副部長「そうだ!まだ役満がある!」 京太郎「上等だ・・・いっくぜえええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!」 透華「わたくしがトップですわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 448 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:49:15.49 ID:E3jVuYmm0 部長「これならっ!」 バシィィィィィィンッ! 京太郎・透華「「ロンっ!!」」 京太郎「リーチタンヤオドラ2ーー満貫だ!」 透華「一盃口、清一色ーーハネ満ですわ!」 副部長「ダブロン!?マジかよ・・・!」 部長「クッソ・・・まだだ、まだ終わらせない!」 449 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:49:46.68 ID:E3jVuYmm0 少し離れたところ 一「ね、衣」 衣「なんだ?」 一「あの清澄と麻雀したんでしょ?」 衣「ああ。これ以上ないくらいには壊したつもりだ」 一「じゃあ、アイツなんで今打てるのさ?」 450 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:50:31.26 ID:E3jVuYmm0 衣「それは衣にも分からない。ただ・・・」 衣「彼奴、少しはマシな匂いになった」ニヤッ 衣(次は"麻雀"が出来る事を期待しているよ、凡夫) 一「ていうか、アイツあんなに強かったっけ?」 衣「いーや。彼奴は凡夫だ。ただ・・・」 一「ただ?」 451 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:54:24.72 ID:E3jVuYmm0 衣「透華との生まれついての相性が良すぎる。お互いに争い、貪り合う事でアイツは透華のツキを引き出し、透華はアイツのツキを引き出している状態」 一「それって・・・」 衣「切磋琢磨とも言うな。最早伴侶に等しいとさえ言える」 衣(あの凡夫・・・さて、これでどこまで伸びるか) 一(僕としては、その結論には至って欲しくなかったな。・・・・・とーか、僕は) 一(僕は、透華を・・・) 透華「オーッホッホッホッ!」 京太郎「これでぇっ、トドメだあああああああああああああああああっ!」 452 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/03/26(月) 23:57:20.07 ID:E3jVuYmm0 疲れたし! 遅くなったのはウチの副将が重いからだし!ダイエットしろし! 龍門渕編長すぎて一回じゃ終わらなかったし!ごめんだし! 後一回くらい龍門渕編は続くし!京太郎の麻雀狂いっぷりも加速していくし! 今からツッコミに身構える作業が始まるから華菜ちゃん忙しくなるし! とりあえずここまでだし! 494 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:48:45.74 ID:yeM5j1M+0 翌日 龍門渕邸・別館 1階ホール 京太郎「さて、飯も食ったし・・・そろそろだな!」 京太郎(女王様ともやりてぇが、まずはアイツに借りを返さねえとな) 京太郎(アポを取るには・・・ハギヨシさんを呼べばいいのか?) 一「・・・待った」 京太郎「ん?あぁ、お前か」 495 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:49:25.83 ID:yeM5j1M+0 一「国広一だってば。・・・衣のところに行く気?」 京太郎「おうよ、借りはキッチリ返す主義でね」 一「・・・じゃ、これあげるよ。さっき注いできた」 京太郎「これは・・・アイスティーか。サンキュ」ゴックゴック 京太郎「って、ぁ・・・?」フラッ ドサッ 一「ここまでアッサリ引っかかるなんて・・・・・・バッカだなぁ」 496 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:50:06.00 ID:yeM5j1M+0 龍門渕邸・別館 地下 京太郎「くぅ・・・ここは?」 ジャラッ 京太郎(手錠!?) 一「あ、起きた?・・・その手錠、いいでしょ。僕とおそろいだよ」 京太郎「・・・まさか」 497 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:50:35.81 ID:yeM5j1M+0 一「うん、古典的にアイスティーに睡眠薬混ぜてみたんだ♪たまげたでしょ」 京太郎「へっ・・・ペアルックの上に部屋に連れ込みかよ、応援にしては随分と気合入ってんな」 一「知らなかった?ボク、君が大嫌いなんだよ?・・・この場で殺したいくらい」 京太郎「やれるもんならやってみやがれってんだ!」 一「・・・あー、イライラする。立場をわきまえない奴って陰で嫌われるもんだよ?」 京太郎「誰に好かれるとか嫌われるとか、一々気にして生きてんのか。ご苦労なこった」 498 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:50:57.12 ID:yeM5j1M+0 一「そうしないと生きていけないんだって。・・・君みたいになっちゃうから」 京太郎「で、応援メッセージはそれで全部か?」 一「うぅん、まだまだーーとりあえず、僕と麻雀してくれない?」 京太郎「なんだ、そういう事か・・・だったら最初から」 一「違う!」 京太郎「!?」 499 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:51:26.56 ID:yeM5j1M+0 一「ボクはお前みたいに単純な動機で麻雀をやってるんじゃない!ーー大切な人の隣を、守りきるためだ!」 一「だから!ボクは・・・お前を排除する!」 京太郎「そうかい、そりゃ重畳!丁度こちとら貴重な時間浪費させられてむかっ腹立ってたところだよ!さぁ、さっさとやろうぜ!」 一「・・・懸けろ」 京太郎「何を!」 一「透華の隣と・・・お前の、尊厳をだ!」 京太郎「上等!正面から抉り切ってやる!」 500 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:52:01.63 ID:yeM5j1M+0 京太郎「上等!正面から抉り切ってやる!」 一(潰す・・・!) 一「・・・二人しかいないし、東場のみでいいよね?」 京太郎「おうとも!」 一「じゃ、サイコロ回すよ・・・!」 コロコロコロ・・・ 一(透華・・・ボクに、力を貸して!) 京太郎「・・・親は俺だな!」 501 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:52:35.42 ID:yeM5j1M+0 東一局 京太郎「さーって、と」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「国広、一だっけか。アンタは普通に良い人なんだと思ってたが・・・」 502 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:53:04.60 ID:yeM5j1M+0 バシッ 一「"普段は"良い人だよ。・・・でも、賊に払う礼儀はない」 バシッ 京太郎「だろうな。・・・そんなに大事か、あの女王様が」 バシッ 一「透華になら、ボクの全てを懸けていい。いつだってそう思ってる」 バシッ 503 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:53:28.82 ID:yeM5j1M+0 京太郎「ああそうかよ!なら・・・・・・リーチだ!」 バシンッ 一(早っ・・・それに、読めない!?) 一「くっ・・・」 ピシッ 京太郎「へっ、混乱してるな?」 バシッ 504 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:53:59.92 ID:yeM5j1M+0 一「・・・」 ピシッ 京太郎「そこ、いっただきぃ!ロンだ!」 バンッ 京太郎「ーーリーチ、一気通貫!7700点だ!」 一「ぅ・・・」 京太郎「さ、連荘と行くか!」 505 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:54:34.56 ID:yeM5j1M+0 東一局一本場 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「へっ・・・」 バシッ 506 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:55:06.98 ID:yeM5j1M+0 一「・・・気持ち悪いな、急に笑わないでよ」 バシッ 京太郎「楽しいなぁ、全力でやるのは!」 バシッ 一「ボクは楽しくなんかない」 バシッ 507 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:55:31.02 ID:yeM5j1M+0 京太郎「そりゃ、お前が本気じゃないからだよ」 バシッ 一「ボクはいつだって本気だ!」 バシッ 京太郎「どうだかな、今のお前は全然攻めてこないじゃないか」 一「・・・っ」 バシッ 508 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:56:01.18 ID:yeM5j1M+0 京太郎「だんまりか。まぁいいけどよっ・・・っと。リーチ!」 バシンッ 一(どうする、アイツの攻め方が・・・分からない) 一(読み切れない・・・とりあえず、これで) 京太郎「・・・もし、これが倍満のアタリだったら」ボソッ 一「っ!」ゾクッ 京太郎「その時点でお前はトビだ」 509 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:56:31.56 ID:yeM5j1M+0 一「・・・心理戦を仕掛けてるつもり?悪いけど」 京太郎「俺は嘘が苦手でね・・・馬鹿だからよ。まぁ、アレだ。その一手はよーく考えて打てよ?」 一「・・・」 一(ハッタリだ!ここで大きな当たりなんてそうそう出る訳がない!) 一(でも、何だろう・・・この牌を捨てると、胸の奥から何かが抜け出ていくような) 一(透華が離れて行っちゃうような・・・) 510 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:57:08.88 ID:yeM5j1M+0 一(・・・怖い) 一(透華が離れていくのが、一人になるのが怖い・・・!)ブルブル 一(この牌を捨てなきゃ・・・!) 一「くっ・・!」プルプル 京太郎「・・・どうした?」 一(ダメだ、あいつの倍満がチラつく・・・負けの情景が鮮明に見える) 511 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:57:40.29 ID:yeM5j1M+0 一(・・・打てない。ボクには打てないよ、とーか・・・) 一(今ならまだ、謝れば許して・・・) 京太郎「・・・言っとくが、謝っても許さねえぞ?」 一「っ!」 京太郎「本気の麻雀だろ?だったら、途中で降りるなんざ認めねぇよ。喧嘩と一緒さ」 京太郎「お前が売った、俺が買った!だからお前を叩き潰す!徹底的にだ!」 512 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:58:17.48 ID:yeM5j1M+0 一「・・・・・・」 一(コイツ、本気だ・・・本気で、ボクを潰す気だ!) 京太郎「そうだな、この麻雀に勝ったら・・・女王様に進言して龍門渕の生徒にしてもらうかな」 一「なっ!」 京太郎「そんでもって部長まで登りつめて、最後にはあの女王様とタッグ麻雀で頂点取ってみるか・・・あの人、俺との相性は良いみたいだからな」 一「お前・・・!」 513 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:58:45.45 ID:yeM5j1M+0 京太郎「それが終わったら女王様はポイーだ。天江を倒しにいく。・・・言うなりゃあの人は通過点だな」 一「透華は通過点なんかじゃない!取り消せ!今すぐだ!」 京太郎「断る!・・・取り消してもらいたけりゃ、麻雀で俺を倒してみろよ!」 一「・・・!」 