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京太郎「咲、いいか?」 咲「うん。はい、どうぞ」 京太郎「おぅ……サンキュ」 咲「ん……」ギュ こうやって咲に抱きしめられるのが何回目か、もう数えきれないくらいだ 麻雀部に入部、という時点では軽くからかわれる程度だった そりゃ女子ばっかりの中、男子1人だ 仕方ないし、俺だって第三者の立場ならからかったりしただろう ただ、それはインハイでの活躍から大きく変わっていった 周りの友人や、クラスメイト達は特に変わらなかったし、むしろ良くしてくれた が、こっちが全く知らない奴ら、これが酷かった 何を勘違いしているのか分からないような内容の手紙やメールは来るし、時には不意に呼び出されることもあった 目立つようないじめ等になることはなかったが、流石に疲れた 教師に相談して、むしろ退部を勧められた時は正直どうすればいいのか分からなくなった 部や学校のために離れることも必要だ、と言った教師のことは絶対に忘れない このことに関しては話を聞いてマジギレした竹井先輩がみんなの知らないところでなんとかしてくれたが、流石にこれは堪えた 精神的に潰れそうな時だった、たまたま部室に1人で居た時、咲が来た 男としての意地や、みんなを心配させたくないとか、そんな理由で誤魔化そうとしたが、咲には見抜かれてしまった 適当に流して終わりかと思ったが、咲は予想外のことを言ってきた 咲「じゃあ……私が癒してあげよっか?」 馬鹿なことを、とかおもちがないだろ、とかいつものように返せばよかったのに、それができなかった 気付くと俺は咲を抱きしめていた 抱きしめた咲は小さくて、細いくせに柔らかくて、暖かかった 文字通り、俺は咲に癒してもらっていた それからも、辛くなったりするたびに抱きしめてもらっているが 京太郎「……なんか依存してるなー」 咲「ちょ、人をそんな危ないものみたいに言わないでよ」 ある意味どんな薬なんかよりも危ないとは思うが 最近、抱きしめてもらう回数が増えた気がする 京太郎「俺……弱くなったのかな……」 咲「え?京ちゃん麻雀上達してるよ?」 京太郎「そーいう意味じゃねーよ」 最近はすぐに抱きしめてもらっている気がする 初めの頃は、色々と堪えられなくなったら頼んでいたが、 最近はなんとなく寂しくなった時や、辛くなった時、不安になった時の度に頼んでいる 咲もそれを拒まないからか、どんどん回数は増えている ずっとこういうことを続けているわけにもいかないだろう じゃあもう咲に抱きしめてもらうのをやめるか それは嫌だ。例え和のおもちを好きなだけ揉めるとしても嫌だ 京太郎「ん?……アレ?」 どうした俺?何故おもち<咲になってるんだ? いやいやいや、おもちは変わらず好きだ。ハイルおもち でも、咲と比べたら咲の方が上? 京太郎「あ、なんだ。俺、咲に惚れてるのか」 咲「…………え?」 京太郎「…………あ」 そーいや、抱きしめてもらってるままだった カンッ!!

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