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京太郎「そういえば、松実館にはワケあり宿泊プランとかないんですか?」 宥「ワケありって……ウチにはそういう事件とかないし……」 玄「と、いうか……京太郎くんはどういう目でウチを見てるの?」 京太郎「あぁ、いや……あのっすね、見晴らしのいい旅館だけど部屋によってはボイラー室が景色を塞いでしまってるから宿泊費用を安くとか 集団客がくる前に来てもらって、鹿よけを手伝ってもらうから宿泊費用を安く……とか、みたいな感じなんですよ」 宥「ああ!そういうことなんだ」 玄「でも、ウチだと鹿も迷い込んでこないし、ボイラー室で景色を塞いでもいないから」 京太郎「んじゃ、人を集める安いプランとか作りにくいんですね」 宥「うん、そうなっちゃうね」 玄「でも、リピーターさんになってくれるお客様が多いから、ウチは続いてるし……って、なんでいきなりこんな話題なの?」 京太郎「いや、奈良に来るとご好意で松実館じゃなく松実家に泊めて貰ってるじゃないですか宿泊料もとらずに、んで気が引けてしまいまして……安い宿泊プランがあるなら、客として来たいかなぁっと……」 宥「お客様として京太郎くんが来たら、こうやって夜遅くまでお話出来ないから、このままでいいかなって私は思うけど……」 玄「そう言われると、松実館のサービスも体験して貰いたいような……難しいところだねぇ」 宥「それに、京太郎くんが来るときって長いお休みの期間で、お客様も多いから長くお部屋取れないし」 玄「そうなると、京太郎くんいつもより早く帰っちゃうんじゃ……」 京太郎「あー……そういや、旅行シーズンと被ってしまいますね……夏休みとか冬休みとか……」 玄「決めたよ!京太郎くんはお客様としてこっちに来るの禁止!」 宥「そうだね、なるべく長くいっしょにいたいから、期間短縮しちゃいそうなお客様として来るのは、いやかなぁ」 京太郎「あ、あー……じゃあ、その……今回もお世話になります」 その後、松実姉妹に両腕を絡められて顔を赤くしながら奈良を歩く少年がいました

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