一(透華・・・ボクは、ボクは・・・!) 京太郎「ビビってんじゃねえぞ、国広一!」 514 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:59:16.92 ID:yeM5j1M+0 一「お前にだけは、負けられないんだあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 京太郎「ヘッ、やっとお目覚めかよ」ゾクッ 一(透華、ボクは君のために戦う!ーーもう、迷わない!) バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 515 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 22:59:55.71 ID:yeM5j1M+0 一「・・・」 バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 一「ーーロン。三色同順ドラ2、一本場で・・・8300、満貫」 京太郎「クッ・・・」 516 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:00:27.42 ID:yeM5j1M+0 一「これでさっきの和了分は取り返させてもらったよ。さぁ、次はキミが追いつめられる番だ」 京太郎(気のせいか、アイツの声が急に冷え切ったようになったような・・・) 一(何だろう、さっきまであんなに恐ろしかったアイツが、今はただの置物にしか見えない) 一(河の流れが、見える・・・絶対に荒れることのない、ただ静かな流れが) 一(これってまるで・・・・・・そっか。ありがとう、透華) 一(透華の為に・・・この戦い、絶対に勝つから!) 517 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:01:35.86 ID:yeM5j1M+0 東二局 一「・・・」 バシッ 京太郎(手が悪いな・・・) 京太郎「・・・」 バシッ 518 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:02:29.46 ID:yeM5j1M+0 一「・・・」 バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・リーチ」 バシッ 519 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:03:06.22 ID:yeM5j1M+0 京太郎「仕掛けてきたか!・・・っ」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 520 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:03:30.17 ID:yeM5j1M+0 一「・・・」 バシッ 京太郎(なんだ、来る牌が全部かみ合わない!?) 京太郎「・・・っ」 パシッ 一「・・・」 バシッ 521 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:04:03.97 ID:yeM5j1M+0 京太郎(よし、やっとまともに手が進むーー) バシッ 一「・・・ロン」 京太郎「クッ・・・!」 パタタタタ・・・ 一「リーチ、タンヤオ一盃口。7700」 京太郎「クソッ・・・」 522 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:04:32.02 ID:yeM5j1M+0 東二局一本場 一「・・・」 バシッ 京太郎(また、随分と悪い初手だなオイ!) 京太郎「・・・」 バシッ 523 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:05:30.30 ID:yeM5j1M+0 一「・・・」 バシッ 京太郎(何だ、何かおかしい・・・) 京太郎「・・・」 バシッ 一「ポン!」 バシッ 524 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:06:38.40 ID:yeM5j1M+0 京太郎(げ、役牌か・・・それにしても) 京太郎(自由に動けねぇな・・・河に引きずりこまれたみたいだ) 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 525 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:07:06.93 ID:yeM5j1M+0 京太郎「なぁ」 一「・・・何?」 京太郎「"コレ"は・・・アンタがやってるのか?」 一「だったらどうする?」 京太郎「・・・正面からブチ抜く!」 バシッ 526 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:07:39.73 ID:yeM5j1M+0 一「ーーロンだよ」 パタタタタ・・・ 一「役牌のみ。1本場で1800だね」 京太郎「随分とセコイ和了するじゃねぇか」 一「何とでも言えばいい。僕はもう迷わない・・・!」 京太郎「あぁそうかよっ!」 527 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:08:25.55 ID:yeM5j1M+0 東二局二本場 一「・・・」 バシッ 京太郎(あの時のタコスみたいに安手狙いか・・・?) バシッ 一「・・・」 バシッ 528 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:09:29.74 ID:yeM5j1M+0 京太郎(いや、それにしては打ち筋が妙だ。まるでーー) 京太郎(今までの和了が全部フェイクみたいな・・・) バシッ 一「もう、キミは和了らせない」 バシッ 京太郎「お前が決めることじゃねぇな!」 バシッ 529 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:10:03.85 ID:yeM5j1M+0 一「・・・リーチ」 バシンッ 京太郎「来やがったか・・・」 京太郎(今のアイツはヤバい。何としても避けなけりゃな・・・) バシッ 一「もう、誰にも・・・この流れは乱させない」 バシッ 530 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:10:50.79 ID:yeM5j1M+0 京太郎「・・・」 バシッ 一「そして尚且つ・・・大手で和了って見せる」 バシッ 京太郎「お前も随分言うじゃねえか!」 バシッ 531 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[] 投稿日:2012/04/06(金) 23:12:07.99 ID:yeM5j1M+0 一「キミのはハッタリだけど、ボクのはハッタリじゃない。やると決めたんだ、絶対にやる」 バシッ 京太郎「・・・っ」 バシッ 一「絶対に・・・!」 バシッ 532 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:12:36.08 ID:yeM5j1M+0 京太郎(それにしても・・・来ねえなあ畜生!) 京太郎「・・・」 バシッ 一「ロンだ!」 バンッ 京太郎「何っ!?」 533 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:13:06.07 ID:yeM5j1M+0 一「ーーリーチタンヤオ一盃口、ドラ1二本場・・・満貫12600!」 京太郎「クッソ・・・!」 一「ハ、ハハッ・・・」 一(凄いや、負ける気がしない!透華、これが・・・これが治水なんだね!) 一「っと、いけないいけない・・・」 一(油断するな、国広一・・・お前は透華の隣に立つんだろ!)パシッ 534 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:14:02.15 ID:yeM5j1M+0 一(油断は死を招く。いつだって本気で) 一(だから、今は・・・) 一(今は・・・目の前のこの男を倒すことだけをーー!) 京太郎「・・・・・・せ・・・・・・・せ」ブツブツ 一「・・・次の牌準備するけど、いいかな?」 京太郎「・・・ああ」 535 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:14:41.97 ID:yeM5j1M+0 東二局三本場 一「・・・」 一(大丈夫、河の流れは見えてる) バシッ 京太郎「・・・・・・・せ、・・・・・・・せ」ブツブツ パシッ 536 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:15:30.44 ID:yeM5j1M+0 一(相手は心ここにあらずって感じだけど・・・油断はできない) バシッ 京太郎「思い出せ・・・思い出せ・・・」ブツブツ 京太郎(俺はどこかで知ってる、こんな状況を・・・) バシッ 一「・・・」 一(熱くなってるのかな・・・?だとしたら、チャンスだ!) バシッ 537 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:16:14.75 ID:yeM5j1M+0 京太郎(初手は最悪、引く牌も良いとは言えず、相手は絶好調の連荘中) 京太郎「あの時も、こんな感じだったな・・・」 パシッ 一「・・・何を言ってるのか分からないけど、キミの相手はボクだよ?」 バシッ 京太郎(凄まじい相手のプレッシャー、武者震い半分、怯え半分の俺・・・) 京太郎「ハハッ・・・雀荘の時も、そうだったな」 バシッ 538 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:17:30.58 ID:yeM5j1M+0 一「・・・リーチだ!」 バシッ 京太郎(この沈んでいく感覚。これはまるで・・・) 京太郎「・・・そうか。俺、何だかんだ言って・・・アレも楽しんでたのか」 バシッ 一「・・・これが終わったら、腕利きの頭の医者呼んであげるよ!」 バシッ 539 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:18:26.82 ID:yeM5j1M+0 京太郎(そして・・・全身からひしひしと伝わってくる力量の差。俺は、これも知ってる) 京太郎(俺に麻雀の楽しさを教えてくれた人) 京太郎(俺の、大切な人) 京太郎(ーーーー咲) 『ーーーー麻雀、好き?』 京太郎「・・・そうか」 540 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:18:55.12 ID:yeM5j1M+0 京太郎「勝ちも負けも全部、全部の上に・・・俺が居るんだ」 京太郎「だから、俺は・・・・・・・・・・・もっと上に!」 京太郎「俺は強くなる!全部飲み込んで、全部貪って・・・アイツを倒して!!俺が頂点に立ってみせる!!!」 バシッ 一「どのみち、キミは和了れない!」 バシッ 541 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:20:05.28 ID:yeM5j1M+0 京太郎「もっと、もっとだ・・・!」 バシンッ 一「・・・っ」 一(いや、そんな筈はない。河の流れは、透華の治水は、絶対だ・・・) バシッ 京太郎(俺は・・・俺はまだ戦える!戦いたい!だから!) 542 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[] 投稿日:2012/04/06(金) 23:21:15.19 ID:yeM5j1M+0 京太郎「こいつが、こいつだけが!俺の魂だあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」 京太郎「手前如きに、抉り切れるかああああああああああああああああああああああああああああ!」 ピッ・・・・・・ バシンッ!!!!! 一「・・・・・・」 京太郎「ツモ!ーーーーーーーー国士無双!ーー親16800、子8300!」 543 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:22:35.96 ID:yeM5j1M+0 一「・・・やるじゃん」 京太郎「人の心配より、自分の心配をしたらどうだ?」 一(何でだろ、コイツと打ってると) 京太郎「俺はこのまま、お前を潰す気でいるぜ・・・!」ゴウッ 一(楽しいっ!) 一「そりゃ、ボクも負けてられないなぁ・・・!」ゴウッ 544 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:23:05.91 ID:yeM5j1M+0 東三局 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎(おそらく、この勝負) バシッ 545 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:23:41.05 ID:yeM5j1M+0 一(この局で決まる・・・そんな気がする) バシッ 京太郎「・・・リーチだ!」 バシシッ! 京太郎「ボクもリーチ!」 バシンッ! 546 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:24:10.10 ID:yeM5j1M+0 京太郎「・・・国広一。アンタはただの良い人だと思ってたが、実際は選民思想と独占欲の塊みたいな人間だった」 バシッ 一「須賀京太郎。キミはどこまでも立場をわきまえない、あの透華の前でさえ・・・無礼極まりない人間だった」 バシッ 京太郎「口を開けば二言目にはとーか、とーかか。従順なこった、あの女王様が幸せなら自分の事はどうでもいいんだろうな」 バシッ 547 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:24:53.78 ID:yeM5j1M+0 一「キミは他人をないがしろにし過ぎだね。強さだけを求めて、キミを支えてくれる人達の事は眼中にないんだろうね」 バシッ 京太郎「だが・・・嫌いじゃない」 バシッ 一「・・・同感だよ。キミのその純粋過ぎる生き方は、ボクにとっては羨ましくさえある」 バシッ 548 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:26:42.45 ID:yeM5j1M+0 京太郎「だが!譲れないもんがある!倒したい奴が居る!」 バシッ 一「でも!守りたい場所がある!傍に居たい人が居る!」 バシッ 京太郎・一「「そのためには!」」 京太郎・一「「戦わなくちゃならない時がある!」」 549 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:27:15.59 ID:yeM5j1M+0 京太郎「・・・気に入った、恨みっこなしだぜ」 一「上等、そっちこそ吠え面かかないでよ」 京太郎「ーーーーーーーー来いっ!」 ピッ 京太郎「・・・チッ」 バシッ 550 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:27:54.39 ID:yeM5j1M+0 一「ボクの番だね・・・」 一(お願い、透華・・・・・・ボクに力を!) ピッ 一「ーーーーーーーーーっ」 一「くっ!」 一(違う、これじゃない!) 551 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:28:27.47 ID:yeM5j1M+0 一(・・・!?)ゾクッ 京太郎「・・・・・・」ニヤッ 一(あの反応は・・・) 一「・・・そっか」 一(これは、キミのーー) パタッ・・・・・・・ 552 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:29:40.63 ID:yeM5j1M+0 京太郎「ーーーーーーーーーーロンだっ!!!!!!」 バンッ! 京太郎「リーチジュンチャン三色同順一盃口ドラ1、裏がーーーー乗って、倍満!24000でお前のトビだ!」 一「・・・」 京太郎「・・・っぷはー」 京太郎(今回は、ホントにギリギリだったな・・・) 553 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:30:19.10 ID:yeM5j1M+0 一「・・・」 京太郎「俺の、勝ちだ」 一「・・・分かってるよ」 京太郎「なら、この卓に繋がれた手を外してほしんだが」 一「・・・はい」ガチャリ 京太郎「んじゃ、俺は上に上がりたいんだが・・・階段はどっちだ?」 554 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:30:57.99 ID:yeM5j1M+0 一「・・・・・・あっちのドア開けたとこ」 京太郎「そうかい、それじゃーな」ギィィ 一「・・・・・・ぅ」 一(ごめん、とーか・・・・・・ごめん) 一「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」ポロポロ 一(ボク、負けちゃったよ・・・) 555 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:31:37.42 ID:yeM5j1M+0 『あー、そうだ!言い忘れてたわ!』 一「なっ、何だよ!まだ廊下に居たのか!?早くっ、いけよ!」グシグシ 『お前との麻雀、楽しかったよ』 一「ーーーーっ」 『また、やろうぜ』 一「やるに・・・決まってるだろ!首洗って待ってろよ!」 『ヘッ・・・それじゃーな、一』 一(そうだ、ボクはもう迷わない!立ち止まったりしない!) 一(誰が何と言ったって、ボクが透華の隣で支え続けてみせる!) 556 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:35:46.62 ID:yeM5j1M+0 龍門渕邸・別館  3F北側の部屋前 京太郎「うへー、もう夕方かよ」 京太郎「だが、まだ時間はある・・・当初の目的通り、今日お前に借りを返しとかねぇとな」 京太郎「なぁ、聞いてるんだろ・・・天江衣!」 『・・・手負いで衣と雌雄を決そうなどと、片腹大激痛!』 京太郎「手負いじゃねぇ、修行してきたのさ!」 ガチャッ! 衣「フッ、ならば見せてみろ凡夫!貴様が掴んだものを!」 京太郎「言われなくても、見せつけてやるよ!俺の・・・魂を!」 557 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga ] 投稿日:2012/04/06(金) 23:38:24.20 ID:yeM5j1M+0 次回はエピローグ&最終回なので短くなるし! てかもう割りとすぐ書けるし! 遅れた件についてはとっても申し訳ないとウチの中堅が謝ってたし!許してあげてほしいし! 決して華菜ちゃんが許してほしい訳じゃないから勘違いしないでほしいし! 今回はここまでだし! 566 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:13:24.20 ID:ak/Gtybv0 衣「衣の勝ちだな、凡夫」 京太郎「・・・・・・・畜生!」ゴロン 衣「終わってみればマイナスにこそなっていないものの、まだまだ衣には程遠かったか」 京太郎「・・・しょうがねぇ、認めるよ。俺の負けだ」 衣「ああ、お前の負けだ。・・・だが、衣は楽しかったぞ。どんなに突き離されても喰らいつこうとする執念、それを可能にする気力と実力」 京太郎「えらく持ちあげるじゃねえか、憐憫か?」 567 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:14:03.73 ID:ak/Gtybv0 衣「今回は"麻雀"が出来たからな。衣は、楽しかった・・・それだけだ」 京太郎「・・・そうかよ。俺も楽しかった・・・やっぱ全力でやり合うってのはいいな!」 衣「ま、力が違い過ぎるのはちょっともの足りないがな」クスッ 京太郎「この野郎・・・」 衣「・・・そうだ、名前を聞いてなかったな」 京太郎「あぁ、俺も丁度言っておこうと思ったところだよーー須賀、京太郎だ」 568 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:14:33.00 ID:ak/Gtybv0 衣「須賀京太郎・・・うん、しかと刻んだぞ」 京太郎「こっちはとっくにお前の名前を刻んでるんだよ・・・」 衣「・・・なぁ、京太郎」 京太郎「なんだよ?」 衣「また、衣と麻雀してくれるか?」 京太郎「もちろん、お呼びとあらば365日24時間寝首を掻きにいってやるよ。首洗って待ってやがれ」 衣「・・・そうか、安心したよ。明日も付き合って貰いたいな」クスッ 京太郎「そりゃ重畳・・・と、もう夜か。さーて、明日は女王様に謁見でも」 569 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:15:12.42 ID:ak/Gtybv0 ピリリリリリッ ピッ 京太郎「はい?」 『京ちゃん?まだ家に帰ってないの?』 京太郎「ああ、だって今日も泊まるし」 『・・・京ちゃん』 570 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:15:42.64 ID:ak/Gtybv0 京太郎「何だ?」 『明日、平日だよ?』 京太郎「・・・え?」 『連休は今日で終わり。明日から普通に学校だよ?』 京太郎「あー、うん、分かった」 ピッ 571 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:16:12.41 ID:ak/Gtybv0 京太郎「・・・なぁ、天江」 衣「?」 京太郎「明日って休みじゃないのか?」 衣「明日は学園の創立記念日だぞ?休みに決まっている」 京太郎「・・・・・・・」タラー 衣「ん?そうか、京太郎は清澄に居るんだったな」 572 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:16:38.72 ID:ak/Gtybv0 京太郎「帰らねえと!」 衣「・・・随分せわしないな。一日位休んでもいいじゃないか」 京太郎「そうじゃねえんだ!咲と約束してるんだよ!連休終わったら一番に麻雀するって!」 衣「約束、か・・・」 京太郎「ああでもやべぇよもう夜遅すぎんよ・・・これバスあるかな」 衣「ハギヨシ!」パチン 573 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:17:08.57 ID:ak/Gtybv0 ハギヨシ「ここに」シュッ 衣「この愚か者を送ってやれ」 ハギヨシ「かしこまりました」 京太郎「・・・いいのか!?」 衣「かまわんよ。今見逃して、明日お前が死ぬわけでもないしな」 衣「だが、一つだけ約束しろ」 574 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:17:48.43 ID:ak/Gtybv0 京太郎「・・・」 衣「次にこの龍門渕に来た時は、必ず衣とも打つと。どれだけ時間がなかろうと、だ」 京太郎「・・・あいよ」 衣「ハギヨシ!」 ハギヨシ「須賀京太郎様、行きましょう」 衣「京太郎!衣は、衣は待っているからな!・・・・・いつまでも、この海底で!」 京太郎「ああ・・・絶対、お前を倒しに行ってやる!だから、待ってろよな・・・天江衣!」ダダダダダ 衣「・・・須賀、京太郎か」クスッ 575 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:18:24.32 ID:ak/Gtybv0 ハギヨシの車の中 ハギヨシ「どこか、行っておくところはありますか?」 京太郎「あ、そうだ!あの女王様・・・じゃなくて龍門渕透華のところに行ってくれ!」 ハギヨシ「かしこまりました」 京太郎(咲・・・待ってろよ) 577 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:19:02.03 ID:ak/Gtybv0 龍門渕邸 透華・一「「帰るぅ!?」」 京太郎「俺の連休は今日で終わりらしいからな・・・悪い、アンタとの決着はまた今度だ」 透華「キィーッ、納得いきません!いきませんが・・・約束があるなら仕方ありませんね」 一「どうしてもっていうならボク色々出来るけど・・・」ジャキン 京太郎「とりあえずその危なっかしいものをしまってくれ」 透華「・・・では、またしばらくお別れですわね」 578 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:19:29.00 ID:ak/Gtybv0 京太郎「だな・・・」 透華「・・・・・・」ジーッ 京太郎「・・・・・・」ジーッ 一「帰るんならさっさと帰れーーーーーーーーーー!」フシャー 京太郎「っとと、すまねぇ。・・・それじゃそろそろ行くか」 透華「ええ、お気を付けて。思えばショフトクリームの時からの縁でしたわね・・・」 579 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:19:58.74 ID:ak/Gtybv0 京太郎「・・・ん?」 一「どしたの?」 京太郎「そうだ、ショフトも買わないといけないんだった!ってもう学食開いてねー!?」 京太郎「やべぇよ・・・やべぇよ・・・」 透華「・・・ハァ。落ち着きなさい!」ピッポッパ 580 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:20:25.09 ID:ak/Gtybv0 プルルルル・・・ 『はいー?』ムニャムニャ 透華「私ですわ、今すぐ学食を開けなさい!」 『とっ、ととととと透華さま!?了解いたしました!』 ピッ 透華「これで大丈夫ですわ、さっさと買って帰りなさい」 一「わーお、透華ってば横暴ー」 京太郎「・・・悪いな、恩に着る」 581 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:20:53.54 ID:ak/Gtybv0 透華「こんな目立てるチャンスはありませんから、行動したまでのことですわ」 一「・・・京太郎。早めにまた来てね?ボクの復讐心を満たすために」 京太郎「お前の挑戦なら大歓迎だ、また熱い麻雀やろうぜ!」 京太郎「それじゃ、女王様も・・・・・・また、いつかな」 透華「・・・・・・」 ハギヨシ「そろそろよろしいですか?」 京太郎「おう!」 ブロロロロロロロ・・・ 582 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:21:30.27 ID:ak/Gtybv0 透華「・・・また、いつか」 一「・・・ねぇ透華、透華はアレの事どう思ってるの?」 透華「・・・?」 一「・・・」 透華「もう、一ったら・・・」クスッ 透華「・・・心配しなくても、私の付き人は一以外あり得ませんわ」ギュッ 一「ち、違うよ!嫉妬とかそういうのじゃなくて!」 透華「さ、帰りましょう・・・私達の家に」 一「う、うん!」 583 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:22:02.55 ID:ak/Gtybv0 ハギヨシの車の中 京太郎「なんとか買えたが・・・クーラーボックスまでもらっちまって、店員さんには悪い事しちまったな」 京太郎「うわ、ちょっと溶けかけてきてる!ハギヨシさん、なるべく急いで」 ハギヨシ「既に全力で飛ばしています・・・心配なさらなくても、そろそろ着きますよ」 キキーッ 京太郎「うおっ・・・っと」 584 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:22:34.69 ID:ak/Gtybv0 ハギヨシ「では、お気をつけて」 京太郎「ああ。ハギヨシさん、ありがとな!」 ブロロロロ・・・ 京太郎「さってと・・・」スウーッ 京太郎「咲ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」 585 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:23:36.55 ID:ak/Gtybv0 咲「き、京ちゃん!?どうしたのこんな夜中に大声出して!」ゼイゼイ 京太郎「ほら、ショフト!」パカッ 咲「え、これが・・・?」ジトーッ 京太郎「まぁそういうなよ、土産話もいっぱいあるんだ!ショフトの秘密も教えてやるよ」 咲「・・・京ちゃん、頑張ったんだね」 京太郎「・・・何がだよ?」 咲「修行に行く前より、ずっと逞しくなってる・・・なんとなくだけど」 586 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:25:08.88 ID:ak/Gtybv0 京太郎「そりゃ、お前を倒すために必死で修行してきたからな。もう癖も抜けてるぜ」 咲「ほうほう。今度こそ期待していいのかなー?」 京太郎「おう、任しとけ・・・とりあえず溶ける前にショフト食おう、味は保証するからよ」 咲「そうだね・・・はむっ」 咲「凄く・・・美味しい!でも・・・なんだかとっても普通だね、コレ」 京太郎「だろー?それが伝説になった理由が下らなくてさ・・・」 587 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:25:38.18 ID:ak/Gtybv0 ・ ・ ・ 咲「あはははは!崩れたソフトでショフトって・・・なにそれ!」ゲラゲラ 京太郎「だろ?あんまり下らなくて、笑っちまうよな!」 咲「ひーっ、ひーっ・・・お腹痛い・・・」プルプル 588 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:26:28.84 ID:ak/Gtybv0 京太郎「ハハハ・・・まったく下らねぇよな」 咲「ホントだよ、もう」プルプル 京太郎「・・・・・・」 咲「・・・・・・」 京太郎「咲。俺、今はまだお前には届かないかもしれないけど・・・」 咲「・・・うん」 589 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:28:29.61 ID:ak/Gtybv0 京太郎「でも、俺はお前に勝ちたい」 咲「・・・うん」 京太郎「だからさ・・・・・・・・・これからもずっと、俺と麻雀してくれないか」 咲「えー・・・何それ京ちゃん、プロポーズー?ロマンチックさが足りない、33.4点かなー」クスクス 京太郎「なっ!評価低っ・・・ってちげーよ!別にそんなんじゃねーし!」 咲「でも、嬉しいよ。・・・とっても、嬉しい」 590 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:29:52.90 ID:ak/Gtybv0 咲「うん。だから・・・これからも末永く京ちゃんをボコらせていただきます」ペコリ 京太郎「こんにゃろー・・・言ってろ、案外近日中に倒されるかもしれねーぞ?」 咲「そういうのは、取らぬ狸の皮算用って言うんですよー♪」 京太郎「・・・・・・なぁ、咲」 咲「・・・なに?京ちゃん」 京太郎「麻雀って、楽しいよな!」 591 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga] 投稿日:2012/04/07(土) 01:37:42.70 ID:ak/Gtybv0 以上だし! 最初から終わり方はこうなる感じだったので華菜ちゃん的には満足だし! 京太郎が色んな学園をハシゴしてハーレムを形成する話は別の作者に期待するし!華菜ちゃんも期待してるし! さて、ウチの中堅やら副将やらが色々失敗したのにここまで見てくださって本当にありがとうございますし! これもひとえに読者の皆様の海より広い心と華菜ちゃんのミラクル文才によるものだと思うし! ・・・調子に乗ったし!ごめんだし! たくさんの乙、容赦のないツッコミ、ありがとうございましたし!華菜ちゃん超嬉しかったし!麻雀もっと勉強するし! それじゃ、京太郎「咲、話があるんだ」はこれで全部終わりだし! 重ねてありがとうございましたし! 咲SSもっと増えろし!
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1395008273/ 京太郎「遠くのヒトより近くのカノジョ」 というSSの続きというか、おまけみたいなものになります 須賀さんのお宅。 ピンポーン がちゃ ?「おーすっ犬!!遊びに来てやったじぇー」しぱっ 京太郎「はぁ…やっぱり来たのか。優希」 優希「はぁ…とは何だじぇ!はぁとは!!」 優希「お前が…咲ちゃんがいなくて寂しい想いをしてると思って、せっかく遊びに来てやったと言うのに……」 優希「人の好意を素直に受け取れないなんて、全くこの犬は……」ぶつぶつ 京太郎「……分かったよ。俺が悪かった。よく来てくれたな優希」にこ 優希「――――!!わ…分かればいいんだじぇ……//////」かぁ 京太郎「ははっ。まっ…んな事言っても、俺ん家を使って飲みに来ただけ……なんだろうけどな」 優希「そっ…そうだじぇ!それだけでも有り難いと思えよ。京太郎!//////」 京太郎「はいはい。よくお越しになられました。優希お姫さま」ぺこり 優希「!!///////わっ分かればいいんだじぇ//////」かぁぁ ?「あのー。一応…私もいるんだけど……」 京太郎「おう。お前もよく来てくれたな。高鴨」 穏乃「うん。でも…ほんとに良かったのかな?」 京太郎「ん?何がだ?」 穏乃「宮永さんが遠征で居ない時に、彼氏さんの家に女の子がお邪魔なんてしちゃって……」 京太郎「ふむ……まぁ…女の子っていっても。アンタと優希だからな。流石に咲も何とも思わないだろ?」 穏乃「今の言い方…それ女の子としてどうなんだろ……」はは… 優希「まったく失礼極まりない犬だじぇ!!」ぷんすか 京太郎「ああスマン。まっそうじゃなくても、咲には一応言ってあるし大丈夫だろ。多分……」 穏乃「…………はは。そうだね……大丈夫…だよね……」 京太郎「ん?歯切れ悪いな?どうした?」 穏乃「……ううん。何でもないよ。何でも」にこ 優希「そんな事より早く部屋に上げろー!!いつまで私達をこんな処に立たせっぱなしにしてるんだじぇ!」がぁ 京太郎「あっそうだった。すまんすまん。早く上がってくれ」 優希・穏乃「「おじゃましまーす」」 ――――― 優希「それで咲ちゃんが帰ってくるのって、明日だっけか?」 京太郎「ああ…早くても明日だって言ってた。それだったら…この飲み会も、もうちょっと先でも良かったかな?」かちゃかちゃ 優希・穏乃「「…………」」 京太郎「ん?どうした?急に黙って」 穏乃「あはは…何でもないよ?」 優希「そうだじぇ!何でもない!何でもないじぇ!!」 京太郎「……ならいいけど……ほい。お前達が飲みに来るって言うから、作っといてやったぜ」コト… 優希「うおータコスじゃないか。さっすが私の犬。分かってるじぇー。須賀だけに」どやっ   京太郎・穏乃「「はっ?」」 優希「……ちょ…ちょっと高度過ぎたかな……」コホン… 京太郎・穏乃「「何が?」」はて…×2 優希「……まぁいいじょ。私もおつまみ持ってきたじぇ」こほん 京太郎「おうサンキューな……ってこれタコスじゃねえか!?」 優希「正直、被るとは思ってなかったし……余ったら全部私が持って帰るから問題ないじぇ!!」 京太郎「まぁいいだろ。ビールにも合うし」 穏乃「私も持ってきたよー」 京太郎「ん?この葉っぱを巻いたやつって……」 穏乃「めはり寿司。吉野の郷土料理なんだ。あとお稲荷さん。憧から好きだって聞いて作って来たんだ」 京太郎「そっか…ありがとな。高鴨」にこ 穏乃「うん」 優希「そんな事より早く食べるじょ!」 京太郎「おおっそうだな!!じゃあ―――――」 京太郎・優希・穏乃「「「いただきまーす!!!」」」 ―――― 優希「でも…ついこの間まで、京太郎が咲ちゃんと付き合っていなかったなんて、知らなかったじぇ」くぴくぴ 京太郎「そうか?」 優希「そうか?じゃないじぇ!てっきり二人は高校の時から…その…恋人同士だったとばかり……」くぴくぴ 京太郎「ん…?まぁな……色々あったって言うか、アイツが言うにはタイミングが悪かったんだそうだ」ぐびっ 優希「タイミング?」 京太郎「ああ。もしプロ入りが決まる前に告白していれば、その場でOKしてたんだと」 穏乃「…………」もぐもぐ 京太郎「とは言っても、俺が咲の事が好きだって気付いて、告白しようと思ったのは…プロ入りするのが決まって……」 京太郎「何か咲が急に遠くに往っちまう様な気がしたからだしな……結局の処、どうしようもなかったんだよ……」   優希「そうだったのか…卒業まで二人で、普通に話しとかしてたから、てっきり……」 穏乃「…………」もぐもぐ 京太郎「まぁ…振られたって言うよりも、保留みたいなモンだったし……」ぐいっ 優希「まったく…紛らわしい犬だじぇ…なぁシズちゃん?」くぴくぴ 穏乃「はは……私にはよく分からないや……」もぐもぐ 京太郎「うーん…でも確かに、よくよく考えると優希には悪いことしたな……」 優希「えっ!?」どきっ 京太郎「いや…だって咲に告白しようか迷ってた時に……」 京太郎「当たって砕けろって、背中を押してくれたのはお前だったのに、ちゃんとした報告もしなかったし……」 優希「…………そうだじょ…京太郎は薄情だじぇ……」 優希(私の気持ちも知らないで……私は京太郎の気持ちも…咲ちゃんの気持ちも知っていたのに…それなのに……) 京太郎「はは…すまんすまん」 京太郎「その代わりと言っちゃ何だけど、久し振りにお前の為にタコスをたくさん作ったから、遠慮なしに喰ってくれよな」 優希(……きょ…京太郎が……【私の為】に作ってくれたタコス…………) 優希「…………おうっ!!遠慮なしに食べさせて貰うじぇー!!」がば!! 京太郎「どうだ?久し振りに作ったんだけど…旨いか?」 優希「ま…まぁまぁかな?……でもやっぱりまだまだだじぇ」もぎもぐ 京太郎「はは…相変わらず手厳しいな」ぽりぽり 優希(…………ホントは…すっごく美味しいじょ……私の作ってきたヤツなんかよりも…ずっと……)もぐ…もぐ…… 優希(咲ちゃんと恋人同士になって…高校卒業して……もう作って貰えないって思って……) 優希(せっかく頑張って練習して…やっと一人で作れるようになったのに……) 優希(…………こんなに美味しいの食べたら…もう自分のナンか食べられないじょ……) 優希「……………」じわ… 京太郎「ん?どうした優希。ナンか泣きそうな顔になってるぞ?」 優希「な…なんでもないじょ……」 優希(うう…今までの事を思い出したら…鼻の奥がツーンとしてきたじぇ……) 優希(………でも…………おいしい……)もぐもぐ 穏乃(うん。美味しい)もぐもぐ 京太郎「ははーん。さては俺のタコスが旨過ぎて、感動の余り涙が――――」 優希「―――――!!思い上がるんじゃないじぇ犬!!ただちょっと辛かっただけだじょ!!」 京太郎「そうか…そんなに辛くした心算は…無かったんだがな……」ふむ… 優希「…………ふんだ。これだったら私の作って来たやつの方が…よっぽど美味しいじぇ」 京太郎「へーそうなのか?じゃ…そんなに言うんだったら一つもらうぜ?」ぱく 優希「あっ…………」 優希(美味しくないのが、ばれちゃ―――――)うう…… 京太郎「……へぇ…結構旨いじゃねえか?」もぐもぐ 優希「えっ!?」 京太郎「てっきりお前の事だから、虚勢でも張ってんのかと思ったけど、思ったよりずっと良く出来てて正直…驚いたぜ」もぐもぐ 優希「ふんっ…上から目線で言われてもうざいだけじぇ//////」 優希(ホントは京太郎にこんな事言われるなんて思っていなかったから…すっごく嬉しいじょ……) 京太郎「でも…ま。俺のに比べたら、まだまだだな?」 優希「なにをー!!」がぁ! 京太郎「しょうがねぇ。お前さえよければ、今度もっと旨い作り方教えてやっから」 優希「えっ!?」 京太郎「それにまたいつでも、作ってやっからさ」にこ 優希「京太郎……」じわ… 京太郎「ん?またそんな顔して…嫌だったか?」 優希(……なんで…なんでコイツはそんな気もないのに、こんなに優しいんだじぇ……そんなんだから私は―――――) 優希(ずっと前から…清澄の頃から私はずっと……でもコイツは…コイツと咲ちゃんは、多分それより前から――――) 優希(お互い無意識の内に……そう…最初から私の出る幕なんて無かったんだ……)   だから私はコイツに―――― 優しくされると嬉しいのに切なくなる―――― ちょっと冷たくされても何処か心の奥があったかくなる―――― でもコイツは決して私の想いに応えてはくれない――――― 私の想いを知ろうともしてくれない―――― それなのに私に優しい顔で微笑んだりしてくる――――― 何も知らないクセに――――― 私はこんなにもコイツの事が――――― 誰よりも好きなのに―――――――   優希「でも…こう言う処がコイツらしいんだじぇ」にこ 京太郎「?」きょとん 優希(今はまだ無理かもしれないけど……) 優希(逃げない様、引き摺らない様…何時か私がこんなやつの事なんて、何とも思わなくなる為に――――) 優希「よし判った京太郎!お前に私に献上するタコスの製作と、私に教えるタコス作りを教える名誉を与えてやるじょ」 優希(いつか……いつか…コイツが傍に居ても何とも思わなくなる訓練だじぇ!!) 京太郎「おいっ…相変わらず偉そーだなお前は……」やれやれ 優希「ふんっ偉そうじゃなくて、実際に私の方がお前よりずっと偉いんだじぇ!」 京太郎「へっ!言ってろよ?」 優希(……なんて事を私が考えてるなんて、このバカ犬はちっとも気付かないんだろうな)はぁ 優希(……そう思ったらちょっと、むかむかしてきたじぇ!!)むかむか 優希「もうこうなったら今日はとことん飲んでやるじぇ!!京太郎!責任取って私に付き合えーーーーー!!」 京太郎「?……良く分からんが、分かったぜ。こうなったらとことん付き合ってやんよ」ぐいー 穏乃「…………」くぴくぴ ――――― 優希「……………」すぅすぅ… 穏乃「優希…寝ちゃったね……」ふふ… 京太郎「まったく……とことん飲むから付き合えってとか言って、ギャーギャー騒いで……」 京太郎「その挙句。いの一番に酔い潰れてちゃ世話ないぜ」はぁ ぱさ… 穏乃「とか言って…さり気なく毛布掛けてあげてるし。やっぱり須賀君は優しんだね」ふふ… 京太郎「んな事ねーよ。おだてたってなにも出ねーぞ?」 穏乃「ふふ……煽ててなんかないよ?」 京太郎「なんだよそんな顔して……さては俺の事を根っからの雑用気質野郎とかなんとか思ってるんじゃないのか?」 穏乃「そんな事も無いよ」にこ 京太郎「じゃあ何だよ?」 穏乃「だからさっきも言った通り、優しい人なんだなって思っただけだよ」 京太郎「……ま…まあ俺は出来た人間だから、これ位の事は当然なんだけどな」 穏乃「そうだね」にこ 京太郎「!?」 京太郎(やっべ…今の貌……こいつこんなに可愛かったっけ……?//////) 穏乃「?」きょとん 京太郎「―――まっ…コ…コイツは寝顔だけ見たら可愛いもんだしな?」あせっ 穏乃「ふふ…そうだね……それじゃ、次は私が優希の代わりに私が付きあってあげるからね」にこ ――――― 穏乃「……それで憧ったら、私の名前を『どう』で変換する奴がいたら、絶対にシメるなんて言うんだよ」あはは 京太郎「あはは。何にこだわってんのか、よく分んねーけど面白いな」 穏乃「まあ…そんな事はどうでもいいんだけど……」 京太郎「どうでもいいんかい!!」 穏乃「あははっそれにしても。須賀君の作ったタコスってさ……」 京太郎「ん?俺のタコス?」 穏乃「うん。優希に付き合って何度かお店に食べに言った事あるけど、同じくらい美味しくて吃驚しちゃった」もぐもぐ 京太郎「まぁ凄い人に作り方を教えてもらったからな」 穏乃「凄い人?」 京太郎「ああ…長野の龍門渕高校って所の学生だった、お嬢様の家の執事の人でな。あの人何でも出来るんだよ」 穏乃「あー!あの人か!!」 京太郎「知ってんのか?」 穏乃「うん。私が高一のインターハイで遠征した時に、龍門渕高校の人と打たせた貰った事があってその時に会ったんだ」 京太郎「そうなのか…意外に世間ってのは、狭いもんだな」 穏乃「そうだね」 京太郎「まぁそれはいいとして、お前の作った目張り寿司ってのも旨いな。日本酒に合いそうだ……あっ!!」はっ 穏乃「どうしたの?」 京太郎「ちょっと待ってろ」すっ 穏乃「?」 京太郎「こうやって…熱燗の中に、乾燥わかめを入れてくぱっと開けば―――――」 京太郎「わかめ酒……なんつって」 穏乃「……………」 京太郎(あっやべっ引いてる……?やっぱいきなりの下ネタは不味かったか?) 穏乃「あははっでもそれだったら、もずくを入れた方がビジュアル的にはそれっぽいけどね?」 京太郎「おおそう言えば!!」 京太郎(おおっ予想外に喰いついた!?) 穏乃「でも…女の子に使うにはサイテーのネタだね…たぶん……」しらー 京太郎「すんませんでした……咲にはとても使えないからつい……」 穏乃「いいよ。私…下ネタとかそんなに抵抗ない…って言うかホントは良く分ってないし……」 京太郎(良く分かって無い割に…わかめ酒は知ってんだな……) 穏乃「でも…そっか……宮永さんに言えない事を、私には言えるんだ……」にやにや 京太郎「ん?どうした?顔がニヤケてんぞ?実はそんなに面白かったのか?」 穏乃「ふふ…何でもないよ」にこにこ 京太郎「そうか…まぁそれはいいとして……お前…料理出来たんだな……」 穏乃「これでも、実は老舗和菓子屋の娘なんだから、料理くらい少しは出来るよ?」へへん 京太郎「へーそうだったんだ。それにこのいなり寿司も旨いな。俺、実は結構好きなんだよ」 穏乃「うん。それは憧から聞いてたから。須賀君が喜んでくれると思って作って来たんだ」 京太郎「そうか高鴨って結構、気が効くんだな」 穏乃「えへへ…そうでもないよ。あっそうだあと…これをこうして――――」すっ 穏乃「ん…………//////」れろぉ… 京太郎「!?//////」ドキィ!!! 京太郎(高鴨がおいなりさんを恍惚とした目で見詰めながら、舌を出しているー!?) 穏乃「頂きます」ぺろ… れろれろ ちゅぱちゅぱ ぱく ころころ ゴックン… 穏乃「ン…オイシ―――///////」ぽぅ… 京太郎「――――!?//////」 穏乃「って食べると、須賀君が喜ぶって言ってたよ。私には良く分んないけど……」 京太郎「……そう言う事か……まったく…憧のやつ。適当な事を吹き込みやがって……」   穏乃「えっ!?もしかして嫌だった……?」 京太郎「……………嫌じゃない……//////」ぼそ… 穏乃「そっか…よかった……」ほっ 穏乃「………………」 京太郎「ん?どうしたんだ高鴨?」 穏乃「ん…いや……やっぱり男の子の家に彼女でもない女の子だけで入るのは、どうかなって……」 京太郎「うーん…確かに…なぁ…でも咲には予め伝えているし、優希は俺と咲にとっては昔からのダチだし…それに……」 穏乃「それに?」 京太郎「高鴨だって別にダチとしてであって、他に何かあってここに来たんじゃないだろうし」 穏乃「…………うん……そだね……」 京太郎「憧のやつが一人で来たならともかく、ま…この位なら大丈夫だろ?」 穏乃「……はは…そだね……」あせっ   京太郎「ああ…そういや今更だけど、お前…今日はジャージなんだな。前にあった時は、普通の服だったのに」 穏乃「うん…まぁいろいろあって…東京(こっち)に来るまでは、ずっとこのカッコだったんだけどね」 京太郎「ふーん。でも、ま…この姿の方が俺にとっては、ナンか高鴨らしくて、いい様な気もするよ」 穏乃「ホント?」 京太郎「ああ」にこ 穏乃(……この人はやっぱり優しい……でもそれ以上に脇が甘いんだろうなぁ……麻雀と一緒で……) 穏乃(―――――でも、それだったら)ぐっ 穏乃「ねぇ…須賀君。ちょっとお願いがあるんだけど……」   京太郎「ん?どうした?改まって」 穏乃「このまま胡坐をかいたままでいいから……」 京太郎「……?このままでいいのか?」 穏乃「うん。そのままじっとしてて……」すくっ すたすた… 京太郎(こっち来たかと思ったら、俺の目の前に立って……?) 穏乃(ちょっとだけなら……いいよね…………)くる 京太郎(おもむろに後ろを向いた!?) 穏乃「ごめん須賀君。ちょっとだけ私の椅子になって!!///////」 すとん。 京太郎「!?」どきっ!! 穏乃「―――――――/////////」 京太郎(いきなり高鴨が、俺の膝の上に腰を下ろしたーーーー!!!?) 京太郎「おっおいっ!?/////」 穏乃「ご…ゴメンね須賀君……どうしても一回、こうしてみたかったんだ……//////」 京太郎「こうしてみたかったって、俺の上に乗る事か?」 穏乃「うん……//////」こく 穏乃「……その…どうしても一度…須賀君の上に…座ってみたかったんだ……///////」かぁぁ 京太郎「……意味分かんねーぞ!?どう云う事なんだ?」 穏乃「…………気持ちいいって…//////」ぼそ… 京太郎「ん?何だって?」 穏乃「こうすると気持ち良くなれるって言われたの!!それでっ――――!!!//////」かぁぁぁ 京太郎「誰に?」 穏乃「…………玄さんに……」 京太郎「玄さん?ああ…確かウチの大学の松実さんの妹で、お前と一緒の大学の?」 穏乃「……………うん…」こく 京太郎(あの人か…おもちはいい感じだけど、碌な事を言わないな……)はぁ 穏乃「まだ訳わかんないだろうから…もうちょっと詳しく言うね……」 もわんもわんもわん 玄『ちょっと待つのです。穏乃ちゃん』 穏乃『何ですか玄さん?』 玄『今から穏乃ちゃんだけに、特別に気持ちエエ事を教えてあげる』ふんす 穏乃『気持ちいい事?』 玄『せやで。穏乃ちゃんそんな怪訝な顔して、気持ちエエ事は嫌なんか?』 穏乃『いや…そんな事は…ないですけど……』 玄『そうやろ?だったら取って置きの教えたるで』ふんす 穏乃『お…おう』 玄『早速イクで?先ずはこう…相手の人に胡坐をかいて貰います』どさ 穏乃『相手がいるんですか!?』 玄『せやで。幾ら穏乃ちゃんが、一人遊びが上手と言っても、これは一人では出来へんのや』ずいっ 穏乃『はぁ……』 玄『それでな…後はこの上に座るだけなんやで。簡単やろ?』 穏乃『確かに…簡単は簡単ですね……』 玄『言うなれば人間座イスや。自分より大きな人にやって貰う方がええんやで』 穏乃『はぁ…そうですか……』 穏乃(自分より大きな人か……ふむ…………えっ!?)はっ!! 穏乃(どうして……?今…真っ先に須賀君の事が思い浮んじゃった……)どきどき 玄『どうしたんや?穏乃ちゃん。そんな呆けた貌して?』 穏乃『い…いえ……何でもないです……』 玄『ふーん。穏乃ちゃんがそう言うんだったら、まぁええわ……』 穏乃『あはは……』どぎまぎ 玄『あっ!!そうや穏乃ちゃん。物は試しや。試しに私に座ってみい』ひざぽんぽん 穏乃『えっ!?』 玄『さぁ。はよ――――――――』ぽんぽん もわんもわんもわん   穏乃「…………と、言う事なんだけど……/////」 京太郎「優希といい、松実さんといい。お前の大学の学生はアホばっかりか!?」 穏乃「そんなの!ウチの大学の偏差値みれば判るでしょ!!」ばーん!! 京太郎「それを言われたら――――――」 京太郎「……すまねぇ…………何も言えねぇ……」くぅ~ 穏乃(…………それはそれで哀しい……)くぅ~ 穏乃(そんな事より…やっぱりこれ――――/////) ぐりぐり 京太郎(さっ更に強く擦り付けてきたーーーー!?) 京太郎「おっおいっそんな擦り付けたら!!」 穏乃「――――――/////」ぐりぐり 穏乃(はっ恥ずかしい///////……恥ずかしいけど…でもそれ以上に――――)プルプル… 穏乃(ううん…恥ずかしければ恥ずかしい程に…キモチいい―――――//////)ゾクゾクゾクゥッ―――― 穏乃(止まんない!恥ずかしくてどうしようもないのに…すっごくキモチ良くて…どうしても止めらんないよ!!//////) 穏乃(最初…玄さんにが言った時は…何言ってんだ!このドラ焼き{注;焼きが回ったドラ娘の意}が!!とか思ったけど……) 穏乃(須賀君の事を考えてたら…急にシタくなって。どうしても須賀君じゃないとダメだって思って――――) 穏乃(でもそれって…もしかして…………) 好きな人―――――― はっ!!? 穏乃(あああああ―――――!!!?)カァぁぁぁぁ―――― 京太郎「おいっホント大丈夫か!?顔真っ赤だぞ!!」あせっ 穏乃(玄さんで試した時より…今の方が……須賀君にシテ貰っている時の方が…ずっとキモチいい―――――) 穏乃(そんな……も…もしかして私…………)どきどき もしかして、私―――――――― 穏乃「……………」ゴクリ…… 京太郎「た…高鴨……?」 穏乃「ねぇ…須賀君……お願いがあるんだ……/////」 京太郎「ん?まだあんのかよ?」 穏乃「今から…須賀君の事……その…きょ…『京くん』って呼んでもいいかな……//////」かぁぁ 京太郎「京くん?……まぁそれ位なら別にいいけど……」 穏乃「えへへ…ありがとう…京くん/////」にこ 京太郎(――――――うっ!?こ…コイツ…こんなに可愛かったっけ……!?////)どきっ 京太郎「じゃあ俺も今度から、お前の事を憧みたいに『しず』って呼んだ方が良いのか?」 穏乃「ダメ―――――」ぶんぶん 京太郎「えっ!?」 穏乃「……わ…私の事は『穏乃』ってちゃんと≪名前≫で呼んで……」 京太郎「えっ?」 穏乃「お願い…宮永さんや憧みたいに私の事を呼んで――――」じ… 京太郎「……そ…そうか。分かったよ。穏乃」 穏乃「!!//////うん…ありがとう。京くん」にこ 京太郎(チキショウ…コイツのこの笑顔……何なんだろうな……めっちゃ可愛いんだよな……) 穏乃「…………///////」ぎゅむ!! ぐりぐり… 京太郎(また強く擦り付けて―――!!?だけどコイツ……)ふんふむ 京太郎「でもさっきから、このカッコのまんまだし、ずっと貌を真っ赤にさせてるし…穏乃ってホント猿みたいだな」ププ… 穏乃「………………」ぷるぷる… 京太郎「あっスマン…ちょっと言い過ぎt―――――」 穏乃「そうだよ……」 京太郎「えっ!?」 穏乃「そうだよ!!私はキモチいいコトが大好きで…ヤリ始めたら止められない!!」 穏乃「はしたないお猿さんみたいな女の子だよ!!!///////」かぁぁぁ―――~~ 京太郎「!?」びくっ 京太郎「穏乃…おま…ナニ言って……」どきどき 穏乃「…………///////」ぎゅむ!! ぐりぐり… 京太郎(おいっ!いい加減にしろ!!…って……あれ…この感触…もしかして――――!!?)はっ 京太郎「お…おいっ高っ…穏乃!!お前…もしかしてパンツ穿いてな―――――」 穏乃「―――――――――!!!?////////」かぁぁぁぁぁぁ―― 京太郎「てっマジかっ!?まさか…今日に限ってジャージ着て来たってのも……」 穏乃「だって…だって……その方が気持ちいいって…玄さんが……//////」かぁぁ 京太郎「……ホントあの人…碌な事を言わんな……てか、お前もちょっと…本当にはしたなさ過ぎじゃ―――――」 穏乃「そうだよ!私は…はしたない女の子だよ!!さっきも言ったよ!!!///////」 穏乃「でも…でもっ私をそうさせたのは!京くんの所為なんだからね!!/////」 京太郎「何でだよ!!?」 穏乃「だって!だって!!私がこうなっちゃったのって!!こんなに京くんの事―――――」はっ 京太郎「俺の?俺の何だ―――」 玄『あとね…好きな人にシテ貰えれば、気持ち良さが倍増するのです――――』 私やっぱり――――   穏乃「……………うき…」ぼそ 京太郎「えっ?何だって?」 穏乃「……その…京くんの事…うき……」ぼそぼそ 京太郎「え?だから何だって――――」 穏乃「――――――――――っ」すぅぅぅ―――― ばっ!! 穏乃「京くん!!!うきーーーーーーー!!!!/////////」 京太郎「うき!?」 穏乃「……………//////」こくこく 京太郎「うきって…猿かよ……って流石に違うか……」 穏乃「…………//////」しゅん 京太郎「あっもしかして……月か…?そうか…今日満月だからなぁ……結構きれいだよな」 穏乃「!?」 京太郎「何だかんだ言って…東京の月も捨てたもんじゃないよな?」 穏乃「……………うん…そだね……」す…… 京太郎「?」 穏乃「…………京くん…月が綺麗ですね……」にこ   京太郎「――――!?」ドキッ 京太郎「……おっ…おう。そうだな………」 京太郎(今…一瞬コイツの表情(かお)が…ちょっと大人っぽく見えて……)どきどき… 京太郎(だ…だけどコイツはなんでそんな事を、こんなに切なげな貌で言うんだよ……)どきどき 穏乃(言っちゃった…それに…京くんの事…好き…かもって思ったら……気持ち良さがぐっと増して……)ふるふる… 穏乃「あっああっ――――」 京太郎「おっおい!高鴨!?//////」 穏乃(止まらない…止まらないよ――――!!!) じゅん… 穏乃「!?」ビクンッ… 穏乃(あ…アタマの芯が痺れ―――――アタマが真っ白に……)ぼー 穏乃(―――――!!あっ…あっ……ああ――――――!!!///////)ビクビクンッ 穏乃(言っちゃった…それに私…今――――――イっちゃった…………////////) 穏乃(自分のカラダの内と外でいっちゃたんだ……)はぁはぁ   最初…私は憧が好きになった人って、どんな人なんだろう?って思った……。 あの…人をよく見る憧が好きになる位だから、カッコよくて、いい人なんだろうな…ってずっと気になってた……。 それから…何故か日に日に気になっていって……。 玄さんと話した時もそう…最初に思い浮かんだのはこの人……。 私は…いつの間にか…この人の事を思い出さない日は無くなっていた……。 だから優希に誘われた時…これはチャンスだと思って、喜んで誘いを受けた……。 何度か見掛けてはいるけど…本当の意味で、ちゃんと話した事は無かったから……。 本人に逢って話せば、私のこのモヤモヤした、蟠りみたいなモノが取れるんじゃないかと思った……。 そして…こうやって話をしてみて、お酒を飲んで私にも判った……。 この人は分け隔てなく優しくて…それでいてカッコよくて……。 あの憧が好きになるのも、仕方ないな…って思った……。 憧が好きになった人だから……それは私にとっても―――――。 憧と同じなのかな?知らない内に…いつの間にか私は…私は―――――。 …………………。 憧と同じ――――――― はっ!!? あ…ああ……――――――――っ。 穏乃(……きょ…京くんは宮永さんの……それに憧の…………それなのに私は――――) あの日…憧が京くんに振られてしまった。あの雨の日―――――。 ザァァ…… 憧『振られちゃった…私…京太郎に振られちゃったよぉ……』ぽろぽろ 穏乃『憧…そっか……残念だったね……』 憧『しずには…私の気持なんて判んないよ……私がどれだけ京太郎の事を好きかなんて…しずには判んないよ……』ぐすぐす… 穏乃『そうだね……私には憧の気持ちの全ては判らない……』 穏乃『でも…憧…判らなくても、それでも私は…私はどんな事があっても――――』 穏乃『憧の事を応援してるし、憧の味方だからね』にこ 憧『しず……』 穏乃『だって私……憧は…私の一番の友達だもん!!』 憧『……しず…ありがとう……』にこ 穏乃『うん』にこ ―――――――――。 穏乃(私はあの時…憧に……あんな事言って……) 穏乃(それなのに…それなのに私は――――――っ)ぶるぶる 京太郎「おっ?おい穏乃?どうしt―――――」 穏乃(憧を裏切っt―――――――)ガクガク… 穏乃「ああ…ああああーーーーー!!!」 京太郎(いきなりどうしちなったんだy――――) 穏乃「京くんっ――――!!」くるっ 京太郎(えっ!?いきなりこっち向いてっ!?) だきっ ぎゅうっ!! 京太郎「へっ!?」 穏乃「ああ…ううぅ……うぁぁ―――」ぽろぽろ… 穏乃「うわぁぁぁぁぁあーーーーー」ぎゅう!! 京太郎「!?」びくっ 京太郎(イキナリこっち向いて抱き付いてきた―――――っ!?) 穏乃「ごめんね!ごめんね!!私―――――」ぼろぼろ 京太郎(おまけにナンか知らんが、急に泣き出して謝り始めたーーー!!!?) 京太郎「訳が分からん…って…あっそうだ!おいっ優希。高鴨が急に泣き出し――――」 優希「……う…ん……きょう…たろ…すき…………」すぅすぅ… 京太郎「だぁーーっこいつ!なんか寝言言ってるよ!!てか…この状況で良く寝てられんな……」 穏乃「ああああああーーーー憧…ごめんね!私…悪い子だよーーーー!!」ぼろぼろ 優希「……………」すぅすぅ 京太郎「…………優希はさっきから寝っぱなしだし……」 京太郎「高鴨は俺に抱き付いたまま、泣きっ放しだし……もう収集が付かねえ……どうすりゃいいんだよ?」はぁ ?「ハーイ!ダーリン!!愛しのハニーがアイに来てやったわよーー!!!」ばっ ?「…………って、なんじゃこりゃーーー!!!?」がびーん 京太郎「えっ?憧!?お前どうして…って。今は…んな事よりも!頼む!この状況ナンとかしてくれ!!」 憧「…………優希が毛布に包まって寝てるのは…まぁいいとして……」 憧「どうして、しずが…アンタに抱き付いてワンワン泣いているわけ?」 京太郎「知るか!こっちが知りたいし泣きたいわ!!」 穏乃「……ゴメンね…京くん……」ぐすぐす… 京太郎「――――うっ…と…とにかく取り敢えず何でもいいから…何とかしてくれ……」 憧「…………………」じ… 穏乃「……あこ…………」ぐす… 憧「しず……」 穏乃「ご…ゴメンね…憧……京くんは何も悪くない…悪いのは全部私だから……」ひくっひくっ 穏乃「ゴメンね…私…私……憧を応援するって決めてたのに…ずっとそう言ってきたのに……それなのに……」ぐすぐす… 憧(……………………そう言う事、か……)ふぅ… 憧「しず」すっ 穏乃「―――――――!!」びくっ 穏乃「あ…憧……」ふるふる… 憧「しず…もう…そんなに顔を真っ赤にさせて、おまけに泪で顔がぐちゃぐちゃにさせて……ホントにお猿さんみたいだよ?」くす… 憧(まっ穏乃のそう云う処が、カワイイんだけどね……) 穏乃「……そうだよ…私…本当にお猿さんだよ……節操の無いイケナイお猿さんなんだ……」ぐずぐず… 憧「そうなんだ……しずは悪いお猿さんなんだ?」 穏乃「…………あこぉ……」ぐす… 憧「でも…ホントにそうかもね?今だって…私にごめんごめんって謝りながら、京太郎に抱き付いたまんまだし」はぁ 穏乃「!!!?//////」はっ! ばっ!! 穏乃「ご…ごめん…憧……」 京太郎(取り敢えずやっと…抱き付きからは解放された……)ほっ 憧「…………でも…しず…大丈夫だから」じ… 穏乃「憧……?」 憧「しず。アンタはあの時…どんな事があっても私を応援してくれるって、味方でいてくれるって言ってくれた……」 穏乃「うん…でも…私は―――――」 憧「私も一緒だかんね」 穏乃「えっ!?」 憧「私も…たとえ何があったとしても、どんな事になったとしても、ずっと…しずの味方だから…友達だからね……」ぎゅっ 穏乃「憧……」ふるふる… 憧「だからね……しずは私の事で、そんな辛そうな貌や想いをしなくてもいいんだよ?」にこ 穏乃「……ありがとう…でも…でもやっぱりごめんね……憧……」ぽろぽろ 憧「もうっ泣かないでいいって言ってるのに。まったく泣き虫なんだから……」 穏乃「だって…だって……」 憧「一寸待ってて……」 ―――。 憧「はい。これ飲んで少し落ち着きなさい」すっ 穏乃「うん……」こくこく 京太郎(てかっ…コイツ未だ俺の上に乗ってんだけど……今更ながら空気のみたいな存在になっちゃったよ……)とほほ… 穏乃「!?……これ…お……お酒…………?――――――…・・・…――…」かくん 穏乃「………………」すぅすぅ 京太郎「ん……?高鴨のやつ、寝ちまったのか?」 憧「ええ。お酒の中にちょっとだけ睡眠導入剤を入れただけだけど……思ったより効果があったみたいね……」 京太郎「おいっ!?効果があったって……大丈夫なのか?酒にそんなモン入れて……何かあったらどうするんだよ?」 憧「大丈夫だって…入れたと言っても、ほんの少しだし…市販されてるやつだしね……」 京太郎「…………だからってなぁ……」はぁ 憧「しょっ…しょうがないじゃない。あの状態のしずを落ち着かせるには、これが一番だったと思うし……」 京太郎「……うーん…それを言われるとなぁ……そうか…まぁそうだな…仕方ないか……」うーむ… 京太郎「いや済まん。ありがとう助かった。正直、俺一人じゃどうしていいか判らんかった」ぺこり 憧「そうよね。私に感謝しなさいよね」ふふん 京太郎「でも…憧……その…俺には何にも言わないのか?」 憧「何を?」 京太郎「はっきり言って…自分で言うのも何だけど、異常な状況だったし……」 憧「……まぁしずがあんな貌して、そのくせ京太郎にきっちり腕と足で抱き付いた、ダッコちゃん状態だからね……」 京太郎「ははは……」 憧「何となく何があったのか判る気がするし…アンタがしずをどうこう出来る様なやつじゃないのも知ってるから……」 京太郎「憧……そんなに俺の事……」じーん 憧「それだけヘタレって事よっ!!」かっ!! 京太郎「……えっ?いきなりディスられたけど……それに辺りに関しては…悔しいが何も言えねえ……」くぅ~ 憧「まっ…大方しずが、玄辺りに唆されて暴走したんでしょ?」はぁ 京太郎「…………大方そんな感じだと思う……って良く分かったな!?」 憧「私……頭は悪くない心算だし、それ位の事は察しが付くわよ」 京太郎「……そうか…。でも…色々とありがとうな。流石、インテリの憧さんだな」にこ 憧「――――っ!!//////ほっ褒めたって何も出て来ないわよっ!!//////」かぁぁ 京太郎「……まぁそれはそうとして。そういや憧。お前どうして俺の部屋の中に居るんだよ!?」 憧「だって、鍵が開いてたから……」 京太郎「あっ締め忘れてたのか…ってそれなら呼び鈴くらい鳴らせよ!」 憧「鳴らしたわよ。今日ここで飲み会やるって聞いて来たのに、出ないからドアノブ廻してみたら開いたから……」 京太郎「そうか…バタバタしていて聞こえなかったな…って、だから勝手に入って来るなって!」 憧「でも…そのお陰で、この場は治まったんじゃないの?」 京太郎「……まぁそうだけどよ。あれ…?そういや…お前が来るなんてナンも聞いてないぞ?」 憧「えっ!?そうなの?しずから聞いて、私もイクって言っておいたんだけど……」 京太郎「……まったく…このおさる娘…完全に言い忘れてんな……」 憧「まぁいいじゃない。ね…それより京太郎」 京太郎「ん。なんだよ?」 憧「まだ飲み足りないでしょ?次は真打ち本命の私が付き合ってアゲル」にこ ―――――。 京太郎「うーん……」 憧「ん?どうしたの京太郎?」 京太郎「いや何でも…………ってアレ…ナンかちょっと…ぼうってしてきたな?そんなに飲んでは無い筈だけど……」ふら… 憧「ふふ…そうなんだ?」 京太郎「そうなんだって……おまっ…もしかs―――――」 憧「………そぉれ!!//////」がばっ 京太郎「!?」 憧「京太郎…つーかまえた/////」にこぉ 京太郎(おっ押し倒され――――!?)はっ!! 京太郎「あ…憧っ…俺にも一服盛りやがったな!?」 憧「ふふ……」 京太郎(ち…力があまり入らない……)ぐぐ… 京太郎「ど…どういう事だよ……?何でこんな事……」 憧「どういう事って…モチこう言う事だよ?」くすくす 京太郎「こう言う事って…お前、さっき高鴨を眠らせた事といい、まさか最初から!?」 憧「ふふ…そうだよ睡眠導入剤(おくすり)を持っていたのも全部この為……」 京太郎「……やっぱり。最初から優希や高鴨を、それを使って眠らせる心算だったのか?」 憧「まぁね。予期しない形で役に立ったけど、やっと本来の目的に使えたわ」 京太郎「本来の目的って……どういう事だよ?」 憧「どういう事って…?もうっ判ってる癖に……女の子が男の子を押し倒して馬乗りになってスルコトって……」 憧「一つしか無いでしょ?/////」 京太郎「する事って…/////おま…俺にもそんなモノ使って…俺まで寝ちまったらどーすんだよ?」 憧「そうなったらそうなったで、寝てる間にちょめちょめして、一緒に朝チュンして既成事実を作っちゃう心算だったし……」 京太郎「……ちょめちょめって……それって流石に酷過ぎないか……くそっ死んでも寝られんくなった……」 憧「ふふ……」 京太郎「でも…お前それって犯罪スレスレだろうがよ?」 憧「しょうがないじゃない。酔った勢いがあっても、京太郎が私を襲ってくれるわけがないし……」 京太郎「……襲ってくれるって……。あのなぁ…俺はお前の事、もうちょっと純情な奴だと思ってたんだがな……」 憧「私が純情?そんな訳ないじゃない。私だって一人の恋するただの女の子だよ?」 憧「好きな人とイッパイ色んなコトしたいって思ってるんだよ?」 京太郎「……にしても…ちょっとヤリ方が強引じゃないか?お前はもっと頭が良い奴だとも思ってたけどな……」 憧「そうだよ…私は自分が…頭が良い方だって事くらい知ってる……」 京太郎「だったら何でこんなこt―――――」 憧「でもね……私は貴方の事になるとダメなの……頭を使うよりも先に――――」 憧「カラダが勝手に動いちゃうの―――――」 京太郎「!?」ドキッ 憧「私の全てが…貴方を求めてしまうの……だから――――」 憧「なりふりなんて構ってられないよ!!」 京太郎「お前…そんなに俺の事…………」 京太郎(くっそ…ホントにコイツのこう言うトコ、ホントにカワイイんだよな……おまけに何かエロいし……)くぅ~ 京太郎「だけどお前っ…俺には咲という恋人がいるって知ってるだろ!!だったr――――」 憧「現地妻」ぼそ… 京太郎「えっ!?」どきっ 憧「宮永さん…遠征とかで居ない時が多いんでしょ?」 京太郎「ああ…そうだけど……」 憧「だったら…その間は私が京太郎のイイヒトになったげる……今は…それで良いから……」 京太郎「それでいいって…お前…何言って……」 憧「…………………」 憧(私だって自分が≪何やってるか≫くらい判る…他人から見れば往生際の悪い、迷惑で愚かで恥知らずな娘……) 憧(でも…私はそれでも諦めきれない…諦めたくない。他人(ひと)からどう思われようが蔑まれようが構わない) 憧(それでもいい――――――) 憧(私はこの恋に正直に生きたい――――――――) 京太郎「憧?どうした……?」 憧「ううん…何でもないよ……あっそうだ!ねぇ…しず…穿いて無かったでしょ?」 京太郎「えっ!?……いや…それは……/////」 憧「ふふ…やっぱり。ねぇ京太郎……私もね。今―――――」 憧「穿いてないの――――――――」 京太郎「!?」ドキィ!! 憧「私だって…今日はそれ位の覚悟を決めて来たんだから……だから…………」 京太郎「だからって……お前……」 憧「……女の子にここまでさせて…言わせて……」 憧「しかも私みたいな賢くて,とっても可愛いい子にこんな…はしたない事までさせて……」 憧「≪それでも何もしない≫心算?」じ… 京太郎「…………うっ…確かにお前は可愛いよ。頭も良いだろうよ!でも俺は…それでも―――――――」 憧「!?もうっこのワカランチン!!もういいよっ!!こうなったら実力行使しちゃうんだから!!」がばぁっ 京太郎「!?おっおいっ」 がちゃ!! ?「…………………………」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ――――――― 京太郎・憧「「!?」」ゾクッ!! 憧・京太郎((こっ…この凄まじいプレッシャーは!!?))はっ ?「ねえ。一体コレは≪どういう事≫なのカナ…カナ?」ゴゴゴゴゴ… 京太郎「―――――咲っ!?」びくっ!!! 憧「宮永さん!?」ぎくっ!!! 咲「新子さんは…人の恋人の上に馬乗りになって、どうする心算だったのカナ?」 ゴッ!! 憧「!!?」グワンッ!!! 憧(なに…コレ……脳に直接…役満直撃された様な衝撃が……)ガタガタ… 優希「…………ん?なんだじぇ?」むにゃ… 穏乃「――――――――!!」がばっ 穏乃(えっ!?今…何か物凄い衝撃が―――――――) 優希「……咲ちゃん?」ぱちくり 穏乃「―――――宮永さん!?」びくっ!! 憧「み…宮永さん……帰って来るのって、明日以降なんじゃ……」 咲「ふふ…京ちゃんからこの話を聞いて、何となく胸騒ぎがしたから、無理を言って先に帰らせて貰ったんだ」 咲「それで帰ったらこれだよ?」ゴッ! 穏乃「……………」ぶるぶる… 京太郎「さ…咲……これはだな…その……」あたふた 咲「うん。京ちゃんは…いいよ」にこ 京太郎「咲……」 咲「京ちゃんが悪くないのは判るから。京ちゃんが…自分からそんな事からする人じゃないって知ってるし」にこにこ 憧・穏乃・優希「「「………………」」」びくびくびく×3 咲「ふーん。京ちゃんから聞いてたのは…優希ちゃんも高鴨さんの二人だけど……」 憧「…………」どきどき 咲「招かれざる客(イレギュラー)の新子さんもいるしなぁ……」ふーむ 優希「咲ちゃん……何時もの咲ちゃんじゃないじょ……」カタカタ 穏乃「…………み…宮永さん……」 咲「そっかぁ【四人】いるのかぁ……」 憧「……………」ゴクリ… 咲「じゃあ今からみんなで私と麻雀を楽しもうか?」にっこり 憧・穏乃・優希「「「!?」」」ビックーン!!! 穏乃(その後、私と憧と優希で宮永さんに滅茶苦茶麻雀を楽しまされました……) 穏乃(結果は―――――) 優希:約-10000点 私:約-100000点 憧:約-160000点 穏乃(結果から推測するに宮永さんは、やっぱり≪何か≫を、感覚的に察知する能力がある様です…) 穏乃(それから私…そして…それ以上に憧は麻雀を楽しまされ過ぎて……) 穏乃(そのダメージで暫く麻雀どころか、牌を持つ事すら出来そうもありません……) 穏乃(でも暫くすると憧は――――) 憧『前はいきなりの事で面喰ったけど、まだまだ慌てる様な状態じゃない。まだ戦いは始まったばかりだし!!』 穏乃(と、息捲いていて…まだまだ懲りても、諦めた様子も全くありません) 穏乃(私も…憧の…このめげないメンタルの強さを…ある意味でですが、見習いたいと思います) 穏乃(それにやっぱり…それ程までに、一途に京くんの事が好きなんだろうな……と思います) 穏乃(……そう言う私も…いつの間にか……いえ…ここでは…やめておきましょう……) 穏乃(でも……人を好きになる事ってこんなにも突然で、切っ掛けさえあれば…簡単にそうなってしまう様な事だったんですね……) 穏乃(もしかして…憧もそうだったのかな?) 穏乃(と…ここまで言っておいて何ですが…誰に向かって話しているのか良く分かりませんね)はは… 穏乃(まあ…とにかくそういう訳で―――――) 憧「しずー何してんの?早く行くよー!!」ぶんぶん 穏乃「!!はーい。今行くよー」たたっ 穏乃(これから先…どうなるかは判らないけど―――――) 穏乃「とりあえず。なるようになるです!!」 とりあえずおしまい。 おまけ。 玄「で…ちゃんと…好きな人の上に座れたの?」 穏乃「……はい…」 玄「それは良かったのです」にこ 穏乃「…………」 玄「それで座ってみてどうでしたか?穏乃ちゃん」 穏乃「はい…正直に言って…悔しいけど凄く気持ち良かったです……」 玄「そうでしょ。そうでしょ」ふんす 穏乃「………………」 玄「ん?さっきからどうしたの?浮かない顔して」 穏乃「確かに好きな人の上には座れました…でも……」 玄「でも?」 穏乃「その人には…その……もう彼女さんがいて…その……」 玄「ふぅ~む…なるほどなるほどなるほど~」 玄「それなら全く問題ないですのだ」どん!! 穏乃「!?」 玄「寧ろ…その方がよりいいのです」ふんす 穏乃「えっ!?玄さん…何を言って……」ぱちくり 玄「私なんか、好きな人の彼女さんの目の前でシタ事あるよ?」 玄「最初はちょっと後ろめたかったけど…今ではその彼女さんに見せ付けるのが…最高に気持ちいいのです」ほゎ~ 穏乃(……この人…やっぱりダメな人だ)かくしん 玄「で?穏乃ちゃんはどうだったのかな?」 穏乃「えっ!?」 玄「好きな人の上は…とっても気持ち良かったんでしょ?」 穏乃「そ…それは……」 玄「ふふふ…自分に正直になればいいのですよ?」にこ 玄「好きな人の側に居る事はとても幸せな事…たとえそれが、人を…自分を疵付ける事になったとしても……」 玄「私は……恋する女の子は、たとえ分かっていても…そのイケナイ幸せを求めてしまうのです……」 穏乃「玄さん……」 玄「私は…それ程に…どうしようもない程に、その人の事が好きなのなら……」 穏乃「………………」 玄「その人のパンツすら食べてしまいたくなる程に…好きなのであれば……」 穏乃(流石にそれはない) 玄「もう…なりふりなんて構っていられない……」 玄「その結果…私はどんなに疵付いても疵付けたとしても……止められない。後悔したくないから…………」 穏乃「玄さん……………」 玄「…………なんてね。吃驚した?今言った事はみんな冗談だよ」てへぺろ 穏乃「えっ!?」 玄「人のモノを獲っちゃうのは悪い事だから……それが自分の大好きな人達の事なら尚更…ね……」 穏乃「玄さん…もしかして……ううん。何でもないです……」ふりふり 玄「ん?いいの?何か言いたそうだったけど」 穏乃「はい。何でもありません」 玄「そう…じゃあ。私もう行くね……」 穏乃「はい」 玄「―――――あっ穏乃ちゃん」 穏乃「何ですか?」 玄「穏乃ちゃんが後悔しない…それでいて、心からの笑顔になれる選択をしてくれる事をお祈りさせて貰うからね」 穏乃「ありがとうございます。玄さん……」にこ 玄「うん。じゃあまたね。穏乃ちゃん」ふりふり 穏乃「はい。また今度」ふりふり 穏乃(玄さんの今さっき見せた貌……私…玄さんの、あんな切なげで複雑な貌は見た事無いよ……) 穏乃(玄さんは…ホントにいったい…誰の事が好きなんだろう……訊きたい…でも…訊いてはイケナイ事の様な気がする……) 穏乃(私は…どうなんだろう……確かに私は…京くんの事が好き……なんだと思う……) 穏乃(でも…今思うと…憧の想いに感化されて…その場の雰囲気に流され……感極まってしまったんじゃないかという気もする……) 穏乃(憧が好きな人で…でもその人は宮永さんの恋人で……) 穏乃(憧…宮永さん…そして私……) 穏乃(イケナイ幸せ……たとえ許されなくても…好きな人を好きだと思う気持ち……でもそれは――――) 穏乃(私は…どうすれば…ううん……どうしたいのかな―――――)   とある雪の日。 須賀さんのお宅。 京太郎「じゃあそろそろ学校行くから」 咲「うん、気を付けてね。今…外は雪降ってるし……」 京太郎「そうだな…で、咲。お前…今日は、どっか行ったりしないのか?折角のオフなんだろ?」 咲「今日の夕食の材料を買いに、スーパーには行くつもりだけど……」 京太郎「今日は咲が作ってくれるのか?」 咲「うん。今日は京ちゃんの好きな、いなり寿司に鰻を乗せたうなり寿司と…あと、あったかい豚汁を頑張って作るからね」にこ 京太郎「おっ。それは楽しみだな」 咲「うなり寿司を食べて、元気になって貰って……」もじもじ… 咲「そしたら…今夜は久し振りに夜のリンシャンカイホーを…たくさんシテ貰うんだからね//////」かぁぁぁ 京太郎「お…おう。頑張るよ……//////」 咲「だから…今日は出来るだけ早く帰って来てね」じ… 京太郎「分かった。そうするよ」にこ 咲「うん」にこ 京太郎「じゃあ行って来r――――」 咲「あっちょっと待って」 京太郎「ん?何だよ。まだ何か?」 咲「……京ちゃん。はいこれ…………」すっ 京太郎「これは…指輪?」 咲「うん。この前の遠征の時にいいペアリング見付けたんだ……私も付けるから…その…京ちゃんも……//////」 京太郎「ああ。分かったよ」きゅ… 京太郎「どうだ?似合ってるかな?」すっ 咲「うん。とっても似合ってるよ。京ちゃん」にこ 京太郎「咲…お前も…その指輪も、とっても可愛いよ」にこ 咲「うん…///////ありがとう京ちゃん……」にこ 咲「でも…次はいつか…京ちゃんから貰いたいな…その…約束の指輪を……///////」かぁぁぁぁ 京太郎「!!///////そ…そうか。いつか、俺がお前に本当の意味で相応しい男になったら、必ず贈るから」キリッ 咲「うん……///////////」 京太郎「よし。咲の愛の籠った指輪も付けた事だし。そろそろ――――」 咲「まっ待って…京ちゃんっ!」 京太郎「ん?まだ何かあるのか?」 咲「うん。くれぐれも他の女の子…特に新子さんに誘われても乗っちゃ駄目だからね」 京太郎「何だ。そんな事か……まったくお前は心配性だな」 咲「だって…京ちゃんがお願い事されたら、断れない性格だって知ってるし……」うー 京太郎「はは…心配すんな。この指輪に誓って…今日は必ず真っ直ぐ帰って来るから」 咲「うん。京ちゃんを信じてる//////」すっ… 京太郎「はは…全くお前は大袈裟なんだから」んっ… ちゅっ… 咲「えへへ…行ってらっしゃい。京ちゃん///////」ふりふり 京太郎「ああ。いって来る」すっ バタン。 大学近くの通り。 京太郎「うーさぶ…未だ12月に入ったばっかだってのに、どーしてこんなに降るんだよ……」ぶる… 京太郎「これじゃ長野に居た時と変わらねーじゃねーか……」ぶつぶつ ?「おはよー京太郎!!どーしたの?朝から不景気な顔してブツブツ言っちゃって?」 京太郎「ああ。憧か。おーす」 京太郎「いや…東京って雪降らねーってイメージあったけど、これじゃ地元(いなか)の長野とちっとも変んねーなって思ってさ……」 憧「ふーん。そっか…でもそれって私も同じなんだよね……もしかして奈良と長野って似てるかも知れないね?」 京太郎「はは…そーいえばそーかもな」 憧「あっそうだ。京太郎…今日…学校終わったら。飲みにでも行かない?雪見酒ってのも乙だと思うけど?」 京太郎「うーん。そうだなぁ……たまには―――――!!」はっ 京太郎(いかんいかん。今日は咲と……)ぶんぶん 憧「どうしたの?」 京太郎「いや。今日は咲がいるんだよって…おい。彼女持ちの男をそんな簡単に誘うんじゃない」めっ 京太郎(まっ…一瞬…行き掛けた俺も俺だけどな……) 憧「…………………」むー 憧(そりゃそうだけど…さ……)ふんっ   大学正門前。 すたすた… ?「あのー済みません。今、TVの街頭インタビューをしてるんですけど。ちょっといいですか?」 京太郎・憧「「えっ!?」」 レポーター「お二人ともやはりここの学生さんなんですか?」 憧「はい。そうです」 レポーター「そうですか。一つお聞きしてもよろしいですか?」 憧「はい。いいですよ」にこ レポーター「ありがとうございます。あの~今日の東京は記録的な大雪なんですが、この雪についてどう思われますか?」 憧「そうですね…………」はっ 憧「………………………」ニヤリ 憧「基本的に…雪はやっぱりあんまり好きじゃないんですけど――――――」 憧「でも―――――」 レポーター「でも?何ですか?」 憧「恋人といる時の雪って特別な気分に浸れて私は好きです」 京太郎「えっ!!!?」ささっ 京太郎(憧のやつ……TVに映ってんのに、どさくさに紛れて何言って――――) 京太郎(咄嗟に手で顔を隠したけど…全く意味ねーだろうな……) 京太郎(あっ…やば…もしかして…咲に貰った指輪も映ってんじゃないか……?) 京太郎(これじゃ…逆に他の奴らに誤解されかねないな……) 京太郎(肝心の咲はTVとかあまり視ないから大丈夫だと思うけど……) 京太郎(他の奴らは兎も角……アイツに…咲にだけは知られないようにしないと……) 憧「えへへ…言っちゃった//////」ニコニコ レポーター「そーですか。ありがとうございましたー(棒読み)」 京太郎(まったく…コイツは……能天気な顔でニコニコしやがって……俺は気が気でないと言うのにな……)はぁ その頃の須賀さん宅。 咲「さて…お掃除も一段落したし……ちょっとテレビでも視ようかな?」 ポチ。 咲「あれ?京ちゃん?と…………」 ――――恋人といる時の雪って     特別な気分に浸れて私は好きです―――― 咲「………………」 咲「あは…あはは……アハハハハァ―――――――」 咲「また…京ちゃんが優しくて強く言えないのをいい事に、また懲りずに…ちょっかいを出して……」 咲「まったくこの雌(ひと)は……流石の私も槓忍袋の緒が切れちゃったよ?」 咲「そんなにヒマだったら、今度は、もっともっと…とことん麻雀を愉しんで貰おうかな?」 咲「もう京ちゃんに…手を出そうなんて思わせない位に……」 咲「愉しみにしていてね……新子サン」ニコ…   その日の逢魔が時。 がちゃ。 京太郎「ただいまー」 ぱたぱた。 咲「お帰りなさい京ちゃん。もう御夕飯の準備、出来てるよ」にこ 京太郎(この様子だと…取り敢えずは大丈夫そうかな?ゴッて感じもしないし……)ほっ… 京太郎「おっそうか。じゃすぐ着替えてくr―――――」 咲「ねぇ京ちゃん……」 京太郎「ん?なんd―――――」 ――――恋人といる時の雪って     特別な気分に浸れて私は好きです―――― 咲「……ってさっきテレビで視たけど。私も京ちゃんと一緒に見る雪は好きだよ」ニコォ…… 京太郎「――――――――――!!!!!!?」ガンッ!!!!! 京太郎(―――――――――――――――あ…あまりの衝撃で…い…一瞬頭が真っ白に…………) 咲「ふふ…京ちゃんなんて表情(かお)してるの?折角のカッコイイ顔が台無しだよ?」にこっ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………… 京太郎「み…視たのか……」 咲「うん…京ちゃんも…その指輪も…………」 京太郎「ごめんな咲…俺がしっかりしてないばっかりに……」ぺこり 咲「ううん…だから京ちゃんは悪くないよ……悪いのは全部――――――」 京太郎「咲……」 咲「…………【あの時くらい】じゃ…全然足りなかったのかな……」ぼそ… 京太郎「えっ!?」 咲「えへへ…大丈夫。判ってるよ?京ちゃんはあの雌狐(ヒト)にいい様に化かされてるだけだから……」 京太郎「さ…咲……」 咲「あんな…穿いてない様な…はしたない雌(おんな)に付き纏われて、京ちゃんも辟易してるだろうし私も気が気でないよ……」 咲「だから―――――」 京太郎「だから……?」ごくり 咲「今度、あの雌狐と連帯責任で雌猿と…あと……」ふんふむ 咲「あとついでに雌ハムスター(ゆうき)ちゃんに、とことん【徹底的】に麻雀を愉しまさせてあげるから――――」ゾオオオッ―――― 京太郎「!!?」ビクゥ!! 咲「今度こそ…もう【みんな】京ちゃんを誑かそうなんて、絶対に思わせない位に―――――」 咲「京ちゃんが誰の恋人(モノ)なのか、みんな纏めて徹底的に思い知らせてあげるから―――――」 咲「だから……【絶対に】みんなに伝えておいてね。京ちゃん」にこ 京太郎「………………あ…ああ……」ガクブルガクブル… 京太郎(さ…咲のやつ、ほ…本気だ。ついに本気になってあいつらを潰しに―――――)ああ… 咲「アハハ…タノシミダナァ……」フフフ… 京太郎(……こ…このままだとこのサキ……雀卓に点棒の雨が降ってしまう事になるのか……?) 京太郎(そう言えば…誰かが言ってた気がする……咲の麻雀は、コイツがその気になったら……) 京太郎(点棒を削った分、その魂も同様に削ってしまうと――――――) 咲「フフフ…フフフフフ――――――」ゴゴゴゴゴゴゴ――――― 京太郎「………………………」ゴクリ… 京太郎(こんな時に気圧されてどうする!こんな時だからこそ俺がしっかりしてないでどうする!!) 京太郎(だけど……俺は…どうすればいい?憧達の為に…そして何よりも咲の為に、俺は何をしてやれる事が出来る……?) 京太郎(これから俺は…たとえ無かったとしても…それでも…その答えを見付けないといけない……) 京太郎(そしてその辿りその先で…俺は……憧達は……そして咲はどうなっているかな…………) 京太郎(俺には分からない。…………そう…こればかりは―――――――) 京太郎(神ならぬ……牌のみぞ知る…か…………) おまけのおしまい。

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